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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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241.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 
“The Imitation Game”『模倣ゲーム』。コンピューターに人間らしい回答をさせて、人間臭さの精度を見るテスト。って解釈かな?それで良いのかな?まぁまとにかく、主人公アランが嫌なヤツとして確立していて、この人を主人公にして感情移入できるのかなって不安になる出だし。 ギスギスしたチームにジョーンが加入、まさに人間関係の潤滑油。研究とは無関係な場所からヒントを得て(よくある展開といえばその通りだけど)の、困難を乗り越えての解析装置完成は、どんよりした空気が吹っ飛ぶカタルシスを感じました。 …まさかここからが真のドラマの始まりだったとは。  大局的な勝利のために助けられる味方を見殺しにする。神の目を持ちながら感情に流されず、必要最低限の情報利用に留まることは、どれだけ心身が疲労することだろうか。信頼できる仲間がスパイ。ナチスはいま戦っている敵だけど、将来はコミュニズムとも戦う時代が来る。敵にバレちゃ不味い機密情報を仮想敵のスパイが共同制作している。あぁこれこそ、タイトルの『イミテーション・ゲーム』だな。  可能性だけど、どこかの戦闘で暗号機と暗号解読員が奪取されて、ドイツ軍が“送った暗号が筒抜けになった可能性”を考えて、アランたちとは無関係に、新エニグマを開発する可能性もあっただろう。もしくはエニグマ解読を大々的に活用したとして、ドイツが次なる暗号機を、すぐに作ることが出来ただろうか?伸び切った各戦線に暗号機を配備して、誤用・誤解釈なく運用できただろうか? アランは青酸カリ入りのリンゴをかじって死んだそうな。彼の死から30年後にかじられたリンゴがトレードマークの『マッキントッシュ』が世に登場する。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-25 01:26:33)
242.  E.T. 20周年アニバーサリー特別版 《ネタバレ》 
~E.T.の続き~  DVD買ったらコレでした。特別版の存在自体知らなかったから、観てて徐々に違和感を感じました。なんか、E.T.表情豊かでない?アップのシーンで瞳孔が収縮するのが、コレ当時の技術で出来ないでしょ。って。 E.T.はパペットの創りものだけど、CGで上書き修正されたコレは創りものの造り物感が強い。E.T.の豊かすぎる表情が、公開当時の『何考えてるのか解らない感』が減ってしまっている。 自転車のシーンとかは今の技術で特撮ぽさを減らしたほうが良いかもだけど、E.T.の顔をいじっちゃダメだと思う。 オリジナルをもう何年も観てないけど、今観たらよりショボいんだろうか?それでも、本作に限ってはオリジナルを観た方が良いと思うなあ。  装置を作ってエリオットと一晩森で過ごし、どこかに消えてしまうE.T.の謎。特別編でバスタブに入るシーンが追加?されてるらしい(オリジナルではどうだったっけ?)けど、ここにヒントがあると思いました。 E.T.にとって水に浸かることは、一種の治療なんじゃないかな?地球の大気で体調を崩したE.T.は、治療のために水場を探し、浅い川を見つけて力尽きます。水では治らない病気(感染症だろう)だったんだろうね。 E.T.を治療する科学者たち。治療をしつつ、E.T.の言葉をマイクで録ってるのがリアル。一方で「少年は助かります。でもE.T.は絶望的です」科学者の女性の声だけど、宇宙人のことを、子供が名付けた“E.T.”って呼ぶところに、凄い思いやりを感じました。彼らは悪い人たちではない。でも宇宙服で家を取り囲んで、ママたちを怖がらせたのは、ハロウィンのジョークにしては、やりすぎだぞ。  一度死んで生き返る謎。地球に戻った母船から遠隔で治療を受けた。ってことになると思います。それか少年の…愛? 嘘だろ?リアリティ無いぞって思った。E.T.をトラクタービームで引っ張る技術もない宇宙人なのに。 でも近年の『置くだけで充電できるiPhone』の技術に、遠隔でエネルギーを送るくらいは出来そうだなって思うようになったわ。 そういやE.T.胸とか指が光るもんな。E.T.って、純粋な生命体でなく、宇宙人が創った調査ロボット、生体端末なんじゃないかな。バッテリー切れで動かなくなって、母船からの遠隔充電で復活…なんて夢がないかな。 最初置いてけぼりにされるE.T.。森の中を走って逃げるけど、そういやあなた飛べるでしょ。子供の乗った自転車5台も飛ばしたでしょ。その能力で母船までビューンと飛べば…これも夢がないかな。 エリオットが愛称に“イーティー”を採用した謎だけど、もしかしたらE.T.が発音しやすい言葉だからかも?彼らはテレパシーで話すから、言葉はカタコト。イーティーは比較的言い易いから、エリオットにそう呼ぶようテレパシーで…  銃を無線機に変えてたのは気が付かなかったわ。ここは銃でいいと思う。これまで宇宙人と言えば地球を侵略しに来るのが定番なんだし、警官たちは『捕まえた宇宙人が生き返って逃げた!』って情報しか無いだろうから、街を守るために銃を構えるのは仕方ないことなんだ。E.T.は友好的な宇宙人の代表で、“侵略しない宇宙人映画”の歴史的ターニング・ポイント作品。宇宙人への古い考えの象徴として、銃のままが正解だと思うなぁ。  父親が出ていった家庭の、エリオット少年の成長物語。兄のオマケ的な存在だったエリオットが、仲間を率いてE.T.を逃がす。E.T.は友達であり、父親代わりでもあったと思う。『イコウ』と誘われるエリオットの心に、メキシコに行った父と、隠れて涙を流す母が浮かんだんでしょう。 ガーティの「ここにいたわ!宇宙人よ、ママが殺しちゃった」ここメッチャ可愛くて大好き。そして死にかけたE.T.に電気ショックを与えるのを見て泣き出すガーティ。子供が“死”とはどういう事かがわかった瞬間。スピルバーグの夢と現実のさじ加減が絶妙です。
[DVD(字幕)] 7点(2023-09-09 11:22:54)
243.  インデペンデンス・デイ 《ネタバレ》 
“Independence Day”『独立記念日』。アメリカがイギリスから独立した記念日です。 宇宙人の地球侵略を、これでもか!ってくらいストレートに表現し、大迫力の都市破壊シーンを映像化した映画の元祖かもしれません。都市を飲み込む巨大な円盤。どう考えても勝てっこない相手に、現役のF/A-18が果敢にも戦ってます。 当時のCMを観て、劇場の大画面と大音響サラウンドで観てこそ、この映画の価値は最大限に活かされるであろうことは、想像するまでもないことでした。 うん、後日テレビ放送も観たけど、F/A-18が母船のバリアに突っ込んで爆発するシーンなんて、ハエが飛んでるくらい小さく観えたわ。  序盤は“もし、巨大なUFOが現れたら、政府はどうする?”を、結構リアルに表現できていたと思います。偵察機を飛ばしたり、ヘリで歓迎の意を示してみたり、UFOに発砲しないようニュースで呼びかけたり。民主主義国家は未曾有の出来事に対し後手後手に回ってしまうのは、先の震災でも体験したとおりです。だけどそこはアメリカ(製の映画)、一方的にやられてからの反撃の決断が早い。当時、それまで再現されたことのなかった物量攻撃。でも流石に最終手段の核を使うまでは悩むんだな。そして核さえ効かない絶望感。さぁどうなる? 初期のCGでスター・ウォーズ並みに迫力のドッグファイトを観せてくれるけど、都市破壊映像はミニチュアのビルの模型を使ってるのが凄い。ビルの砕け方とか、いまのCGじゃ再現できないハリウッド職人の技術を感じてしまう。 色々飛ばして大統領が「インデペンデンス・デイ!!」「うぉお~~~!!!」ってトコ大好きです。本作の『最終決戦。リーダーが演説で兵士たちの士気を高める』シーンの中で、この映画の右に出るものはないかもしれません。今でも娯楽番組で使われる劇中音楽も良いよね(大統領の紹介とかでよく掛かるイメージ)。そしてやっぱり親父の特攻はホロリと来てしまう。ここを観ないとこの映画は終われない。  テレビのUFO特番でよく聞いたエリア51とかロズウェル事件とかを“劇中ほんとにあった話”にしたのは斬新…というか、劇場で観ていた当時、まさかこの映画で矢追純一な設定持ってくるなんて思ってなかったわ。 まぁ一見陳腐な設定に思えたけど、変に新しい設定創って話を難しくするより、誰もが知ってるミステリーから引っ張ってきたほうが分かり易いよな。だって派手な破壊シーンを楽しむ映画なんだし。 エリア51のクリーンルーム。完全防備の研究員の奥からマスクすらしてない白衣の博士が…。デビッドが反撃を思いつてから、トントン拍子に一晩で色々諸々が完成。ウイルスが効くなんて敵の母船はマイクロソフト製か?小型UFO、宇宙人もテレパシーでなく手動で操縦してたの?研究施設なのにどうしてUFOの射出カタパルトみたいになってるの?大統領が戦闘機で出撃なんてブッ飛んでんなぁ… 敢えて残したと思えるくらいツッコミどころは多い。けど、面白かった。
[映画館(字幕)] 7点(2023-09-06 22:40:32)(良:2票)
244.  男はつらいよ 葛飾立志篇 《ネタバレ》 
シリーズ16作目。前作が名作とは言え、寅もリリーも可哀想で、心がヒリヒリとなる作品だったため、本作の“寅さんスタンダード”な明るさは、一服の清涼剤に思える。もっと言えば普段以上にとらやの修羅場が(極力)回避された回に思えた。 オープニングは前回同様凝った作りで、メキシコ風ウエスタン。寅の夢だからかな?さくらはいつも可愛く、タコ社長は何故か悪いやつの側で、社長なのにボスではない。さくら歌上手いなぁ。  順子の「たいてい500円ですけど」に「やっぱり寅ちゃんかねぇ?」で吹き出した。今思うと、500円札って惜しげなく出せる、気を使わないで受け取れるコミュツールとして優れていたなぁ。500円玉だと有り難みが落ちる。「お父さんなの?」でつい流れでうなずいてしまう寅も可愛い。 御前様の身内がとらやに下宿するのは2回目。どっちも勉学に励む人(甥の岡倉金之助は東大理学部助教授、親戚の筧礼子は東大考古学の助手)。で、岡倉役の米倉斉加年 が交番のお巡りさんで出てくる。後で知った「クッククック♪」のシーン、無かったと思うなぁ。版権の問題かな?(※BSテレ東)  やっぱりスポンサーしてたブルドックソース。四角いボトルのパッケージが約50年前の劇中と今と、ほとんど変わりないのが脅威(※と思ったら最近リニューアルしたらしい)タコ社長がとんかつソース舐めてたけど、私もやったなぁ。ママンに怒られたわ。 交番にチラッと写った指名手配犯『桐島聡』の写真。これも、今とぜんぜん変わらないなぁ。 小林桂樹が日本沈没と同じ田所って名前なのも嬉しいツボ。時代に合わせて新しい笑いを追求しつつ、悪ノリで基本路線を踏み外さないさじ加減が、男はつらいよは上手。  さて礼子先生はてっきり田所先生のプロポーズをウケたものだと思ったから、寅に話すとき、私も寅と同じ勘違いをしていたよ。観返すと「結婚を申し込まれたの」って。あぁ、人生の考え方に迷いが出たって話してるんだけど、“結婚”ってパワーワードでその先が頭に入ってなかったわ。あといつものパターンだなって思い込みを利用した、高等なトリックなのかも?頭真っ白でも寅が礼子先生に掛ける言葉の暖かさが素晴らしい。 『男はつらいよを数作品だけ観てみたい』って人に、自信を持って勧められそうな作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-09-03 15:20:53)
245.  明日に向って撃て! 《ネタバレ》 
“Butch Cassidy and the Sundance Kid”『ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド』。どうしても『俺たちに明日はない』と比較してしまうし、邦題も意識して付けたと思われる。 観終わった後スカッとするでなく、ズウ~んと重たくなってしまうアメリカン・ニュー・シネマ。ベトナム戦争で世の中が暗くなってるから創られたというより、まだ全体的に明るい世の中に『一部暗い影も落ちてるんだよ。』って気付かせる目的の作品。言い換えればまだ世の中に“打たれ強さ”があるから創れた作品だったんだと思う。打ちのめされてたら、暗い結末の作品は敬遠するものね。  その日暮らしの強盗ブッチとサンダンス。どっちつかずなエッタとの関係。流行り物の自転車。将来に夢を抱けないアメリカの若者のような2人。追いかけるピンカートン探偵社。逃げても逃げても追ってくる彼らは、さしずめ当時の若者の、不安な未来の象徴だろうか。  夢のゴールドラッシュに湧くボリビア…とその前に最先端のニューヨークで遊ぶ3人を写真で見せる演出が見事。そして好き勝手やってきた若者が、現実から逃げて辿り着く先に相応しい極貧のボリビア。 結局はケチな強盗に逆戻りしてしまい、エッタも呆れて変える始末。より悪くなった状況に追い打ちをかけるような包囲網。こんな状況でも夢を語る2人に、当時どれだけの人が共感しただろうか?なんかこの2人から漂う「明日から本気出す」オーラが強い。  地元警察を相手に「レフォーズ保安官じゃないなら勝てる」「今度はオーストラリアに行こう」でも警察は軍隊を呼んでいた。飛び出した2人の静止画に、響き渡る多数の銃声。 容赦ない最後の姿を観せた『俺たちに…』に対し、観せなかった本作。まるで世間を知らない半人前(泳げなかったり、人を撃ったことがなかったり)の若者が、突っ走った挙げ句の最後、「カッコ悪い死に様だけは観ないでくれ」って叫びにも思えた。
[ビデオ(字幕)] 7点(2023-09-02 18:01:25)
246.  アビス(1989) 《ネタバレ》 
“THE ABYSS”『深淵』。底なしの海溝の底には何があるのか? この作品は、中学校の授業の一環で観ました。平日、学年全員で映画館に映画を観に行くなんて、ウチの学校だけだろうか?そういうイベント今でもやってるのかなぁ?先生は無難にBTTF2(前年末公開)にしようとしたそうだけど、人気作だったし観たい人はもう観てる状態。映画授業は2月末。そこで無理を言って、まだ公開前の本作を観せてもらいました。先生と劇場に感謝。 当時、深海/海洋映画が立て続けに公開されて、それがたまたま2作品続けてホラー映画。「また海洋モノか」って、食傷気味ではあったけど、そこはあのJキャメロン監督。しかも初のオリジナル超大作。期待が高まる。  ヘリから降りる軍用ブーツ、軍用ブーツ、軍用ブーツ、スト足パンプス。これだけで掴みは充分だ。そしてキャメロン監督らしく、しっかり“強い女”と“自己犠牲”を抑えています。 リンジーが自分を溺れさせて後に蘇生させる提案の奇抜なこと。それでいてあの状況で2人とも助かる可能性を考えると、最適解と思えること。かと言ってバッドにもリンジーにも辛い選択なこと。 延々と深い海中に沈んでいくバッド。信管解除から残り時間を見ての「片道切符は覚悟の上だった」。これを無機質なタイプ文字で観せる演出も見事。あれだけの人が見守ってるなら酸素残量がどこで半分になったかも解って当然だろうに、演出が上手い。 離婚寸前の夫婦、夫婦ともに死を体感するが、その過程もタイトルの『深淵』(夫婦の深淵、生命の深淵)に掛かっているのかも。  最新技術。先の海洋ホラー2作品に比べても海の中のシーンが多かったように思う。ディープコアに潜水艇、液体酸素と宇宙服のような最新潜水服といった、ちょっと未来の技術(現実にはあるのかなぁ?)が凄い。縦横無尽に動く潜水艇のチェイスは、海中だけにちょっとモタモタ感があるけど、なかなかの迫力。この撮影のために原発の廃炉で作った超特大プールを存分に活かした撮影は圧巻。 そしてヘビ状の水(みんな何て呼んでるの?)が人の顔にモーフィングするCG技術。メカ物以外でこれだけ自然なCGが映画で出たのは初めてだと思うし、この映画からT2が産まれ、この応用でジュラシックパークが産まれると思うとメチャクチャ胸熱。映画の新時代を体験出来た喜びが大きい。  唐突に姿を見せる深海生物。ここがどうにも処理しきれない。たしか当時は宇宙人と取れる訳し方をしていたはず。どうしてリンジーは海底で不思議な物体(小型偵察機っぽいのと飛行機っぽいの)を見たからって、即宇宙人に結びつけたのかが意味わかんなくて…素直に考えたら海底人じゃんって。 リンジー「Non-terrestrial Intelligence」を“地上(陸上)以外の知的生命体”と素直に訳してくれたら良かったけど、“地球のものではないわ”とか“エイリアン”とかって訳してた(と思ったうろ覚え)から、宇宙人が何でわざわざ海底に?ってなるよね~。でどうしてリンジーは突然宇宙人って力説してるの?って事になっちゃったんだと思うんだわ。英語圏ではこの混乱はなかったのかなぁ?  普通に海底サスペンス(地上からの孤立。減っていく酸素。SEALの暴走)で面白いのに、目的不明な深海生物。劇場版でバッドを助けたのは解るけど、その後母船でディープコアを地上まで持ち上げる“おせっかい”に、「おいおいやりすぎだろう」って思ってしまった。 そしてここでも“宇宙からの移住者だ”って字幕が。宇宙なんて言葉は出てこなくて“彼らは暫くここに滞在していたようだ”って言ってるだけなのに。 もうすこし現実的な解決策を観せてくれたら、作品の評価ももう少し上がったんじゃないかな?  ~続きは『アビス/完全版』に~
[試写会(字幕)] 7点(2023-08-28 22:48:29)
247.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
“I, Robot”『私、ロボット』。アシモフ博士の同名の短編『われはロボット』の原題まま。SF好きならちょくちょく耳にする『ロボット三原則』もこの作品から産まれた模様。原作はロボットに関するスーザン・カルヴィン博士の回顧録なんだって。面白そう。 ウィル・スミスのSFモノにしては結構シリアス路線。事故で女の子でなくスプーナーを救ったNS-4。あぁ、感情のないロボット君は現実的にそっちを選んでしまうのか。三原則ネタの一つとして、なるほど!って思えた。  NS-4は昔ながらの人間の役に立つロボットって感じで、無表情なのに温かみが感じられる。廃棄されて倉庫でじっとしてるNS-4の哀愁。襲われるスプーナーを助けようと新型に飛びかかる様子型がとっても健気。 でもNS-5は不気味だなぁ。どう考えても日本で売れるデザインじゃないなぁ。でもそんなデザインも、当時、新時代感を出すための工夫だったんだろう。 ストーリーはシンプルで、登場人物も少なくまとめられている。ロボット嫌いなスプーナーの奥の手、片腕サイボーグの出し方も上手い。何よりカメラワークもグルングルン動いたりする割に観やすい。余計な情報を入れすぎない作りに好感。  ヴィキのような中枢コンピュータって、大抵のSF映画で悪者になる。この大モトを倒さなきゃいけないんだけど、映画後半の人間 VS NS-5みたく、末端機械を相手に原始的に力で戦うんだよね。 この映画から19年。便利なロボットが街を歩く未来にはなってないけど、1人1台スマホを持って、そこから得られる検索結果やニュースを事実として信じる時代。なんか気が付かないうちにアッサリ支配されてそう。怖い怖い。
[地上波(邦画)] 7点(2023-08-27 17:22:31)
248.  キル・ビル Vol.2 《ネタバレ》 
日本でまとめたVol.1と、アメリカでまとめたVol.2。公開当時は雰囲気がガラッと変わった印象だったのと、1が予想外に観る人を選ぶ作品だったため、2観てないよって人も多かったと思う。日本が舞台じゃないのが大きいかな。私も2は観に行ってない。でも充分に面白かったわ。 ただ1で日本らしいアニメパートを入れる嬉しい力技があったのに対し、バイオレンスアクションも抑え気味で、正統派ハリウッド・アクション映画になってた印象。回想で中国が舞台だけど、中国らしいワイヤーアクションも1で出しちゃってるしなぁ。  序盤に観どころが集中していて、棺桶に閉じ込められるシーンは観ていて息が詰まる怖さを感じたわ。そして修行時代の回想に入ってからの脱出は、何故だろう涙が出そうになる。前作の病院からの脱出もそうだけど、彼女の過酷な修行と身体能力が、絶体絶命の状況から彼女を生かす。大袈裟に言うと命のしぶとさを観せてくれるから、なんか泣けてくるんだよね。 エル戦の格好良さ。狭い室内での半蔵の刀の斬り合いは大迫力。フィニッシュが中国拳法なのは、前作との棲み分けとして機能してたかな。  ここまでガンガン盛り上げて、さぁいよいよビル戦、どれほどの激しい戦いかと思いきや、アッサリ。五点掌爆心拳がそういうワザだからだけど、エル戦以降静かな展開だっただけに、静かなまま終わってしまった印象。ビルの過去を知るエステバンのパートの必要性がイマイチ解らず。妊娠した時に襲撃したキムはいい味出してたわ。 1本の映画を2本に別けたなら、せっかくだから後半にもうひと盛り上がりあってもなぁって思ってしまうけど、あったらあったでクドかったかも? つまり、これでいいんだわ。
[DVD(字幕)] 7点(2023-08-27 16:33:17)
249.  アウトブレイク 《ネタバレ》 
“Outbreak”『感染爆発』。新種のウイルスが街機能を崩壊させる映画(否ゾンビもの)として、真っ先に思い浮かぶのがこの映画です。いつもの街に細菌が蔓延して、見知った町の住人が次々と死んでいき、自分たちを守るべき軍隊には銃を向けられる。公開当時は今まで体験したことのない恐怖として、自分の街で起きたらどうなるだろうか?って、メチャクチャ怖くなりましたね。 映画の中の出来事が現実に起きるなんて。新型コロナウイルスがどんどん広がっていく過程は、この映画を追体験するような怖さを感じました。  '60年代、内戦激しいアフリカの奥地で発生したモターバ・ウイルス(やっぱ地名なんだな)。全身から出血した死体の痛々しいこと。それをハッキリ観せるのではなく、防護服のバイザー越しに観せるなど、見た目の怖さに頼らない工夫が上手い。ウイルスに対する血も涙もない解決方法もショッキング。 そして何より、30年近く前の、ザイールのモターバ川流域という、地球の裏側の生活に何の影響もない地域で起きたウイルスという設定が、感染の恐怖感を鈍らせる。国内の細菌は『安全レベル1~4』と完全隔離されているのも上手い観せ方。 あれよあれよとウイルスが国内に持ち込まれ、変異株化して広がっていく恐怖。後手後手の感染経路特定。気がつけば街を閉鎖するしか無く、気化爆弾で吹き飛ばすしか解決策もない。  政府の決断も怖いけど、イチ住民目線で体験する怖さが秀逸。感染して軍のジープで運ばれるお母さんとそれを見送る父と子のシーンは何とも痛ましい。コロナが大流行したときは、世界がこの映画みたいになるんじゃないか?って思ったわ。 宿主をサルに絞って、信憑性の低い視聴者情報からすごい確率でサルを発見、捕獲、血清作成、効いたー!!の流れは娯楽映画丸出しだけど、トータルでいい塩梅で楽しめました。爆撃担当パイロットの選択も粋だね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2023-08-24 19:41:11)
250.  プレデター 《ネタバレ》 
“PREDATOR”『捕食者』これは良いタイトル。地球上の食物連鎖の頂点と言える人間。ただし道具(武器)を使うことが前提なんだけど、それを上回る地球外の知的生命体との戦い。 そして最後は人類最強の男(シュワルツェネッガー)と生身でぶつかり合う。アツい。夏向きのアクション映画ですね。  学生当時、友達の家の映画鑑賞会で観ました。みんなでワイワイ「シュワにアポロに安岡力也に宍戸錠。マルシアも出てくるぞ」なんて楽しんでましたよ。ただ対ゲリラ・パートは結構グロいんですよね。まだホラー耐性の弱い私は、最後まで観られるか、正直自信が無かったです。 で、最初にあのモザイク宇宙人を観た感想は『ショボ…』でした。でも今思うと、凄く良く出来てました。まだ攻殻の熱光学迷彩が世に出る前。しかもCG全盛になる前の時代。特撮であの光学迷彩を表現してたって思うと、時代を先取りしててスゴいの一言。 そして河童のようなアーマー姿に『・・・弱そう』。う~ん…当時のSFだから、こんなモンかって思ってました。で、マスクを取った姿に『ウゲッ!グロ!キモッ!!』って。 あのグロい顔の造形も素晴らしく、映画の宇宙人キャラの中でも、かなり知名度高いんじゃないかしら?エイリアンに匹敵する造形だと思います。  凄くシンプルなストーリーも好感度高いです。シンプルなんだけど、実は最初要人の救助のハズが、ゲリラ殲滅&機密情報の奪取になり、何故か謎の襲撃者からの脱出劇と2転3転してます。いま同じ内容で映画を作ると、回りくどい説明とか伏線とかが入ったりして上映時間が長くなりそうですね。 特殊部隊員はキン肉マンばっかり。ジャングルを行軍するにはカロリー消費量とスタミナ面が心配になるけど、冒頭のダッチとディロンのアツい握手でリアリティなんてアッサリ吹き飛びます。 「血が流れるなら殺せる」「銃を持ったものから先に殺す!」「(泥で)見えないんだ」こんなセリフからもシンプルに観せる工夫が感じられます。  ヘリでジャングルを後にするダッチのエンディング。アンナその後どうなった?とかプレデターの正体とか全無視のとってもシンプルな終わり方。これはオープニングで宇宙船からジャングルに射出されるプレデターと対になってます(※ダッチ達もOPで、ヘリでジャングルに来ますね)。ジャングルというリングで、勝者のみがリングを後にする。みたいな。 ほんとね、こういうので良いんだよって言いたくなるアクション映画。
[ビデオ(字幕)] 7点(2023-08-02 23:18:39)
251.  遠い夜明け 《ネタバレ》 
“Cry Freedom”『自由を叫ぶ』。邦題も良いタイトルです。 社会科の授業で、アパルトヘイト政策なんてものが、この世の中にまだ存在していることに驚いたっけ。大学時代、ピーター・ガブリエルにハマり、ビコの存在を知ったんだわ。そしてこの映画の7年後に政策が撤廃されたのにも驚いたっけ。ただこの映画、私は相当怖い映画だと思っていました。実話系の人種差別モノ=人を人と思わない殺人描写がいっぱい。そんな先入観から、鑑賞したのは今回初です。  私はこの映画の、前段に興味が湧きました。貧しい家庭に産まれたビコが、如何にして反アパルトヘイトに目覚め、活動の中心人物になっていったのか。それとアパルトヘイト真っ只中の南アフリカ生まれのウッズが、如何にして黒人に対し中立なスタンスを取ることが出来たのか。人間は弱いもので、自分が優位な立場でいる以上、自分を貶めてまで他者を救う行動は取りにくい。まして差別対象の黒人に対し、白人のウッズはどうしてあそこまで戦えたのか。  前半のドキュメント映画な展開から、ビコが殺され、今度はウッズがビコと同じ監視される立場になります。後半は家族の脱出劇に変わります。原作の著者自身の物語だけに、映画的にスリリングな展開です。 時系列的に最初の方に出てくるべきソウェト蜂起は、映画の最後の方、ウッズの回想として出てきます。蜂起の映像にはビコもウッズも出てこないけど、映画的にはそれぞれの当時の感情や動きなどを描いてもらえると、2人の人物像がより解りやすかったかと思います。  この映画で妙に印象に残ったのがクルーガー長官の歴史の話。「1652年にこの地に白人が来て、荒れ地を耕し町を作った。この地を植民地にしたのではなく築き上げたんだ。それをビコは手放せという。」確かに、300年以上掛けて、白人が住みやすい街に作り上げたのが、今の南アフリカ。白人が1994年まで、時代錯誤なアパルトヘイト政策を続けた根深い理由が、そこにあるんだなぁ。 この映画を観て平等の大切さ、差別される側から観た人種差別の理不尽さを学ぶとともに、昨今の過剰なポリコレ風潮には嫌悪感を抱いてしまう私って、根底ではこの映画の時代の白人と大差無いのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-26 23:42:36)
252.  男はつらいよ 寅次郎恋歌 《ネタバレ》 
シリーズ8作目。なに?おいちゃん役の森川さん、本作を最後に亡くなってしまうのか。シリーズの長さを考えると、あまりに早い重要人物の交代は、心より残念に思います。  オープニングから重たい雨。旅芸人の座長と景気の悪い近況話。さくらの耳に入る悪い例えに使われる寅の話。寅が帰ってくるなりいきなりギスギス。驚いたのは酔っ払いを連れ込んでの酒宴。とらやのみんなにイライラしてる寅、おいちゃんたちを使用人呼ばわり、さくらに一曲歌えなんて…これは最低だ。寅ってこんな奴だっけ?って驚いてしまった。観ていてヒリヒリと痛い。続く博の母の葬式。食事の席での言い争いと、笑えない場面が続く。う~ん、重たい。  寅が博の父と暮らし始める辺りから、いつもの調子に戻ります。日暮れのリンドウの花越しに見る家庭の明かり。家族の食事。瓢一郎の人生観。この深い話を繰り返し出して、借り物の話の伝わらなさ、本人に話す気まずさ、苦し紛れに出てしまいマドンナの心を奪わせる。上手いなぁ。 寅の女性観には、今の暮らしと違う、人生が変わる“憧れ”があるんでしょう。今回のマドンナは寅の暮らしに憧れます。本気じゃないにしても、寅に対する探りとも言える「私も一緒について行きたいな」。 寛子と未知の新しい暮らしをするのでなく、自分の暮らしに寛子を連れて行く。それを想像して、寅は一気に現実に引き戻されたんでしょう。中学で家を飛び出した寅。テキ屋稼業の大変さは身に沁みています。万に一つ一緒になって、学(子供)はどうなる?そう考えると、身を引くしか無かったんでしょう。 最後の寅とさくらの会話。「兄ちゃんの、こんな暮らしが羨ましいか?」そんな問に対するさくらの返しが心にグイッと来ます。  旅先で偶然再会した一期一会の旅一座。お互いいつ死んでても解らない風来坊の暮らし。「そうかい。良かった。本当に良かった。」いまが無事で居ることを確かめ合う。なんか本作、最終回の前に見返したくなるかも? 「それを言ったら、おしまいだよ」おっとここで出た名台詞。売り言葉に買い言葉。なんか初めて聞いたような気がしてたけど、1作目から言ってた模様。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-07-15 16:02:57)
253.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 
『君たちはどう生きるか』。同名の小説あり。 前情報一切なしでの劇場公開。といってパッと思いつくのは『クローバーフィールド(2008)』だろうか? 当時はまだAndloidが出る以前の世の中。みんな携帯電話を持っていて、記録媒体はビデオカメラ。情報化社会はまだまだ発展中の時代でしたね。 スマホがあればいつでもどこでも最新の情報が手に入る世の中。それこそ、聞きたくない情報までリアルタイムにキャッチしてしまう世の中で、この映画で解っているのは「タイトル・制作会社・監督・鳥人間らしき画」だけ。 「小説知ってるけど、読んでないんだよな」「何観せられるんだろう?」「そもそもアニメだべか?」 周りから知らされるより、自分の目で確かめたい。と思ったので公開初日に観に行ってしまいました。 感想は…大丈夫です。安心しました。迷っている方はいつものように観に行って良いと思います。   以降ネタバレを含みます。公開スタイルを尊重すると、まだあんま書かない方が良い時期。と考えるので、観た人向けです。 こんなの読むより観た方早いです。(そのうち気が向いたら清書します)    この映画の一番伝えたいことが、この公開スタイルだったんじゃないか?と思えます。興味がある人、観たい人だけ、お金を払って観ればいいだけなんです。観ればわかることを、ネットをポチポチして、事前情報を探る。恐らく「失敗しないように」「お金と時間を無駄にしないように」なんだろうけど、その検索行為こそ、初見の楽しさや驚きを奪う失敗と、時間の無駄なのかもしれません。 それはネットに溢れる情報も一緒で、スマホで簡単に見られる、地球の裏側の刺激的な場面。身近に感じていた芸能人の死の詳細。誹謗中傷の応酬を見て、負の感情を刺激して、不必要に自分の心を痛めつける行為と一緒かもしれません。でもそれは誰に頼まれたでなく、自分で選んで、見てしまっているんですね。  生活環境の大きな変化。周りと衝突。かまに注目。理由を隠すから勝手に想像し、動きます。でもいしで大きくしました。よくある通過儀礼は大事件に。 「もっと素晴らしいもの」。それを聞いてから『 』。でした。でもそんなややこしい解釈を考えるより、純粋に物語を楽しめる作品です。
[映画館(邦画)] 7点(2023-07-15 13:35:46)(良:1票)
254.  スーパーマン(1978) 《ネタバレ》 
“Superman: The Movie”はデイリープラネット社のレイン記者が“A FRIEND”と名乗る超人的能力を持つ人物に付けた名前。地球人としての名前は『クラーク・ケント』で、その正体はクリプトン星人の『カル=エル』。 '50年代前後に、何度か映画化やアニメ化、ドラマ化を経て、決定版として本作が創られた感がありますね。電話ボックスで変身しようとしたら公衆電話(スタンド)化してたなんて、時代を感じさせる遊び心も感じられます。 ストーリーを完全再現する方向性なのか、我らが知るスーパーマンが登場するまで50分も掛かります。クリプトン星の滅亡からクラーク・ケントの学生時代、両親との別れなんかが描かれるんだけど、ゾッド将軍の追放とか、本作だけだと意味不なシーンも入ってますね。 アメコミ変身ヒーローの王道作品で、ジョン・ウィリアムズの有名なスコアも映画を盛り上げます。そして何よりスーパーマンのヒーロー性・真面目なキャラ設定も、王道一直線って感じです。 王道のスーパーマンに比べたらバットマンは根暗。フラッシュ・ゴードンはウスノロ。スパイダーマンはいけ好かないマイペース野郎…  子供向け変身ヒーロー映画の王道作品なんだけど、時代に沿って取り入れたのが“お色気要素”。ハスキーボイスでキュートなロイスに、劇場に子供を連れてきたお父さんも釘付けです。 路上強盗を蹴り倒すロイス。スカートからスラリと伸びる足を収める絶妙なカメラ位置。 そう来たらヘリコプターからぶら下がるロイスを見上げる視線に期待しないわけがない。見えそうで見えない演出がニクいですね。 シースルー・ドレスに夜空の散歩。そうか、ピンクなのか。 ミス・テシュマッカー(吹き替えだとのび太の声だった)もシースルー・ドレス。大サービスでプールにドボン。子供向けなのにミス・テシュマッカーの胸が。 でもキスシーンの可愛さに、普段なら目くじら立てるお母さんも大満足。わかるわその気持。 スーパーマンのピチピチのコスチュームが、水に濡れてハッキリ観えるムキムキのボディライン。そういやピッタリした赤いパンツもセクシーです。 この映画をキッカケに、後のアメコミヒーローの映画化に、必要不可欠な要素(お色気)が決定した!と言っても過言ではないでしょう。  この流れで書くけど、カル=エルって性格歪んでます。 ロイスが派手なスーパーマンに惚れてるのを知っていて、地味な友人クラークを演じて、ロイスの心を探って楽しんでます。 ここに来て、必要性が不明だったクラークの学生時代、アメフト部で虐められていた描写が、彼の性格が歪んだ理由として見事に立ち上がってきます。 う~ん…スーパーマン=アメコミヒーロー映画の王道。…なんて安易な言葉で片付けちゃいけない、闇の深さを感じますねぇ。
[地上波(吹替)] 7点(2023-07-10 14:36:16)
255.  男はつらいよ 奮闘篇 《ネタバレ》 
シリーズ7作目。この当時のタイトルって、内容とかと関係なく、取り敢えず付けてたんだろう。前作から3か月後の'71年4月の公開。 嬉しかったのが母お菊と坪内冬子の再登場。寅さん世界は“サザエさんループ”してたのか?って思いかけていたところで、二人の登場で時間の概念がきちんと刻まれてたんだな。って…私の中でね。 寅の1年ほど前の手紙から整理してみる。オープニングで集団就職が出てくるから季節は春だろうか?3月くらい?浦安の節子さん(5作目)は去年の夏。幼稚園の秋子先生(4作目。春子の言い間違い?)が1年くらい前で、散歩先生の夏子さんは、そのもう少し前(2作目、このとき寅が初めてお菊と会ってる)。 名前の出てない冬子(1作目)はお菊と出会う前。お志津(3作目)は、寅の旅先の事だからおいちゃん達は詳しくは知らない。夕子(6作目)はついこの間… さぁ寅のお嫁さん候補は誰だ??私はお志津の事だと思いました。大きなヒントとして『住所が書いてない』こと。浦安と湯の山温泉以外だったら柴又のとらやに住んでそう。お菊と関係改善された直後の3作目ということもあり、お志津の可能性大かと…ハガキの消印が気になるところ。  本作では『頭が薄い』花子がマドンナです。今の世の中では考えにくい思い切った表現だけど、キャラ設定で頭が薄そうな喋り方するあのタレントが毎日テレビに出てくる今の世の中も、それはそれでどうかと思うけど、花子は都会に出て頑張って生きてきて、アテもなく逃げ出してます。 今までの寅と同年代のマドンナに比べ、花子はまだ子供。演じる榊原るみもまだ20歳。40歳手前設定の寅も流石に接し方が違いますね。純粋で汚れていない花子からは“守ってあげたいオーラ”が出ています。  とらやのみんなは反対するけど、寅と花子は今までのベスト・カップルな気がするなぁ。世間が2人をどう見ようと、どんな子が産まれようと、2人が一緒になるのは、ベストな気がするけどなぁ。福士先生と一緒に青森に帰るけど、それは寅と結婚しても出来たんじゃないかなぁ? 中学で家を飛び出した寅。まだ幼いさくらの面倒をロクに見てやれなかったかつての自分。寅はきっと、まだ子供の花子に妹のさくらを重ねたんだと思います。今度はきちんと面倒見ようと、そんな決意があったのかも。 そう思えたから、事故とはいえ、寅がさくらをぶったのはショックだったけど、自分の決意を全否定された寅の悲しい気持ちも、なんか解るなぁ。後から手紙で謝る不器用さは寅らしいかも。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-07-10 13:19:53)
256.  メジャーリーグ 《ネタバレ》 
スポーツ物の映画って当たり外れが大きく、特に野球モノというと、突出した作品が生まれにくいのかもしれません…なんでだろ?野球を題材にした漫画は名作もたくさんあるのに、映画やドラマとなると極端に数が少なくなる。考えたら1試合3時間近いのに、それを約2時間の映画に収めるのは、やっぱ難しいのかな? そんな映画には不向きっぽい野球映画のなかでも、このメジャーリーグは、スポーツコメディとして王道と言える面白い作品だと思います。  インディアンズは本当に弱いチームだったみたいですね。当時常に最下位争いしてるようなチームで、そんなチームを取り上げて、本拠地移転という危機を創り出し、クセのある選手たちが集まって、さぁどうなるか?って映画です。 チームのグズグズ感。新オーナーの悪女っぷり。どんどん劣悪になるホスピタリティ。チームのダメダメ感がよく出ています。 日本のスポ根モノと違って、別にハードなトレーニングで強くなるわけではなく、能力のある選手たちが自分の力を存分に発揮して、勝利を掴んでいく展開。選手たちの歯車が噛み合って、スーパープレイがジャンジャン出てくる後半の展開。オーナーのボード作って試合に勝つたびに、1枚づつ衣装を剥がしていく悪ノリ具合。嫌いじゃないです。  今でもスポーツニュースの定番曲『WILD THING』、インスト曲『Pennant Fever』は観ていて&聞いていてテンションアゲアゲ。リッキーに気合を入れるロジャー。徐々に球が走るリッキー。塁に出たウィリーの「9フィート先さ」は鳥肌モノの名セリフ。そしてジェイクの予告ホームラン。最後の1試合に、野球の醍醐味を全部詰め込んできた。 もうね、この一作で全力投球。この題材のオイシイ所は全部出し切ったと思います。
[地上波(吹替)] 7点(2023-06-26 10:02:21)
257.  男はつらいよ 望郷篇 《ネタバレ》 
シリーズ5作目。本作でシリーズを終わらせる予定だったそうで、1作目に回帰するように寅&登コンビ復活です。ここまで順番に観てきた印象では、共通のお約束はあるけれど、各作品個性が出せていてマンネリ感はなく、寅を中心に登場人物を深掘りしていくようで面白いです。  本作は寅がテキ屋をやっている姿は出てきませんが、テキ屋を生業とする者の生き様、仁義が描かれています。正吉親分の死をキッカケに登の兄貴分としてピリッとした空気を創り出してます。旅館で登に酒を注ぎ、自分には注がせないで父親の話を始める寅。兄弟の杯を割り、泊まり客に凄んで見せる寅はまさにヤクザ者。前作で子供と一緒に歌ってた寅とは一転して、寅がどんな世界で生きているかが観えてきます。  本作のタイトル・望郷篇。最初ピンとこなかったんだけど、寅次郎の心の拠り所と考えるとストンと落ちました。 本作ではさくらの出番も増えてます。むしろ前2作の出番があまりに少なかった(山田監督の陰謀?)んだけど。本作では生まれ故郷の柴又に帰ってきた寅と、それまでのテキ屋として生きてきた寅。それぞれの世界で寅の拠り所となっていたのが、柴又の妹・さくらと、テキ屋の弟分・登でした。 最後、いつものように柴又を後にする寅。訪ねてきた節子に『いつものことだから』という顔を見せるさくら。一方で朝里の海岸で偶然にも登と出会って、嬉しそうに仁義を切り合う寅と登。これまた『いつものこと』なんだろうな。と思わせる、素晴らしい終わり方でした。  あ、私が生まれるちょっと前の札幌と小樽と共和町の景色も楽しめて、テンション上がりました。あの頃までSLが走ってたなんて思わなかったわ。旅館に貼られた札幌五輪のポスター。そうかそんな時代か。札幌はオリンピックを境に急速に発展したんだろうな。 当時の小沢駅周辺、末次旅館のある風景の味わい深さ。ロケ地を回る個人サイトの写真と見比べると、今の小ざっぱりとしてしまった北海道の田舎の寂しさが、なんか私にとって望郷って感じです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-06-26 08:39:00)
258.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 《ネタバレ》 
“Indiana Jones and the Temple of Doom”『インディアナ・ジョーンズと悲運の宮殿』。シリーズ2作目。本作から『インディ・ジョーンズ』がタイトルに出てきます。なぜかレイダースより1年前が舞台です。真ん中から上映し、前日譚、後日譚って流れはスター・ウォーズみたい。 幼い頃、レイダースがあまりに面白かったので、インディの名を冠した本作は、きっともっと面白いに違いない!!…って思ったんだけど、まず時代設定がとても古く感じました。前作の近代的な時代設定から、時代の良く解らない上海、そしてもっと良く解らないインド。出てくる兵隊(ブランバート大尉のイギリス軍)も、ちょっと昔な感じに観えてしまって。前作のVS軍隊のリアリティと打って変わって、何でもアリなファンタジー世界に思えてしまいました。  ショート・ラウンド。自分と同じくらいの歳の子供が大活躍するのが、当時のマセガキの私はシラケてしまいました。ハッキリ行って、ウザい。だってあの子の蹴りで大の大人が倒せるとは思えないんだもん。この辺り、SWのイウォークと同じ匂いを感じてしまった。ルーカス発案なのかなぁ? 子供が活躍する一方で、ダークな世界観が不釣り合いに思えます。カブト虫や猿の脳みそ食べたりとか、かなり悪趣味。そして私はこの映画で虫が駄目になりました。小さい頃はトノサマバッタとか掴めたのに。デパートの世界の昆虫博とかも見に行けたのに。それまで意識していなかった“踏むと潰れる”“身体を這い上ってくる”ってのが気持ち悪く思えてしまって、虫もう駄目!!って。  一番違和感が大きかったのは、世界中を駆け回った前作と違い、中国からインドの宮殿に入って、そこを出たら映画が終わるところから、行動範囲の狭さに物足りなさを感じました。またロケよりセット内の撮影が多く感じられるのと、まだ技術的に未発達な特撮に頼りすぎているのも、前作との大きな違いに感じました。トロッコとか、水攻めから崖に逃げるとことか、当時のテレビだと特撮がしょぼく観えてしまって…  なんかメチャクチャに書いてますが、今は結構気に入ってます。上海のダンスシーンは賑やかだし、グロい晩餐会も虫だらけの洞窟も味があってイイ。洗脳されたインディが、どうして火を当てると正気に戻ったか謎だけど、そこからのマッチョな大活躍はスカッとします。特撮も当時ほどチャチに観えなくなってます(脳内補完?)。吊り橋で敵に囲まれて刀を振りかざすインディの格好良さったら無いね。これぞハリウッドの生み出したヒーローって感じです。
[地上波(吹替)] 7点(2023-06-26 00:05:29)
259.  カリートの道 《ネタバレ》 
“Carlito's Way”邦題まま。 逮捕前のカリート・ブリガンテの武勇伝についてはあまり語られないけど、もうアル・パチーノってだけで大物のマフィアでカリスマ性があったんだろうって想像できますね。そんな男が5年ぶりにシャバに戻って、カタギとして生きようとする。 時代が変わってベニー・ブランコのような(カリートから見て)チンピラが大物を気取っている。サッソが言う「彼は20年前の君と一緒じゃないか。」おそらく街もマフィアの世界も何も変わっていなくて、カリートの居ない間に時間だけが過ぎただけ。悪党は次の時代の悪党に代替わりし、古い悪党は沙汰される。ただカリートは自分の進むべき道を考え、ただそこに向かって進もうとしていた。 昔からの仲間、ラリーン、クラインフェルド、サッソ、パチャンガ。昔の仲間に大なり小なり裏切られるカリート。ここだっておそらく昔と何ら変わっちゃいない。カリートの価値観、進む道が変わっただけ。  クラインフェルドのクズっぷりが素晴らしい。カリートの刑期を短縮させるなど、それなりに有能な弁護士なんだろうに、突発的な行動が後先考えてなくて驚く。だけどトニーの脱獄の手助けがフランク一人だけって、マフィアって人材不足なのか?あれじゃクラインフェルドだって暴走するわ。でもカリートを道連れにする意味が…何かさせるつもりじゃなかったのかな? オープニングから撃たれるカリート。この場面がどこで出てくるのか?と思ったら一番最後だった。この映画で結末を映画のアタマに持ってきた意図が私には良く分からず。パチャンガがあの場面でカミングアウトする意図も私には分からず。ただカリートの脱出劇の緊張感。『楽園への脱出』看板と踊るゲイルの美しさは『ユー・アー・ソー・ビューティフル』と相まってとても美しかった。さすがデ・パルマ。  ブロードウェイを夢見ていたゲイルは、ストリッパーに身を落として働いていた。想像と違う現実のゲイルに、カリートは少なからずショックを受けたはず。 サプライズでゲイルに会いに行き、格好つけて帰ろうとしたときのゲイルの言葉。ドアチェーンを引きちぎるのは、想像していた自分の姿とは違ったはず。 最後の夕焼けの海岸で踊るゲイルは、あくまでカリートの理想とする将来像。自分抜きにでもバハマで幸せに暮らすゲイルを想像してのことなんだろう。 だけどきっとゲイルはバハマには行かないはず。カリートが死に、何のツテもなく身ごもったゲイルが、見知らぬ土地で一人生きていく未来は想像できない。マフィアの世界から足を洗おうとしても抜け出せなかったカリートと一緒で。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-04 22:43:57)
260.  ロビン・フッド(1991・ケビン・レイノルズ監督作品) 《ネタバレ》 
“Robin Hood: Prince of Thieves”サブタイなんてあったんだ『ロビン・フッド:窃盗団の王子様』なんか半グレ詐欺集団の独女担当みたい。この当時はケビンの人気が頂点に近かった頃で、格好良さとユーモアセンス高め、知性とナルシシズムは控えめと、二枚目人気俳優としてバランスが絶妙だったと思います。当時“面白かった”って感想しかありませんでした。  改めて見ると、敵兵がシャーウッドの森を怖がる理由の弱さ(モーティアナのほうが怖いわ)。ロビンとリトルジョンのゆる~い決闘(泳げないのに川で闘う?)。ロビンあっさりリーダーの座に。ロビン前フリ無く弓の名手に。お祭り騒ぎにてウィルお前反乱軍抜けたんじゃなかったのか?などなど当時の映画らしい大雑把さだけど、勢いがあって次の展開が気になる魅力もあったと思う。明るく楽しいだけでなく、拷問とか死体とかのダークなシーンも多く、それらがクドくないバランスも絶妙。  今回久しぶりに鑑賞しましたが、モーガンとアランが出ていたことは、インパクトが強かったので覚えていましたが、他の主演俳優のことは覚えてなくて、クリスチャン、メアリーに「へぇ、こんな役で出てたんだ」って。それくらい、私にはケビンがひとり光ってる映画って、印象だったみたいです。 アラン・リックマンの、ロビンに逃げられて門番を殴る回数の多さ。イライラしてナイフで皿を刺す勢い。彼のキレ演技が面白い。 そしてショーン・コネリー登場に「ワオ!」ってなりました。映画の最後に“観て良かった感”を持ってくるのは、ズルいけど上手い演出ですよね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2023-05-23 00:58:12)
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