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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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21.  フォー・ザ・ボーイズ 《ネタバレ》 
最初はどこにでもいるオバサンに見えたベット・ミドラー。 これが主演だとちょっと厳しいかなと思っていたら、どんどん存在感を放ってくる。 ベトナム前線基地の慰問で若い兵士たちを前に歌った「In My Life」は鳥肌もの。 いわゆる反戦映画だが堅苦しいところはまったくなく、ディクシーとエディのコンビを中心に味わい深いヒューマンドラマになっている。  二人のかけあいは長年連れ添った夫婦漫才のよう。 お互い自己主張が激しいので始終ぶつかってしまうが、切っても切れない絆が感じられる。 おかしかったのは、エディが勝手に朝鮮戦争の慰問を発表し、その仕返しにディクシーがエディの10万ドル個人献金を発表したシーン。 オンエア中なのでお互い否定するわけにもいかず笑顔でステージを終えたものの、幕が下りた瞬間に幕越しに喧嘩している二人の姿が笑える。 こうしたユーモラスなシーンも物語に配置されているので、戦争がらみの重い話の緩和剤になってくれる。 ディクシーの毒舌とユーモアはどこかミヤコ蝶々に通じる味わいがあっていい。
[ビデオ(吹替)] 8点(2014-03-16 00:43:16)
22.  カリートの道 《ネタバレ》 
同監督の『スカーフェイス』よりこちらのほうがいい。 生え際の後退した弁護士がショーン・ペンだとはまったくわからなかった。 薬中のイカレた悪徳弁護士を好演し、主演のアル・パチーノを引き立てている。 身内からも裏切りが当たり前のようにある汚い世界は『仁義なき戦い』のよう。 そんな中で、借りは返さずにはいられない義理堅い男カリートの不器用な生き方は応援したくなる。 カリートの夢は足を洗ってレンタカー屋になって愛する女と平穏に暮らすこと。 その夢が裏切りによって潰える最期は哀れを誘う。 悪の道にいったん浸かってしまうと抜けられない定めか、それも所詮は自業自得ではあるのだけれど。 マフィアからの逃亡劇は見どころの一つだが、追っ手が超肥満男や年くったオヤジでは間が抜けていて少し滑稽だった。 ああいうのは普通もっと若くて動きのいい兵隊にやらせるだろうに。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-12 18:14:20)(良:1票)
23.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 
ホロコーストの悲惨さが淡々と進むモノクロの画面からひしひしと伝わってくる。 金儲け主義でユダヤ人を利用しているにすぎなかったのに私財を尽くしてもユダヤ人を救おうとした主人公。 最初から聖人君主でないところが人間臭くて良い。 ただ、クライマックスとなるユダヤ人労働者へのスピーチは、それほど胸に染みてはこなかった。 嘘ではなくても演説で訴えると、見慣れた政治家の偽善のように感じてしまうからだろうか。 それでも史実の重みを感じる大作であるのは間違いない。 人を人と見なさない時、その相手にどこまで残虐になろうと害虫を駆除するのと同じで心に痛みは感じなくなるのだろう。  個人主義が行き渡ると他人はどうなろうと知ったこっちゃないという傾向になりがち。 人との関わりの中で自分のこととして捕らえることがどの範囲までに及ぶかで、その人のスケールが知れる。 自分自身とせいぜい家族まではその範囲であることが多いだろうが、友人、会社、共同体、果ては人類にまで及ぶ人もいる。 シンドラーは自分の会社に関わった人には最終的に全財産を投げうってでも責任を持った。 救えなかった犠牲者が600万人ということを考えれば無力感に襲われそうだが、あの時代での行動は素直にすごいことだと尊敬するしかない。
[DVD(吹替)] 8点(2014-01-12 20:26:55)(良:1票)
24.  ジュラシック・パーク
映画館で2回見た記憶があるが、ストーリーがわかっている2回目でも迫力があって楽しめた。 リアルな恐竜を表現したCG技術にも感心。
[映画館(字幕)] 8点(2013-10-03 19:31:47)
25.  シュウシュウの季節 《ネタバレ》 
文化大革命という大きなうねりの中で、無垢な少女が汚い大人たちに翻弄されて汚れていくさまが切なくて痛い。 性描写も含め、社会的弱者の悲惨な状況を生々しく描いている。 故郷へ帰りたい一心の少女の気持ちを利用して、体だけ弄ぶ男たちには殺意を覚える。 唯一シュウシュウを思いやったラオジンが、シュウシュウを射殺して自らも命を絶ったのはどうにもやるせない。  ラオジンがシュウシュウのために作ってやった露天風呂が棺おけがわりになるのが皮肉。 それにしてもラオジンはもう少しなんとかしてやれなかったのか、その無力さがはがゆい。 あそこを切断されていなければ、男として少女を愛し守り切れたのかもしれない。  自己中心的で他人を平気で踏みにじる、不正に満ちた混乱の時代。 今でも信じられないような中国発のニュースを耳にするが、現代中国にも社会の歪みとして残っているようだ。 映画の余韻で、一党独裁体制の弊害まで考えさせられる。 主役のルールーは童顔で幼く見え、純朴な少女と憂いを帯びた売女の両面を見せる。 相手役のロブサンは素朴な笑顔がとてもいいだけに、ラストの悲劇がなおさらこたえる。
[DVD(字幕)] 8点(2013-07-27 23:02:23)
26.  運動靴と赤い金魚 《ネタバレ》 
かわいい動物と子供には勝てない。 特に子供好きではなくても、この兄妹には絶対やられる。 めちゃくちゃイイ顔をするので、それに見入ってしまう。  特に大きな事件ではないのだけれど、子供にとっては大事件。 運動靴ひとつで大騒動になるのは、イランが舞台になればこそ。 今の日本では舞台になりえないけど、それでも昔懐かしい思いには駆られる。 子供の頃、大人にわかってもらえなくて涙を流した経験は誰にでもあるはず。 ちゃんと状況を説明できればいいのだけど、そんな要領はまだ持ち合わせてないし。 兄妹愛にも癒されるけど、いたるところに優しさを感じる映画。 癒し系の映画が観たくなったらオススメ。
[DVD(字幕)] 8点(2013-07-09 21:49:19)
27.  恋愛小説家 《ネタバレ》 
冒頭から作家の嫌味な偏屈ぶりがすごくて、いざこざを起こす隣人でなくとも腹が立ってくる。 ということは、キャラが個性的にうまく描かれているということだろう。 精神分析医に掛かっている主人公は、神経症的な症状で不自由な自分をもてあましている。 言わずもがなのことを言ってしまう不器用な男。 憎まれ口と空気の読めなさで人の神経を逆なでして怒らせてばかり。 キャロルといい雰囲気になっても、また場違いな発言をしないかとハラハラしてしまう。 こんなウザい変人はとんでもないと思っていたのに、いつしか肩入れしてしまう。 美男美女とはかけ離れた誰も羨みそうになかった二人が、最後は素敵なカップルに見えてくる。 この二人でラブストーリーが成立してしまうとは。 もうそれだけで不思議なマジックにかかった気分。
[DVD(字幕)] 8点(2013-07-01 22:38:47)(良:1票)
28.  ゆりかごを揺らす手 《ネタバレ》 
復讐にとりつかれた女の狂気がまとわりつくような怖さで、サスペンス性はたっぷり。 こういう逆恨みが一番タチが悪くて気持ち悪い。 加害者の女は自分を襲った不幸に逆恨みでもしなければ精神が持たなかったのだろうが、反吐が出そう。 事件を起こした夫を責めるのではなく訴えた女だけを責めるのは、浮気した男を責めるより相手の女を責める思考回路に少し似ているのかも。 女の憎悪の対象になりやすいのは、男よりも女のようだ。 ペイトンがクレアとの会話で、夫を殺された報いがあることをわからないように宣言し、緊迫感を高める。  知的障碍者の黒人ソロモンが、初対面でペイトンの本性を見抜いたようなシーンがおもしろい。 世話になっている家族を守りたいソロモンとペイトンの闘いが見ごたえある。 ソロモンに性的虐待の疑いがかかるように仕掛けるペイトンの謀略が恐ろしい。 思わず頑張れソロモンと応援してしまうが、まんまと騙されて勘違いするクレアもなんだかなぁ…。 仕掛けられたワナに片っ端から面白いように引っかかってるけど、無防備だから仕方がないのか。 サプライズパーティが台無しになったときの空気はすごかった。 喘息の発作を利用するなど手段を選ばないのが憎しみの強さを表わす。  ペイトンは結局憎悪の対象であるクレアの子供には危害を加えなかったけど、その理由が自分の失った子供を投影したようだから切ない。 狙いはクレアから夫も子供もすべてを奪い取ること。 単純に片っ端から殺そうとしなかったことが、この作品がB級映画に留まらなかった所以か。 つらすぎる現実から逃避して、二人の子供の母になった気分でいるときの幸せそうな表情が印象的。 登場人物のキャラと細かい心理描写が実に巧みで、よくできた脚本のサスペンス映画。 ソロモンが解決のキーになるのは前半でわかってしまうが、出てきたときは待ってましたの心境で、ソロモンの作った柵の伏線が効いていた。 この手の映画はストレスがかかるのでどちらかというと苦手なのだが、その中では出色の出来栄えだった。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-06-27 22:03:07)
29.  少年時代(1990) 《ネタバレ》 
少年時代の微妙な力関係の変化が如実に表れている。 猿の世界と同じくらいパワーバランスに敏感で、残酷なくらいに人間関係が変わってしまう。 ガキ大将の武が子供っぽい感情の揺れを見せるのがリアル。 東京から疎開してきた進二に優しくしたかと思えば、いじめて泣かせもする。 きまぐれのような武の行動に、進二への強い関心と執着がうかがえる。  進二の胸を突き刺したのは、武に取り入っているという女子の言葉。 女子に弱虫とか強い者に媚びている奴と思われるのは、少年にとってこの上ない屈辱だ。 進二が武に反抗してみせたのも無理はなく、共感できる。  力に頼って押さえつける者は、いつかは力によってひっくり返される。 武がボスの座を陥落してから、今までの仕返しにいじめられるのを無抵抗で黙って耐えているのは、ガキ大将のプライドそのもの。 自業自得ではあるものの、その姿は潔い。 それに比べて、健介は合理的で頭はいいが復讐がジメジメと陰性だ。  懐かしい原風景を見るような作品で、描かれた時代こそ違えどノスタルジーが刺激される。 時を経ても色あせない類の映画だろう。 山田太一の脚本だけに、隙のないしっかりとしたドラマになっている。
[ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-14 00:12:09)
30.  天使にラブ・ソングを・・・ 《ネタバレ》 
ウーピー・ゴールドバーグがギャングのボスの愛人というのが違和感たっぷりだが…。 デロリスは情夫からプレゼントされた高級毛皮がものと知り、怒って返しに行く。 そこで殺人現場を見てしまい、追われる立場に。 一転して立場が入れ替わるのが、冒頭のつかみとして効果的。  指導者次第でチームは大きな違いを生む。 デロリスの指導によって生まれ変わった聖歌隊の初披露は感動的。 音楽の楽しさを教えてくれる。 やっているほうが楽しんでいなければ、観ている人は楽しんでくれない。 ノリノリの聖歌隊にノリノリにさせられる。 聖歌隊がヘリの操縦士を「ほめ殺し」ならぬ「祈り殺し」で屈服させたのは愉快だった。 ハリウッドの王道的なよくできたコメディで、万人が理屈抜きで楽しめそう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2013-06-13 00:11:05)
31.  ダンス・ウィズ・ウルブズ 《ネタバレ》 
社会に馴染めず自殺まで考えた男が、インディアンとの交流に不思議な居心地の良さを見出す。 言葉も通じずコミュニケーションがなかなかとれない中で、友情を育んでいく。 異星人との遭遇を描くSFと同じような緊張とぎこちないコミュニケーションがおもしろい。 バッファローの大群に向かった狩りは迫力満点。 西部劇といえば白人の立場にたったものばかりだったが、ネイティブアメリカンに寄り添った白人の視点で描いたのがよかった。 白人は圧倒的な力を持った侵略者でしかなく、友情あふれる別れのシーンはその後のスー族が辿る運命を予感させる余韻が残るラストだった。 3時間もあるのに、おもしろいのでそれほど長くは感じない。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-06-11 00:15:49)
32.  レオン(1994) 《ネタバレ》 
奔放な少女に翻弄されるレオンがかわいく見えてくる。 無慈悲に人殺しを重ねてきたレオンが、調子を狂わされていく様子が楽しい。 結局、マルチダと関わらなかったらレオンが壮絶な死を迎えることもなかった。 他人からみればマルチダが疫病神にも見えるが、それでもレオンは人間らしい心を取り戻して幸せだったのだろう。 命をかけて少女を守ったレオンが切なくカッコいい。
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-09 02:08:01)(良:1票)
33.  スワロウテイル
混沌とした無国籍状態の世界観が、当時の邦画では新鮮でおもしろかった。 警察の遺体置き場で勝手に葬儀を始める移民たち。 社会の底辺でドブネズミのようにうごめきながら生きている姿が逞しい。 闇社会の抗争で、江口と渡部のアウトローぶりがクールだった。
[ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-07 00:52:01)
34.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
ラストのどんでん返しにしびれた。 思わずもう一度見直してみたくなる。 カイザー・ソゼへの想像力が脚本のうまさでどんどん膨らんでいく。 細かく振り返ればツッコミどころもあるだろうが、サスペンス性が高く勢いもあるので作品世界にどっぷりハマってしまう。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-06-04 01:17:14)
35.  陽のあたる教室 《ネタバレ》 
滑り止めで音楽教師になったホランドが、次第に教師という職業にのめりこんでいくさまに、生徒と共に成長している姿が認められる。 ホランドの家庭も並行して描かれるが、難聴の息子との葛藤が夫婦の成長にも関わっている。 ホランドは美しく才能ある教え子と惹かれあうが、一緒にニューヨークにとの誘いにも家庭を捨てない。 ジョン・レノンの死など世相を映し出すことで、ホランドの人生の軌跡がリアルに浮き彫りにされる。  誠実に生徒と向き合う姿勢が、音楽家としてよりも教師としての人生を歩ませた。 それは平凡な人生のように見えるかもしれないが、ラストのお別れ会が示すように多くの人生を変えた聖職を勤めあげたということ。 この映画は教師や教師志望者にこそ観て欲しい。 描かれているのはヒーローのように活躍するような特別な教師像ではないので、感じとるべきものがあるはずだ。
[ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-01 00:46:04)(良:1票)
36.  オペラ座の怪人〈TVM〉(1990) 《ネタバレ》 
テレビ映画だが、映画版よりずっと良かった。 怪人エリックの悲しい生い立ちが描かれており、オペラ座の支配人(バート・ランカスター)が怪人の父で、物語に大きく関わっていたのが特徴的。 エリック、クリステイーヌ、子爵の三角関係だけにとどまらなかったので、重厚な物語になっている。
[インターネット(字幕)] 8点(2013-05-18 22:17:56)
37.  遠い空の向こうに 《ネタバレ》 
あきらめないでやり続ければ夢は叶う。 なんともベタな話で、展開もだいたい読めてしまう。 ホーマーに協力していた溶接工が死ぬのもバレバレの前フリでわかるし、頑固オヤジがようやく主人公を認めるラストシーンもありがち。 それでも、やっぱり心を動かされるものがあるのは、誰にも思い当たる経験があるからだろう。 親に対して何でわかってくれないのかという葛藤や、自分は他の人とは違う何かができるんじゃないかという思いは、思春期に必ず通りすぎるもの。 登場人物の気持ちがわかりやすく、感情移入しやすい構成が支持される秘訣か。 実話に基づいているというのも夢を感じさせる。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-02-10 08:55:56)
38.  ゴースト/ニューヨークの幻 《ネタバレ》 
恋人に思いがなかなか伝わらない主人公のはがゆさ。 そして、二人が次元の壁を越えてわかり合えたときの感動。 シンプルだけどよくできたストーリーで、自然にストーリーに乗っていける。 インチキ霊媒師のウーピー・ゴールドバーグが効いていて笑いどころもある。 笑って興奮して切なくて、わかりやすく肩肘張らずに楽しめるエンターテイメント作品だ。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-01-08 00:33:10)
39.  靴をなくした天使
いつも嘘ばかりついているコソ泥のバーニー(ダスティン・ホフマン)の奮戦ぶりが面白い。 エリートでも努力家でもスーパーマンでもなく、情けなくて人間臭い主人公。 理屈抜きに楽しめるストーリーだ。
[ビデオ(吹替)] 8点(2012-12-06 19:04:15)
40.  アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 
てっきりネオナチの兄に影響を受けた弟のほうが主役かと思ったが、兄デレク(エドワード・ノートン)がメインだった。 刑務所での体験が兄の価値観をひっくり返した。黒人校長の「憎しみは君を幸せにしたか?」という言葉が突き刺さる。 が、デレク刑務所で同じクリーニング係の黒人と打ち解けていく様は微笑ましい。ただ、その黒人がデレクをどのようにして他の黒人たちから守ったかを、少しは描いてほしかった。  ラストが衝撃的。兄が殺されると思わせるような伏線を張っておいて、弟のほうが殺されてしまうので意表をつかれた。 その時に流れる弟のナレーションが、やっぱりきれいごとに響いてきてしまう。理想はそうであっても、悲劇的な結末が示すように、そんなに簡単にはいかないのだろう。 この作品には、人種のるつぼである現代アメリカの抱える問題が横たわっている。人種差別する側にも言い分があり、それがあながち全部否定しきれないところに、根の深いものを感じる。  移民問題でヨーロッパの治安が悪化したのは事実だし、アメリカでのトランプ政権誕生にも不法入国や移民に対する多くの人の不満が作用した。 日本にも声高に差別を激しく糾弾している側が、偏った思想で逆差別を助長しているケースだってある。 「憎しみは君を幸せにしたか?」問題の解消に特効薬はなく、この言葉に立ち返るしかなさそうだ。 ただ、ラストのように家族が殺されても憎しみを抑えられることができるのか。せめて犯罪を憎んで容赦なく厳罰を与えることができれば。 時間をおいた今また見てもいろいろ考えさせられる映画だった。
[DVD(吹替)] 8点(2012-12-06 17:45:04)
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