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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2384
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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21.  ボーン・アイデンティティー 《ネタバレ》 
このシリーズは始めから三部作で撮る計画だったので、一作ごとに過不足なくアクションが詰め込まれているから私は好きです。ジェイソン・ボーンのアイデンティティに拘った本作では、殺し屋とボーンの対決に的を絞って謎はほとんど残してるので次作も観たいという観客の欲求を狩りたてるような上手い終わり方でした。 マット・デイモンにアクションさせるというキャスティングも絶妙です。セガールのようなプロもどきの格闘達人じゃないので絶妙なカメラワークとカット割りで大胆に肉弾アクションを構成していて、実にこれが説得力ある画になっているんです。ボーンがあまり銃を使わないところも渋い。でも送り込まれる殺し屋は意外と弱くて、クライヴ・オーウェンの呆気ない最期にはちょっと唖然でした。カーアクションも他の二作に比べるとおとなしめでしたが、ミニという車の特性を最大限に活かした撮り方ですね。 それにしてもCIAという組織の悪辣ぶり、自分たちはラングレーの本部から動かず、スイスやフランスの警察をまるで岡っ引きみたいにこき使うって、どこまで実態を反映してるのか判りませんが凄いですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-03-01 20:02:31)(良:1票)
22.  ポール・ヴァーホーヴェン/トリック 《ネタバレ》 
ポール・ヴァーホーヴェンと言えば、撮影中に拳銃をぶっ放したサミュエル・フラーと同じ様な無茶苦茶な映画監督というイメージがありますが、本作で観る限りは確かに感情表現は過多気味だけど喋っている内容はしごくまっとうかつ知的なので驚きました(まさか演技じゃないでしょうね)。“冒頭4分だけ脚本を書いておき、後は不特定多数の書いた脚本を繋ぎ合わせて映画を撮る”プロジェクトがしたかったなんて、思わず「お前はゴダールかよ」と突っ込みたくなりました。たしかに集合知で映画を撮るなんて斬新過ぎるアイデアではあります。 そして出来上がった映画ですけど、正直言ってこれが面白い、もう大笑いさせて頂きました。50分という中編なんですけど、エロあり、ちょっとグロあり、陰謀あり、そしてどんでん返しありと充実してました。女優たちはいずれも無名ながらちょっとエロい衆を揃えていて、ヴァーホーヴェンってこういうエロっぽい女優を見つけてくるのがほんと上手いな、とつくづく感心しました。でも具体的に脚本を繋いでゆく作業自体は映していないので判りませんけど、ほんとにこんなに上手にストーリーが繋がるもんなんですかね。そこは監督や編集の手腕の賜物なのかもしれませんが、ふとある疑念が自分の心に浮かんできました。実はこのプロジェクト自体がフェイクで、前半のパートは疑似ドキュメンタリ―(いわゆるモキュメンタリー)だという可能性です。映画の題名が“トリック”なのがどうも気になるんです、でもそうだったとしても良く出来たモキュメンタリーであることには違いありませんけど…
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-28 22:37:40)
23.  ぼんち 《ネタバレ》 
雷蔵初の現代劇映画での主役だったんですが、撮影開始前には市川崑やスタッフおよび雷蔵本人までもがミス・キャストだと感じていたという信じられない逸話があるそうです。なるほど、髷を結ってない雷蔵がスクリーンに登場するのは初めてだったので無理もありませんが、 “喜久ぼん”を軽妙に演じきって雷蔵はまさに新境地を開拓したわけです。翌年には『好色一代男』の世之助で最高の演技を披露するのですから、やはりこの人は天才です。 市川崑は増村保造とは逆の作風で、日本的な様式美を尊重しながらも内容では現代的なモダニズムを追求する監督です。彼の視点からこの題材を料理すると、男と女はまるで違う種類の動物みたいに冷徹な眼で観察しています。焼け残った土蔵に喜久ぼんを取り巻いていた女たちが集まってくるシーンはなかなか強烈なインパクトがあります。そこで吐露される祖母の真情、つまり彼女らにとって商売は男の世界、本当に大事だったのは商売でも暖簾でもなくて女系家族として男たちを支配する生活が続くことだったんですね。 若尾文子と雷蔵はやはりゴールデン・カップルです。本作では二人の絡み芝居が多くて堪能させて頂きました。あの有名な女たちの入浴シーンも見事な演出で、京マチ子に越路吹雪まで一緒に入っているんですから最高です。気弱な女を演じる山田五十鈴というのもまた珍しい光景で、やはり女優のアンサンブルを撮らせたら市川崑はピカイチですね。テンポが速い編集術も物語のスピィーディな展開に良くマッチしていると思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-01 23:41:50)
24.  暴走機関車 《ネタバレ》 
黒澤明が投げた企画を形にしたゴーラン&グローバスのキャノン・フィルムの功績は素直に認めてあげたい。なんで監督がアンドレイ・コンチャロフスキーなのかという疑問はありますけどね。でも映像の随所にソ連の映画監督を引っ張ってきたという効果はみて取れます。刑務所の荒れっぷりや仕事に対する緊張感が不足している鉄道会社の社員たちの姿は、アメリカというよりも当時のソ連社会を投影しているみたいです。ジョン・ボイトを屋根に載せて機関車が突っ走るラストには、ソ連の映画作家が好む無常感に通じるものがあります。 黒澤のオリジナル脚本はもっと乾いたスリルとサスペンスを強調したものだったそうですが、それをアメリカ人がリライトしたら男と男の情念のぶつかり合いみたいな日本的なストーリーになってしまったというのも皮肉なもんです。出演者の中では半分ぐらい経ってようやく登場してきたレベッカ・デモーネイ、いつもの厚化粧とは打って変わってほとんど素ッピンみたいな田舎の芋ネエチャン風が良かったです、ほとんど活躍しなかったけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-18 01:46:00)(良:1票)
25.  北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 
まさしくこれはヒッチコック版“P.T.A.(Planes, Trains & Automobiles)”と呼ぶに相応しい乗り物づくしのサスペンスです。ヒッチコック御大はけっこう動くものがお好きみたいで、中でも列車は「またかよ」と言いたいぐらい使いますね。御大お得意の巻き込まれサスペンスですが、やはりその中でも本作がいちばん有名です。ジョージ・カプランなる人物がCIAの架空スパイだという設定がなかなか秀逸、でもジェームズ・メイスン以下の悪の組織があまりにおバカなのはどうにかなりませんかね。『北北西』という題名もかなり謎めいているというか意味不明で、空港のシーンでノースウェスト航空機が映るので、「ノースウェスト航空に乗って北に行こう!」というシャレというかタイアップなのかと真剣に思いましたよ。 ケイリー・グラントとエヴァ・マリー・セイントという組み合わせは、ジェームズ・スチュアートとグレース・ケリーのカップルと比べると、何と言うかセックスの匂いが濃厚な感じがします。なんせラストショットは、ヒッチコック御大自ら「わたしが撮った映画のなかでもいちばんわいせつなショットだ」と告白しているぐらいですからね(実は列車がトンネルの中に入ってゆくショットです)。でもこの二人、結婚しても絶対長続きしませんよ、あんなマザコン男じゃね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-09-01 20:58:55)
26.  北陸代理戦争 《ネタバレ》 
松方弘樹の豪快な暴れっぷりは確かに見ものですけど、盃のことなどシーンが変わるとまるで正反対の言動になるなどこの人物の行動原理が意味不明なんです。たしかに生身の人間は矛盾に満ちた存在だし実話ベースなことも判りますが、これが笠原和夫が書いた脚本ならもっと上手に処理していたろうなと感じます。まあとにかくこの主人公、得意技が“生き埋め責め”というわけで、やることが無茶苦茶ですわ。どうやって撮ったのか想像してみると楽しいですが、あの西村晃はマジで埋められてるとしか思えません。少なくとも頭に降りかかる雪はどう見ても本物で、こんなベテラン俳優になんという仕打ちをすることやら(笑)。主人公の懲役を挟んだ数年にわたる物語なのにどのシーンも冬で雪景色というのは、プログラム・ピクチャーなんでまあしょうがないでしょう。ストーリー自体は簡潔というか殺伐とし過ぎてて、まるでワイドショーの再現フィルムのロング・バージョンみたいです。ラストも「えっ、こんな終わり方でいいの?」という感じで、これが東映実録ヤクザ映画の掉尾を飾るというか深作欣二最後のヤクザ映画かと思うと、ちと寂しいものがあります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-07-15 20:37:37)
27.  ボルサリーノ
オールスター・キャストだった『パリは燃えているか』を除くと、後にも先にも唯一のドロンとベルモンドの共演です。ドロンはこの作品あたりから製作にも手を出しているので、けっこうベルモンドを立てたストーリーですよね。いろいろ出てくる綺麗どころはみんなベルモンドにまわして、自分に絡む女性はママだけなんですから(笑)。でもさすがにドロンのファッションはバッチし決まっておりまして、もうあの『ダーバン』のCM(これが判る人は相当なお歳です)の世界でございました。 監督はこの後ドロン映画御用達になるジャック・ドレーなんですが、はっきり言ってこの人は監督としての手腕は平凡です。そう考えると本作は彼の作品の中ではマシな方でしょう。アラン・ドロンがプロデューサーで主役の映画を監督するのはけっこう大変だっただろうなと想像いたします。 まあこの映画を観る愉しみは、しつこいぐらい劇中流れる有名なメインテーマを堪能することでしょう。
[映画館(字幕)] 6点(2014-04-28 23:50:46)(良:1票)
28.  ほぼ300 <スリーハンドレッド> 《ネタバレ》 
元ネタ『300』が過剰なまでに劇画チックで大げさなので、パロディになってもあんまり違和感がないのが可笑しいところです。ペルシャ軍との合戦パロディにしても、元ネタが過剰なまでのCGづけ映像だったので、CG抜きの撮影風景はたぶんこんな感じだったんじゃないでしょうか。『アメリカン・アイドル』などのTVヴァラエティをギャグネタにしているので、観てないとイマイチ笑えないのも困ったもんです。それにしてもエンド・タイトルが長すぎ、本編が72分ぐらいなのに延々15分近くなんですから。 よく観てみると、王妃役のビッチ系グラマーはカーメン・エレクトラじゃないですか。自分には彼女の初期作『宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式』以来のご対面ですが、この10年間にラジー賞2回受賞という輝かしい実績を残していますね。フィルモグラフィを眺めても見事にクズ映画ばっかり、ハリウッド女優として生き残るにはこれもひとつの芸なんでしょうかね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2013-12-10 22:26:45)
29.  亡霊怪猫屋敷 《ネタバレ》 
医師が結核を患う妻の療養のため、九州の片田舎へ引っ越してくる。地元では幽霊が出ると噂されている江戸時代に建てられた古い屋敷を改装して医院を開業するが、妻は不気味な老婆を何度も目撃し首を絞められて殺されかける始末。困った医師は近所の住職に相談したら、彼から江戸時代に屋敷でおきた恐ろしい事件の話を聞かされる… 事件が解決した6年後東京の大学病院に戻った医師の回想という形式で映画は進行するのですが、冒頭のこの大学病院の描写が薄気味悪くてゾッとします。停電で真っ暗な廊下を懐中電灯の灯りを頼りに歩いていると、死んだ患者が看護婦に担架で運ばれているところに遭遇するんですが、ただ通り過ぎるだけなのに実に怖い。しかもこれはストーリーには全然関係ないカットで、さすが中川信夫、恐怖のマエストロです。 現代編はモノクロ、住職の語る時代編はカラーという使い分けもなかなかいいアイデアだったと思います。化け猫女優と言えば入江たか子が有名ですが、この五月藤江の老婆化け猫と言うのもなかなか味があっていいです。入江化け猫と違ってお歳ですから派手なアクションは見せませんが、化け猫映画お約束の念力女中操縦はバッチリやってくれました。ただあの髪の毛が猫耳になるのはちょっと、でしたね(笑)。障子に映る影を上手に使った映像は、ドイツ表現主義の影響を感じさせてくれて見事でした。 中川信夫の怪談映画は、絶望の中にも希望の光が射して終わるのが特徴で、本作もそんな彼らしく、可愛いオチがありハッピーエンドでした。 いやー、やっぱり中川信夫の怪談映画はいいですね~ 
[DVD(邦画)] 7点(2013-09-21 18:00:19)
30.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
封切時に今は亡き有楽座で観ました。有楽座では入場待ちの観客が長蛇の列を作っていて、映画館で行列ができているのは初めて見たので大層驚いた記憶があります。 40年たって改めて観ますと、パニック映画の元祖といわれますがイメージ以上に人間ドラマが濃厚なんですね。男優も女優も地味でも演技力があるつわもの揃いのキャスティングが実に渋い。中でも泣かせてくれるのがS・ウィンタースで、この演技で三度目のオスカーを獲って欲しかったところです。この映画は良く考えると、旧約聖書のモーセが率いたユダヤ人の出エジプト記をモチーフにしていることに気が付きます。スコット牧師がモーセで、連れてゆくメンバーにはローゼン夫妻というユダヤ人がちゃんといるわけです。我々日本人にはスコット牧師の行動はかなり強引で思いこみが強く感じますが、強いリーダーを求めるキリスト教文化では正しい人物象なんでしょうね。 思うに本作ほど評価がじわじわと高まってきた映画は珍しい存在じゃないでしょうか。ワインが熟成してゆくみたいですね。
[映画館(字幕)] 9点(2013-01-06 23:08:54)(良:1票)
31.  ボーダー(2008) 《ネタバレ》 
デ・ニーロとパチーノ、これが最後の共演であると願いたいところです、と言いたくなってしまいました。両名優が『ヒート』以来の対決だと言うのに、メジャーではなくインデペンデント系映画だというのもまた驚きです。テーマも昔から何度も見せられてきた“街の掃除屋警官”もので目新しさは無し。『ヒート』とは真逆の結末と言うのも両雄のバランスを取っているつもりなんでしょうかね。この映画の脚本のユニークなところは、“名前のトリック”とも言うべきトラップを使っているところでしょう。デニーロ=ターク(愛称)=トム・カワン(本名)、パチーノ=ルースター(愛称)=デヴィッド・フィスク(本名)、ラストまでお互いどころか周囲の者まで愛称でしか呼ばないのでややっこしいです。外国映画の役名は覚えにくいよな、と感じているのは自分だけじゃなかったんだと気がつかされました(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-11-19 21:45:19)
32.  ポセイドン(2006) 《ネタバレ》 
開幕して約18分で転覆するのはほぼ『ポセイドン・アドベンチャー』と同じペース。だがその後はジェット・コースターなみのスピードでストーリーが展開する。リメイクは普通オリジナルより上映時間が長くなることが多いけど、オリジナルは二時間弱程度とさほど長尺じゃないので、ある意味珍しい例でもある。脱出に挑むのは10人で生き残るのが6人というのはオリジナル通りだが、それぞれのキャラ設定はオリジナルの登場人物を再構成した様な感じで、K・ディロンみたいに新規のキャラもいる(もっともこの“ラッキー・ラリー”はストーリー上では不必要な存在でしょう)。本作が印象悪くなった最大の原因は、この登場人物たちの性格付けが曖昧かつ弱いところだろう。K・ラッセルとJ・ルーカスなんか完全にマッチョなキャラがかぶってしまってる、オリジナルのJ・ハックマンとA・ボーグナインとは大違いなんだな。R・ドレイファスが“地図くん”を蹴り落として助かるシークエンスなんか、「なにもそこまで見せなくても…」ととても嫌な感じである。ここは今まで非情な海洋映画を幾つも撮ってきたペーターゼン監督の拘りなのかもしれない。密航して来た女性はオリジナルではC・リンレーに相当するキャラなんだが、その死に方は同じくS・ウィンタースを思い出させてくれる。そこで気がつくのは、このリメイクにはS・ウィンタースに相当するキャラがいないんです、これじゃあ盛り上がりに欠けるのも当然かな。 CGは確かに高レベルなんだから、さかさまになった船内での冒険・スペクタクルをじっくり見せて欲しいところです。原題から『アドベンチャー』を抜かしたからというわけではないでしょうが(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-09-12 19:37:53)
33.  ボディ・バッグス 《ネタバレ》 
いかにもTV映画として撮られたアンソロジーらしいエピソードばかりだけど、エロはないけどTV用とは思えないほどけっこうグロかったです。まあとにかく見どころは、リック・ベイカー謹製の特殊メイクに身を包んだカーペンター御大のホストぶりで、最後には解剖されてはらわたまで嬉々として見せるサービスです。薄毛に悩む男を襲う悲劇がテーマの第二話『ヘアー』なんか観ると、御大も実はリアルに自分の落武者あたまを気にしたんじゃないでしょうか(笑)。
[ビデオ(字幕)] 6点(2012-01-17 00:49:32)
34.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
やるじゃないか、ミシェル・ゴンドリー! チャーリー・カウフマンと組んでいるときにはこの監督にこんな素敵な感性があるとは思いもよりませんでした。ジャック・ブラックたちにリメイクされた映画は『欽ちゃんの仮装大賞』を見せられている様な出来ですが、映画ってとことん脱構築してゆけばこういうカタチに因数分解されるのじゃないかな。ある意味、映画というものの本質を提示されたみたいで、けっこう奥が深いところがあります。考えてみればVHSビデオテープは現在のディスクとは違って映画フィルムと形態も似ているところがあり、ゴンドリーはそこにノスタルジーを感じているのが良く判ります。それにしてもアメリカ人が撮った映画で、こういう映画愛とノスタルジーに満ちた作品が見当たらないのが不思議です(『カイロの紫のバラ』くらいですかねえ)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-02 23:05:05)
35.  砲艦サンパブロ 《ネタバレ》 
この映画は、非常に地味だけど名作です。米西戦争でスペインから分捕ったオンボロ砲艦というプロットが渋すぎですが、本国は好景気に沸いているローリング・トゥェンティの時代に水兵をしている、しかも砲艦に乗せられて中国をウロウロしているという時点でサンバブロ号の乗員は艦長以下みんないわば負け組です。軍人とはいえ平凡な乗組員たちが、魔境中国の人間の営みを歯牙にもかけない歴史の渦にいや応なく巻き込まれてゆき、そしてあえなくすりつぶされてしまうのはあまりに悲しい。この作品が公開された当時はベトナム戦争はまだ泥沼化する前でベトナムに対する関心も低かったことを考えると、その先見性には感服してしまいます。 マックイーンはアクターズスタジオで学んだ経験があり本来は演技力も持っている人なのですが、この映画の演技でそれを証明してくれました。人間よりも機械を愛する孤独な男、このキャラは彼が生涯演じてきた役の典型でもありますが。 リチャード・アッテンボローと結婚する中国人メイリーですが、なんと『エマニュエル夫人』を執筆する前にちょこっと女優業もしていたエマニュエル・アルサンが演じているんですよ。このあと世界中をエロで席巻することになる女性にはとても見えないところが不思議です。
[映画館(字幕)] 9点(2011-06-22 17:23:49)
36.  炎の人ゴッホ 《ネタバレ》 
「誰を演じてもカーク・ダグラス」で有名なカーク・ダグラスですけど、ゴッホ役は見事になりきったと言えるでしょう(なんせ、昔から自分がゴッホに似ていると自覚していたそうですから)。もっとも、髭面のゴッホだからトレード・マークの顎が隠れたのが成功の要因かも。 ジョン・ヒューストンの『赤い風車』が大ヒットしたので企画されたというのが真相らしいですが、その分ゴッホの実物画を大量に撮影に使って華やかさを出そうとしています。ゴッホの絵のモデルになった人たちを絵とそっくりのふん装で登場させるところなどはなかなか良いアイデアです。そしてゴッホの絵に合わせたカラー映像は見事な色彩で、特に後半アルルが舞台になってからは数あるヴィンセント・ミネリ作品の中でも屈指の鮮やかな映像です。有名な“耳切り”事件はわりとあっさりした描き方ですが、そこも含めてこの作品の弱いところは、アンソニー・クイン演じるゴーギャンとの交流と確執に至る経過にインパクトが感じられないことでしょう。クインもこの役でオスカーを獲ったぐらいで良い演技ですが、どうもダグラスの大芝居と上手くかみ合ってないのではと思いました。あくの強い俳優同士を共演させて映画を撮るのは難しい、という良い見本なのかもしれませんね。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-19 00:02:50)(良:1票)
37.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
ひどい邦題のせいで長い間自分の中で敬遠してしまった作品だったけれど、観てみるとなかなか一筋縄では行かない面白さに満ちていました。前半は「卵50個食い」に代表されるどこか牧歌的なムード、看守や所長もほとんど暴力を振るわない普通の刑務所ものとは違ったムードには戸惑いを感じたほどです。でもこの作品は、もっとも脱獄したくなる気持ちが伝わってきた刑務所映画でしたね、あの労働作業のつらそうなことと言ったら… ルークが一回目の脱獄をしてからだんだん雰囲気が変わってくるのですが、60年代ニューシネマ全盛期の映画なので、くどい展開には「この映画はどういうオチになるんだろうか?」とちょっといらいらさせられました。結局終わってみれば「ルーク=ニューマンはキリストだった」というわけで、ちょっと肩すかしくらっちゃいました。とは言えポール・ニューマンの演技は軽やかでありながら超絶的で、この時期の彼の最高傑作だったことは間違いないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-05 01:20:47)(良:1票)
38.  冒険者たち(1967) 《ネタバレ》 
本作には熱烈なファンが多く評価も高いことは知っていますが、昔から私にはどうも合わなくこの作品の良さがわからないんです。60年代後半以降のアラン・ドロン主演の映画はどうも雑な作品が多いのですが、自分には本作もその中に入る一本です。男二人に女が絡むというプロットの映画は沢山ありますが、成功している作品はみな三人の心情や恋愛感情が細やかに表現されているという共通点があります。本作の最大の欠点はまさにその点で、なんか作りごとじみたお話しとしか感じられないんですよね。前半のパリでの生活は、飛行機だスロットカーだとやたら機械的な小道具を強調することでコンゴでの冒険生活と対比させようとしていますが、監督ロベール・アンリコの演出力では手に負えないところがあったようです。特にギャングが絡んでくるあたりからは薄っぺらい演出だなとつくづく思います。ラストの要塞島をとらえた空撮ショットは確かに素晴らしいので、プラス一点。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-11 23:05:59)
39.  ポルノグラフィックな関係
いかにも大人っぽくフランスらしくていいですね~。ナタリー・バイは若いころトリュフォー作品に良く顔出してた女優ですけど、すっかり熟女になっています。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のレオナルド・ディカプリオの母親役ぐらいしかないのですが、もっとハリウッド映画にも出て欲しい女優です。 そして「彼」セルジ・ロペス、どっかで見た顔だなと思ったら、『パンズラビリンス』のあの極悪非道なヴィダル大尉じゃないですか。本作と比べてみてもこの人の演技力はけっこうレベルが高いなあと感心しました。題名のせいもありレンタルショップではエロドラマのコーナーに置かれていることが多いのですが、観て損はない佳作です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-10 11:04:28)
40.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 
序盤からサイモン・ペッグが左遷されるまでのキレの良い展開と編集は目を見張る出来の良さ。特にケイト・ブランシェット登場シーンには大笑いさせられました。いろんなハリウッド製アクションのパロディが観られますが、「真面目で優秀な警官が田舎のコミュニティーでひどい目に遭う」というプロットにはあの『ウィッカーマン』へのオマージュがあるのでは。コメディとシリアスのバランスがこれまた絶妙な脚本なので、ハリウッドコメディとは異質のカタルシスが味わえて楽しいですね。でも、終盤あれだけガンをぶっ放しているのに、負傷しても誰も死んでいないというのは、これまたハリウッドに対する皮肉が感じられます。 それにしてもティモシー・ダルトンの最期はほんと痛そうでしたねー。あの悲惨な姿は『食人族』の串刺し以来の衝撃シーンでした(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-20 15:49:49)
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