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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2001
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  アメリカン・アサシン 《ネタバレ》 
導入部のインパクトは大きくて掴みはOK。画もそこそこ重厚感があるのでイケるのか?と思ったけどだんだん馬脚を露して結局はB級作の位置に落ち着いてしまった。 CIAと中東のテロリストと盗まれた核、という構成がありきたりだし、展開の仕方がもっさりしてるというか台詞で説明しがちだし。CIAの女上司が良くないですね。造形がそこはかとなく安っぽくてTVドラマレベル。彼女を見たとたん、ああこれはダメな作品だなという予感がしました。 ラストの核爆弾の扱いに至っては、やっぱアメリカ人てこの程度の脅威認識なんだなと寒い思いがします。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-10-26 22:25:47)
2.  ANNA/アナ(2019) 《ネタバレ》 
美しくて超強い無双のヒロインのアクションもの。ベッソンの十八番だけあって、ベテランならではのこなれた脚本とカメラが流石です。 なにしろ勢いがあるので、3年で無双スパイに仕上がる逸材がヤク中バカ男のところでDVにさらされてたのは不自然に感じるとか、KGBにスカウト(!)されるきっかけが海軍応募フォームだという雑な処理等、細部はほとんど気になりません。まあいいか、という感じです。 時間軸を戻してネタバレしながら展開する話はその都度驚かされて楽しかった。マッチョなKGBとインテリCIAを手玉に取る女殺し屋という構図も小気味よいですが、三者のさらに上を行く御大ヘレン・ミレンがラストをびしっと締めたのにはシビれました。角縁メガネで旧ソ連な髪形。しょっちゅう風邪気味のKGB女上官。この造形がすごく巧い。ルーク・Eが書類を指す手を一々払いのけるんですよね。鼻をすすりながら。酷薄に見えて実は、というのが話の肝です。ああしびれる。 新星サッシャ・ルスはアクションを吹き替えなしで、との志も高く頑張り屋さんのようです。現役モデルだけあって作中の衣装の着こなしやポージングは完全にプロです。この人の顔は角度や動きや服装で別人のように変わるのですね。演技はまだ固いですけどこの顔変化の特性を女優としてどう活かすかが楽しみです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-06-09 16:33:52)
3.  アップグレード 《ネタバレ》 
‶AIが人間を支配する脅威モノ”の分野でも新しいバージョン。今作は人間を丸ごと乗っ取ってしまうのでした。そしていつものごとくやっぱりAIの方が強いのね。 ネタとしてはよくあるものなんだけど、見せ方が工夫されていてちょっと目新しかった。AIのコントロール下で超人になっちゃう主人公が、自らの意思と関係なく狼藉を働く時のパニック表情やせりふが動きと真逆でコミカル味を出してたり。動きもまた2Dのゲームみたいなんですよね。コミカルな軽さに油断していると、かなりのビターエンドに心がひっぱたかれます。 100分という長すぎない尺も観易さに貢献していますし、コンパクトにきれいにまとまっている作品と思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-27 17:55:19)
4.  アス 《ネタバレ》 
どうなのかな、終盤以降の政府のクローン実験の失敗云々ていう設定はいらなかったんじゃないかな。 ドッペルゲンガーという怪奇現象なんだから、その世界観で押し切って良いのよ。“エクソシスト”だって”オーメン”だってオカルト現象の発生のメカニズムなんて説明してない。 暗がりに4人分のシルエットが浮かぶ、その画だけで十分に怖い。でもそこがこの映画の怖さのピークでした。人外のモノかと思っていた連中が「我々はアメリカ人だ」と言い出したあたりから怪しくなり、終盤ドッペル側主人公に台詞で縷々説明された日には「はあ、そうなんですか」としか反応できませんでした。 解明できないモノに人は怖がることはできるけど、ネタバレまで用意してしまうと余程上手くやらないと一気に白けます。なぜクローンと本体の動きがシンクロしてしまうの。必ずしも100%そうではないみたいだし。とても設定が粗い。 監督の前作‶ゲットアウト”は「実は~」の部分がそれなりに説得力があったのですが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-04-02 00:23:00)
5.  アリー/スター誕生 《ネタバレ》 
4作目になる‶スター誕生”なのですね。細部のマイナーチェンジを経ているとは言っても、あまり大きな変更は施されていない印象のシリーズ。B・クーパー、なぜ変わり映えしない今作を手掛けたのだろう。ガガの出演口説き落としに成功して映画も当たると思ったのかな。 たしかにガガの歌は立派ですよ。本職だもん。だけど演出も脚本も凡庸で前作品らをなぞり返しただけですね。 初版公開の37年当時なら、女を見出し(てやった)男がやがて人気実力共に逆転されて失意のうちに命を絶つ、という図式だけで負のヒロイズムのような感興を呼び起こしたのかもしれませんが、今は女子が社会で活躍するのは当たり前だしアル中の治療も進んでいますし。 ジャックが酒に依存する原因がアリーとの関係なのか父子関係かはたまた兄との確執なのか、あちこちに悩みを散らかしたが故に悲劇の焦点もぼけてしまったように感じます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-08-10 23:38:56)
6.  アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 《ネタバレ》 
フィンランドでは誰もが知る戦争古典だそうで。かの国の「継続戦争」については、ほぼ知識なく鑑賞したのですが。戦地の実態はどの国の戦争であっても大差なく過酷で、やりきれなさのみが残るのも同じでした。 新婚の将校も若い一兵卒もベテランも次々斃れてゆく怒涛の終盤は、すぐそばで爆撃を受けたかのような臨場感といい圧倒的なリアリティがあります。 兵士目線と謳っているとおり、休暇を取って家に戻り束の間畑をおこしてまた戦地へ戻る者や、敵国の娼婦に恋をする若い兵士といった等身大の人間の心情、行いを細かく丁寧に拾っています。辛くも生き残り、帰還したベテラン兵士の顔にしかし安堵といった安らぎ感がなかったことに戦争の大きな罪を感じます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-28 23:50:31)
7.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 《ネタバレ》 
トーニャ・ハーディング、世界一お騒がせなフィギュア・スケーターの名を知ってはいても彼女の生育の荒れようは初耳なことばかりで、衝撃的な作品ではありました。 親は選べない。運がもっとも試される事象だと思うのですが、あんな鬼母のもとに生まれたのはハズレもハズレ、大外れと言わざるを得ませんな。その後の人生でDV男と何度もつかず離れずを繰り返してしまうのも典型的な暴力被害者の行動で、トーニャのプライベートは愛を乞うばかりの人生で切なくなりました。 それにしてもあの襲撃事件を起こした者たちの馬鹿さ加減には呆れを通り越して笑ってしまいます。世界のトップアスリートの周辺の人間がこんなレベルだとは。才能も努力も備わった人にふさわしい処遇のある人生であるべきだったのに。どうして。 母親役のA・ジャネイの毒親ぶりは鬼気迫るほどでオスカーも順当です。マーゴット・ロビーはスケーティングもきっとかなり上手なのでしょう。吹き替えのつなぎが分からないほどに見事な再現力です。ただやっぱり本人よりはるかに美形なので、あまり‶はすっぱ”な感じになり切れずかな、というのが個人的な感想です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-01-28 23:10:31)
8.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 
うん、「時」について色々考えさせられました。映画は中盤までは恋愛パートでコミカル、やがて人生の節目を迎え子どもの誕生と父を送るその時を経て主人公は悟るのです。「今流れるこの時間の美しいことを思おう」と。キレイにまとめやがったなあ。 時間を戻せるということは、いくらでもやり直しが効くということ。難関の試験だってオーディションだって何度でもトライ可能だし、失敗知らずの人生を送ることができますね。エグいことを考えればこの主人公だって、夫婦関係がこじれれば婚姻関係すらリセットすることもできるのです。新しい彼女と人生をやり直すことが。失敗の痛みを知らないゴーマンな人格になりかねない危険な能力ではないですかね。もちろん、主人公が決してそうはならない凡庸な性格設定のもとに作られたお話であるのですが。 ちなみに自分だったらどの辺に戻ろうかな、と考えました。でもまあ、同じ自分であるし、その都度下す選択や決断は似たような結果であろうから、結局は今現在の立ち位置と大して変わりないのではなかろうか、と思った次第です。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-09 23:14:10)
9.  アンダー・ザ・シルバーレイク 《ネタバレ》 
うわあ・・まさかの不条理モノ。正直訳わかんなくて参った。リンチだって得意分野じゃないのに。宣伝でてっきりサスペンスかと思った私は被害者。 巷間評価が真っ二つのようで。謎解きが好きな人には向いてるのかもです。基本私は鑑賞者を置いてきぼりにするタイプの作品は好きじゃないので本作を観ても喜びを感じません。 過去のポップカルチャーが積みあがった上にある現代の空洞ぶりを寓話的に描いているのかね?うーんやっぱりどうでもいいや。 まだD・リンチの作品ならば画が蠱惑的なので心惹かれる部分もあります。しかしこの作品はおっさんの糞便を映したりA・ガーフィールドにマスかかせたり、彼のガールフレンドも住居もそこはかとなく不潔感が漂い、不快です。この監督とはセンス合わないや。今後気を付けよう。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2020-06-17 23:05:27)(良:1票)
10.  ANON アノン 《ネタバレ》 
んーつまんなかった。視覚を監視されてしまうプライバシーの無い社会って、それはそれは恐ろしいことなのに話に生かし切れていない感じ。今見えているリアル視覚も昔の記憶もごっちゃになって扱われてるのも腑に落ちない。思い出って視覚情報とはまた別だよね? それに映画としての見せ方も良くない。他者の脳に侵入するのなら何かの装置があった方が分かりやすかったのでは。向かい合っているだけで第三者の記憶を相手に転送できるって・・便利すぎる。さらにハッカーの娘は他人の記憶も面談するだけで上書きできちゃうのだ。この画ヅラのつまんなさ。座ってるだけかい。 こんな超人的な技巧がアリだとされている話になんのカタルシスもテーマも見出せない、とはお粗末。 殺しをやってた真犯人は「アンタかい」って程度で驚きもなく、国家権力をも翻弄するほどのハッキング能力を持つ彼女のその理由といえば「知られたくない秘密がないから」とか禅問答なオチ。突き放された私。 伝達能力(見つめるだけで壁が突如スカイプ状態になるとか)が物凄く近未来SF感なのに、やたらと多い性行為場面はアナログそのものなことにも失笑。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2020-04-02 00:10:26)
11.  アンストッパブル 《ネタバレ》 
今さら暴走列車モノかあ、しかもこのストレートなタイトル、と期待値は低かったのですが、これがもう観始めるとペンシルバニア周辺の住民と同じくらい緊迫しました。無人の貨物列車が暴走するだけのシンプルな話ながら、そのヤバさをリアルに伝えるスコット監督の手腕は只事ではないです。「速さ」に「怖さ」をプラスさせるにあたっての、踏み切りに立つ女の子の前を風を切って過ぎるデカイ車体や連結の衝撃で飛び散り雨あられの如く降りかかる穀物の粒といった目に見える演出は効果抜群でありました。 特に最初の作戦失敗の画は、人間が人形のように車体に弾かれるショッキングなものですが、これがすごくリアルで「ああそりゃそうなるよ」と頭を抱えてしまいそうになりました。さらに状況は悪化し、大曲りに入ってかしぐ777号が弾く鉄路の火花はこちらのメンタルを追い詰めるのに充分。いやあもうおっかない。  と、緊迫映像で魂を抜きにかかったスコット監督なのですが、織り込んできた人間ドラマ部分はちとベタでいらんかったのでは、と思いました。よくある夫婦の危機と忘れてた子供の誕生日。なぜアメリカの子供はいい年になっても親に誕生日を祝ってもらいたがるのだろうか。そしてたいてい高確率でその日を忘れる父親。 でもまあ列車停止と同時にすっとエンディングを迎える潔さは好みです。良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-10-23 00:24:23)(良:1票)
12.  雨の日は会えない、晴れた日は君を想う 《ネタバレ》 
人の心ってのは難しい。いやわかりますデイヴィスの気持ちはなんとなく。おそらく彼はずーっと抱き続けてきたのでしょう違和感を。結婚生活に対して、そしてあてがわれた仕事に対して。だって彼は生来「正直が売り」(知人談)の人なのだから。 やり過ごしてきた日常が突然破壊され、どこに自分の心を置いていいのか分からなくなる。だから彼はいったん解体する。モノを。突き詰めれば自分の心を。もう一度構築するために。 なんて感覚の鋭敏な人だろう。彼は義父母のように「普通に」妻を追悼することができない。だって彼らのやってることは欺瞞だもの。義父母の娘は彼らが思いたいほど清廉ではなく、事実デイヴィスへの裏切り行為が最悪の形で発覚するし、ついでに義父の選んだ「人格品行方正な」奨学生は初対面のナオミ・ワッツに手を出す最低野郎だというシマツ。ああなにもかもが嘘っぱち。 だからデイヴィスは壊すのだね。ぺかぺかの居間を、豪勢だけど空疎な家を。 心バランスを失って「変人」すれすれの行動に及ぶ主人公はジェイク・ギレンホール。彼はこういう役をやらせると天才的に上手い。 デイヴィスと心が共鳴し合う15歳のナオミの息子を配したのは心憎い脚本でありました。映像もキレイです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-05-30 17:35:00)
13.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
凄惨な戦場での体験が退役後も兵士の心を蝕むというテーマの作品はこれまでいくつも観てきました。主人公らは皆心を再生不能なまでに壊され、その再起のいかに困難なことかを思い知らされるものが圧倒的に多かった気がします。 本作の主人公カイルは伝説のスナイパー。160人を殺めてきた彼もPTSDに悩むことになりますが、回復がかなり早く描かれているのにちょっと驚きました。このことは彼が幼少の頃から受けてきた「番犬であれ」という教育が大きく影響しているのかなと思いました。番犬たること、「悪」である狼を退治することは神の意に添った「善」である。この岩のような信念がカイルをして「人殺しの理由を神に説明できる」と言わしめ、心の回復を早めたのでしょう。そしてこの「米国は世界の警察」な意識はアメリカ人の平均的な考え方であるとずっと感じてきたことでもあります。自らの価値観を善だと信じ、他国の紛争に手出し口出ししてきた結果、大使館爆破も9・11も誘発したのだとは彼らは考えない。同胞が攻撃されている、そのショッキングな映像に奮い立ち、戦場に自ら向かうクリスは極めて普通の感覚のアメリカ人です。 しかし非米国人の私は、他国の兵士に家に踏み込まれ、あげく凶暴なテロリストらに蹂躙されるイラクの一般市民の痛みの方に強く共感します。戦地で生きる市民にとって、禍の度合いはテロリストも米軍も大差ないのだよと冷徹に描かれており監督のフラットなバランス感覚がうかがえます。 けれど人間が戦場で心を喪うということ、その惨たらしさについてはイーストウッドといえども同テーマの他作品より抜きん出ているとは言い難く、平均的な出来の作品と思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2019-03-16 15:17:32)(良:1票)
14.  アンフレンデッド 《ネタバレ》 
全編パソコン画面で話が展開するという新手のアイデア、いかほどの評価を受けたのでしょう。いやあー、やっぱり観づらかった・・。衰え気味の動体視力にとって左右下方に振られる字幕はキツく、さらに発言者が誰なのかは目をこらして小っこい文字を読み取らなきゃならない。ここら辺の作業に使うエネルギーはけっこう馬鹿にならなかった。 全く奥行きの無いパタパタと切り替わるウィンドウと文字と音声。「顔」だけで構成されているわりに、ストーリーは分かりやすくはありました。知らない連中のグループトークを聞かされてるだけなんだけど、各々の秘密を暴露させてゆく展開は、盗み聞きをしているかのような下世話な好奇心をくすぐります。 とはいえ、本筋がつまらないと小手先の演出ではどうにもなんないわけで。結局人が順番に死んでゆくのは常道な展開で驚きはありません。怖かったのはアメリカのティーンエイジャーの底意地の悪さぐらいなものでしたな。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-03-05 23:47:43)
15.  アリスのままで 《ネタバレ》 
ジュリアン・ムーアが迫真の演技ゆえ、見ているこちらはとても辛かった。思い出せない苦しみ、自分が壊れてゆく恐怖、社会にとって有用でなくなることへの絶望。目の輝きすら徐々に失ってゆくアリス、見守るだけのわたし。苦しい。 観客に苦痛を与えるだけでは映画作品にはならないわけで、監督はお話の軸を主にアリスと次女との関わりに持ってきています。次女はエリート一家の中で一人だけ毛色が違い、キャリア重視のアリスとも水と油のよう。だけど、日常が一変してからは徐々に距離が近くなる、その描写の一つ一つが印象的です。アリスがスピーチの原稿を床に落としてしまう場面。見てるこちらは「うっ」とひるみます。黄色いマーカーのチェック虚しく、同じ箇所を「二度読み」してしまうのではないかと。結果そうならず、感動的な内容のスピーチになるのだけど、もうひとつ気付く仕掛けになっています。ああこれは先だっての次女の意見を取り入れたのだな、と。専門的な話は抜きにして、自分の今の気持ちを語った方が良い、と言っていたリディアを尊重したのだと。 病魔と闘う家族の姿を、飾らずリアルに描き実直であるとは思う。ただ、私は個人的にはアリスに自分の人生の幕を下ろす権利を渡してあげたかった。ここはこの脚本と意見の合わないところで、点数もつけづらいのだけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-16 17:48:28)(良:1票)
16.  アントマン
これ、面白かったです。小っちゃくなったら世界はこう見えるとか、アリを味方につけるとこんなことができる、といった想像の世界を驚異のCGテクノロジーで楽しませてくれます。 まさかの出演M・ダグラスが活き活きと仕事してまして、脇キャラの息抜き的な余興も楽しくて笑いました。 ポール・ラッドは実に平均的なアメリカン男性の顔立ちでヒーロー顔には遠いんだけども、その分彼の普通さに親近感がわきまして、となりのお兄ちゃん型ヒーローとして成功してると思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-10-01 01:01:48)(良:2票)
17.  あしたのパスタはアルデンテ 《ネタバレ》 
市井の人々の人生を見守る視線の温かい、イタリア映画の真骨頂。喜劇なので身構えなくても大丈夫。 まあなんと全員キャラの立っていることか。人数はけっこうたくさん出てくるけど、まず見間違えることも忘れることもないアクの強さである。工場経営主の跡取り長男が投下した爆弾発言に卒倒するほど取り乱す父親。しかし実はそれ以上に出し抜かれたショックの強い次男坊、とオモテと裏の問題二本立ての創業家。お家騒動は笑って観ていられますね他人だから。 お父さんはやりすぎなほどコミカル。遊びに来たゲイの友人ご一同のくだりは抱腹絶倒。筋肉隆々のメンズ5名と女の子1人がビーチで戯れる。しかし彼女は絶対的に「安全」でありまして、なんだこの珍しいシチュエーション。 あはは、と笑って観ているさなかに、時折ちょっぴりほろ苦い感情も挟まります。彼女が共同経営者の次男に寄せる決して叶わない想いであるとか、ほんとの恋を諦めたお婆ちゃんの昔のエピソードとか。このあたりは人間観察力の優れたイタリア映画ならでは。 過去から現実へと時間がキレイにスライドするラストシーンは見事でした。 タフでめげない、愛のある人たちから元気がもらえる映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-13 00:30:28)(良:1票)
18.  アデル、ブルーは熱い色 《ネタバレ》 
主演の二人が大熱演、アデルは全裸も鼻水顔も厭わないし、レアはこれまでの役柄とは180度違うレズビアンの男役をひるむことなく演じきり、実力のほどを思い知らしめた。ボンドガールにしとくのは勿体ない。ものすごく熱量の高い本作、恋情がぐいぐいと迫ってくるので心に火傷をする人もいるかもしれない。 ただ、現代フランスにおけるセクシュアルマイノリティの二人を取り巻く環境はかつてほど厳しいものではないみたい。ゲイカップルであることは極力秘密にしなくちゃ、といった社会の制約のようなものはあまり感じなかった。だから個人的には、この話を男女間のそれに置き換えても全然いけるし、むしろそっちの方がキャストによってはぐっとくるかもなあ、と思ったり。 みっちりと人物の心情に寄り添い、粘着質なまでに描きこんだ制作意欲には敬服するけれども、たとえば自宅パーティでのアデルとゲストとのやり取りや、アデルの職場の光景(それも多数)などあんなに必要だろうか。おかげでこの長尺、私はちょっとダレた。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-01 00:20:21)(良:1票)
19.  アドミッション 《ネタバレ》 
ティナ・フェイが好きなので観始めたけれど、徐々に展開に疑問を抱いてしまって後半はほぼ不快になってしまった。色んなことがおかしいんだけども、一番の問題は女主人公の「親というもの」への捉え方がてんで甘ちゃんでなっちゃいないことだ。親だからこそ、我が子を不正までして入学させちゃいかん。あの男の子はプリンストンなんかに入ったら間違いだと思うよ。授業レベルについていけないでしょうよ。ポーシャ以外の面接のプロたちが軒並み不合格とした、その判断はやはり正しいと思う。 しかもこれが実は赤の他人の子でした、とは笑えない。さらになぜか突然親としての責務に目覚めたポーシャは18年間抹消扱いしていた里子に出した実子に連絡を取るシマツ。アンタ何やってんだ。自分のファンタジーに酔って人の人生にずかずか踏み込んで。その上、知人の子供の親にもなろうとしてるんだ。親ってのは思いつきでぽっとなれたりするもんじゃないんだけどなあ。あまりに安易で想像の足りない脚本に感じる。 副邦題もちょっとズレてるな。「アラフォー女子の人生に起きたこと」あたりが適正ではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2016-03-25 23:57:14)
20.  アジャストメント 《ネタバレ》 
M・デイモンとE・ブラントは好きな俳優さんだし、演技達者の二人は本当に仲良く幸せそうでしたので最後まで付き合うことはできましたが。(どこでもドアは観てて楽しいし) どうもストーリーが締まらんですなあ。自分の生活が何者かに操られているなんてオソロシイことですよ?でもマットに悲愴感は無いしあちら側の連中も人間ごときに裏をかかれるユルい仕上がり。帽子と水がキーポイントっていうのも妙にお手軽だ。 ルネサンスだの産業革命だの、人類の歴史に多大な影響を及ぼす力のある存在が一個人の恋愛沙汰に口を挟むのも変だよ。大統領候補の恋人がダンサーならなぜあかんの?口うるさい親父か。 それに一回目の出会いは彼らがセッティングしたらしいけど、あのシチュエーションは奇抜すぎて最後までいらん混乱を観てる者(=ワタシ)にもたらすな。他人の結婚式に無断で忍び込んで男性用トイレに潜んでいる女ってすごく変じゃないですか。エリースには絶対何かある、と思っちゃったもん。帽子天使らの人間感覚とのズレの成せるワザなのか?
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-01-05 23:09:11)
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