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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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181.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 
幻覚というのはここまではっきりとしたものなのだろうか。だとしたらいくらまわりから言われてもこれを幻覚だと思うのは至難の業だ。例えば私には妻子供がいるが突然いやそれは幻覚なんだよと言われるようなもんでしょ。とまあ、そこが一番驚いた。実際のところどうなのか知らないけど、少なくともこの映画の幻覚には説得力があった。その説得力はストーリーテリングのうまさから来る。しかしそのかわりと言っちゃなんだが、中盤まで我々はまんまと騙されていたわけだ。たしかにこの騙しはちょっとしたどんでん返しとしての楽しみを提供してくれてはいるのだろう。しかし勝手に先の展開を思い描いていたものがそれこそジャンルごとごろりと変えられた者(私)からしてみれば、驚きというよりも置いてけぼり感のほうが強かったりする。それとも私が伏線を見逃したか。ロン・ハワードの作品中でも最も美しい画で覆われた作品のようにも感じたがこの急転直下のせいでその感動も半減してしまったのは私のせいか。
[DVD(字幕)] 6点(2011-08-25 14:54:21)
182.  パイラン 《ネタバレ》 
チンピラ話が延々と続く前半にイライラするのは冒頭数秒だけ顔を出したセシリア・チャンがいつまでたっても出てこないからで、けしてチンピラ話が退屈であったわけではない。むしろ組のボスの身代わりに選ばれる経緯として例えば集金先のばあちゃんに昔世話になったからと詰め寄れない義理堅さを見せたり、ボスとの関係を見せたり、ボスが切れやすいところを見せたりといった丁寧なストーリーの紡ぎかたは悪くはないし、ガラス越しにすることで組事務所の密室感を出したりボスの激高を激しい雨とリンクさせたりといった細やかな工夫も好感が持てる。しかしやはりセシリア・チャンの物語が見たいのだ。主人公の視点で語るならもちろん見ようがないので、あえてそこから離れているのだろうけれども、せめてこの国に残ること、祖国に帰れないこと、といった諸事情をチンピラ話のような丁寧な語りで見せてくれればもっと盛り上がれたと思う。主人公ばかりが盛り上がっちゃかえってしらけちゃう。
[DVD(字幕)] 6点(2011-08-08 15:39:41)
183.  ぼくんち
原作とは別個もん。なにもサイバラワールドを作らなきゃならないってこともないし、原作が伝えたかったことを映画でも伝えなきゃならんってこともない。設定だけを借りてきた別個もんと割り切らなきゃ。映画『ぼくんち』はどこまでもマンガチックな世界と人物で作られる。どんなに深刻な展開に行こうともシリアスさを回避する。むしろ弱者で笑いをとる。漫画では許せることも実写では許せないということがある。だからよりマンガチックな世界と人物を持ってきて、さらにコメディ色を前面に出してとにかく笑いに転化することに漫画以上に苦心する。でもそれだけならば映画作品として面白くならないだろう。そこに阪本順治の常にリアルで生々しい世界が画面に同居するから面白くなる。と同時に原作から解き放たれる。カメラも落ち着いている。海の見せ方もいい感じだ。そこに鳳蘭と観月ありさという貧乏が似合わない日本人離れした長い手足を持つ親子が立つ。なかなかいい画だ。ちぐはぐさも込みで。
[DVD(字幕)] 6点(2011-08-04 16:13:47)
184.  赤い文化住宅の初子 《ネタバレ》 
主人公の生活状況は極めてきつい。だけど映画にはそのきつさがない。原作漫画を知らないのでなんとも言えないんだけど、このどこかのん気な空気がタナダワールドなのかなと。この状況で全く荒まない女の子が実に不自然で、ちょっぴり荒みぎみの兄に対してかわいらしい声で「おにいちゃん」と呼ぶたびに非現実感が増してゆく。そのわりにロケーションを多く取り入れ屋内の光もけっこうリアル。さらに方言がいい感じにリアル感を出している。かと思ったらやっぱり漫画みたいな学校の先生とか「優しい人は危ない人」というこれまた漫画的な登場人物が出てきてどこまでも嘘っぽい。このギャップをうまくうめているのが初子のキャラ。どこかのん気なタナダワールドを作っているキャラ。最後の父親再会のドラマの抑揚とかが邪魔かな。あとボーイフレンドの純朴さがやりすぎのような気がしなくもない。作風に合ってるから全否定はしないけど。
[DVD(邦画)] 6点(2011-07-29 17:57:38)(良:1票)
185.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾! 《ネタバレ》 
子供に受ける「うんち」と「おけつ」がいっぱい。かなりずるい。で、私も「ひなげし歌劇団」不要論に賛成なのだがうちのヨメさんは歌劇団、というより戸田恵子の歌が良かったと満足してたみたいだし、子供も「ひなげし」シーンはけっこう好きだと言ってる。化粧がとれた後の顔に爆笑してたし。ま、「ひなげし」については世代性別でかなり受け入れ方が違うのかなと。とりあえずこれ見た後しばらく我が家ではなにかとウンティが連呼されていたのでじゅうぶん楽しめた映画になると思います。言葉を発しないシロが何を言わんとしているか一目瞭然の名演技(?)も魅力の作品です。子供に見せたくない番組にいつも登場するクレしんだけども、これ見て家族でウンティウンティと叫びながら大笑いしてるほうがよっぽど健全だと思うのだが、それって低レベル家族の負け惜しみだろうか。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-20 14:51:45)(良:1票)
186.  ドニー・ダーコ 《ネタバレ》 
病的になる一歩手前の独特の暗さが印象的。結局なんだったんだろうという後を引きずる結末もあってかカルト化してるとかしてないとか。『バタフライ・エフェクト』みたいだけどその自己犠牲は比べもんにならんほど最強。それとも自己犠牲なんかじゃなく後に見た『ラブリー・ボーン』の考え方、つまり自分が死ぬことで世界が好転するというポジティブシンキングなのか。はたまた『マルホランド・ドライブ』的死人の夢か。まあ、どれでもいい。そんなことよりも気になるのは何故銀色のウサギなのかってところ。あるいはその名前とか。何故80年代後半なのかとか。あと「世界の終わり」という魅力的なフレーズ。テレビに映される大統領選挙戦もある意味一つの世界が終わろうとしているんだよなとか思うと余計に気にかかる。いろんな意味でスッキリしない映画。意味がなくたっていいんだけど。実際、銀色ウサギはそれだけで幻想的でどこかホラーっぽくもあって映画をじゅうぶん盛り上げているんだし。でもやっぱね。ちょっと気になるじゃん。なんで銀色ウサギなのって。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-15 17:45:24)
187.  ベティの小さな秘密
原作がそうなのか脚色の自由を与えられた脚本がそうなのか、それとも監督がそのように撮ったのかどうか知らないが、どう見たって『ミツバチのささやき』のパクリではないか。否、リスペクトの表れだとして、『ミツバチのささやき』を想起させちゃうというのはこの作品にとってはマイナスでしかない。少女の孤独、絶望、そして成長があまりにわかりやすくそれぞれの事象でもって描かれてしまうその安易さがやたらと際立ってしょうがない。とは言うものの森の緑と少女の赤いコートのコントラストが印象的で、おとぎ話的な印象を持たせることにも成功しているその色使いは素晴らしかった。ベティ役の女の子もかわいい。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-16 17:18:15)
188.  フリーズ・ミー 《ネタバレ》 
性的に虐げられ人生を狂わせてゆく石井作品お馴染みのヒロインではあるけれど、女は名美ではなく、そして名美を想う村木も不在。そこに男と女の哀しいドラマはない。これは名美的な悲惨な境遇の女を軸に繰り広げられるコメディと言ってもいいかもしれない。『ヌードの夜』ではサスペンスフルに機能した死体遺棄が、ここではひたすらブラックユーモアであり、このブラックユーモアとして存在する死体たちこそが映画の主役でもある。もちろんコメディといっても笑えるという意味ではない。レイプ描写は生々しいわ、暴力は凄まじいわで到底笑えない。しかしこの三人の男たちのどこかぶっとんだ怖さもやはりコメディなのだ。ナイスバディな井上晴美が薄倖には見えないというのもこの映画を名美の物語から遠ざけているところなんだけどもちろん確信犯のはず。そのかわり石井ワールドにある昭和的なるものが平成的になっちゃったって感じ(?)に若干の物足りなさを感じる。
[DVD(字幕)] 6点(2011-05-09 15:26:06)
189.  アンチクライスト
最後に「タルコフスキーに捧ぐ」とあった。森が歪む映像なんかはソクーロフ(タルコフスキーが擁護した)を想起したんだけど、動物の使い方やオカルトチックな流れや何よりも森そのものから生まれるサスペンスなんていうのは確かにタルコフスキーの映画だ。しかし「神」が「悪魔」にとって変わっただけでタルコフスキー的なるものがトリアー的なるものへと変貌する。列車と催眠術は初期トリアーの定番アイテムだし、セラピーというアメリカ映画の定番を皮肉った展開にもトリアーの影を感じなくもない。ましてやアメリカ人俳優ウィレム・デフォーの災難ときたら・・。でもトリアーの映画の面白さは映画の可能性を提示しているところにあるのだと思っている私にとっては今回のはいまひとつな作品。今まで映画ではあまり見た記憶がない1シークェンス全てスーパースローモーションとか列車のシーンに見せたサブリミナルぎりぎりの映像とかも奇抜なれど新しくも面白くもない。それでも私にとっての十分な合格点に行き着いたのはラストシーンの壮大な画につきます。あれは凄い。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-18 15:55:26)(良:1票)
190.  パトリス・ルコントのDOGORA
前知識なしで見始めた途端に失敗したと思ったのだが、見るのをやめようと思いながらもやめれずに結局最後まで見ちゃった映画。とくに新しいとも面白いとも思わないんだけど、惹きつけるものはある。音楽と映像のコラボレーションも面白いのだが、漲る生活力とでも言おうか、生命力という響きから伝わるものよりももっと生々しいものを映し出した映像そのものこそがこの映画の最大の魅力だと思う。ずいぶん前に見たものなんだけど、たくさんの家族を乗せて走るバイクとか水辺を歩くシーンとかけっこう鮮明に覚えている。視覚的にも魅力的な画がたくさんあって、なにげない日常が美しく映し出されると、世界には「美」がいくらでもあるんだなんて思ったりもした。「世界」とか「人間」とか「生きる」ってこととか全肯定したくなる映画。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-13 13:50:18)
191.  アマルフィ 女神の報酬
なにやらワケありな緊迫感を持った男と女が突然映される。すでに物語は動いている。言葉を排しているがゆえに緊張は増してゆく。言葉を排しているがゆえに映される全てのものに目が行く。言葉を排しているがゆえに画面の外からの音が強調される。概要が掴めたところで唐突にタイトルロールと波の音。この映画、ただものではない。と思ったのだが、はたしてこれは私の感想なのか。通常、未見の映画について書かれているものは読まないようにしているのだが、この作品を見るよりもずっと前にこのサイトの卒業生でもある映画研究塾さんの絶賛評をすでに読んでしまっていたのだった。織田裕二をどんどん受け付けなくなってきていて、ゆえにこの作品は一生見ないであろうと思っていたからなのだが。よって私の好評は映画研究塾さんの影響下にある可能性を否定できないのだ。それほどにインパクトのある素晴らしい批評なのでぜひ皆様もご拝読くださいませ。はてさて織田裕二だが、いつもの過剰な表情と台詞まわしを排するだけで全然受け入れられた。単にそういうキャラクターである、ということ以上に演出の成果であることを確信した。サラ・ブライトマンを引っ張り出してきたりとずいぶんと無駄な部分もあるし、ユーモアの少なさも不満ではるけれど、目を見張るシーンも豊富にあるので概ねでは満足感が勝った。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-05 13:44:02)
192.  ドロップ
ちょっとびっくり。意外にもなんていうと失礼かもしんないけど、ちゃんとした映画だった。何よりもカメラが全く揺れない。すごく落ち着いている。アクションシーンさえも。この手のものによくある「やられたらやりかえす」を見事に笑いへと転化した怒涛の「お返し」合戦がまた素晴らしい。笑いへと転化していること自体もいいし、テンポもいいし、それゆえの休戦に入るシーンのギャップもいい。それでいてこの時この一瞬における喧嘩というものが端的に表されている。憎いから喧嘩するんじゃなくて、ただ喧嘩をする。そこに意味はない。ああ懐かしや。これが青春よ。健全なる若者の健全なる行動なり。しかし本職・お笑い芸人としての真髄でもある劇中頻繁に出てくるボケとツッコミがいちいち段取りくさいってのはどういうことよ。ダメじゃん。
[DVD(邦画)] 6点(2011-03-30 14:04:38)
193.  ワンダーラスト
どこかアキ・カウリスマキの映画のような印象を持ったのはけして主演を務めたパンクミュージシャン、ユージン・ハッツの容貌のせいだけではあるまい。この作品にはある程度本数をこなしてきた監督による作品としか思えないある種の余裕を感じる。なぜそう感じてしまうのかいろいろ考えてみたのだけど、たぶん「やりすぎていない」ってことに尽きるんじゃないだろうか。「スタイリッシュ」とか「お洒落」とかいう言葉が当てはまりそうな映像なんだけど、そこばかりが目立っちゃうほど「そこ」に力を入れてない。というかその加減ができるところにマドンナの凄さがある。これをきっと「センス」というのだ。こういう所謂センスのいい人というのは何やらせてもそれなりのものを作っちゃう。反面あまりに完成されすぎて面白みに欠けるなんて言うのは酷か。
[DVD(字幕)] 6点(2011-03-29 13:42:43)
194.  VERSUS/ヴァーサス
ワオ!B級アイテム大集合だ。ゾンビにガンアクションにチャンバラにガチンコ格闘。ロングコートにサングラス。SFと時代劇、ホラーとアクションがごちゃ混ぜのマンガチックなダークヒーローもの。やってることは単純至極。戦うのみ。ほぼ全編森の中にもかかわらずアクションが間延びしない。低予算ゆえのアイディアで乗り切る。編集でスピード感を作る。説明すればするほど納得してもらえないだろう荒唐無稽な設定を逆手にとりひたすらアクションアクション。かっこつけを極めて非現実的な世界観に油をそそぐ。惜しむらくはヒロインの華の無さ。怒涛のアクションの連続の中で場違いな空気を作り出すコメディエンヌ的役割をもっと大袈裟に担わせたらもっと面白くなったかも。
[DVD(字幕)] 6点(2011-03-03 13:37:48)
195.  オーケストラ! 《ネタバレ》 
よくあるサクセスストーリーの様相をしているがその根底には旧ソ連時代の政治的抑圧による悲劇がある。この暗部を喜劇の中にさりげなく潜りこませた巧さを評価するべきか。個人的には過去の悲劇性がもっと強くてもいいかなと思う。まあでも、そこで物語が大層になってもつまらないのでやっぱりいい塩梅なのか。全体的に駆け足感があって強引に終結しているように感じるが、その流れそのものでロシア人気質を表現しちゃうあたりも巧い。不快感露わのメラニー・ロランをジプシーバイオリニストが演奏一発で羨望の眼差しに変えるシーンがいい。それは映画ではなく音楽の力なんだろうけど。現在小さな楽団に所属するうちのヨメさんもこのシーンとラストの演奏だけを何度も見てる。ここまでくると映画ではなく音楽を聴いてるわけなんだけど。私も素人ながらにやっぱりいいなあと思うわけで、母親譲りの独特の音の出し方であることをわからせる演出があるけれども、それがなくてもなんとなく独特だよなと思わせる音楽そのものにやっぱり感動するわけです。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-23 16:48:17)
196.  ハッシュ!
恋愛ドラマが映される。その二人がたまたま男と女ではなく男と男であった。という風に。すごく自然だ。でもそれだけじゃ面白いわけない。そこに女という異物が放り込まれる。俄然面白くなる。男と女が抱きしめ合う。そこに恋愛感情はおそらくない。でもその瞬間に何かが変わる。単純に抱きしめること、抱きしめられることという行動そのものの大切さを知るというか・・。二等辺三角形がどんどん正三角形になってゆく心地良さ。しかし単純明快な三角形だけならいいのだが、どうもややこしいドラマが横やりしてくる。社会に適合しない3人が不幸から脱却してゆく様を許せない人間がいる。社会に取り込まれ続けた兄嫁。「嫁」という社会通念からはみ出ないように生きてきた兄嫁。この展開はけして悪くなく、むしろ物語に深みを与え、幸せになるために何かをしようというメッセージを明確に発信もさせている。でも複雑なのよりも単純な三角形のほうが面白いわけで、そこでもっと楽しみたいわけで、この映画、最高に面白そうな三角形なんだけどその時間が短いのよ。 あ、でも135分もあるのか。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-03 16:37:37)
197.  イエスタデイ、ワンスモア 《ネタバレ》 
ジョニー・トーって極道ものばっかりかと思ったらこんなのもあったのね。ラブコメになるのかな。宝石を奪うシーンが後に製作でクレジットされる『天使の眼、野獣の街』を彷彿させるのですが、最もスリリングでなければならないこのシーンがその奪い方の滑稽さも相まってどうにも盛り上がらない。この宝石泥棒に係わる人間の試験とか面接とかがあって特に二度目のおばさんが面接するほうに顕著なんだけど、逆光で顔を見せないようにしているシーンなんかの「軽さ」が気になる。逆光なんだからどうにでも重くできそうなのにあえて軽く描く。コメディだから。コメディでもシリアスがあったっていいのにって思うんだけど。男女がお互いに他の男女の影を演出するシーンはジョニー・トーの銃撃戦のように無駄な動き、無駄なカットのない美しいシーンになっている。このシーン自体がお話上必要かと言われれば微妙なんだけど。後半、切ないお話になってゆくのに感動を煽らずカラッと仕上げているのも好感が持てた。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-19 16:32:17)
198.  タロットカード殺人事件
やけに食いごたえがない作品だった。だからといってこの軽やかさはたぶん誰も真似できん。食いごたえがないのはウッディ・アレンが恋に絡まないからか。もはやヒロインの父役しか務まらないことを自覚し素直にその役におさまってはいるものの、いつもの神経症的にからむ姿にねちっこさがない。いらいらさせられない(笑)。むしろほのぼのしてる。男じゃないから。だから今までのアレン作品よりも万人ウケはするような気がする。実際よくできてると思う。最後は笑った。自虐ネタをこんなにも軽やかにこなしちゃうなんて。老練の技か。そういう意味でも傑作かもしんないけど、なんか食い足りん。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-21 15:56:09)
199.  フロム・ヘル
実在の事件であり1888年のロンドンと場所も確定されているにもかかわらず、どこか現実には存在しない場所のように感じるのは、その舞台背景の元がグラフィックノベルだからなのでしょうか。読んでないのでよくわからんのですが、どちらにしても独特のおどろおどろしい雰囲気がいいです。今まで何してたんだかのヒューズ兄弟の久々の新作『ザ・ウォーカー』にしてもその物語と人物を活かす為の舞台づくりが実にうまい。舞台の完成がそのまま映画の完成とも言えるその刺激的な世界観の構築はやはりヒューズ兄弟ならではなのかもしれません。史実をからませながらのフィクションは私自身大好きなパターンで、その史実がちゃんとこの独特の世界に馴染んでる、あるいは馴染むものしか出していないのもいいです。ところどころ、とくに結末あたりはおどろおどろしさよりもマンガチックさが勝ってるのが残念。娯楽映画としてのバランスを考えたらこんなもんかもしれんが。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-15 15:06:38)
200.  2012(2009) 《ネタバレ》 
離婚した夫婦、時々子供を預かる元夫、元妻には恋人あり。スピルバーグ『宇宙戦争』と思いっきりかぶってるんだけど、これが典型的なアメリカ家族ってことなのでしょうか。この家族の物語としてのオチのつけ方の違いがそのままスピルバーグとエメリッヒの家族観の違いってわけでもないだろうけど、両監督の属性は現れてるように思う。古き良き時代のアメリカ映画に見られる父性の復権こそがエメリッヒ映画の根底にあるような気がする。それをするには一からやり直さなければならない。だからまず何もかもをぶっ壊すのだ。・・なわけないけど。あと、この手のディザスター映画って大概が資本主義、物質主義を揶揄してたり(そりゃ、金持ってても死んだらおしまいだし)するんだけど、これは巨大船建造に出資した人から乗船できるってことで大々的な資本主義の勝利で終わる。ここまで大っぴらにやられると牧歌的とも思えてくるから不思議だ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-01 16:16:06)(良:1票)
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