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321.  孤狼の血 《ネタバレ》 
これはまさにオールスターヤクザ映画。とくに江口洋介、竹野内豊が対立する組の幹部に扮して暴れているあたりが、今の「日本映画」という感じ。この2人はほかの役者に比べれば、ちょっと無理してる感じもあるし、そもそも2人とも役名ではなく、「江口洋介」「竹野内豊」にしか見えないが(実際、2人の役名は覚えていない)、それはそれでいいのだ。それこそが、日本の娯楽映画だったわけで。一方の物語の主軸は、役所広司と松坂桃李のバディもの。「悪徳警官」に振り回される松坂桃李視線で物語は展開し、最後に彼の「成長」(or転落)を描いて終わるあたりも定型通りだが、それもそれでいい。もちろん、暴力・グロいシーンでも痛い絵は最小限に、濡れ場でも男女の裸も見せず、テレビで流せない卑猥な言葉もサラリと流れていくところに、「メジャー娯楽映画」としてヤクザ映画を再構築しようという白石監督の狙いも感じる。ただ、そうした試みの数々がうまくいっているのかどうかは、うーん、どうだろう。豚糞や真珠などの悪趣味なアイデアに喜べる人たちは、有名俳優の名前で映画館に通う人たちとは違う気がするし、そんな人たちが裸を見せない絡みに満足するとも思えない。結局、雰囲気だけは劇画調ながらあっさり風味のヤクザ映画が、結果的に誰にとってもストライクを外した作品になってしまったように思える。ただ、続編も公開間近ということで、客観的にはその試みはそれなりに成功してるのかもしれない。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-06-20 10:09:22)
322.  パンとバスと2度目のハツコイ 《ネタバレ》 
今泉監督作品は、『愛がなんだ』に続いて2作目。『愛がなんだ』で印象的だった深川麻衣さんの主演作ということで見てみたが、『愛がなんだ』とは正反対の若干不思議系・真面目系キャラが面白いし、演技の幅も垣間見えてますます気になる俳優さんになりました。今泉監督は、ちょっとした日常の場面でそのキャラクターの心情を丁寧に掘り下げるのがうまい。この作品の面白いのは、恋愛とそのほかの関係のあいだの境界線を引かないというか、主人公のふみの恋愛観は友人・家族・仕事、そしてかつて志した美術との彼女の向き合い方と地続きになっていて、そのどれにも宙ぶらりんな彼女の現在地がそのまますくい取られている。見ていて、ああ20代の半ばってこんな感じだったなあというのも、じんわりと思い出させてくれた。難点は、相手男性役の演技か(あと元彼役の人の演技も残念だった)。深川さんと伊藤沙莉さんがちょっとした視線の置き方や呼吸の間などでうまく感情を表してくるのに対して、山下さんの演技はいかにもワークショップ的というか演劇的というか、うまくかみ合っておらず、2人(or3人)のシーンのアンサンブルが残念だった。あと、これは低予算だからしょうがないのだけれど音楽の「いかにも」感。そして、パンがいまいちおいしそうに見えないこと。パンがそこまでおいしそうにみえないことも含めての、ほろ苦さの演出なのかもしれないが、シンプルなパンをおいしそうに見せてこその、この映画の味のような気もする。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-06-19 09:56:27)
323.  止められるか、俺たちを 《ネタバレ》 
若松孝二監督の作品は、1990年代以降の数本見ただけなので、ここで描かれるエッジが効きまくったピンク時代の作品は未見。ただ、本作が描く若松監督は、その映像イメージから浮かび上がる絶対的な天才・鬼才というよりは、「アート」と「ビジネス」の隙間を、多彩なメンバーをうまくコントロールしながら絶妙なチームプレーで駆け抜ける「リーダー」の姿であったように思います。それは、まさに白石和彌監督の視線から見た若松孝二の姿だったのかもしれません。無給で働くことが常態化していた「若松プロ」の製作現場の姿を、ノスタルジーで居直るのでも、現代目線からハラスメントと断罪するのでもなく、女性助監督を主人公に置くことであくまでフラットに切り取った白石監督のバランス感覚には感心します。門脇麦演じるめぐみと、師匠である若松監督、思いを寄せる足立、若松プロを去って行く人たち、関係を持ってしまうカメラマンとのそれぞれの関係は、「恋」とか「愛」という言葉で表現できないような人間関係のさまざまなあり方を表現しています。だからこそ、「チーム」の美しさと儚さに説得力があり、めぐみが「チーム」の一員であると同時に異質な存在であることを痛感させられることが、最後の悲劇へとつながったのだと思います。ただ、最後の悲劇が歴史的事実としてある以上、本作はどこか宙ぶらりんにならざるをえなかったのも仕方がないのでしょう。「俺たち」の多面的な描き方に比べると、主人公であるはずの「1人の女性」がなぜそこへ向かってしまったのかはぼんやりとしかつかむことができず、気持ちの置き所に困ってしまう結末でした。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-06-12 09:04:27)
324.  花束みたいな恋をした 《ネタバレ》 
なんとなく、この映画は映画館で見た方がいい、という思いに駆られ、本当に久々(ほぼ1年ぶり)の映画館での鑑賞。休日午前の映画館は、若い女性2人組、カップル、そして4〜5人くらいの若者グループがメインで、その隙間に中年くらいの男性や女性が1人で見に来ていて(私もその1人)、まずまずの入りでした。上映前、普段まず見に来ないタイプの映画の予告編(すべて邦画と韓国映画)が立て続けに流れ、少しアウェイ感を感じる。  映画の序盤、目立たないタイプの麦と絹が、文化系ネタでの共通点を次々と見つけていく過程は(実際に登場する作家やアーティストはわからないものも多いながら)とても楽しい。あの長い一晩を2人とともに過ごし、互いに相手を「運命だ」と感じていくプロセスをすぐ隣でみているような気分になる(この流れは同じ坂元脚本のドラマ『最高の離婚』を思い出します。あっちはむしろ「違った」2人の遭遇でしたが・・・)。しかも、そのきっかけに世代関係なく2人の共振ぶりを実感できる押井守を持ってきた絶妙な設定! しかし、就職活動あたりから2人のバランスは崩れはじめ、麦の夢が行き詰まったあたりから大きな溝が生まれ、そうなればお互いの小さな努力やがんばりも空しく、決定的に瓦解していく。もともと『アニー・ホール』から『(500)日のサマー』『マリッジ・ストーリー』までこの手の恋愛プロセス映画が好きな私は、とくに中盤以降はどこか冷めた視点でみてしまい、いずれ来るであろう「修羅場な口論」シーンを期待(?)して待っていただけに、自分の感情をぶつけるよりも先に状況を「読み」、自分で結論を出してしまう2人に、やや消化不良な印象が否めませんでした。そして、物語の顛末も、鮮やか過ぎるラストも相まってさわやかな後味が先に来てしまい、もっと苦みを・・・と思ってしまいました。  ただ、映画上映後、クレジットが終わり会場が明るくなっても、みな席を立とうとしない。いつも映画館を最後のほうに去る私が、なんと一番最初に席を立っていた。それだけ、当日映画館にいた若い人たちには「刺さっていた」模様。やっぱり映画館で観たのは正解でした。そうか、彼らにとっては、この描写や台詞が「リアル」であり、「切実」だったのだ。残念ながら、この作品は「私の映画」ではなかったけれど、ここにいた人たちにとっては、この後もしばらく引きずりつづける1本になったのだろうな。そういう現場に立ち会えるのも映画館の醍醐味だったことも思い出しました。
[映画館(邦画)] 6点(2021-02-25 22:12:47)
325.  夢売るふたり 《ネタバレ》 
西川美和監督らしい緻密な構成と、豪華キャストが脇役で続々登場する「西川映画オールスター」的な緩さが混在する不思議な作品でした。個人的には、後者が完全なノイズになってしまい、ちょっと物語に入り込めませんでした。序盤の香川照之あたりの登場はへんなカツラもあってクスッと笑える程度でよかったのだが、終盤、伊勢谷友介や笑福亭鶴瓶あたりが重要人物で出てくると、それぞれキャラも強いため作品内のバランス感覚を狂わせてしまったようでした。それでも、松たか子と阿部サダヲの演技は見応えあり。阿部サダヲは詐欺師としていろんな人と関わるうちにどんどん人間味を増していくし、それとは対照的にどんどん沼にはまって狂気を孕んでいく松さんのそれぞれの変化とすれ違いは見所。そうやってみれば、この夫婦、最初からすれ違っていたようにも見えるし、この二人を見ていると、そもそも「すれ違わない」夫婦なんてないよなあという感覚に気づかされていく。また、この手のコメディとしてはアンバランスなほど、「セックス」の妙に生々しいシーンが挿入されたり、自慰や生理に関わるシーンまで登場するなど、この「すれ違い」の原点としての「性」にまで洞察を深めていくあたりはさすがの西川作品。安易で一面的な解釈を拒否するような松さんのラストの複雑な表情は必見。それだけの魅力が詰まった一作だっただけに、最初に挙げたノイズ部分が本当に残念でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-02-23 09:09:32)
326.  ファントム・スレッド 《ネタバレ》 
あの『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に続くPTA監督とダニエル・デイ=ルイスのタッグ、期待しないわけがない。序盤、初老の職人の美しい所作と厳格さ。そこに突如現れるウェイトレス。微妙に美人すぎないのがリアル。でも、服飾職人には彼女の立ち姿に「何か」を見たのだろう。そういう「何か」を描くのはPTA監督の18番。とくに職人の仕事の「完璧さ」を損なう客に対する行動によって、二人が心から「結ばれる」のは、まさに職人世界にある独特な価値観を見事に具現化している。ここまでは、過去最高傑作かも・・とワクワクしながら見てた。しかし、職人とモデルの関係は徐々にねじれていく。ここまでいつの間にかどちらが優位にあるのかわからなくなり、これまであり得なかった災厄を職人の「仕事」に持ち込む。完璧だった仕事が損なわれ、職人から生気が消えていく。PTA監督、これはいったい何を描いているのだろう。ファムファタルものなのかとも思うけれど、ラストの「穏やかさ」には完璧な世界からの解放さえも見える。自身が完璧主義者であり天才肌のPTA監督が描く、天才職人の完璧な世界の彼岸・・・とでもいうわけなのか。ただ、それがもう1人の天才ダニエル・デイ=ルイスの完璧な俳優人生を締めくくる映画なのだとしたら、その解放をもたらしたのが「毒キノコスープ」なのかと思うと、何だか居心地が悪い。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-12-07 21:58:54)
327.  リチャード・ジュエル 《ネタバレ》 
いやー、イーストウッドは本当に意地悪な作家だ。主人公リチャード・ジュエルは、法執行者(law enforcer)であることに妙にこだわる一市民。爆弾テロ事件の英雄から一転、容疑者となって、その嫌疑を晴らすまで。ポール・ウォルター・ハウザーの外見含めて見事な演技で、墓穴を掘りまくる彼にイライラしながらも、とくに母親や弁護士の視線に同一化することで、国家権力やメディアという権力に憤りながら見るだろう。でも、いま(2020年の)アメリカで「法執行者」が持っている意味は、単なる「秩序の番人」以上の意味を持つ。なにしろ、法執行者による差別が社会問題化(警察の黒人への暴力、移民取締り官の過剰な取締り、などなど)している時代だ(5月のBLM運動以前から、これは大問題だった)。たぶん、リチャード・ジュエルが今生きていれば、彼は間違いなくトランプ支持者だろう。母親もたぶんそうだろう。そういう法執行や秩序への拘りは、ときに異質な人たちへの疑念を招き、そこに現れる暴力を正当化させる。そして、本作でもたしかに、爆弾事件の前夜のシークエンスで、ジュエルその人がたまたまバックパックを持ち込んだ男性を「怪しい」と思い込み、後を付けている。つまり、人を「疑う」ことはジュエルの仕事の一つなのだ。その彼が、今度は、彼の外見や性格や行動ゆえに、あらぬ疑念をかけられ苦悩する。だからこそ、それを乗り越えるラストは感動的なのであり、疑われても尊厳を示すことの美しさを見事に描いている。シンプルな「小さな英雄」物語のなかに、このような複雑に入り組んだ構造を押し込んでくるイーストウッドの意地悪さ。共和党支持者でありながら、いまの共和党政治をどこか突き放して見ているイーストウッドらしい、党派に絡め取られない「人間性」を描いた傑作・・・と言いたかったのだけれど、やはり私もあの女性記者の扱いは酷いと思う。今時めずらしい類型的過ぎる彼女の描き方、体を張った取材から陳腐な改心まで、どこまでも軽い。そこにはジュエルを通して描いた複雑さが全く見えない。それは、多分にイーストウッドの平板すぎる女性観ゆえだろう(そして、彼自身そのことを問題だと思っていない)。オリヴィア・ワイルドやジョン・ハムの好演でなんとなかっているものの、ジュエルたちと同様にFBIにもメディアにもあるはずの職業倫理やロジックが全く見えてこない。そこが過度に単純化されてしまったことが、本当に惜しい。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-24 23:17:56)
328.  ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 《ネタバレ》 
『スターウォーズ』シリーズをぶっ壊したライアン・ジョンソン監督の新作はオールスターキャストの名探偵推理もの! 冒頭こそいかにも伝統的な探偵対怪しい容疑者たちのやりとりで始まりますが、さすが一筋縄ではいかない。中盤からはその構造をひっくり返して、なんと犯人と探偵がタッグを組む展開、そして終盤さらにもう一度その構造をひっくり返して探偵が怪しい人たちの前で種明かし、という構成。終わってしまえば、たいしたことないストーリーなのですが「なるほどそうきたか」の連続は素直に楽しめました。移民問題をさりなげく絡めてくる感じもグッド。ただ、ジョンソン監督らしい弱点もちらほら。全体的にテンポが悪く、あちこちに行ったり来たりの冗長な感じが否めない。クリス・エヴァンズはがんばっているのだけれど最後の一線で悪そうに見えない。せっかく揃えた芸達者たちが早い段階で単なる背景になってしまうのも物語の構造上仕方がないのだけれど、もったいないと思ってしまう。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-08-30 16:13:22)
329.  あゝ、荒野 後篇 《ネタバレ》 
前篇では支離滅裂に感じた群像劇的エピソードは、結局うまく回収されないままだったけれど、信次と健二の二人のドラマに焦点が絞られた分、映画としては見やすくなった。死にそうで死なない健二の父とか、中途半端な3・11の挿入とか、自衛隊がらみの話とか、まだ続いている何かの反対デモ(大半がエキストラだと思うけど、このデモシーンの陳腐さには悪意を感じた)の描き方とかは、前篇同様、物語にとってはノイズの部分のほうが大きかった。これまた中途半端なセックス要員のようなかたちでしか絡んでこない女性たちの描き方もまた、2010年代のドラマとしては気になった。そう考えると、「死」をもって「生」を描くようなラストも、前篇の自殺防止サークルの陳腐な顛末と大して違わないような気もしてくる。要するに、「性」と「死」を描けば「新しい」「革新的」とされた寺山修司の時代とは違ってるわけで、中途半端な政治描写じゃなくて、アップデートすべきはそこだったんじゃないかと思える。そういう気になる要素は山ほどあるのだけれど、菅田将暉とヤン・イクチュンは、前篇よりも、さらに素晴らしい演技を体を張って見せてくれた。とくに、ヤン・イクチュン。この物語の主役は、原作どおり健二だったことが、この後篇を見るとよくわかる。二人のドラマ部分は本当に語りたくなる部分がたくさんあっただけに、ノイズになってしまったその他の部分が本当にもったいない作品でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-04-13 09:08:30)(良:1票)
330.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
タランティーノ節満載の歴史娯楽作ということで少し期待したのだけれど、タランティーノの作風は僕の好みとはあわない(「いい」「悪い」の問題ではなく)。近年は、合わないことはわかっているのに、魅力的な場面が必ずあって見過ごすことができないという、不思議な位置づけの監督だ。今作のよかったところ。まず冒頭のシーン。歯医者の馬車と怪しげな外国人の登場。タランティーノ映画の冒頭としては最高レベルだと思う。そこから、ジャンゴとシュルツのバディ・ムービーとしても素晴らしい。とくに、個人的に好きなのは、シュルツが語るドイツの昔話をジャンゴが聞くシーン。子どものように目を輝かせるジャンゴ。冒頭は絶望と憎しみだけしか感じなかった「奴隷」ジャンゴが、少しずつ「人間」になっていく過程が本当に素晴らしい。こうゆうヒューマンな絵をタランティーノの独特の節回しで語られると、なんだか妙にグッときてしまう。ところがどうも自分の好みから離れていくのは、ディカプリオ登場後のシュルツ&ジャンゴ対キャンディ一家の対決になってから。一つ一つのシーンが長く、台詞が長く、へんな緊張感だけで引っ張られる。好きな人は好きなんだろうなと思いつつ、だんだんうんざりしてくる。それから、これは個人的な事情だけど、このあたりから、膨大な台詞量を英語で聞いて処理する限界量を超えてしまったようで、まったく頭に入ってこなくなってしまった。とくに、最後の「黒幕」のサミュエル・L・ジャクソンの黒人英語の台詞は何言ってるか、本当にわからず・・・。物語は単純なので、どういう話かは十分理解できたけれど、細かい台詞の内容を味わうことはかなわなかった。このあたりは日本語字幕版で見直したいけれど、たぶん何言ってるか理解できても評価はあまり変わらないと思う。タランティーノの映画は、台詞の内容よりも、台詞のやりとりが生む緊迫感とそれと一体化したバイオレンスが、やっぱり真骨頂だと思うし、それこそが、自分が「合わない」と感じてる部分なので。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2020-02-08 23:57:52)
331.  トイ・ストーリー4 《ネタバレ》 
なんとなくイヤな予感がして公開時はスルー。時間ができたので子どもと一緒にペイパービューにて鑑賞。さすがのピクサー印で楽しく鑑賞。カナダ在住なので、デューク・カブーンの「Yes I Canada!」はツボでした。ただ、今作の後味はいままでのシリーズものと比べて明らかに異質です。何よりも楽しさよりも「怖かった」というのが第一印象。あの骨董屋の人形ベンソンが怖かった、というのもあります(夢にでそう)。でも、それ以上に、ウッディが、そして本作の製作者たちがたどり着いた結論に、なにか得体の知れない不安を感じました。ラストでウッディがたどり着いたボーたちとの生活が、1〜3作目のラストと比べて、心から「幸せ」には見えないのです。ボーは、アンディの家を出た後、孤独とサバイバルを乗り越え、魅力的な自立した女性に成長しました。そこで仲間も見つかりました。でも、その「生き方」は本当にウッディにとっても幸せな生き方なのでしょうか。少なくとも、屋台の影で子どもたちに景品をプレゼントし続けることが、彼にとっても「自由で幸福な生き方」には見えません(絶対、集まってきた子どもたちにアンディやボニーの姿を、ボニーと遊ぶバズたちの姿を見てしまうに決まっている)。じゃあ、自由と冒険の日々がどんなものなのか、これまで持ち主の愛情のもとで暮らしてきたウッディにとって、それ以上の幸福がそこにあるようには、私には見えない。自由は確かに素晴らしい。拘束からの解放も素晴らしい。でも、その先に何があるのかを、この作品は結局見せてくれなかった。ボーはそれを体現しているようには見えますが、果たしてウッディはボーのようになれるでしょうか。私にはどうしても思えません・・・。ということで、自由になったら何をしたらいいのかわからなくなったウッディの自分探しで、パート5が出来そうです。ピクサーなら、それも高いクオリティの娯楽作に仕上げてくれると思いますが、それを私は本当に見たいのか、よくわかりません。そういう意味で、なんだか不気味というか、怖い映画でした。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2020-02-02 12:58:03)(良:1票)
332.  ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル 《ネタバレ》 
休みの日に子どもが退屈だというので、一緒に見ようということでNetflixからチョイス。普段はまったく違う「グループ」に属する高校生4人がひょんなことから入り込んでしまったビデオゲームの世界で、普段の自分と全く違うキャラとして冒険を繰り広げる・・・という設定を見ただけだと、複雑で「ヒネりすぎ」と思えるのに、見てみれば子どもでも簡単に理解できるエンターテインメントになっていて、素直に感心した。下手くそな人がやれば支離滅裂のストーリーになりかねないところを、それぞれのキャラの面白みやお約束をちゃんと発揮しながら、物語としては『ブレックファスト・クラブ』風の高校青春ものとしてしっかり成立しているのがすごい。とくに、ジャック・ブラックは途中から女子高生にしか見えなくなってくるし(とくに、アレックス登場後)、ロック様のセルフパロディも見事。ケヴィン・ハートは、ちょっとケヴィン・ハート成分が多すぎた気もするが、ジャック・ブラックと2人でコメディ部分を上手に背負っていたと思う。難点は、ストーリーというか冒険そのものの引力が弱い・・・ので、あの『ジュマンジ』の続編としては、やっぱり全く違う映画になってしまったなあ、という部分か。前作にあったダークな深みは消えたけれども、家族向けとはいえ、3つのライフという設定を活かした不謹慎な死に方ギャグ(捕食、落下、爆発など盛りだくさん!)や下ネタがちりばめられているあたりが、現代的なのかもしれない。アレックスにぎゅっと抱きしめられたジャック・ブラック(中身は女子高生)が「反応」してしまうという下ネタは、子どもに意味を聞かれてしまい、苦笑しつつ適当にごかましてしまった(笑)。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-01-26 09:14:33)
333.  ジョジョ・ラビット 《ネタバレ》 
この設定を思いついて自分で映画にしちゃうというだけで、タイカ・ワイティティ監督はただ者ではない。主人公のジョジョ君は、冴えないヒトラー・ユーゲントのメンバー。いつもユニフォーム姿で熱烈なナチスの信奉者でありながらも、キャンプでいじめられたり、大けがをしたりパッとしない。そんな彼のイマジナリー・フレンドがあのアドルフ・ヒトラーという時点で、ジョジョ君がかわいらしい外見とは裏腹に分裂症的な<何か>を抱えてしまっているのが見えてくる。やがて、実はレジスタンスのメンバーでもある母親との関係やら、ユーゲントのなかに自分の居場所を見いだせていないことやら、彼の家で暮らしていたユダヤ人少女との出会いとか、どんどん悪化する戦況とか、10歳の子どもが背負うにはあまりにも過酷で複雑な現実が少しずつ見えてきて、それらと健気に葛藤する姿が、優しくユーモアあふれるタッチで描かれる。戦争のなかの日常生活を、明るくカラフルなタッチで描いているところにワイティティ監督のオリジナリティが垣間見える。ただ、どうも腑に落ちないこともあれこれ。一番の難点は、イマジナリー・フレンドがヒトラーである必然性が最後までよくわからなかったこと。ラストのあの一撃のためなのかなとは思ったけれど、ジョジョ君がナチスへの信奉と傍らにいる「総統」との折り合いをどうつけていたのかが、いまいちわからない。また、物語上の登場人物や出来事が、母親の身に起きること以外は、ブラックな小ネタはあっても終始ハートウォーミング過ぎるのも気になった。とくにサム・ロックウェルのキャラは出来すぎ。SNSでは絶賛されているようだけど、彼の役でもっと戦争の毒を表現できただろうに、「いい人」で終わってしまったのは残念。歴史や現実はあまりにも残酷で悲惨だからということなのかもしれないけれど、そのせいでファンタジー色が濃くなってしまい、ラスト・シーンのカタルシスが弱くなってしまったように思える。そして、ラストに流れるあの曲。大好きな曲だけに大感動が押し寄せるのだけれど、それは映画に対してなのか、曲に対してなのか、よくわからなくなってしまった。ここ数年、デビッド・ボウイの名曲に頼る映画が多すぎるような気が・・・。有名過ぎる曲なだけに、クレジットを見ながらだんだん違和感が大きくなってしまった。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2020-01-25 12:06:30)(良:1票)
334.  アナと雪の女王2 《ネタバレ》 
公開直後のカナダの映画館で子どもと鑑賞。前作は楽曲、とくにLet It Goのインパクトは凄まじかったものの(日本公開前に現地で予備知識ゼロで観たので)、物語としてはガチャガチャとして落ち着かない印象でしたが、続編はストーリーもそれなりに練られていたように思えたし、キャラも無駄に増やさず広げなかったのもよかったと思う。音楽もミュージカルとしては各曲のクォリティも高く、また配分もバランスがいい(前作は明らかに前半に曲が偏っていたし)。映像も6年分の技術の進化に対応して見応え十分だった。それでも、終幕後の感想としては「いまいち盛り上がらず」な感じなのはなぜなんだろう。やっぱり前作の魅力は、あのアンバランスさにあったように思う。あのLet It Goを大画面・音響で観るためだけに映画館に行っていいんじゃないかと思ったのに対し、今作はバランスは取れた良作感はあったものの、何度も観たいかといわれれば微妙な感じ。前作以後のディズニーの流れに乗って、「社会正義」の側へと振ったストーリーも歓迎だけれど、この映画で観たいのは「そこ」ではなかったような気が。最初にダムが出てきたところで、落としどころが見えてしまったのもマイナスだったのかもしれない。後半は暗い画面が連続するのも、ちょっともったいない。子どもが歌える感じの歌でもない。クリストフの80年代ラブソング風のシーンは、自分は直撃世代だと思うけど、あまりにもターゲットが狭い。そもそも今作のターゲットの今の子どもの親層もピンとこないのではないか。劇場では明らかに白けた雰囲気になっていた。オラフの前作ストーリー紹介で爆笑して会場が暖まっていただけに、その冷却効果はかなり大きかったような・・・。というわけで、全体的にまとまりはあったけど、前作のような爆発力は感じられず。前作の成功体験ゆえの縛りも感じるし(とくにエルサの歌や変身あたりで・・)、気候正義とか自然との共生というテーマだったら「アナ雪」でやる必要なかった気がする。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2019-11-26 03:11:32)(良:1票)
335.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 
設定だけの「出落ち」映画かと思ったけど、意外と楽しめた。最後のクレジットで脚本が『ラブ・アクチュアリー』『ノッティングヒル』のリチャード・カーティスと知って納得。ビートルズはこの映画のテーマではなく、あくまで「設定」で、メインは売れない歌手の主人公と幼なじみのガールフレンドのあいだのラブコメだ。主人公の周辺がちょっとヘンだけどみんな「いい人」なのもこの手の映画の定番。恋愛のライバルが簡単に身を退いちゃうのもそう。というわけで、主人公も、歌詞の世界や人間関係などにも詳しい熱心なファンではなく、いち音楽ファンとしての立ち位置なので、ビートルズのほうはあまり深堀りしない。そういう意味では、終盤の「あの人」登場は個人的には蛇足だったように思う。海の近くで1人ひっそりと暮らすなんてルーク・スカイウォーカーかよ、とちょっと思ったりして。「あの人」が出てくるんだったら、「あっちの人」は?とか余計な疑問が広がったりもして・・・。ベタなラブコメを、ビートルズのいない世界というアイデアで味付けした映画、として楽しんだほうがいいんだろう。ただ、50年間「ラブ&ピース」も「イマジン」もなかった世界だと思ったら、もう少し毒がある展開でもよかったんじゃないかなあ、と思ったりもする。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2019-11-07 19:02:48)
336.  アトミック・ブロンド 《ネタバレ》 
雰囲気作りはすばらしい。歴史の大きな転換点にあったベルリンの雰囲気、80年代のイントロ最強二大巨頭といえるBlue Mondayで始まりUnder Pressureで終わる音楽。シャーリーズ・セロンの痛そうなアクションの数々。「当たれば痛い」という当たり前のことをちゃんと描いてる。アクションの描き方が丁寧で、動きがロジカルなのも見ていて気持ちいい。ただ、その雰囲気とストーリーが合っていないような・・・。いわゆる人間的なドラマよりも、誰が味方で誰が敵かわからない&実のところ主人公が何者かもわからないというサスペンスで引っ張るのだけれど、半分を過ぎたあたりからだんだんどうでもよくなってくる。ストーリーを追わなきゃという意識がだんだん麻痺してくる。終始鳴ってる音楽と見せ場多数のアクションもまるで「そうはいってもストーリーあんまり関係ないですよ」というメッセージに聞こえてくるというか・・・。スパイ映画、政治スリラー映画、アクション映画、音楽映画、シャーリーズ・セロン映画の要素をぎゅっと凝縮して2時間以内に詰め込んだ結果、トータルバランスがちょっとおかしくなったように思います。映画ってやっぱり足し算だけじゃなくて、引き算も大事なんだなーと思いました。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2019-11-05 23:32:14)
337.  キャプテン・マーベル
ブリー・ラーソンがとにかく魅力的。「ワンダーウーマン」のような典型的美人ではないけれども、表情や仕草で、可愛さ、美しさ、芯の強さがしっかり表現されてる。たぶん、「女優を魅力的に見せる」ことについては、ルッソ兄弟ではなく、今作の演出陣で大正解だったのだと思う。オスカー女優に微妙なスーツのマーベルヒーローかよ、とちょっと疑問符でしたが、それが吹き飛ぶはまりっぷりでした。ストーリーも、90年代ネタはいちいち楽しく、若返ったサミュエル・L・ジャクソンとのやりとりも楽しい(でも「パルプフィクション」を思えば若返り過ぎで登場時は笑ってしまった)。『インフィニティウォー』からのつながりは、思ったより本筋におかれていて、続けてみてればお得感もある。ただ、インフィニティウォーを見てしまった後だと、この映画のアクション演出のつまらなさがとても残念。ブリー・ラーソンの鈍重な走りっぷり。単体でみればなんだかのどかで微笑ましくむしろ好感もあるのですが、『アベンジャーズ』シリーズのブラック・ウィドーやらオコエやらのかっこいい女性アクションを見た後だと、ちょっとレベルが違い過ぎる。さらに、アクションのスピード感、特殊能力の見せ方、「待ってました!」的な見栄の切り方など、先に「インフィニティ・ウォー」を見ていないと楽しみ半減な作りなのに、先に見てしまうとこの映画のアクション演出にがっかりするしかないという矛盾・・・・。単体でもおすすめできる完成度ですが、『インフィニティウォー』と『エンドゲーム』という超超大作に挟まれたことで単体で評価しにくい難しい立ち位置になってしまった一作という感じです。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2019-08-25 22:07:32)(良:1票)
338.  クリード 炎の宿敵 《ネタバレ》 
もともと陳腐で使い古されたストーリーを新しい語り口で描き直したところに前作の成功ポイントがあったと思います。続編でも、その流れを継承し、基本的には前作でよかったことをそのまま素直に繰り返している感じで、監督が代わったことも忘れそうでした。さらに、挑戦者がチャンピオンになる物語よりも、チャンピオンになった後の物語のほうが圧倒的に難しいのは、『ロッキー』シリーズがすでに物語っているわけで、その意味ではけっこう困難なチャレンジだったけれども、それを淡々とこなした一作だと思います。 ただ、見ているうちに徐々に違和感が・・・。たぶん、一番の違和感は台詞や絵作りの平板さ。そこは監督交代の影響をもっとも受けた部分でしょう。ライアン・クーグラーの挑発的な絵作りや凝った台詞回しに比べると、序盤のプロポーズをめぐる顛末などベタ過ぎてちょっと恥ずかしくなるくらいの作り。ドラゴ親子の台詞や環境もベタ過ぎてひねりが足りない。それから2番目はロッキーの位置が微妙だったこと。病気の件が前作から続いているのに、今回のロッキーのミッションは孫に会うこと・・・というのがあまりにもドラマとして弱い。自分の体よりも家族のほうがはるかに難しいというのはわかるのですが、ちょっと無理矢理とってつけたようなドラマでした(ただ、孫が本当にエイドリアンの面影を持ってたのには感心したけど)。そして3番目はドラゴ親子の妙な存在感。ドルフ・ラングレンのキャリアや老けたブリジット・ニールセンなど、スクリーンの外のドラマがあまりに強烈過ぎて、後半はアドニス側の物語を完全に食ってしまいました。それは、この映画の強烈な魅力でもあるのですが、ちょっとバランス崩し過ぎかなあと。そして、4番目はフィラデルフィアという街の存在感が完全に消されてしまったこと。フィラデルフィアは『ロッキー』という物語の魅力と一体だと思うのですが、今回の作品はレストランのベタな描写以外はあっさりと切り捨ててしまいました。ということで、楽しく揺さぶられる一作だったけど、あの強烈な完成度の一作目と比べれば、残念ながら数段落ちてしまったかなあ。それは、この物語にとってはある種の「宿命」なのかもしれませんが。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 6点(2019-05-05 08:16:31)
339.  映画ドラえもん のび太の月面探査記 《ネタバレ》 
前作で映画ドラえもんにはすっかり関心を失っていたのだけれど、子どもがやっぱり行きたいというのと、脚本が辻村深月さんだということで今年も映画館へ。辻村さんといえば、藤子F不二雄先生とドラえもん(&大長編ドラえもん)への愛と尊敬を込めた小説『凍りのくじら』の作者。各章をひみつ道具に絡めて描いた『凍りのくじら』と同様、旧作への愛情をたっぷりと感じる展開はとても面白く感じました。とくに、のび太たちがちゃんと「小学生」している日常の学級シーンを序盤に丁寧に描いたのは素晴らしい。そして、「日常」からの「異説クラブメンバーズバッヂ」からの大冒険という展開には、ドラえもんがずっと描いてきた日常世界と夢の世界を繋ぐ「想像力」の大切さというメッセージにもしっかりつながっていてグッときた。月にいく宇宙船が、科学的には無駄にしか思えない「気球」型、というのもそれっぽくていい。このあたりの辻村テイストの丁寧な積み重ねゆえに、この映画はじわじわと感動が積み重なるつくりになっていて、ルカとの友情にもしっかり感情移入できる。ただ、最近の「映画ドラえもん」らしい部分が、その辻村テイストとどこまで合っていたかには疑問も。まず、ルカやルナの絵柄。いかにも最近のアニメっぽい外見なのだけれど、正直のび太たちと画が合っていない。ゴダートも衣装や外見は相当微妙だった。それから、俳優さんのゲスト声優出演。最近は主要ゲストキャラは有名俳優さんたちが演じることが多いけれど、ルナ役の広瀬アリスさん、ゴダート役の柳楽優弥君は明らかに浮いていた(これは俳優さんが悪いのではない。あくまでキャスト側の問題だ)。そして、なにより最近のテレビアニメの映画化作品がこぞって向かうアクション映画志向。終盤のかぐや星での戦いなど、大きな音と音楽でスケール感を出してるのだけれど、その勢いでせっかくのじわじわ重ねてきたドラマが突き放されてしまうというか、1本の映画のなかに二つのドラえもん映画が混在しているようで、うまく乗り切ることができなかった。ちなみに、子どもたちの感想は、面白かったけど笑えるシーンが少なかった・・・とのこと。ふむ。たしかに、「いい話」だったけど、子どもたちがゲラゲラ笑うシーンはそこまで多くなかったかな。子どもも大人も両方を満足させるのはなかなか難しいようです。
[映画館(邦画)] 6点(2019-03-22 09:41:37)
340.  search サーチ 《ネタバレ》 
こうゆうアイデア1本勝負な映画、けっこう好きです。FaceTimeつけっぱなしにしとく感じとか今風だし、各種ネットサービスやSNSが総出演でちょっとした文明批評っぽさもありますが、頭でっかちにならず、あくまでエンタメに徹しているのがいい。途中から、監視カメラ映像やらテレビ映像やらも(PC画面上で再生しているという想定とはいえ)出てきてルールがややルーズになる感じとか少し残念。あと、PC画面上での設定だとリアルタイムと録画再生が混在して時間軸が複雑になるので、このあたりのギャップを使ったトリックなんかがくるかなあと思っていたのですが、思った以上に話はストレートで二転三転しても複雑さを感じることはほとんどなく、ラストの結末には少々物足りなさを感じたり。でも、この作品の推しは、やっぱりサスペンスのプロットというよりは、PC画面という制約を生かした表現。それゆえの緊張感もあるし、チャットでの「入力中」のサークルがぐるぐるするやつとか、いったん書いたものを書き直す感じとか、この設定だからこそできる感情やコミュニケーションの表現は新鮮です。過大な期待は禁物ですが十二分に楽しめる1本。ぜひ、PC画面で見て下さい。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 6点(2019-02-28 14:59:22)(良:1票)
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