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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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301.  アフロ田中 《ネタバレ》 
原作が好きであればあるほど、実写化、映画化には不安がつきもの。原作の再現度と雰囲気の再現。オリジナル要素がどれだけ馴染むか等、沢山の障害がある。“高校”から“結婚”まで全部実家にある私だけど、高校を中退してからプレハブ小屋生活、旭工務店に勤めるまでを足早に流した時には、初めて観る人を置き去りにする作風、正直期待できない作品。だと思った。 でもコレがなかなか、2時間の映画として、良くまとまった作品に仕上がっていると思う。この作品は、アフロヘアーだけど中身は普通の青年・田中広が、社会の仕組みや男女の恋愛に勝手に悩み、等身大の成長をしていく物語。当時原作は“さすらい”の頃だけど、一番脂ののっていた“上京”をベースに“中退・高校”のエピソードを交えて、友人井上の結婚と自身の彼女作りに、原作の雰囲気を壊さないよう、オリジナルの彼女候補・佐々木希を絡めて描いている。  松田翔太の見事な熱演。ちゃんと田中広に観える。動揺や不安感といった心の声を被せることで、田中が何を考えているかがよく分かる。無愛想だったり無口だったり、エロい誤解を与えないよう自重したり。あんな見た目(アフロ)や雰囲気の裏で、こんな事を一生懸命考えてたんだって、可愛く思える。 野良猫の餌やりは優しすぎ(映画オリジナル)に観えたかもだけど、ここも心の声で補完。田中は実家にクロって猫を飼っていて、会えないのを寂しがっていたのを再現したと思うと納得。それを見て亜矢(佐々木希)が勝手にキュンとしただけ。人がどう思うかなんて解らないもので、最後も亜矢が何を考えてるのか、経験不足の田中には良く解らないままにフラレて終わるのも、アフロ田中らしい。  友人の再現度もなかなかのもの。ただ大沢(堤下)は、もっと小柄でブサイクな俳優さんでやってほしかったかな。 一番感心したのはロボ(井上のお嫁さん)。原作をよく知らない俳優さんなら、うつむき加減の根暗演技になりそうなところ、背筋伸ばしてちゃんと嬉しそうに笑顔を出してた。結婚式の『ご本人主演の再現VTR』凄く良かった。完璧なロボを実写で観られただけでも大満足。原作への愛があるなぁ。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-24 12:21:41)
302.  ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 《ネタバレ》 
-Knives Out- “複数のナイフが出た状態”って訳が多いのでそれで行きますか。ハーラン・スロンビー実は生きていて、コレは今回の事件をモトにした新作小説のタイトルじゃないか?とかって思ったけど、ソレはなかった、私の妄想どまり。 生前のハーランとの回想シーンに、怪しい家族の嘘が織り交ぜられているのかと思ったら、そっちは全部事実でありネタバレでもある。というのは斬新だった。ハーランの子どもたちが衝撃的な“今後の有り様”を告げられ、死の真相は回想の通りだとすると・・・え?もう事件は解決してるんじゃん。と思わせてからの捻りが面白い。こんな展開よく思いつくなぁ。  最後までイマイチ優秀に思えない名探偵ブラン。格安スマホ(BLU)の画面がバキバキにヒビ入ってるのとか、車が安いヒュンダイとか、今の低所得層の代表のようなマルタ。僅か1年後に007で共演してるけど、2人とも役柄違いすぎ。 嘘をつくとゲロを吐くヒロインが人を騙すという斬新設定。言葉を選べば吐かずに事実を隠せるのも、雑に証拠隠滅していくのも、なかなかハラハラして楽しめた。あと後半のカーチェイス。「めちゃ踏んでる!!」ハリウッド作品とは思えないノロノロ~~っとした本気のカーチェイスに、ついフフッてなった。  裏で色々やってるけど、ハーランの死後もマルタを養っていこうとするなど、それはそれで結構善良な家族の面々。よく“争いが続く=争続”とかって言われるけど、遺言書の中身でお互いの本性があらわになって・・・ハーランも真剣に子どもたちの今後を考えていたからだろう。案外、家族にとってベストな遺言内容だったのかも?相続から外されるのは、人生最良の日であり、今後の人生の糧になるんだし。少なくとも子どもたち同士で争うことは無くなったと思う。表向き。そしてマルタもスロンビー一族を路頭に迷わすことはないだろう。そこまで考えてのベストな遺言内容かも。 「ググったの」「ネトウヨ」「パヨク」字幕にネットスラング入れるの、ある意味頑張ったなって思った。10年もすればシャイニングの「おこんばんわ」並みに寒くなるかもだけど。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-07-21 23:44:03)(笑:1票)
303.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 
-BONNIE AND CLYDE- “ボニーとクライド” 普通に名前を並べただけだけど、これだけで通じる辺り、ロミオとジュリエット並みに神格化されてたんだと思う。ボニー(女)が先に来ているのは、語呂の良さだろうか? 邦題の“俺たちに明日はない”は、かなり魅力的なタイトル。明日など無い。今日、いま、この瞬間を刹那的に生きた2人の生き様を見事に表現していると思う。  2人きりの犯罪者カップルだと思ったら、バロウ・ギャングというある意味身内で固めた犯罪者集団だったのは意外。 貧乏人からは金は取らないと、義賊的な活躍が神格化された原因かと思ったら、案外あっさり銀行員を撃ち殺したモンだから、これにもビックリ。ネットの時代なら盛大に手のひら返しをされてた可能性大。 新聞がメディアの中心だった時代、社会も彼らを過剰に持ち上げていたんだろう。実際の犯罪もあれば、疑わしい犯罪を彼らのせいにしたものもあったろう。  OPから斬新。無音にシャッター音(?)だけが響き、サブリミナル並みの速さで映されるモノクロ写真。フェイ・ダナウェイのセクシーな唇。見えそうで見えない裸。退屈な毎日から抜け出させてくれそうな運命的な出会い。銃を撫でる手のエロさ。突然始まる非日常。強盗してから名乗り合う2人。場違いにも思える陽気な音楽…この新しさは、当時相当ショッキングだったんじゃないかな。 ユージンを乗せてからの変な空気も面白い。本当にその日その場を楽しんでるというか、後先考えてないというか…  あの有名な射殺シーンから、無音の THE END の流れ。あそこでブツリと終わるのも“俺たちに明日はない”感がとても良く出ている。 ボニーとクライドが出会ってから、死ぬまでを描いた映画、それ以上でも以下でもないと言う意味で、-BONNIE AND CLYDE-も魅力的なタイトルだと思う。 撃たれる瞬間の、お互いの表情を交互に映すカメラも良い。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-07 22:58:07)(良:1票)
304.  トップガン 《ネタバレ》 
-TOP GUN- “アメリカ海軍戦闘機兵器学校(NFWS)”の通称。 当時大ヒット&大ブレイクしました。トム・クルーズもトム・キャットも格好良かった。音速のドッグファイトとノリの良いサウンドの組み合わせ。デンジャー・ゾーンのノリも好きだけど、トップガンアンセムの静かに盛り上がる曲も好き。どうしてサントラ盤はギターが激しいんだろう、大人しいバージョンも入れてほしかったわ。 ミサイルが同じ場所から出てたり、洋上なのに陸地が見えたり、敵機が残り1機なのに2機映ってたり、そんな事が些細に思えるほどに本物のF-14Aの美しさ。特撮じゃない空撮の迫力。世界最強の航空戦力。あの雰囲気、あの格好良さに勝るもの無し。  カラオケで告白なんて、アメリカ人があの陽気なノリでやるから、もう格好良いのなんの。マーヴェリックてかトム・クルーズが相当歌が下手なのも見事にノリでカバーしてる。最後トイレまで追い掛けていって、グースとの賭けにインチキで勝つところもオチャメ。 アイスマンって嫌な奴&あの事故ってわざと?って思ってたけど、規律を守る常識人だし、本当に不可抗力な事故だったんだろう。ロッカールームでマーヴェリックに、一旦呼吸を整えてから「・・・ミッチェル」って名前で話しかけるトコ、ホント根が優しい人って感じ。  トップガンと言えば格好良いシーンで掛かるノリノリのロックが目立つけど、面白いのは懐メロが3曲ほど出てきたとこ。 カラオケで歌ったライチャス・ブラザーズの“ふられた気持ち”はピートとチャーリーのお互いの告白に。 グースが愛する妻キャロルにピアノ弾いて歌ったのはジェリー・リー・ルイスの“火の玉ロック”。 ピートの両親が好きだった曲としてオーティス・レディングの“ドック・オブ・ベイ” ノリノリのトップガンのサントラには入ってない3曲だけど、この映画では2人の愛を懐メロで表現しているのが面白い。 ベルリンの“愛は吐息のように”この曲も今ではずいぶん懐メロだけど、ピートとチャーリーの愛のテーマであり、デートムービーとしてトップガンを観た私たちの愛のテーマにもなっていた(と思われる)。だってみんなサントラ持ってたし。クラスに1人はサントラCD持っていて、それをみんなカセットテープにダビングして聞いてましたよ当時は。私もTDKのADに入れてたっけ…あぁ懐かしい。  最後にマーリンについて書いておこうと思う。今ではネットで簡単に調べられるから、ご存じの方は飛ばしてください。 公開から暫くして、ビデオとかで観てる時、最後の甲板で突然ヌゥっと出てきて「え!?もしかしてティム・ロビンス?」って、私たちををびっくりさせてくれたのが、マーリン。公開当時は無名だったから気にもしてなかった。 彼はいつから居て、どこで何してた?実は最後、マーヴェリックのレーダー要員、つまりグースの後任を努めてました。グースの死後、トップガンでは日章ヘルメットの黒人レーダー員(サンダウン)が後任だったけど、卒業式の緊急命令の時にヴァイパーが「レーダー員が居なければ私が飛ぶ」って言ってたから、この2人のどっちかがレーダー員を努めてたと思ってた。なのにどうしてマーリン? 実はマーリンは最初のミグ遭遇時の、クーガー機のレーダー員。本来だと空母エンタープライズからはクーガー/マーリン組がトップガンに行く予定だったけど、クーガーが辞職してマーヴェリック/グース組が行くことに。マーリンはそのまま空母に残ってたんだろう。腕は良いんだろうに。 で最後の緊急命令時もたまたまエンタープライズが母艦に選ばれて、最初の編隊チームだったマーヴェリックとマーリンの2人が、お互い固定パートナーが居ないから組めた。って流れでした。最後に突然登場したと思ってたけど、最初から映ってて、けっこう喋ってたんですねぇ。
[映画館(字幕)] 7点(2022-07-04 00:38:39)(良:1票)
305.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
※極力ネタバレ無しで書いてみましたが、難しいですね。有りにしておきます。 リアルタイムにはザ・ウルトラマンや80の世代になるんだろうけど、子供の頃は初代からレオまでが大好きで、夕方や夏・冬休みの再放送を、何回も観ていました。ほぼ全話見ていると思う。そして私が初めて映画館で観た映画が、ウルトラマン(ハヌマーンのやつ)。何かと縁がある作品です。  オープニングのゴメスやペギラにビックリ。そうか、そこから話が繋がってるんだ。元々が30分完結の独立したショートストーリーを、1本の映画として連続性を持たせて完結させるための取捨選択。綺麗にまとまっていたと思う。 公開前から、どうしてネロンガとガボラって似た怪獣をチョイスしたんだろ?って思ってたところ、アタッチメントの件でひとりヲタ笑いしそうになったわ。似てる理由も、映画の中できちんと処理していたのは上手いな。 しかし登場人物全員の、あの理屈っぽく固っ苦しいセリフはなんだろう。みんな頭が良いからだろうか、禍特対も宇宙人も似たような難しい喋り方してて、私の周りにあんな人いないから、違和感感じたわ。子供は楽しめないだろうな。 神永が子供を助けに飛び出すのは、一般人と距離が近い科特隊なら違和感ないんだけど、対策本部で研究と指揮だけで、現場活動しない禍特対では難しそう。 1回目と2回目で容姿の変わったウルトラマン。AタイプからB・Cタイプに変わる理由としては上手いけど、このすぐ次にニセ・ウルトラマンを出したからまた容姿が変わっただけのように思えて、ニセ感が弱くなった気が…ここはもっと、目とつま先で表現してほしかったと思う。 ウルトラマンは神ではなく、特殊能力のある60mの巨人でしか無く、ゼットンには敵わないのを解っていたのに人間のために戦いを挑む姿に涙が出た。  どうしてカラータイマーが無いんだろう?って疑問は、劇中では解決せず。後で調べて、そういうマニアックなトコから設定を引っ張ってくるんだぁって感心する反面、当時の製作陣の知恵と工夫、白黒からカラーテレビに変わる時代背景を落とし込んだのが“カラータイマーのあるウルトラマン”だとも思った。カラータイマーがロボット的だという考えを織り込むなら、無機質な“光る目”も、生物的なディテールにしても良いのでは?って思ったりした。 よりオリジナル設定に寄せる訳ではなく、怪獣図鑑の後付設定“一兆度の火球”とかは入れるあたり、つまりは制作側が好きなものをブチ込んだ結果がこのシン・ウルトラマンなんだろう。  ウルトラマンは100人のファンが居たら100通りの思い入れがある作品なので、このシンがベストマッチの人もいれば、大ハズレの人もいるだろう。 庵野監督がウルトラマンが大好きなのは知っていたから、どんだけ“お約束ネタ”を仕込んでくるかと思ったけど、うん、これがもし押井監督とかだったら、絶対魚眼レンズの顔アップや、みんなで並んでカレーライスからの・・・は入れただろうなって。 もちろん期待ハズレという意味でなく、後半にかけての展開の意外さ。繋がりの上手さは楽しめました。だけどウルトラマンの王道リメイクと言うよりは、庵野秀明版・ウルトラマンの同人作品ってポジションがしっくり来るかも。 最後の方の会話は、どうしてウルトラセブンで怪獣より宇宙人が多く出ていたのか?に上手く繋げていたと思う。シン・セブン作るのかな。
[映画館(邦画)] 7点(2022-06-24 16:18:53)
306.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 
偶然タクシーに乗り合わせた老弁護士と意気投合した榎津。すき焼きの肉を買い、金槌と釘を買う。あぁ、この弁護士さんも殺されるんだな…って思ったらもう殺されてる!!買ってきた金槌で殴るんじゃないんかい!クローゼットに死体をそのまま押し込んで、酒を口に含んで吹きかけて、金槌で扉を打ち付ける。なんて雑な隠し方。まさにサイコパス。  榎津の正体がバレてからの、ひさ乃婆さんとの牽制バトル。お互いに殺人経験があるためか、ひさ乃の嗅覚、感の良さと理解力が静かな攻防を盛り上げる。奇妙なバランスを保って、このまま穏便に行くかと思ったところ、突然の殺人。何で2人を殺そうと思ったのかな… 榎津は寿司を3人前出前。きっと殺人後に3人前を注文している。先のすき焼き(肉を400gも買ってる。2~3人前?)といい、既に殺した人間の食事も用意する辺り間違いなくサイコパス。  交通網の発達した'60年代、全国を飛び回った実在する殺人犯の経緯をベースにしているそうな。う~ん、確かに榎津って、あっちこっちに移動して犯罪を犯してたなぁ。最近では広域移動犯は珍しくないけど、『連続殺人犯がこの街にも来ているかもしれない』って、当時は怖かったろうな。 でも映画は状況を理解するのにちょっとややこしいところがある。管轄を超えて逃げる榎津に翻弄される警察組織に、もう少しスポットを当ててくれていると、広域逃走劇として解りやすかったかもしれない。本作は榎津の足跡と家族、そして犠牲になった浅野親子に焦点を当てている。そのため後半はあさの旅館を根城にしているため、広域移動犯罪の醍醐味が薄れてしまった気がする。  最初の専売公社社員の殺人から、このタイトルの意味(なにか理由があっての復讐劇か?)がどこかに結びつくかと思ったけど、そういう訳でもなく、タイトルは新約聖書の一節『悪人に復讐して良いのは我(神)だけに許されたこと』…みたいな意味らしい。 現在(逮捕後と犯行時)と過去(戦後)がハッキリと区切られること無く描写されるのと、時代はケネディ暗殺後('63年くらい)なのに、街並みや走ってる車は現代('78年くらい)と、こんな辺りもちょっとややこしい。 榎津親子の確執がどこから発生したか。なぜ加津子は義父をそこまで愛したか。もう少し説明がほしい所も多いけど、倍賞美津子の美しい裸体には驚いた。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-21 22:37:03)
307.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 
「お願い。ガメラを殺して」公開当時はまだ、日本の怪獣映画って子供を対象にしてるもんだと思ってたから、あの予告はショッキングだったなぁ。「倒して」じゃなく「殺して」だもの。パッパと切り替わるカメラワーク、被せ気味に入るセリフ。でも怪獣映画をこんなに格好良くして、どんな層がターゲット(本来は子供だろうけど)なんだ?って思ったっけ。  蝿がたかってリアルなギャオスの死骸。無数のガメラの骸。オープニングからかなり重たい。 そして渋谷破壊シーン。雲の上の火球の軌跡から燃え落ちるギャオス。人や建物との対比から想像される怪獣の巨大さ。甲羅がうねうね動き、生物感と兵器感が共生する禍々しいデザインのガメラ。これだけの巨体が歩けばガラスは割れるし地面は陥没するし建物は崩れる。瓦礫とともに吹き飛ぶ人。切断されるマルイをビルのガラスに映して観せるセンス。ガメラが火を吹けば人も舞い上がる。粉々に降り注ぐギャオスの肉片。 これこそ怪獣映画の疑問に対する回答。荒ぶる神と言える怪獣同士の戦いは、核爆弾にも匹敵する。人の被害なんて構ってられない。過去作では都合よく住民の避難が完了してたりしたけど、そんなの無理な話。まして無警戒の渋谷に突如現れたら… 死傷者15000人以上。生々しい死体を撮るのは避けて、そこは想像させる。たぶん今現在に至るも日本映画の中で最高品質の都市破壊映像だと思う。 そして後半のF-15との空戦。京都駅破壊も力が入っていて素晴らしい。絶望的なギャオスの大群に立ち向かう満身創痍のガメラも画になる。 1<<2<<3と特撮技術の進歩を観せた本シリーズ。マンネリになる前にピタッと幕を閉じたのは残念な気もするけど、クオリティの高い好作だと思う。  子供「ガメラが僕を助けてくれたよ」偶然自分を守ったように見えたのを、この子が都合よく解釈してるだけだと思うんだ。敢えて助ける風のシーンと、子供のセリフを入れることで、どっちでも解釈出来るようにして。だってガメラ、子供守った直後にサラリーマンの詰まったビルに火球放ってるしね。 綾奈「イリス、ごめんね、寂しかったんだね、私を探してたんだよね」これもイリスは餌の動物を捕りに行っただけで、綾奈は生体融合だかの素体としか思ってないしね。今回、意思疎通の出来ない怪獣の気持ちを、人間が自分に都合よく勝手に解釈してるだけって思えるシーンを敢えて入れている。 でも融合するのが綾奈でも朝倉(古代人の末裔)でも、ガメラは排除する対象だったんだな。綾奈がイリスを育てなくても、日本は襲われてたわけだ。 そしてイリスは人間と完全融合できなかったから、ガメラに負けた。ガメラが綾奈を助けたのも、そう観えるだけで別な理由があったのかもしれない。綾奈を殺すとイリスが完全体に進化復活するとか、実はギャオスの大群をおびき寄せるための囮とか。 浅黄はガメラを信じているけど、人間の理解なんて超えた存在だろうし。  当時の流行、エヴァっぽさが怪獣映画にも入ってた。主人公の少女が綾奈だし。ショートカットの少女が胸をはだけ、怪獣の触手が絡まり、ドロドロの体液にまみれるのは、エロい。帰国してきた浅黄がハーフなのは偶然だろうけど、でもセリフは棒のままでも表情は豊かになってたね。 長峰が缶ビール片手に仕事してるのとか、短いスカートで生足見せたりはサービスサービス。この辺、監督の趣味全開。 東西南北を守る四神獣のうち、本作は玄武と朱雀の物語。それに中央を守る麒麟を入れて、五霊って言うんだって。・・・だから長峰キリンビール飲んでたのか?このクオリティで残る二神獣(青龍と白虎)の戦いも観てみたかった。 大迫刑事の再々登場。ガメラ専門家の斉藤さんのデスクに亀の置物。渡辺裕之の自衛隊の現場隊長は3作フル出動。でも今回一番嬉しかった登場人物は、売れる前のTRICKメンバーの仲間由紀恵と生瀬勝久。
[ビデオ(邦画)] 7点(2022-06-19 14:21:34)
308.  私をスキーに連れてって 《ネタバレ》 
若者文化とバブル景気。遊びと恋とフジテレビ。'87年という時代を知るにはとても良い教材映画だと思う。 フジテレビの手に掛かれば、どんなものでもお洒落になった時代。面白いコンテンツを取り上げ、盛り上げ、膨らませて流行らせる。 ゼロから創ったのではなく、ジワジワ人気が出てきたものを、いち早く察知して、他のお洒落なものとミキシングして、さも自分たちが流行を創り出したかのように見せる、当時のフジテレビの技術。F-1、バレーボール、女子アナ、バラエティ番組、トレンディ・ドラマ(※W浅野の『抱きしめたい!』から言われ出した言葉だったよね?)。  このスキーにしたって、この映画が流行らせたように観えてしまうけど、ジワジワ流行っていたものを映画にまとめた“だけ”のもの。ファッショナブルなウェア。華麗なトリック。気心の知れた仲間との週末のフワフワした遊び方の提示。それら当時の若者の求めるものを、松任谷由実の透明な音楽をミキシングして綺麗にまとめ上げる。 “まとめただけ”なんて書いたけど決して簡単な訳でない。ネットのない時代に、いわゆる“マニアたちに静かなブーム”だったものをキャッチして“若者に大流行”させるフジテレビのテクニックは、正直言って凄かった。 ホイチョイが凄かったのかは、正直分からない。フジと切り離して考えると、この集団の功績がイマイチピンと来ない。ホイチョイ3部作の残り2つ(未見)の評価を見ても、う~ん…彼らの実力ってどうだろう?  ただ少なくともこの映画に関しては良い完成度。中身スッカスカと見下すことも出来るけど、スキー(&スキー場に行くこと)の面白さをしっかり伝えきれていると思うし、遊んでばかりの登場人物も、決して彼ら主人公たちだけがフワフワしている訳じゃなく、そういう時代だったんだなって思えて楽しめた。 中身の伝わらない仕事をして、夜からは遊びに全力を出す当時の若者。その金はどこから出てくるんだ?ってくらい湧き出る謎の遊興費。ヘタしたら死ぬかもしれないこと(レースとか立入禁止場所に入るとか)を遊びでやってしまう感覚。  サロットのウェアを届けるためにGT-FOURを転がす真理子とヒロコが格好良い。決して運転が上手いわけでなく、単に無茶をしてるだけに観える。けど車内の2人は談笑してるんだ。楽しいことだけ考えてた当時が懐かしく思えて、とっても好きなシーン。 荒い運転に耐えて頑張ってたGT-FOURがコケて、車体を蹴って怒る2人。お披露目に間に合わずスキー板を放り投げて残念がる泉。もっとモノを大事にしろよ!って思ってしまうけど、当時はあんな感覚だったと思う。次々に新しい良いモノを作り出せてた時代だし。モノを大事にする感覚って、松井秀喜が自分のバットを大事にするって広まった辺りから見直された感覚だったかもしれない。 恋愛映画としては、正直そんなに光るものは感じなかったけど、「バァ~ン!!」の照れくさ甘酸っぱさと、「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」ってベタだけどホンワカする告白の返事が素敵。
[ビデオ(邦画)] 7点(2022-06-18 17:27:26)
309.  僕のワンダフル・ライフ 《ネタバレ》 
-A Dog's Purpose- “犬の目的” 確かにこのタイトルだと固っ苦しい。駄洒落にして柔らかい表現に変えた邦題のため、一つの魂を持つ5匹の犬が、生まれ落ちた環境で、都度都度の生涯(犬生)を全うする、オムニバス映画のよう。 でも実際は一匹の犬の魂が5回も転生した結果、自分の目的を見つけ出す物語だから、このタイトル(…コレ書いてて、何が言いたいのか絶対伝わらないなって思ってる)。  最初の子犬は前世の話をしないから、ここからがこの犬(ベイリー)の物語の始まりで、ここより前に物語は無い。最後ワッフルズ(のちベイリー)となってイーサンのもとに行き、犬の目的=“今を一緒に生きること”を見つけて終わる。ここから先、ベイリーが死んでも、イーサンが死んでも、もうベイリーの転生の物語は無いんだと思う。(続編があるようだけど、この映画はここで終わってると思うんだ) 転生しても最初の飼い主イーサンのことを思うベイリーだけど、当然ながら警官のカルロスや学生のマヤに対しても同じように愛情を示す。今の飼い主を放ってイーサンを探しに行ったりはしない。なぜならこの時は気が付いてないけど“今を一緒に生きること”が、犬の目的だから。  この映画「自分より先に死んでしまうから…」と、犬を飼うことに二の足を踏む、本当の犬好きの人の背中を強く押してくれる映画だと思う。犬にとっても死は苦しいけど、そんなことより限られた犬生、飼い主と一緒に生きることが犬の目的なんだと。  実家で猫を飼っている。初代は割とすぐ死んでしまい、二代目は16年生きて天寿を全うし、いま三代目が健やかに暮らしてる。全部たまたま家に来て住み着いた野良猫。重複して飼ってた期間は無く、前の猫が死んでしばらくすると、どこからともなく次の猫がやってきた。もしかしたら初代の魂が、猫の目的なんかを探して転生しているのかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-06-14 23:23:38)(良:1票)
310.  ガメラ2  レギオン襲来 《ネタバレ》 
前作から僅か1年で、しかもこれほどの進化を遂げての映画化が凄い。 前作の丸々したガメラに対し、クワッと凛々しい本作のガメラ。同じガメラとは思えない造形から醸し出される雰囲気は、もう子供の味方という愛嬌は感じられない。しかも本作は、血が飛び散るなどのスプラッタ描写、巨大昆虫が群がってくる気持ち悪さ、水野美紀の健康的な太ももを撮り倒すカメラワークと、前作以上に対象年齢が高め。前作の大迫刑事がチョコっと出てくるのも面白い。浅黄は結構重要なポジションで出てくるけど、相変わらず、どこか遥か遠くを見つめてるような目。頑張って演技してるんだなって、ある意味可愛く思える。  さて、はい。もう札幌市民としては嬉しさと懐かしさがギュッと凝縮された映画ですよ。四半世紀前の札幌の空気が感じられる映画。不謹慎に思われるかもしれないけど、自分の街が怪獣に壊される嬉しさ、怪獣が地元に来るって、こんなにワクワクするんだって、この作品でようやく私も実感できました。 初っ端からラジオの周波数が1440と来た。青少年科学館の学芸員って、当時あんな制服だったっけ?今は廃墟のパーラー・マコマナイ、真駒内駐屯地があるからって南区ばっかりズルい。あミスターだ、ヤスケン痩せてる。…って、札幌市民は大興奮ですよ。むしろ当時当たり前だった光景が無くなってたりで、当時観たとき以上に興奮してました。 そして改めてミニチュアの街の再現度の凄さを実感。つい数年前に解体されたロビンソン百貨店、当然ながら4号エレベーターまで造ってある。レギオンに巣食われるロビンソンは、ちょうど真下が地下鉄すすきの駅で、当時の飲み会の待ち合わせスポットだったから、札幌で一番、携帯の電波とかが飛んでいた場所かもしれない。  クローバーフィールドの10年以上前に、ゴジラUSAより数年前に、大怪獣とミニ怪獣のコンビネーションを出していたのには、さすが怪獣映画大国日本!って思った。CG技術はハリウッドに劣るけど、アイデアと特撮の味わいは決して負けてないぞ。その自覚があるから、CGは味付け程度にして、得意分野の特撮技術を全面に押し出す心意気が素晴らしい。 本作で地元が舞台だったのも大きいけど、ガメラと日本人、自衛隊員と勇気ある民間人(アメリカ軍のチカラ借りてないんだから人類とは言わない)が、お互い意志疎通出来ないながら、共同で宇宙怪獣を倒す。エンディングのウルフルズを聞いていて、ガメラという存在がとても愛おしく感じられた。
[ビデオ(邦画)] 7点(2022-06-13 23:18:45)(良:1票)
311.  ウォール街 《ネタバレ》 
この映画の何に驚いたって、ニューヨーカーがお洒落に寿司食べてるの。なんかカキ氷機みたいなオモチャのハンドル回して、ポトリとシャリが落ちてきて。そんなの寿司じゃねぇぜ!って言いたい反面、田舎モンのお父さん(マーティン・シーン)は寿司を怪しんで匂い嗅いでるのとか、なんか日本文化が徐々にアメリカに進出しているのが実感出来た気がして、嬉しかったっけ。ゲッコーという名前も『月光?ゴードンに日本の血が?』なんて思ったけど、それは勘違い(Gekko=ヤモリ)だったぜ!  理想だけ高いお坊ちゃんバド。奨学金を返すより先に自分のこと優先。親より年収が上回ったのに「家に食費に車に駐車場に服に…」って、まさにガキの理屈。この辺日本もアメリカも一緒なんだな。で、真面目にコツコツ働く勤勉な親にお金借りて、デリヘル呼んじゃうんだからもう…。 ゲッコーに取り入るために親の会社のインサイダー情報まで出す向こう見ずさ。証券マンとしてそんなに才能があるとは思えないバドだけに、この後のトントン拍子に説得力がないけど、きっとゲッコーの力が、見えないところで後押ししたカタチだったんだろう。 正義(?いやこの場合、家族愛か?)に目覚め、ゲッコーに対抗するバド。極秘情報を持ったほうが勝つのが投資の世界なら、勝ったのはバドというよりライバル投資家のワイルドマンだろう。  6万ドルの絵画の価値が10倍になろうと、その絵画の持つ魅力は変わらない。裁判所に向かう車内でお父さん「あぶく銭を稼ぐための売り買いではなく、物を作れ。創造するんだ」お父さんの言葉はシンプルなだけに奥が深い。しっかりシートベルトをしてるお父さんと、シートベルトしてないバドの対比が面白い。 テルダー製紙の株主総会でカットされたシーンが、日本企業の進出に対する警戒だそうな。当時の日本は物作りの超大国。アメリカが日本を怖がってるって認めるのが腹立たしいから、カットしたのかな? 日本文化が世界に浸透した今、当時ほど物を作れなくなり、当時ほどお金がなく、当時ほど経済的脅威ではなくなった日本。以前と比べてハリウッド映画の日本描写が正確になってきたと思ったら、そうかもう、アメリカは日本が怖くなくなったんだ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2022-06-06 23:17:54)
312.  ナイト&デイ 《ネタバレ》 
-night and Day- “四六時中” …のアタマに -K- を付け加え -Knight- “騎士”にしたもの。“いつもあなただけのナイトですよ”みたいな意味でしょう。ロイの本当の名字がナイトさんなので、ジューンの名字もデイさんかと思ったら違ってた。 公開当時トム48歳、キャメロン38歳。トムは思想の影響か奇行が目立ち、人気が落ちていた時で、アラフォーのキャメロンもカラッとしたコメディエンヌ色を控えて、シリアスな映画に出る機会が多く、女優としての方向性の曲がり角なのかな?って時の作品。  私の中ではどうしてもキャラ設定がミッション・インポッシブルのイーサン・ハントと被る。M:Iシリーズが安定的にシリーズ化したと思われるこの時期(ゴースト~公開の前年)に、どうして系統の似たようなアクション映画を創ったんだろう? このロイ・ミラーという自信満々の明るいキャラは、M:I-2のチャラチャラしたイーサンに近く、『あぁ、トムはこっちのイーサンも好きだったんだな』って思ってしまった。2の“コレじゃない感”の反動から、シリアス路線に大きく舵を切ったM:I:Ⅲだったけど、もしかしたら本作はチャラチャラ・イーサンのM:I-3没シナリオを手直ししたものだったりして。 売り出し中の女優じゃお客が入らないし、キャメロンを対等な立場の主役にして、ヒット作Mr.&Mrs. スミスみたいなポジションを狙ったんじゃないか?と。  内容はシンプルでアタマ空っぽにして楽しめるアクション映画。バイク放り投げてボンネットに降ってくる明るいロイ。同じことをM:I-2でやられると嫌だったけど、別キャラのロイだと全然受け入れられる。 薬で意識朦朧のジューン→敵に捕まっても明るいロイ→よくわかんないけど楽々脱出って、肝心なアクションを描かないのも新鮮(M:I:3の上海でやってるけど)。「With Me↑ Without Me↓」とか「目を瞑ったまま服を・・・」などテンドンもホンワカ出来る。 ロイの両親に届く不審な高額当選とか、M:Iで不当逮捕されたイーサンの親の掘り下げ、名残りと思えなくもない。 ドレスにブーツ、ナース服にブーツのジューンも可愛い。父の形見のGTOへの愛着とか、結構味のあるキャラクター。  良く解らないのが、このロイとフィッツはFBIに潜入しているCIAの特殊工作員…で良いのかな?で黄色いドレスのジューンを拘束したときはFBIとして普通のFBI職員とともに車に乗せ、その後「安全な場所に」とCIAの偽FBI車に乗せ変える。で、ロイにバンバン撃ち殺される。 最初の飛行機でバンバン殺されてたのはCIA?彼らはイザベル長官の指示で動いてたんだよな? で、事件解決後のイザベル「裏切り者共を始末してくれたのね」って、えぇ~!?じゃあロイはCIAの裏切り者だけ選んで殺してたの?でもスチュワーデスが撃たれた時、驚いて介抱しようとしてたじゃん?ロイは誰が善で誰が悪か知らなかったってことじゃん? う~ん…今の目で観るとロイが人を殺しすぎてスッキリしないけど、当時コレはコレで楽しめました。
[試写会(字幕)] 7点(2022-06-05 12:54:27)
313.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
キリシタン迫害の映画。拷問の痛々しさと、逃げ道も救いもない流れが想像できるので、重たい気持ちで鑑賞。 劇中、キチジローが日本を国として考えてるのとか、村人から番人まで流暢な英語を話してるのとかは、映画らしいディフォルメと考えるにしても、ここまで日本と日本人が違和感なく反映されたハリウッド映画が出来てくることに、時代の変化を感じる。 ディフォルメ表現はあっても、クリスチャン→切支丹、パードレ↔伴天連、パラダイス→パライゾなど、当時の日本で使われていただろう単語はそのまま残しているところが、よく研究して創っているなって感心させられる。  テーマは重たいけど思いの外エンターテイメント作品としてグイグイ惹き付ける内容で、言葉の通じない(とは言えないけど)敵だらけの異国の地で、役人から隠れながら布教活動に務める2人の神父の勇敢さ。切支丹を迫害する悪として登場する役人だけど、そうするに至った理由が語られるたび、ロドリゴ神父への対応を見るたび、日本がしっかり考えた上で、キリスト教を拒否した経緯が観えてくるのが興味深い。 本編とは関係ないけど最初のジェダイ、クワイガンを探しに、最後のジェダイ、ベン・ソロが旅立つ流れは勝手に胸熱。  誤解して、あるいは故意に誤解させて広まった日本のキリスト教。ロドリゴ自身の信仰と、眼の前の信者の命を天秤にかけた説得、棄教を迫るやり方。拷問の残忍さ。何が正しいのか解らなくなってくる。波に打たれても賛美歌を歌い続けるモキチの純粋さ。死を覚悟してもパライゾを信じるモニカの真っ直ぐな眼。どう考えても一番可愛そうなのは末端の切支丹たちに思える。  忠庵の話はなんか納得。ザビエルが“神の御子(SON)”を“大日=太陽(SUN)”と教えた下りは、八百万の神を信じ、その頂点に天照大御神(大日)を置く日本古来の考えとマッチした…と言うか寄せてきたんだなって。科学技術も宗教の研究も進んでるポルトガル人が、村人一人ひとりに寄り添って「この教えが正しいんだよ」と言えば、普段顔も見られない殿さまと、その下の役人に足蹴にされて、重たい年貢を強いられる村人は「そうなのかぁ、知らなかったなぁ」って信じただろう。踏み絵の際の「カタチだけで良い」は、悪魔の甘い囁きなんだろうか。キチジローのように踏んだ者への扱い(放免)を考えると、本当に出来る限りの譲歩はしていると思える。日本に限らずキリスト教徒はこの映画をどう観るのか。 日本は無宗教の国家だけど、宗教を信じている人は人口の2~3割。だけど各宗教団体の信者数を足すと2億人を超えるらしい=人口の約2倍。これも正しいのかどうかわからないけど、キリスト教を拒否した結果、日本は植民地支配を免れたのかと思うと、宗教の必要性とか役割について、色々考えてしまうなぁ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-05-22 14:35:54)(良:1票)
314.  最高の人生の見つけ方(2007) 《ネタバレ》 
-The Bucket List- アメリカでは『死ぬ前にやっておきたいリスト』の事を“バケツリスト”って言うんだそうです。 二人があれだけ思い切ったことが出来た理由は2つ。間近に迫った自分の死を受け入れたことと、それが一人じゃなかったこと。 リストの項目は、本当に前々から夢見ていたことや、どうせ死ぬなら…と思い切ったことも含まれていた。あと実現不可能に思えることも。 私もいつ死ぬかが解っていれば、ぜひ、やっておきたいリストを作りたいけど、どこまで実現できるかは定かではない。一人だったら半分も実現できないかも。もう死ぬのに。そんな引っ込み思案な気持ちを、老後の不安と迫る死を、明るく乗り越える活力に変えてくれそうな映画。  リストの中身は、コールが大金持ちだったから実現できた事が多いのも事実だけど、これが庶民二人のコンビで、目的地到着までに体調崩して現地の病院にお世話になって…なんてのを延々見せられても夢がない。自家用ジェットでビュンとひとっ飛びして、夢の実現をサクサク消化するテンポの良さを優先したんだろう。97分という短めの上映時間にまとめたのも上手いなと思う。  後半に行くほど実現が難しい項目が残っていくけど、決して妥協しない消化方法は見事で、特に“世界一の美女とキス”は目頭が熱くなってしまった。そして世界を駆け巡った挙げ句、身近な場所へ、家族のもとへと帰納していく展開は、誰でも共感できるような気がする。 そして自分たちのやった事、二人の足跡を、誰かに残すことも大事なことかもしれない。序盤のミスリードにまんまとやられ、最後に登場する人物がトマスなのが良かった。コールの思いは娘が、チェンバーズの思いは家族が引き継ぐけど、二人が共に過ごした時間はトマスに残されたんだな。
[地上波(吹替)] 7点(2022-04-20 20:33:51)
315.  M:i:III 《ネタバレ》 
シリーズの中で平均点は低いほうみたいだけど、2があんまりな出来だったことを考えると、上手に方向転換した作品。タイトルにⅢが入っているけど、2を飛ばしても全く問題がない創りが嬉しい。それでいて4以降の作品を観るのに、このⅢは飛ばせない創りがニクい。 いきなり拘束されて涙を流してるイーサン(なんであんなに目がキラキラしてるんだ?)。殺される女性。よくわからないけどピンチから始まる掴み方は旨い。だけど救出劇でリンジーも死んで、死が続いてしまうのは、娯楽映画としては重たかったか。小型爆弾の死に顔はあまりにリアルで無慈悲。  ちょっと特殊部隊映画っぽい出だしから、バチカン侵入はスパイ映画らしくワクワク出来る。地面スレスレのお約束シーンも、あんなスパイグッズ本当にありそうで格好良い。変装マスク制作、声真似フィルムの録音なんて見応え充分。チーム活動もそれぞれの分担が解りやすく、トム様のワンマン映画から脱却しようとしているのが伝わる。 橋の上の無人攻撃機との攻防。爆風で車のリアウインドウを割るシーンは地味だけど特徴的で、何というか“口で説明しても良さが伝わらない”シーンを見せ場に持ってくるのは、J.Jのセンスの良さかもしれない。センスといえば上海のビル侵入中を一切描かないのも面白い。ここを丁寧に描いてしまうと、スパイ色が薄まるからって判断だろうか。ゼーンのおまじないも人間味があって好き。映画の序盤に湖の名前と、唇を読む特技を観せて、その両方のフラグを回収する手腕も評価したい。  OPの拘束シーンに戻り、別人だったとホッとしたのも束の間。ここからが結構駆け足だった。久しぶりに観たら電気ショック意外殆ど忘れてた。あのタイミングでマスグレイブが顔を出す必要性がない。ヘリや無人機まで出せる組織なのに最後のボディガードショボすぎ。デイヴィアンの最後があまり印象に残らない。ジュリア銃の扱い上手すぎ。マスグレイブ生きとったんかワレ!あ死んだ。  ラビットフットって何?マクガフィンだって。映画的にはソレで良いんだけど、劇中のあの物体は何?って思ったんでこう考えた。アメリカが掴んだ中国の化学兵器で、中身はよく解らないんだけど、そこそこ厳重に管理されている。そこでデイヴィアンが欲しがりそうな性能をアメリカが勝手に盛って、ラビットフットってソレらしい名前を付けて情報を流したんでないかと。中国では別な名前が付けられてるから、アレをラビットフットって呼んでるなんて思ってない。イーサン使って手にしてみたら、掴んだ情報と性能が全然違うモンだから(そりゃそうだ)ディヴィアン激怒。って流れじゃないか?と。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-18 00:11:01)
316.  悪魔のいけにえ 《ネタバレ》 
-THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE- “テキサス・チェーンソー虐殺(事件)” 記録フィルムのような淡々としたナレーション。ストロボの光と浮かび上がる遺体。死者に対する敬意のカケラも無い遺体損壊オブジェ。アルマジロの死骸…最初っから生理的に受け付けない気色悪さ。 旅行中の若者が被害に遭うホラー映画って言うと、序盤はもっとこう、キャッキャウフフと盛り上がっているところを、徐々に不幸が忍び寄って…って印象だったけど、序盤からイヤな予感しかしない。  良くない運勢の占い話、牛の屠殺話。みんな若いんだから、もっと明るい話題はないのか?って思ってるうちに拾ってしまう最悪のヒッチハイカー。演じた役者さんには申し訳ないが、笑顔が行動が空気が全てが生理的に気持ち悪い。 突然出て来て突然殴り殺すレザーフェイス。ガァーッダンッと閉められる鉄の扉。恋人が切り刻まれて殺される様子を、吊るされながら見せられるパム。この交渉の余地のない絶望感。なんか落ち込んでるレザーフェイス。病んでる。  男は一撃でアッサリ殺されるけど、女は時間を掛けてじわじわ殺される。すみません私アッサリでお願いします。 ヒッチハイカーとガソリンスタンド親父とレザーフェイスがひとつ屋根の下に暮らす家族。よくこんな設定思いつくわ。サイコを彷彿とさせる祖父母のミイラ…と思いきやジイさん生きてる!血チュッパチュッパ吸ってる!!ヒィィッ~~! サリーの絶叫とエメラルドグリーンの瞳のアップ。力無く振り下ろされるハンマーでの処刑。いつまで続くのコレいつ終わるのぉ~~~!?? 急展開の脱出劇から、朝焼けの中踊り狂うレザーフェイスの映像の美しさ。不快感満点の映像美。 墓地を出て以降マトモな人が出てこないんだけど、会話が続くたびに仕事をめるガソリンスタンドの窓拭き係が可愛い。
[ビデオ(字幕)] 7点(2022-04-10 20:58:46)
317.  バグダッド・カフェ 《ネタバレ》 
毎年1~2回、温泉目的で通る国道の、何の用事もない通過点の、いつもそこにある古いドライブイン。何度も通るから存在は知っているんだけど、一度も入ったことはない。『そういやあの店、昔からあるよな…潰れもしないで』『どんな客が使って、いったい何が食べられるんだろう…』『あの場所で暮らす人って、どんな人生歩んでるのかな?…まぁ、私には一生関係ないか』なんて、お店に立ち寄ったり、入る気なんてさらさら無いんだけど、ふとそこに住む人の人生が気になる事がある。バグダッド・カフェもそんな存在なのかな。どこかからどこかに向かう道にあって、殆どの車が前を素通りするだけ。ただ通過点に存在するだけで、それ以上の関心を惹かない店。  -Out Of Rosenheim- “ローゼンハイムから離れて”。 実在の地名だけど、なぜ劇中一度も出てこないジャスミンの故郷がタイトルなのか? 原題からこの映画は“ただ通過される側”の視点から描かれた異色のロードムービーなのかな?って思った。 そしてエンドロールで最初に出てくるのが、監督でもキャストでもなく、挿入歌“コーリング・ユー”。この映画を象徴するジェヴェッタ・スティールの幻想的な歌。この映画は映像より先に歌から出来た作品なのかもしれない。  舞台はカリフォルニア州のバグダッド(これも実在の地名)。ピカピカなお揃いの旅行バッグから、この中年夫婦は新婚旅行の最中だったのかもしれない。 道に迷ったか、行き先で揉めたんだろうか?アッサリと喧嘩別れしてしまう夫婦。 “コーリング・ユー”から生まれた映画だとすると、目的地のラスベガスとは逆方向に向かうジャスミン。本来は通過するだけだったモーテルに泊まることで観えてくる、触れ合う予定のなかった人々。何年もそのまま、そこにある建物。ただ車が流れ行くだけの国道。何の変化も起きないような、ずっと変わらないようでいて、ゆっくり流れていく時間。だけどたまたまそこに住み着いた人たちにも、それぞれの人生がある。  ジャスミンの手品が評判になり“ただ通過される店”が“立ち寄る価値のある人気スポット”に。彼女の手品とみんなの調和が生んだ大きな変化。 「Too much harmony(調和とれ過ぎなんじゃ!)」と去っていくデビー。みんな仲良く調和するよりも、些細な揉め事が絶えない、徐々に退廃していくギスギスしたカフェが良かった人もいる。 ローゼンハイム(薔薇の家庭)から始まったジャスミンの旅。目的地ベガスに行くこともなく、前夫もドイツ国籍も捨てて、アメリカ人と結婚という想定外の終着点を迎える。私には一生関係のない通過点のお店で、そんな人生を過ごしている人達が居るのかもしれない。…なんて考えさせられた一本。
[ビデオ(字幕)] 7点(2022-03-24 00:39:13)
318.  ウエスト・サイド・ストーリー(2021) 《ネタバレ》 
モト作品が観る度に好きになっていく映画だったので、アカデミー作品賞候補の本作にも期待しての鑑賞。 スッキリとした映像、カメラワーク、広がりのある音響に60年の技術的な進化が伝わってくる。 再開発(破壊)されていく街並み。一箇所に集められたバスタブのあまりのリアルさから『この世界観からミュージカルって不自然にならないかな?』なんて心配してしまったけど、歌が始まってしまえば盛り上がる。  体育館の“マンボ”の迫力。左右に分かれてクッキリとするの寒色(青系)のジェッツと暖色(赤系)のシャークスの両陣営の統一感。白いドレスのマリア。コッソリ背伸びして引いたルージュと、アニータに借りた赤いベルトのワンポイント。黒いジャケットのトニーは青いストライプのネクタイ。黄色いドレスのアニータ。彼女の『赤』を使う場所が情熱的なアニータらしく、また映えるんだわ。 “トゥナイト”の美しさ。吹き替え問題が尾を引いてしまった'61年版に対し、レイチェル・ゼグラーの歌唱力は伸びやかで美しい。 日中のメインストリートで繰り広げられる“アメリカ”はよりゴージャスに。きっとどこかで聞いたことのある名曲の数々に、ミュージカル映画が初めての人も、魅了されるんじゃないでしょうか? 古いというだけで観ないのはもったいない作品なので、良いタイミングでリメイクされたと思う。   まだ公開中の映画は極力ネタバレ無しに、簡素に書くよう心掛けたいところだけど、以下はちょっとギリギリのライン。 “クインテッド”で最高潮に盛り上がり、残された少年たちの『どうしよう?俺たちこれから、どうなってしまうんだ?』って不穏な空気を“クール”で鎮める流れが脳内に染み込んでるんだけど、本作は舞台版に近づけたのかな? “アイ・フィール・プリティ”の入るところも、ここで入るのか…って感じで違ってた。この曲は'61年版ではインターミッション後の一曲目なので、重めな映画後半戦の中でも清涼剤的に楽しい一曲なんだけど、本作はインターミッションが無いから、決闘から先のドラマが割と長めに感じられた。後半の流れは'61年版のほうが勢いがあって、個人的に好きかな?
[映画館(字幕)] 7点(2022-03-20 10:17:02)
319.  キッド(1921) 《ネタバレ》 
-The Kid- “坊や”。  一本の映画の中に悲劇と喜劇が混在する作品は、本作が映画史上初。とのこと。自分で書いたレビューを振り返ると、この映画が最も古い映画なので、喜劇はともかく、悲劇のみの映画とか、ちょっと想像がつかないな。 大人と子供の組み合わせ映画だけど、男手一つで子供を育てる映画なら、事情があって母親の居ないシングル・ファーザーの話でも良かっただろうけど、偶然拾った血の繋がらない子供にしたのは、きっとチャップリンが第一子を生後すぐに失っていることと大きく関係するんだろう。そして本作を単純に“喜劇のみ”に出来なかった理由も、きっとその辺なんだろう。  注目はジャッキー・クーガン演じる子供の可愛らしさ。そして演技。今から100年も前の映画なのに、5歳ほどのジャッキー少年が、当時はきっと珍しかったカメラを気にすることなく、ノビノビとした演技と、はっきり解る喜怒哀楽の表情をしているのが素晴らしい。 2人の食事風景がとても印象的で、謎の煮込み料理を、自分と同じ量を子供の皿にも盛る男。あんな大人でも食べ切れない量なのに、次のシーンではぺろりと食べ終わってるのが面白い。 同じ量。パンケーキは枚数まで数えて同じにする。不足分は“半分こ”してまで子供に与える。お腹いっぱい食べることは生きるうえで一番の幸せ。男が子供を商売に利用しているのではなく、対等なパートナーとして扱っているようで、とても好きな場面。 ガラス修理する男の後ろに警官が立つ場面の“?”の字幕の意味がわからない。何だろうあれ?  子供が風邪を引いた時に「一度帰りますが、また来ます」と言った母親。きっと看病の日に再会してるんだろうけど、その場面を描かなかったのは、手紙をダメ医者に見せる時に母親が居ては、ここで話は終わってしまうから? 数日後、子供の風邪が治ってから、孤児院の車が来る日になって、やっと母親も来るのでは、遅いよなぁ。でも屋根を伝って追いかけるシーン。右手に孤児院の車も観える立体的なチェイス・シーン(のんびりしてるけど)が、こんな大昔に撮られていたことに驚く。 男と子供と母親が揃って再会ハッピーエンド。 最初、夢の国の天使=母親だと思ったけど、別人だったんだ。男と母親の間に恋愛要素は無いのか。 その後3人仲良く暮らしたのかは解らないけど、この作品のテーマが“失った人と再会する”であれば、それはそれで納得。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-23 10:51:36)(良:1票)
320.  ブラック・レイン 《ネタバレ》 
-Black Rain- “黒い雨”。原爆のことを表しているのかと思ったけど、親分の「3日間防空壕に入っていた」ってセリフから、恐らく本土大空襲全般のことを表現してたんだな。爆弾の熱は日本人を焼き殺し、生き残った日本人には黒い雨が降り注いだ。そして親分曰く“金を崇拝するアメリカ人のような日本人”佐藤が生まれた。 監督はアメリカ人が映画を観てイメージする、スキヤキ・ゲイシャのステレオタイプな日本人像ではなく、家電や車で世界を席巻した、生まれ変わった今の日本を表現しようとしたんだろうか? そういう意味では今までの日本表現に比べ、スタイリッシュな都市像が表現されている。リアル・ブレードランナーの世界。  新しい日本人・佐藤と対極なのが松本。松本のような実直で真面目な古い日本人が、如何にして戦後から現代を生きているか。英語を学び、チャーリーとカラオケを歌い、ニックから“時にはブチかます”ことを学ぶ。古い日本人はアメリカから学び、どんなものでも吸収して今に至っている。 若くて気さくなアメリカ人チャーリー。どんな相手でも仲良くなれる彼は、さしずめ新しいアメリカ人だろうか?何でも吸収する姿勢は松本に近い。  そしてニックだ。妻と別れ、雨の日に子供をバイクで迎えに来るダメな父親(ってか母親も窓から見送るなよ、風邪引くだろ。きっとニックに懐いてる自分の連れ子には愛情がないんだわ、この母親)。仕事でも仲間の汚職に加担して、自分も賄賂を受け、それをチャーリーに言えないでいる。 金を崇拝とまでは行かないが、汚い金で子供を養う彼は、本質では佐藤と似ているのかもしれない。 この映画、本当はニックという汚職警官のダメっぷりを、もっと丁寧に描くべきだったと思う。だから最後の空港のシーン、シャツの下の偽札原板の意味がイマイチ“??”な感じになった。  ニックは日本の警察に原板を渡さなかった。松本はニックが原板を隠していることに薄々気が付いていたと思う。でも原版の話はするけど、調べるつもりもなかった。原版の使いみち、オイシイ話をするニック。 ここでお別れだと言ってシャツを渡す。そもそも松本に、日本で買ったシャツを渡すのは変なのに。空港には警護の警官も来ていたと思うと、松本と2人きりで話せる場として、あの狭い立ち食い蕎麦は好都合だったんだろう。 「後ろに気をつけなカウボーイ」原版をバレずに上手く使えよ。と、松本は絶対そんなコトしないの解っていて原版を託すニック。 ちなみにこのセリフ、内務調査前の別れ際にチャーリーがニックに掛けた言葉。 あの時、チャーリーもニックの汚職に薄々気が付いていたけど、ニックの自発的な更生を望んでいたのかもしれない。 …とここまで、松本に影響されて汚職から足を洗う決意をしたニックの照れ隠し。ニューヨークに帰ったら内務調査で真実を話す戦いが待っている。 あの戦争で日本人が変わったように、ニックのようなアメリカ人も、きっと変われるハズだと。 はにかみ笑顔のマサと、満面の笑みでサムズアップのニックさん。テーマソングも相まって、2人ともカッコええ…
[ビデオ(字幕)] 7点(2022-02-11 15:46:12)(良:1票)
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