241. ソウ
《ネタバレ》 冒頭で理不尽な状況に置かれている二人。 そこから回想も挟みながら、事件の概要が少しずつ見えてくるあたりがサスペンスとして面白い。 被害者をゲームのように追い詰めて殺人を楽しむような異常っぷりが不気味。 ラストは意表をつかれた。 いくらじっとしてても生きているなら気づかれないわけがないとは思うが、アイデア勝ちか。 映画の中ではアダムの正体など説明はほとんどされていないが、多くの意味が隠されていたことに驚く。 実は非常に緻密に作られていたことに感心するが、それを全て汲み取るのは難しく、詳しい解説を読まないとわからないのが難点。 いくら緻密でも観客にちゃんと伝わらなければ意味がない。 それに、グロ系の救いのない陰鬱な映画は、いくら完成度が高くても好きにはなれない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-31 11:24:41) |
242. バイオハザード(2001)
ミラ・ジョヴォヴィッチが見とれるほどに美しくカッコイイ。 ただ、内容的にはよくあるゾンビものと設定こそ違えど、アンデッドに襲われる構図と全体的な印象に大差はない。 [地上波(吹替)] 5点(2012-12-31 00:22:11) |
243. チーム・バチスタの栄光
《ネタバレ》 真相が影の薄い麻酔医の快楽殺人というのが、結末として今ひとつスッキリ決まった感がない。 やっぱりちゃんとした動機や人間関係、葛藤があったほうがミステリーは面白い。 竹内&阿部のコンビはなかなか良かったけど。 [映画館(邦画)] 5点(2012-12-30 00:58:45) |
244. 1980(イチキューハチマル)
1980年を舞台にした群像劇だが、その時代の雰囲気がよく出ている。 監督はナイロン100℃を主宰するケラリーノ・サンドロヴィッチ。 やっぱり映画より舞台のほうが面白いし向いているようだ。 [映画館(邦画)] 5点(2012-12-29 00:03:40) |
245. 男たちの大和 YAMATO
大和の実物大セットを作って撮影したことで話題にもなった邦画大作。 戦闘シーンは迫力があるが、ストーリーが今までの第二次大戦物の枠組みを超えるものではなかったので、ややインパクトに欠けるか。 [映画館(邦画)] 5点(2012-12-28 23:58:13) |
246. インファナル・アフェア 終極無間
《ネタバレ》 時系列が頻繁に前後し、ラウの妄想シーンも入るので、非常にわかりにくい。 Ⅰも説明が少なかったが、Ⅲはさらに少なくて、解釈に手こずるところが結構ある。 ラウが精神に異常をきたして、ヤンとシンクロするのも共感しにくい。 善人になりたかったラウが自己矛盾を処理しきれなくなって、ヤンに同化していくという筋立てはわかるけど。 異常をきたすのが少し唐突に感じるのは、ラウの心理的葛藤の深さが伝わりきらないせいだろうか。 Ⅰは潜入捜査官の心理戦と警察とマフィアの攻防がスリリングに描かれていた。 Ⅱではわかりやすい一般的なギャング映画の方向に振り子が振れた。 そして、Ⅲでは振り子が逆に振れて、病的な深層心理にまで焦点を当てたシュールなサスペンスに。 ヤンと精神科医のエピソードは切なくてよかったが、他が凝りすぎたせいで作品のまとまりとしては今ひとつ。 時系列やミスディレクション等で策を弄しすぎて、ストーリーに入り込めないのだ。 サスペンスは謎が解明されるスッキリ感が醍醐味のひとつなのに、あまりにも説明不足で解明されないシーンが多くてモヤモヤが残る。 もっとシンプルに整理していれば、ラウがヤンになり切ってしまうクライマックス場面で、背筋の凍るようなインパクトがあったかもしれないのに。 実にもったいない。 三部作の中では、Ⅰが最もバランスがとれていて良かった。 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲとまるで違った作風で違和感があったので、三部作であるならばテイストは統一してほしかった。 [DVD(吹替)] 5点(2012-12-26 00:20:27) |
247. ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
リスベット役のノオミ・ラパスに魅力を感じないのがつらい。 中性的でエロさが皆無だから、どこか引いて観てしまう。 良くも悪くもリスベットに惹かれるかどうかの映画かも。 [DVD(吹替)] 5点(2012-12-24 00:50:05) |
248. マイノリティ・リポート
《ネタバレ》 3人のプリコグが予知した殺人犯は、捜査官(トム・クルーズ)自身だった―― 犯罪予知システムのSF的設定が面白く、スピルバーグ監督がうまく映像化している。 未来の最新機器を使っての逃亡アクションは、好みじゃないからか長く感じる。 サスペンスで最後まで引っ張られるし、言いたいことも伝わるけど、いまひとつ印象に残らない。 ラストが真犯人の拳銃自殺じゃ、意外性もなにもないからか。 プリコグにもっと焦点を当ててもよかったのかも。 [ビデオ(吹替)] 5点(2012-12-23 01:13:54) |
249. アルジャーノンに花束を(2000)<TVM>
原作はすばらしいが、凡庸な作品に。 [ビデオ(吹替)] 5点(2012-12-23 01:07:50) |
250. さまよう刃(2009)
東野東吾原作の映画化だが、映画より小説のほうがいい。 原作のペンの力を映像の力が超えられずにいる。 娘を獣たちに蹂躙されて失った父の悲しみが、今ひとつ伝わりきらない。 原作の濃度を薄めて小さくまとめているために、感情の過程を飛ばされてしまうからだろう。 それでも、話が破綻しているわけではないので、決して観れないわけではない。 [DVD(邦画)] 5点(2012-12-18 22:03:00) |
251. 少林サッカー
このハチャメチャさは、それが受け入れられるかどうかで、評価も分かれて当然か。 少林拳を広めるためにダンスに手を出し、お次はサッカーでドタバタ劇。 初見ではおバカすぎてついていけなかったが、見直してみるとこのギャグテイストはそれなりにおもしろい。 [ビデオ(吹替)] 5点(2012-12-16 23:57:07) |
252. セクレタリー
《ネタバレ》 秘書のリーが手紙を読みながら弁護士から尻をぶたれてるシーンは、失笑もの。 コメディだったとは…。 ヌードは出てくるけど、嗜好の違う人には、微塵もそそられないかも。 リーがベッドの上で尻を突き出すが、男友達はその意図を理解できない。 叩いてもらうのを諦め、冷めた表情でセックスをこなすリーが面白い。 性癖、嗜好の違いは、いかんともしがたいってことね。 花嫁衣裳のままデスクに手をついて弁護士を待ち続けるリーは、常軌を逸している。 そんなリーに、いろんな立場で声をかける人たちの困惑ぶりがいい。 コメディとして笑える箇所はあるけど、ラブストーリーとして二人に共感できないのが厳しい。 変態さんカップルおめでとう。 [DVD(吹替)] 5点(2012-12-16 00:33:33) |
253. ガチ☆ボーイ
記憶を失う男という重くなりがちな題材を、プロレス研究会という設定でポップに仕上げている。 ただ、映画館で観るほどのものではなかったか。 [映画館(邦画)] 5点(2012-12-15 00:11:42) |
254. パフューム/ある人殺しの物語
《ネタバレ》 香りに取りつかれた男の猟奇的な物語。 主人公グルヌイユは、異常に鋭い嗅覚を持ち、少女の体臭に極上の香りを見出す。 禁断の香水作りのために、幾人もの少女が犠牲になる。 広場での数百人の大乱交が壮観。 ただ、それしか印象に残らない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-06 19:27:48) |
255. ドリーマーズ
舞台はフランス。 映画を通じて知り合ったテオ、イザベルの兄妹と同居することになったアメリカ人の青年マシュー。 どこかぶっ飛んだ兄妹に翻弄される。 裸のシーンが多くて刺激的。 ただ、ストーリーは背景や哲学的なものがよくわからないので、ピンと来なかった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-06 17:34:40) |
256. 未知との遭遇/ファイナル・カット版
《ネタバレ》 昔、通常盤を見たけど忘れてしまったので、今回はファイナルカット版を鑑賞。 ストーリーにたいしたドラマもなくエイリアンとの遭遇を描いただけで、これで終わり?という感じ。 SF好きで宇宙人との遭遇にあれこれ想像をめぐらせたいなら面白いかもしれないが、ストーリー重視派なら拍子抜けするのでは。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-05-03 18:21:42) |
257. 半分の月がのぼる空
《ネタバレ》 時系列のギミックは意外性があって巧い演出だと思うのだが、残念ながら池松と大泉が違いすぎて受けつけない。 顔もそうだが大泉の大阪弁も下手で、それらの違いが許容できる範囲を超えてしまっていたために、せっかくのギミックがすんなり落ちてこなかった。 キャスティングが違っていれば、もっと素直に感動できたような気がする。 [DVD(邦画)] 4点(2020-05-01 22:40:24)(良:1票) |
258. 天使と悪魔
《ネタバレ》 ガリレオの時代から、科学と宗教の深刻な対立はあった。時として科学の発展は、ガリレオの時代にも神の領域を侵すものとされ、神への冒涜と弾圧されることも。教会から弾圧された歴史を持つイミナリティの復讐劇。――と見せかけた陰謀が顕わにされるラストのどんでん返し。 でも、最初からユアン・マクレガーに怪しい臭いがプンプンしていたので、意外性もなくやっぱりかとの印象。 ストーリーにはどうにも都合の良すぎるツッコミどころがチラホラ。殺し屋が犯行現場を見られながらラングドンとヴィクトリアを見逃してやったのはありえない。また、カメルレンゴをすぐに捕らえずに焼身自殺する猶予を不自然に与えてしまったのも、教皇選出の煙の演出のためというあざとさが見えてしまう。 スケール感と雰囲気は重厚で壮大だけれど、中身がそれに付いていっていないのが残念。 キリスト教に疎いためにこうしたキリスト教絡みの映画は深い意味が汲み取れずいつもピンとこない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-12-27 21:56:44) |
259. イキガミ
《ネタバレ》 国家繁栄維持法によりイキガミが届いた者はこの世から消えなければならない。 特殊な設定で感動的なストーリーのはずなのに、なぜだかインパクトがない。 赤紙をもらって特攻で散っていった若者のドラマの中には心揺さぶられて涙を禁じえない作品もあるが、この映画には心を揺さぶられることもなくあまり感情移入ができなかった。 [インターネット(邦画)] 4点(2019-07-03 21:31:01) |
260. 手紙(2006)
《ネタバレ》 犯罪者の弟に対する差別があまりにも露骨でリアリティを損なっている。 もっと特異な犯罪の家族だったとか、家族にも大きな責任があるとかならわからないでもないけど、そういうわけでもないし。 差別はあっても現実には潜在化されるものだが、それをドラマティックにわかりやすくデフォルメしたのが逆効果に感じられる。 それ以外にもいろいろ演出があざとすぎて鼻につく。 また、漫才をお笑いの素人が演じても妙な居心地の悪さを感じるだけ。 主人公を支える由美子のけなげさはすごいんだけど、演じるのがあの沢尻というのが何とも…。 どうしてもアレのイメージが邪魔してしまうし、下手な関西弁も引っかかる。 罪を犯した人間が、どれだけの人を不幸に巻き込んだかを実感するなら、それが罪を償うことにもつながる。 この兄はその点では救いがある。 でも、実際はそんなことができない人間だから悪事に手を染めた犯罪者のほうがはるかに多いのだろう。 凶悪犯罪を犯しながら言葉だけの反省で出所しても賠償金を踏み倒して自分は幸せな家庭を築いているなんてことを聞くと、不幸のどん底に落とされた人達の無念を思ってむなしくなる。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-11-30 22:08:24)(良:1票) |