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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  グレムリン
製作総指揮がスピルバーグで、当時はその名前の牽引力は強く、それが全然スピルバーグの世界と違うところにいろいろ発見もありました。全体ヒステリックな感じ。ネバネバドロドロ志向。とにかく気色悪さのほうを選ぶ。ジュースにしちゃったり、電子レンジでの爆発とか。プールでの大増殖から乱痴気騒ぎになるのはスピルバーグも好きだが、こっちは陰性の活気なんだ。騒いでいるのが小悪魔なんだから仕方ないんだけど、ヒステリー志向と関係あるんじゃないか。ディズニーの「ほのぼの」からはずいぶん遠くまで来たなあと思い、こういうのが悪いと言い切る自信はないけど、ヒステリーの忘我状態を楽しむ・暗いはしゃぎの世界ってのはその後増えましたな。スクリーンを引っ掻いてやってくる一瞬は面白かった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-07-29 09:33:42)
42.  グリーン・カード 《ネタバレ》 
本当は夫婦でない二人が、出会いから結婚して現在に至るまでの来歴を作っていくあたりがミソ。スキー抱えた写真やら、アフリカとの間で往復した手紙やらを捏造しつつ、その歴史を追体験するように、だんだんその気になっていってしまう。まず多民族の都市ニューヨークをスケッチして始まり、入国管理の非人間性を描いた社会派映画でもあるわけ。ラストもニューヨークに住めぬ二人はフランスで落ち合うことを暗示して、これがオーストラリア人監督の見たアメリカ。自然保護運動を絡めたのはちょっとうるさかった。パーティの席でピアノを弾かねばならなくなったときの切り抜け方が楽しい。二人に愛が生まれるまでの間に、もっと何度も揺り戻しがあっていいんじゃないか。面接室へ走るとき、公園の中のグリーン地帯をたっぷり通過させる趣向。自然を通って、喧嘩した二人も浄化され、愛は蘇るのよ。
[映画館(字幕)] 6点(2013-07-18 09:22:42)
43.  クリスタル殺人事件 《ネタバレ》 
最近ニュースで風疹流行のことがしばしば語られ、この映画をぼんやり思い出していた。津村記久子の新作読んでたら、この映画の原作についてちょっと触れた部分があった。何か周囲からさかんに促されているようで、レビューを書いとこうと思った次第。あのころクリスティの映画が流行って、だんだん粒が小さくなってきたころの一本。私は名画座で『殺しのドレス』の付き合いで見ている。いまキャスティング眺め、一昔前のスターをそろえた「あの人は今」的な興味狙いの映画だったのかと思ったが、ともかく私が初めてリアルタイムでエリザベス・テイラーを見た作品だった。このオバサンが昔の絶世の美女だったのか、と眺めた。何が起こっていたのかを了解する場面での彼女の透明な瞳に、かつてのスターの凄味を見た気がし、おそらく彼女にとっては本作なんかで思い出されても困るだろうが、私にとってはE・テイラーというとけっこう思い出される映画になってしまった。ロック・ハドソンの演技などしっかり一昔前のもので、おそらくそういう味を狙った映画だったのだろう。ブラックなところもあるが、イギリス式ユーモアで、女優同士のののしり合いなど、まあまあ楽しめた記憶。殺人の動機がユニークで、それが印象に残っていた。妊娠している方の周辺では風疹にご注意。
[映画館(字幕)] 6点(2013-03-12 10:07:25)
44.  唇からナイフ
マンガを一流の役者・一流の監督で映画化する、ってののハシリか。ポップな感覚。壁の模様なんかはいいけど、演出のほうはシラケ気味。ラストのアラブの騎馬軍団の疾走と甘美なラブソングの交錯のみ、色褪せずにイキイキしていた。役者ではモニカ・ビッティはよくやってたけど、『ベニスに死す』ダーク・ボガードと『コレクター』テレンス・スタンプは浮いてた。とりわけ後者。こういう役者たちをパロディで使うってアイデアは悪くないのに、残念、外れた。当時観てればパロディとしての力がより感じられたのかも知れない。スパイ映画のいい加減さを笑う、って。でも007のほうはいま観ても面白いのに、それを笑ったパロディのほうはいま観るとつまんない。パロディの哀しみ。イギリスという国では、こういう喜劇ができないと一流監督と思われなくて、J・ロージーが慣れないのに一生懸命やってみた、って感じもある。
[映画館(字幕)] 6点(2011-11-08 09:59:01)
45.  クライング・ゲーム 《ネタバレ》 
「男が女を愛するとき」に乗って寂れた遊園地に入っていく導入よし。でまあ、だんだん犯人と兵士の間に友情が生まれてくるのが前半の見どころ。男と男の信頼いうか、自分を乗せた蛙を刺すサソリのたとえも意味深。秋の森のなかの疾走、友人同士のたわむれのようでもある。で後半、前半が男と男の心が打ち解けていくのを見せたのと対になるように、男と「女」の心の打ち解けあいを見せていく。兵士の影。しかし次第に性の混乱がドラマを濁らせてきて、彼女を男装させ、というか、彼を男装させ兵士の服を着せ、これはあの兵士への贖罪ってニュアンスがあるのかな。なんか私にとってはつかみ所をつかみ損なってしまった映画で、あの一点にポイントが掛かった作品に見えたが、脚本賞を獲ったというんだから、なんかもっと深いんだろう。しかしもう一度観賞というほどの魅力は感じられなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2011-10-07 10:26:14)(良:1票)
46.  クヒオ大佐 《ネタバレ》 
政治的なアメリカコンプレックス風刺の大枠を設定したため、観てるほうが方向づけされてしまって、せっかく俳優たちは好演しているのに膨らんでくれない。堺雅人のキャラクターを生かし、前半はひたすらうさんくさく、後半はそれに卑小さも交えて、クヒオを見てるぶんには楽しい映画。とりわけ見抜かれているにも関わらずたどたどしい喋りを崩さない後半のおかしさ。キョトンとした目がいい。あるいは見抜かれて自分の過去を話し出しても、また嘘が入り込んでくる映像と言葉との乖離のスリル(ここでレストランでの暴発の理由がわかる仕掛け)、と部分的にはより膨らんで受け取れる部分もあるのに、逮捕時の幻想で内野聖陽が出てきて、また政治レベルに縮小されてしまう。もちろん、大きなアメリカコンプレックスの一部分として政治を描いているのだろうけど(強請られてわざわざドルで払う)、最初と最後の両端にブックエンドのように重々しく政治を立てられると、それを越えづらくなってしまうのだ。それにしても、たどたどしい日本語って、なんであんなにうさんくさく聞こえるのだろう。これを詰めるほうが面白いテーマじゃないか。
[DVD(邦画)] 6点(2010-09-04 09:49:41)
47.  空気人形 《ネタバレ》 
最初は「人形の家」を人形で描く現代版か、と思っていたが、もっと広がって現代人一般の空虚がテーマらしい。心のうつろさ・常に誰かの代理であるむなしさ、みたいなもの。それは何となく分かるんだけど、広がりすぎて焦点を結べなかった印象も残る。周辺の「いろどりの人々」が、ちょっと作者の「ひとり呑み込み」的で、とっ散らかった感じになった。個々をもう少し明晰に描いてくれてもよかったんじゃないか、こっちの集中力が弱かったのかも知れないけど。他人に息を吹き込むことと、ろうそくの火を消すこと(生まれたことを祝うこと)という二つの息吹が重なるラスト。心の空虚を互いに満たし合おう、といったメッセージを読み取れる。青年が何の迷いもなく空気人形を受け入れるとこは感動した(破れの修理)。しかし、ビデオ店の店長(人形であることにも気がつかない)や、もとの持ち主(心を持ったことに戸惑う)との対応の違いに、ファンタジー内のルールがあることはあるらしいが、そこらへんがもひとつクッキリしてくれない、どうもルールを十分呑み込んでないスポーツを観戦しているようなヨソヨソしさが、最後まで残った。空気を注入されてあえぐ、ってのでは『田園に死す』の春川ますみの空気女のほうが先輩、あれもよかったなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-08-10 09:56:59)
48.  蜘蛛女のキス
話の本筋よりも、中に出てくるナチ映画の印象が強く残っている。善玉としてのナチ、悪玉としてのレジスタンス。そういう設定ってのは観たことがなかったんで、ああそうか、ナチの側からすれば、こういうのいっぱい作ってたんだなあ、と実に新鮮な驚きの面白さを味わった。といって「歴史は相対的なものでなんでもアリなのだ」と思ったわけでもなく、「ナチが正しかったかもしれない」と説得されたわけでもない。ただけっこう深いところで自在感を味わえ、私の中で貴重な体験となった。でも映画でそういう体験をすることはときどきあり、『国民の創生』には善玉としてのKKK団が出てきた(実は映画ではぼやかしているが「風と共に去りぬ」の原作にも出てくる。主要登場人物の某が後半善玉のKKKとなって、読んだときはビックリした)。その点日本の国策映画はあんまり「敵」に興味がなく、いかに日本の兵隊さんが苦労をしてるかってところがポイントなんで、そういう驚きはあんまりない。『支那の夜』には怪しげな抗日運動家が出てきたなあ。おっと脱線。で、このことと映画『蜘蛛女…』のモチーフの「裏切ること」ってのとどう関係があるのか、私には分からなかったけど、「思想」というものの不確かさってとこで何か通底していそう。スパイとスパイダーって、語源的になんか共通してるのか。
[映画館(字幕)] 6点(2010-05-30 12:06:28)
49.  雲の中で散歩 《ネタバレ》 
労働シーンが生き生きと描かれる映画は、このころではもうかなり珍しくなっていた。もっともこれはどこかノスタルジー的であって、理想化された労働の姿。現代の諸問題の解決にはならないが、一つの基準を提示してはくれる。かつて家庭と労働と社会とが、過不足なく絡まりあっていた時代があった、と。『赤い薔薇ソースの伝説』のときと同じ、黄濁した画面。室内もいいが、海沿いの道路の場など大変美しい。この愛の解決の仕方はアステアの『有頂天時代』をちょいと思い出させた。こういう解決に至るドラマって、好きなんです。好きな男優二人が出てて、ジャンカルロ・ジャンニーニが怖いお父さん、アンソニー・クインはカドが取れたいいおじいさん。まだ遺作じゃなかったのか。
[映画館(字幕)] 6点(2010-04-02 11:59:40)
50.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
最初はただ人物像を出すため程度の設定と思っていた朝鮮戦争の戦歴が、東洋人への複雑な思いの源と分かってくるあたりの厚み。この結末は彼にとっての東洋人に対する決着だったんだな。元ダーティ・ハリーにしては考えた結末かも知れないが、ちょっとかっこよすぎないか。服を新調し、懺悔を済ませ、まるで唐獅子牡丹が流れ出すような気分。仁侠映画ならそれでもいいが、現実的な市井の映画と思って観ていたので、このかっこよさは素直には味わい損ねた。かっこいいってのは、ちょっと間違うと、あのチンピラ連中と同列になってしまうもので、もっとみっともなくていいから、ニコニコ笑って終わらせられる手立てを講じてほしかった。でも考えてみればイーストウッドの映画なのだから、悲劇に傾斜するのは予想していてもよかったんだ、ガンコ老人ぶりのユーモアにうっかり忘れてしまっていたのだった。ただそのユーモアも、“男の訓練”を床屋でさせるとこなんか、私はそれほど笑えなかった。たぶんああいう男同士を過剰に誇示した付き合いってのが、こっちが苦手という個人的な理由によるのだろう。その彼らの古風さをも笑ってるシーンであるのは分かるんですけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-21 12:01:33)
51.  鞍馬天狗 鞍馬の火祭 《ネタバレ》 
前作のラストで江戸へ走っていった鞍馬天狗が、舞台を変えてどんな活躍をするのか、と思って観たら、長州から帰ってきたところだ、って言って京都にいるの。そうか、そういう世界なのか。毎回完結で前作を引きずって観てはいけないのだった。ひばりは冒頭で天狗のおじちゃんを探しに長州へ歌いながら旅立ち、ラスト近くなって歌いながら戻ってくる、と出番は少ない。いろいろ仕事が忙しかったのだろう。それでもタイトルではアラカンの次に並んでいるのだから、当時の人気の凄さが分かるというものだ。ひばりファンは出番の少なさに、金返せ、と怒ったであろうな。そのかわり別の子役が歌を歌って人気を取ろうとしていたが、全然華のない子だった。でも活劇としては、前作のような山田五十鈴との恋模様がない分、良かったのではないか。行列を崖上から見下ろして登場するあたり、西部劇のノリで、馬が走るとそれだけでワクワクする。能楽堂での対決もリアリズムを離れてファンタジックな面白さ(順々に襖が閉まっていく)、庭での乱戦に移って、最後は川の流れから子どもを救うと盛りだくさん。恩師の牢獄からの救出、親王派公家の処刑寸前の救出と続き、悪玉から岸恵子を救い出す火祭のラストへと雪崩れ込む(火祭は10月22日の今日)。そりゃ、斬り捨てようとしていたひばりを次のシーンでは丁寧に縛ってて、行方を天狗に教えられちゃう、といった悪漢の側のトンマぶりには脱力させられるものの、まあこの悪玉、屈折したキャラクターだったから、それもいいではないか。
[DVD(邦画)] 6点(2009-10-22 12:11:40)
52.  クロッカーズ
死体死体死体の写真で始まる。ヤクの売人が胃弱ってのがおかしい。自分ではヤクをやらない代わりに、チョコナントカの中毒で胃弱になってるという設定で、文字通りしじゅう「ムカついている」。殺気立っている日常、いい子でいることが困難な雰囲気がひしひしと伝わってきた。一人一人が立ち直ろうと思っても、とうてい個人の努力では無理なのが分かる。チクリ屋と思われるのが一番怖く、そのためにさらにツッパってるとこを誇示しなければならないわけだ。死体のまわりで刑事が不謹慎なことをしゃべり続けるあたりも、実に日常らしい。この人の映画でときどき見せる滑らかな前方移動、台車にでも役者を乗せて運んでいるのか、あのヘンな感じ、非現実感を出したいのかよく分からないけど印象には残る。タトゥーロは、わざわざ彼が演じている意味がなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2009-09-07 09:16:01)
53.  クライマーズ・ハイ(2008) 《ネタバレ》 
ブン屋もの、ってのは、ちょっと前までは社会派映画の定番で、輪転機が回って大見出しが斜めに飛び出してくるシーンをよく目にしたものだったが、なんか久しぶりに輪転機を見た気がする。事故だ! さあ大変だ! と沸き立つ感じはやっぱり浮き浮きし、あの場に音楽を入れなかったのも正しく、こっちにまで興奮が伝わってくる。他人の不幸で堂々とイキイキできる職場だ。なのにその後、脇筋がチョコチョコと入り、これがせっかくの興奮を薄めてしまう。脇筋が絡むと主人公も暇そうに見えてしまう。いちおうそれらの脇筋も地方紙の職場をよりよく見せてはくれるんだけど、煩雑になり、そういうのは時間がたっぷりある小説にまかせておけばいい。職場内だけに話を絞る勇気が欲しかった。他社より早くスクープを押さえる、というブン屋のルールがはっきりとあるのだから、そのルール上で映画を勝負してほしかった。記者がノイローゼになるまではルール内の出来事だが、それを車に轢かせるとなると、やはり脇筋への脱線だ。現代編の山登りも、当然話の腰を折る。俳優ではでんでんが好演で、地方紙の職場はこんな人物が支えていそうだ、というリアリティがあった。彼は去年は『母べえ』の町内会長でも良く、ここんとこ大当たり。
[DVD(邦画)] 6点(2009-06-13 12:04:11)
54.  ぐるりのこと。
一方に20世紀末の世間を騒がせた事件史があり、一方に無名の夫婦の歴史がある。でもこうして裁判所での事件を並べてみると、個性的に見えたそれぞれが同じ「社会からの逃走」という病いの別の症状の現われに見えてくる。また、妻の母に認められるまでの夫婦史を眺めていると、世の夫婦というものは同じようでいてそれぞれの特殊を生きてるんだな、と思わされる。普遍と特殊がスルリスルリと交替しあっているような世界観。それらを貫いているのは「人生から逃げない」ということ。別に歯を食いしばって抗うことでなく、柔軟に、しかし逃げないということの大切さ、そんなテーマの周辺を回っていたような気がする。「とにかく面倒なことからは逃げよ」という人生訓を守って生きてきた者にとっては、粛然とさせられる。法廷スケッチという一日だけ有効な絵と、寺の天井画という永く残る絵、でもそれらが等価に支えあって夫婦になっており、また社会が成り立っている、そんなことを見ながら考えていた。夫婦のいさかいなど、長回しで場の雰囲気をそっくり捉えるところが、うまさ。ただ親戚連中は、時代の変化を見せるために動員されたような感じで薄っぺらい。それと天井画ってのがやや唐突だったような。
[DVD(邦画)] 6点(2009-05-29 12:07:23)(良:1票)
55.  グリム・ブラザーズ/スノーホワイト(1997) 《ネタバレ》 
ホラーとしての童話。一つ一つのモノが象徴性を帯び、あれこれと深読みを誘う楽しみはある。鏡とは? 森とは? って。芯にあるのは、つまりすべて嫉妬。娘の継母への、後妻の先妻への。S・ウィーヴァーは、極端なキャラクターにしてしまわずに、よくやっていたのではないか。七人の小人がハイホーなんて歌う陽気な連中ではない。王子さまが毒リンゴの後でやけに早く到着したかと思ってたら、こいつはダメで、七人の小人のリーダーがその役になる、というヒネリがあった。ディズニーの『白雪姫』の後半の物足りなさに対するアンサーというか、現代的解釈なのでしょうな。旦那は自分の足で探せ、旦那と同じく顔に傷を負って得よ、と。この旦那に連れ子の女の子がいるとオチになるのだけど。
[映画館(字幕)] 6点(2009-03-23 12:00:40)
56.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 《ネタバレ》 
隠れた天才もののファンタジーの味と、心の回復物語とが、うまく噛み合っていないような気がした。そもそも精神的なものの対極にすぐ数学を持ってくるのが安易だと思うのだけど、まあ人生に対する臆病さってのが、基本的なテーマとしてあって、そこらへんで統一感はある。親友との場はいいな、おまえと会うのは楽しいけど、いつかいなくなることを期待している、って。でフトいなくなって、微笑を浮かべ車に戻り、するといつも後ろの席の奴が助手席にまわってくる。仕事に貴賤はない、人は平等と言うけれど、そうも言い切れないところにこの世の活力は生まれているのかもしれない。若者らが集まってバカ話をしているあたりの雰囲気がよかった。あとガールフレンドのミニー・ドライヴァーが、カラッとしていながらちゃんと女でもあっていい。
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-10 12:12:44)
57.  クローバーフィールド/HAKAISHA
せっかくの趣向を生かしていない。最初のほうの混乱なんか、けっこう臨場感があって期待できたのに、しぼんでいく。物語を語り出してしまうからだ。友情物語やら救出物語やら、既存の“物語”に寄りかかって“記録”の視線を忘れてしまう。記録の目に徹する自信が作者になかったのだろう。カメラはこういう異常事態なら、とにかく怪獣を捉えようと懸命にならなければならないはずだ。それを友だちばかりに向けている。軍の発砲からパンして怪獣にカメラを向けるってのは、新米素人カメラマンのそれではなく、劇映画のカメラマンの動作である。一生懸命対象を見ようとして、それでもよく見えない、ってところにサスペンスが生まれてくるので、最初っからカメラが効果を狙って控え目なのでは、おののきたくてもおののけない。軍の前線基地みたいなところに入っちゃうのも、よくない。事態をまとめる視点を排除して、とまどいの視点に徹しきらなければ。さらに言えば、俳優の演技の質がもろにドラマのそれで。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-16 12:10:25)
58.  クアトロ・ディアス 《ネタバレ》 
いかにも中産階級の坊っちゃんたちの革命ごっこのように始まる。射撃訓練など、部活のノリ。しかし抽象的だった“敵”がしだいに具体的となっていくにつれ、彼らも闘士の顔になっていく。一番ヤワそうなのが、筋金入りの革命家に憧れていくのもいい、話としてはさして発展してないが。周囲も描けていて、拷問者も単なるサディストではなく、そのことによって心にうつろを抱えていたりする。大使も、恐怖で失禁しトイレでさめざめと泣くシーンなどいい。どれも人間らしい人間なのに、政治がからむことで非情になっていく世界。「けっきょく君たちは軍事政権の対極のようでいて、よく似ている」って言葉が重い。
[映画館(字幕)] 6点(2008-10-27 12:05:21)
59.  グラディエーター
興味深かったのは、剣闘士による歴史の再現劇いうとこ。そういえばギリシャ劇でも昔は、戦闘の殺戮シーンでホンモノの人間を使ったっていうのを聞いたことがある。これの思想を広げていけば、戦争のテレビ中継を期待する大衆論につながっていくだろう。でもこの映画はそういう大衆をそれほど批判してはいなくて、後半はその大衆の支持が主人公の補強に使われている。この大衆の浮気っぽさを織り込めばもうちょっと味わいが深まるのに、ここらへんが大衆相手のハリウッド映画の限界か。ラッセル・クロウよりホアキン・フェニックスのほうがもうけ役で、「なぜ父上は私にない美徳ばかりを挙げるのか」なんてあたりのコンプレックスぶりがいい。しかしあの皇帝の最期も、なんかマヌケだったなあ。
[映画館(字幕)] 6点(2008-09-28 14:42:02)
60.  クロッシング・ザ・ブリッジ~サウンド・オブ・イスタンブール~
最初のほうのトルコのバンドの連中、東洋と西洋の融合とか立派なことを言ってるんだけど、やってる音楽はおおむね西欧音楽の和音やリズムにオリエント風味を付けたもので、モーツァルトのトルコ行進曲の異国情緒と五十歩百歩。ヒップポップやブレイクダンスと、いまや世界中どこでも同じ光景になってしまった。やたら唇が動くトルコ語のラップは聴き応えあり。でもだんだんロードムービー的に進むにつれて、音楽世界が深まってくる。それが純粋なトルコ音楽に向かうというより、トルコ音楽と他の音楽との接点に集中していく。ジプシー音楽、クルドの民謡、アラビア音楽としてのトルコ音楽たち。純粋な伝統ってあるのか、そもそも文化とは不純な融合によって発展したものじゃないか、ってことをこの後半で言ってるみたい。そう思うと前半のバンドたちの音楽も、その中途半端さの意義を認めてやりたくなる。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-08 12:14:55)
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