481. フランケンフッカー
《ネタバレ》 「バスケット・ケース」の監督だけあって、「一体どうしたらこういう描写が思いつくんだろう」というのがまずすごいです。 冒頭の変なクリーチャーいじくりまわしてても誰もそこに突っ込まないという時点でこの作品の作風を察し、中盤の連続娼婦爆死で「どうしてそうなるんだよ!?(笑)」と驚かされ、極め付けの終盤、保管庫?から溢れ出るクリーチャーの造形は「どうやったらこんなゲテモノを思いつくんだろう?」ともはや関心のレベル。 ラストも黒いユーモアが効きすぎていて、個人的に好きです。 そしてヒロイン?のフランケンフッカー(エリザベス)を演じる人のぎこちない動きと顔芸がまたクセになる作品。 今見ると、ダミーヘッドなどの作り物感が非常に気になってしまいますが、それでも十分楽しい作品でした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-05 13:04:36) |
482. ボディ・バッグス
《ネタバレ》 3話からなるオムニバスっていうかテレビ映画だそうですが、出ている人たちがみんなB級ホラーの旗手という感じの人たちばかりなので、そういう意味でもうれしくなってしまいます。 93年製作の割には役者陣が「あの人は今」状態のようですが。こちらはリアルタイム世代ではないので何とも言えないのですが。唯一マーク・ハミルに関しては「こんなのに出てるんだ(笑)」といった感じです(近年某星間戦争映画でまたスクリーンに大々的にカムバックしましたが)。 話自体はこうしたオムニバス形式においてありきたりと感じますが、時間も適度に短く、ちゃんと盛り上がるように作られており、なおかつしっかりとゴア描写も入っているので飽きずに観ることができると思います。 今ではこうした作品も多くなり、表現もより過激になっていたり演出面も色々と工夫されているのでこの作品が特出しているか、と言われるとそうでもないのですが、すでに鬼籍に入ってしまった監督たちの動く姿が拝める貴重な作品だと思うので、点数は7点ということで。 [ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-01 20:23:52) |
483. エイリアン3/完全版
《ネタバレ》 ほぼ別作品、という感じのする作品です。 劇場版の「そういえばアイツってどうしたん?」という状況や、「なんでリプリー襲われなかったん?」という疑問点がほぼ解消されているので、より納得のいく作りになっています。 が、個人的には劇場版はあれで好きなので正直「長くね?」と思ってしまいました。 あとまあ牛から生まれるエイリアンも設定上はあれで辻褄というか、そういうのが合うんですが、なにぶん何回も劇場版観てるとその改変すら「違和感」に感じられてしまうので、どうしてもスムーズに受け入れられなかった、というところがあります。それなので、劇場版から結構なマイナス点。 [DVD(字幕)] 7点(2021-05-31 22:01:02) |
484. 聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY
《ネタバレ》 世界最速~小宇宙(コスモ)上映会と称した試写会にて鑑賞。 聖闘士星矢なんてその昔親が持ってたファミコンソフトでちょろっと触れた程度で何の知識もないままに鑑賞。 漫画の一エピソードでなく○○編と称した部分を約1時間半で語りつくすわけですから、もちろん駆け足、「もちろんこの設定とか知ってるよな!」と言わんばかりに専門用語が登場し、展開も少年漫画の常套的展開です。 原作から設定とかいろいろかなりアレンジが加えられているようで、主人公側と敵側の力量差が今一つ伝わってこない、など、原作ファンの人には相当な内容なんだと思います。 ですが、監督も言っているように、全く新しい聖闘士星矢という点で行けば、まあ目をつむれるのではないかと。 なにより、山ちゃんはじめ大ベテランの声優陣の仕事はやっぱりすげぇなと思いますし、若手側もそれに負けないくらい頑張っていると思いますし、戦闘シーンでも、やっぱりドラゴンボールやそういったものが好きな自分としては久しぶりに“男の子の血”が騒ぎました。 アテナ役の子は、もともと声優ではないし話題作りのための起用なのかも知れませんが、それでも本業の人たちに負けじとついて行こうという感じが取れます。経験不足のためか、セリフの抑揚や感情の出し方がもう一息だったり、声変わりなのか、少々ハスキーというか、かすれ具合が目(耳)につくところがありますが、それはそれ、これ以降も頑張って精進してほしいと思います。 全然期待していませんでしたが、バトルシーンの迫力や、主題歌がYOSHIKIであること、普段漫画を読まない僕でも原作を読んでみようかなと思わせるきっかけをくれたので、ここは7点で。 ―――ここまでは一映画ファンとしての感想――― もうね、あーりんはどう頑張ってもあーりんなんですよ(笑)ただそれは他の声優と違い僕らがあーりんの顔と声が完全に一致しているからであって、仕方ないんですけどね。 ただ、キャラデザも心なしか似せてくれているのか劇中の城戸沙織が徐々に佐々木彩夏に見えてくるからあら不思議(笑)だから徐々に違和感がなくなってくるので、ピンク推しの人は安心して鑑賞しながらあーりんわっしょいしてください。 そして、ラストのあれを今日(6月11日)にやるとは、監督も鯔なことをしてくれますね~。 [試写会(邦画)] 7点(2014-06-12 00:57:19)(笑:1票) |
485. シロメ
《ネタバレ》 今でこそ色んなところで見るももクロちゃんですがこれが出た当初はメジャーデビュー後とはいえ、ホントに知る人ぞ知る存在でした。だからこの映画も「最近出てきた良く判らないアイドルが得体の知れない神様にお願いをしにいく。これって本物なのか?」というモンド映画みたいないかがわしさがあったんです。まあ、1発で作りものとバレますが。 最近はいろんなメディアに出ているため、ライヴ映像やももクロChanを観た後でこの作品を観ると、例えば愛すべきアホリーダー、かなこがテンションダダ下がりだったりクールビューティ、あかりんがクールを通り越してフリーズ寸前だったりするので本来の彼女たちの魅力は半減どころの話ではないんですが、自分はこの作品からももクロちゃんを知った口なので違和感は全然なく、ホラー映画としてはむしろこれで正解だと思います。 怖いか、と言われればそれほどでもないんですが、廃墟に可愛い女の子たちがわいわい入って行って…というホラー映画の常套手段や実は仕掛け人側だったという捻りで楽しませてはくれますし、何より6人のももクロちゃんを観られる数少ない映像作品つーことで7点。 …にしても、これ観た数カ月後にあかりんが脱退する旨のニュースを知り、その後Zが付いたときは「Zって何!?」とポカーンとなったのも今となっては良い思い出…。 [DVD(邦画)] 7点(2012-09-07 02:44:48) |
486. X-MEN:ファースト・ジェネレーション
《ネタバレ》 これまでのシリーズがまるでなかったことになってしまうくらいに良くできた作品だと思います。 ストーリーは、のちのXメンに続いていくために半ば判り切っているので、本作ではどのように二人が袂を分かっていくかが描かれますが、それ以上に見せ方が上手く感じます。 冒頭、エリックが自身の力に目覚め、それを利用されるくだりの感情の爆発と能力開放の描写、次々に仲間ミュータントを見つけ出すくだり、圧倒的な力を持つ敵に完膚なきまでに叩きのめされ、そこから皆で這いあがっていく描写(まるでドラゴンボールのサイヤ人が襲来した時のような感じ・笑)や、リズミカルにさえ感じる訓練シーン等々。店舗が非常によく、また場面やストーリー展開の盛り上げ方を良くわきまえてると思います。 他の方も仰っていますが、エリックが巨大アンテナを動かす場面はなかなか熱いものを感じられると思います。 その他、戦闘場面は勿論大迫力ですし、今までのシリーズにはない物語の重みも感じられるので、時間を忘れて楽しむことができました。 [映画館(字幕)] 7点(2011-07-11 03:50:10) |
487. SP 革命篇
《ネタバレ》 個人的には前作よりスケールはアップしましたが、ややアクションとしてはお上品すぎるといったところでしょうか。 セガール映画ではないですけど、人質、敵、味方双方殆ど死傷者も出ず(一部例外はありますが)、トラップが作動して大爆発!と云った大波乱もなし…まあ舞台や登場人物的に考えて安易に死傷者や損壊場所を出せなのかもしれないのですが、やはりアクションとしては少し刺激が足りないように思います。 しかし、それを考えなければアクション自体は見ごたえがあり、適度なスリル、そして互いの信念をかけた男の闘い等色々な要素が入っているのでなかなか楽しめると思います。まあ、完全な続きものなので前作を観ていないと半分以上置いていかれますが…。 点数は、前編の「野望編」と総合して7点と云うことで。 [映画館(邦画)] 7点(2011-06-15 02:14:09) |
488. 蝿男の恐怖
《ネタバレ》 蝿の頭は今見るとやはりどうしてもそこらの玩具屋で買ってきたかのような安っぽさが拭えませんが、問題の蝿男が終盤まで殆ど画面に映らないとことであまり気になりません。 むしろ、蝿男のもたらす恐怖ではなく実験の失敗によって自分の身に起きた異変に対する脅威、恐怖という設定、そして冒頭で物語の結末を提示し、そこから何が起きたかを究明していくミステリーの手法共々、特殊メイクによって阿鼻叫喚の変身シーンを見せ付けたクローネンバーグ版とはまた違ったスリルがあります。 そして、人間の頭に摩り替わった蝿が叫ぶラストも、冷静に観れば滑稽ですが、なんともいえない余韻を残します。 古きよき怪奇ホラーに7点。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-30 04:13:43)(良:1票) |
489. ヴィデオドローム
《ネタバレ》 冷静に観るとさっぱりなストーリーですが、元々クローネンバーグって御方は突拍子もないストーリーを強烈なインパクトと独特なグロテスク描写で強引に引き込んでいく人ですのでこれでいいのです。 そもそも、血管の浮き出たテレビやらウニョウニョ動くビデオテープなんてもの、この人くらいしか考えないであろうといった感じで、シュールでありグロテスクですが、不思議と嫌悪感はそれ程感じません。 ビデオ、メディアの有する有害性、中毒性を変わった視点で描いた作品として傑作の部類に入るでしょう。ただ万人受けはしないでしょうが。 というより、こうした作品を観続けている人は、すでにビデオドロームの世界に逝っちゃってるのかもしれませんね。自分含む。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-20 02:16:46) |
490. ロックンロール・ハイスクール
《ネタバレ》 低予算映画で有名なロジャー・コーマン製作総指揮っつーことで、とりあえず物凄く肩の力を抜いて観るのが正解。 ラモーンズが出ているというだけでファンには必見の映画かもしれないがそこを取れば普通のロック映画。 主人公を女の子にしてバカ要素を120パーセントくらい入れると出来上がるような作品。 トンでも設定も多数あるが、前半写真だけで出てきたロックネズミが後半しっかり実物が出てくる芸の細かさはある意味関心。 何にも考えないで映画観たいときには最適かもん。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-14 02:37:20) |
491. 幽幻道士
《ネタバレ》 個人的には「幽幻道士」よりも「キョンシーズ」のタイトルの方がしっくりくるクチでして、霊幻道士共々小さいころ何度も観返した作品です。 霊幻~が大人向けのゴースト・ストーリーならこちらは子供むけのゴースト・ストーリー、と云った感じでしょうか。 カンフーアクションもさることながら、登場人物の掛け合いやキョンシーの魅力など、あちらとはまた違った面白みがありますし、何よりやはりテンテンとチビキョンシーの可愛さに尽きるでしょう。 しかし、一番印象に残るのがどう聴いても「はとぽッぽ」なテーマ曲だったりして(笑) [ビデオ(字幕)] 7点(2011-03-12 22:45:30) |
492. 地球最後の男
《ネタバレ》 現代風にローカライズされたリメイク作「アイ・アム・レジェンド」を観てしまうとどうしても展開のかったるさが目に付いてしまいますが、雰囲気や物語展開などはオリジンだけあり流石によくできています。 特に、ロメロ作品の原型になったと思しき、夜の民家に集まる吸血鬼の不気味さはモノクロの画面も相まってことさら不気味に見えます。 まあ、設定は、伝性病の蔓延による終末ものと云ったモダンホラーと吸血鬼ものの古典ホラーの中間といった感じで、取りようによっては中途半端なものにも思えますが、ほかのリメイク作とは違い、原作通りの“伝説”のニュアンスを表現した作品として、色々と考えるところの多い作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-12 17:00:26) |
493. 悪魔を見た
《ネタバレ》 欧米の作品よりもどことなく描写が生々しく感じるアジア映画。恐らくは俳優の顔つきや生活様式が似通っているところから来る一種の親近感からなんでしょう。 結構な頻度で頭をぽかぽか(本当はそんな生易しいものじゃない)殴っていて、少々一撃が軽い、と勘違いされそうな描写でしたが、全体ではむしろ結構どぎつい残虐描写が多いです。そして作中占める割合が結構高い。 ストーリーに関しては、みなさん仰る通り、反撃やアクシデントに対しての備えが不十分で、それゆえ復讐者としての圧倒的な気迫が薄れる、というマイナス要素になってしまっていますが、場面単位で見れば、イ・ビョンホンの抑揚のない顔がより一層彼の心の闇を引き立てており、また繰り出される体術もなかなか見ごたえのあるシーンになっていると思います。 対するチェ・ミンシクも、徹底的に鬼畜な役柄をこれでもかと熱延していて、結果作品の長さを気にすることなく観終えることができました。 [映画館(字幕)] 7点(2011-03-11 03:09:13)(良:1票) |
494. エメラルド・カウボーイ
《ネタバレ》 カウボーイとはいっても馬に跨り牛を追いかけヒーハーじゃなくってヤーハーと叫ぶメリケン人ではなく、日本人。しかも舞台はコロンビア。 一見、どこら辺がカウボーイやねんと思いますが、それはそれ、観てみてくださいい。 製作に当たっては、ほぼ自主製作の域で、↓のコメントにもありますが、大味な部分や粗も多く、映画芸術的観点から観ればお話にもならないんでしょう。 しかし、そんな観念取っ払ってみれば、これぞ娯楽映画と云わんばかりのエネルギーを感じられます。 ともせば退屈になりがちな伝記という題材。もともと波乱万丈の人生ということもあるのでしょうが、それをうまく料理し、ちゃんとしたエンターテイメントとして仕上げています。 というより、やましんの巻さんも仰ってますが、正に西部劇の体裁で作られているのです。 不屈のフロンティア精神、ゲリラとのガンファイトやカーチェイス、酒場での乱闘、組合との対立等々…。カウボーイではないのに、れっきとしたカウボーイのように見えてしまうから不思議です。そしてそれを地で行っているのだから更にすごいです。 確かに究極の俺サマ映画ではあるのですが、そこにとどまらずに一歩出た、しっかりとした作りをしている作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-01 01:22:33)(良:1票) |
495. 夜の大捜査線
《ネタバレ》 文字通りうだるようなレイ・チャールズの主題歌を冒頭に、都会からやってきた敏腕刑事が片田舎で起こった殺人事件を、地元警察と悶着を起こしながら一緒に解決していくというストーリーは今の時代からすれば常套的なものです。 しかし、今よりも黒人差別が顕著だった60年代、しかも保守的な南部という地域設定も手伝ってか、普通であればコメディにでもなり得そうな題材がとてもシリアスなものになっております。 事件そのものは大したものではないですが、あからさまな人種差別に耐える主人公、そして彼の手を借りなければならないながらも存在を煙たがっている警察署長の2人の衝突は普通の犯罪映画の刑事たちの関係とは少し違う、もう少し深い葛藤を感じます。 物語が進むにつれて、二人の心境も徐々に変わっていますが、完璧な友情ではなく、あくまで若干の好感、というところで止めておいたのも、作品全体のバランスとして良いと思います。もっとも、時代的なこともあるでしょうが… [DVD(字幕)] 7点(2011-02-23 01:59:15)(良:1票) |
496. ギニー・ピッグ 悪魔の実験
《ネタバレ》 日本の特殊メイクも世界に引けを取らない、ということ“のみ”を実証する作品。 残虐度では2作目にあたる「血肉の華」に一歩譲るが、本作は直接的な人体破壊描写とともに間接的な描写、精神的にくる描写が多いので、より陰惨度が高い。 しかも、ストーリーは皆無。ただ野郎三人がただひたすら女性を精神的肉体的にいたぶるだけなので、夢も希望も救いも、伝いテーマなんかももちろんない。 また、画像がチープで、設定上キャスト・スタッフの表記もないので、それがまたいかがわしさを倍増させ、まるで本物のような不気味さを醸し出している。 近年だと仏映画の「マーターズ」が、ここ数年の作品群のなかでもトップの陰惨度を誇っているが、本作はさらにその上を行っている。 疑似スナッフ作品としてはとても良くできている作品。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-11-13 18:33:01) |
497. エリザベス:ゴールデン・エイジ
《ネタバレ》 渡英中の国際線の機内で鑑賞。 さて、前作の続き、とあるようにどうやらこやつには前の作品があるようなのですが、生憎と未見ですのでどのようなものだったかはわかりません。 で、本作単体での感想ですが、特に、前作を見ていなければ判らない、と云うわけでもなく、十分楽しめる作品ではないかと思います。 ケイト・ブランシェット演じるエリザベス1世の気高くそして威風堂々とした姿はまさに女王の中の女王と言えるものでさすがに歴史に名を遺すほどの人物といった感じです。 後半のアルマダ戦争の描写は、歴史大作としてはいささか短いとも思えますが、ストーリー重視、と考えればまあこのくらいでも良いかなと思いますし、なかなか見せてくれるものだったので良いと思います。 昔と変わり歴史劇も表現方法がだいぶ変わりましたが、まだまだ、今の作品も頑張っているなと思わせる作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2008-03-14 02:46:58) |
498. クロスロード(1986)
《ネタバレ》 こういう一見判っているようでいて実は頭の悪い映画って結構好きです。 話自体は有名な(今はどうだか知らないが)クロスロードの伝説をモチーフに、「ベスト・キッド」にてミヤギ流カラテを会得した我らがダニエルさんが今度は伝説のブルース・マンとともに求めて幻のブルースを求め放浪する…という、一種の青春ロード・ムービー。 スライドの名手として知られるライ・クーダーの吹き替えらしいギターもまた最高だが、やはり最後の我らが変態ギタリストことスティーヴ・ヴァイとのギター合戦…もとい速弾き合戦は必見。 もちろん、ブルースの映画でクラシックってのはどーかと思うし、序盤にジュリアートの教授が言ってた「横道にそれてはいかん」等の言葉から、実はブルースを馬鹿にしてんじゃね?と思ってしまいますけど、「同じ悪魔なら今度はパガニーニだッ!」という悪魔繋がりであれになった、ということであえてスルーします。 ということで、映画自体は6点くらいですが、スティーヴ・ヴァイの“悪魔に魂を売ったギタリスト”があまりにもはまり役なので、おまけして7点です。 [DVD(字幕)] 7点(2007-11-23 04:15:35) |
499. 犬神家の一族(2006)
《ネタバレ》 オリジナル版未見の感想ですがこれだけで見るとなかなか良く出来ていると思います。 現代風の映像美(画質)に古風な美術のミスマッチ、新旧の役者のアンバランスさやちょっとオーバーなリアクションなど最初は気になる部分がいくつかありましたが見ているうちにはあまり気になりませんし、もともと物語も面白く、戦後間もない日本の陰鬱な雰囲気、日本家屋の(良い意味での)不気味な佇まい、名家の遺産相続をめぐるドロドロとした人間関係など、サスペンスの持ちうる心理的恐怖感を余すところなく表現していると思います。 まあ、オリジナルに対して殆ど変更点がなく忠実に再現されているという点では、わざわざ現代にそんなことをしていったい何の意味があるのか?という疑問も湧きますが、我々のような若い世代が今一度日本の誇る本格ミステリに興味を示すいいきっかけになったのではないか、と思います。 [DVD(邦画)] 7点(2007-11-08 15:52:38) |
500. ジェイコブス・ラダー(1990)
《ネタバレ》 悲しいかなあらかじめオチを知っての鑑賞だったのでラストでの衝撃は半減だったのですが、それでもなかなか唸らせる内容だと思います。 こういう系はやったもん勝ちで、それこそ今では主人公は実は…な展開は結構見ますけど、やっぱり初期のころだけに衝撃度などは大きいと思います(無論、これよりも前の作品でも同様の展開の作品はありますが)。 一見するとサイコ・サスペンス調で、閉鎖された駅で見る怪物や担架で病院内を搬送される場面など、非常にシュールで印象深い場面もありますが、ストーリーの方はと言えば、死に対して自分はどう向き合えばよいか、という非常に哲学的なものになっています。 現実(敢えてそう呼ぶ)と幻覚の狭間でどんどん精神を衰弱させていくティム・ロビンスや、最後の“ヤコブの梯子”でのカルキンの包み込むような演技など、非常に見ごたえのある作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-04 04:44:40) |