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 > かたゆき さんの口コミ一覧。25ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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481.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 
実際に起こった列車内でのテロ未遂事件。偶然その場に居合わせ、一瞬の判断で車内での大量虐殺を未然に防ぐことに成功した三人の若者たち。彼らの物語を実際の本人たちが演じるという一風変わった手法で描いた、イーストウッド監督の実話ドラマ。テーマ性も映像も名匠らしく手堅く纏められてはいるが、過去の彼の作品と比べると少々物足りない印象。もう少し心に響く何かが欲しかった。
[DVD(字幕)] 6点(2019-01-01 22:36:54)
482.  ノクターナル・アニマルズ 《ネタバレ》 
現代美術家として成功を収め、実業家として名を馳せた夫と何不自由ない生活を送ってきたスーザン。ある日、そんな彼女の元に一冊の本が届く。タイトルは『夜の獣たち』。作者の名を見て彼女は思わず息を呑んでしまう。その名は二十年前に破局を迎えたきり、ほとんど音沙汰のなかった元夫エドワード・シェフィールドだったのだ。資金繰りに息詰まっている今の夫を出張へと送り出したスーザンはソファに横たわり、その元夫が書いたという本に目を通してゆく――。物語はその後、彼女の現実世界と小説内のフィクションの世界、そしてスーザンが二十年前に作者である元夫と過ごした若き日々を複雑に行き交いながら、暴力と不条理に満ちたミステリアスで濃厚な世界を形作ってゆく。劇中劇として語られる小説の世界は、テキサスの夜の路上で偶然出会ってしまった荒くれ者たちによって妻子を凌辱される一人の男の物語。そして二十年前の若き日のスーザンと元夫との物語は、情熱的な恋に落ちた二人が悲劇的な結末を迎えるまでを描いている。ポイントは、この小説の主人公とスーザンの元夫役を同じ、ジェイク・ギレンホールが演じているところ。本来は何の関係もないはずの二人が、主人公であるスーザンの想像の中では同一人物と認識されることで、この元夫の本書を書いた意図が透けて見えてくるという非常に高度で深い心理劇を形成することに成功している。とても考え抜かれた優れた脚本であると言えるだろう。また、人生の曲がり角を迎えた中年女性を演じたエイミー・アダムス、凄みのある犯罪者をリアルに演じたアーロン・テイラー・ジョンソンもこの作品の不穏に満ちた空気を醸成させることに貢献している。特に癌に犯された刑事役を演じたマイケル・シャノンの存在感は際立っていた。果たして、このような小説を書きさらには二十年も前に別れた元妻へと送り届けた、この元夫の真の意図とはなんであったのか。復讐?懺悔?未練?そして最後に彼が取った行動の本当の意味とはまで、見る人それぞれにいかようにも解釈できる、とても優れた心理ドラマの秀作であった。
[DVD(字幕)] 7点(2018-12-30 00:04:48)(良:1票)
483.  セリーナ 炎の女 《ネタバレ》 
1929年、アメリカ北部の荒涼とした山岳地帯。父親から譲り受けた広大な土地で材木業を営むジョージ・ペンバートンは、次々に巻き起こるトラブルとうまくいかない資金繰りに奔走していた。そんな折、ボストンまでの出張に出かけた彼は、そこで若く美しい女性と恋に落ちる。相手の名は、セリーナ。幼いころに火事で家族を失い、以来天涯孤独の人生を送ってきたという。そのミステリアスな美しさと力強い眼差しに心惹かれたジョージはその日のうちに求婚し、彼女を妻として地元へと連れ帰ってくるのだった。以来二人は熱情と愛欲に満ちた、幸せな毎日を謳歌する。だが、そんな満ち足りた日々も長くは続かなかった――。土地が国立公園の予定地と重なったことで伐採所の買収話が持ち上がり、その過程で彼の地方議員への贈賄疑惑が持ち上がったのだ。このままでは土地を奪われるばかりか、刑務所にぶち込まれセリーナとの幸せな日々さえも失ってしまう。悩んだ末に、ジョージはとある決断を下すのだが…。アメリカの雄大な山岳地帯を舞台に、ただ幸せになりたいと願った一組の情熱的な夫婦の愛と葛藤の日々を美しい映像で綴ったラブ・ロマンス。ジェニファー・ローレンスとブラットリー・クーパーという今ノリにノッている人気者二人が夫婦役を演じたということで今回鑑賞してみました。なかなか丁寧に作り込まれた脚本の力と円熟味を増した主演俳優たちの魅力とで最後まで興味深く観ることが出来ました。彼ら以外にも、個性豊かな脇役たち――ジョージの子供を身籠っていると思しき貧しい女性や得体の知れない凄みを感じさせる元犯罪者の作業員、粘着質な目で二人を追う土地買収業者等、誰もがきらりと光る達者な仕事を披露してくれています。なかなか見応えのあるメロドラマの秀作に仕上がっていたと言っていいでしょう。ただ、残念だったのは後半の展開。それまで土地買収を巡るやり取りで充分緊迫感を煽っていたのに、前半でそれをいったん終わらてしまったせいで、そこからお話の密度が若干薄まってしまったように感じてしまいました。前半の緊張感を最後まで保っていればもっと完成度の高い傑作になっていたかも知れませんね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-12-29 22:57:01)
484.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 
SF映画のカルト的名作の続編。監督は現在ハリウッドでノリにのっているドニ・ヴェルヌーヴ監督。いやー、なかなか重厚な世界観はこの監督ならでは。少々冗長な面もなきにしもあらずだけど、美麗な映像や哲学的なストーリーは存分に楽しめました。レプリカントたちの心の拠り所となっている記憶を作っているのが、実は…というオチにはしてやられましたわ。
[DVD(字幕)] 7点(2018-12-27 23:46:59)
485.  IT イット “それ”が見えたら、終わり。 《ネタバレ》 
27年ごとに〝それ〟はやってくる。下水道の暗い闇の底から子供たちを狙って――。デリーの街で多発する子供の失踪事件、その陰に暗躍する〝それ〟の存在に気付いた7人の子供たちは、それぞれの家庭に問題を抱えながらも立ち向かおうとする。絆というたった一つの武器だけを頼りに…。スティーブン・キングの分厚い文庫本全四冊を読んだのはもう二十年以上前、その余りの面白さに夢中になり、最後まで一気呵成に読んだのを鮮明に覚えています。なので今回懐かしさを覚えながら鑑賞してみました。「あぁこのデブの男の子が女の子に贈るのは詩じゃなくて俳句だったよなぁ」「大人パートで、このユダヤ人の男が最初に〇〇しちゃうんだよな」「懐かしいーー!」なんて、終始ニヤニヤしながら観てました。原作では大人パートと子供パートが交互に展開されるのですが、それを子供パートだけにバッサリ絞ったのは正解だったんじゃないかな。確かに全体的に脚本がふわふわしすぎてて話に纏まりがないのが残念でしたが、ぼちぼち及第点だったんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2018-12-23 22:04:23)
486.  パーティで女の子に話しかけるには 《ネタバレ》 
地球にやって来た宇宙人の女の子とパンクかぶれの不良少年との恋を独特の映像センスで描いたエキセントリックなラブストーリー。正直、さっぱり面白くなかったんですけど!この監督の一部ではカルト的な人気を誇る『ヘドウィク・アンド・アングリーインチ』も自分的にはさっぱり良さが分からなかったので別に興味もなかったのですが、最近の僕のお気に入りの若手女優エル・ファニングちゃんが出ていたので一応鑑賞してみました。でも、やっぱり駄目でしたわ。きっと狙ってやってるんだろうけど、この監督のセンスのダサさにはだいぶ辟易。なんすかあの宇宙人たちの超ダサいコスチュームは!ところどころにかなりお下品なエログロ描写が差し挟まれるのにもうんざり。エル・ファニングとニコール・キッドマンのお美しさに+1点!
[DVD(字幕)] 3点(2018-12-21 10:56:23)
487.  ウォルト・ディズニーの約束 《ネタバレ》 
ディズニーの名作映画『メリー・ポピンズ』。その制作の舞台裏を、ウォルト・ディズニーと原作者であるトラヴァース夫人との確執をメインに描いたヒューマン・ドラマ。ディズニー社制作でありながら、ウォルト・ディズニーを必要以上に美化しておらず、また非常に丁寧に作られていて好感は持てるものの、『メリー・ポピンズ』にほとんど思い入れのない自分にはそこまで心に響かず。それでも嫌みなおばちゃんをのびのびと演じていたエマ・トンプソンはなかなかの嵌まり役でしたね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-12-14 09:48:51)
488.  アトミック・ブロンド 《ネタバレ》 
東西冷戦終結間近の混沌としたベルリンを舞台に、世界各国の諜報機関が入り乱れる中を颯爽と駆け抜ける女スパイの活躍を描いたアクション・エンタメ。シャーリーズ・セロン姉さんを目当てに観たのですが、これがとにかくストーリーが分かりづらい!!途中までは頑張って物語を追っかけていましたが、もう後半からはどうでもいい感じで流して観てましたわ。これってストーリーの見せ方が単純に下手なだけなんじゃないかしら?シャーリーズ姉さんの身体を張ったド迫力なアクションとドエロいレズHシーンに+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2018-12-12 22:58:49)
489.  ヴェンジェンス 《ネタバレ》 
銃撃事件により相棒を亡くしたばかりの刑事ジョン・ドロモア。失意の中に生きていた彼はある日、夜の酒場でシングルマザーのティーナと出会う。奔放な見た目や言動とは違い、その優しい性格に意気投合したジョンは少しずつ癒されていくのだった。だが、そんな幸せな日々も長くは続かなかった――。独立記念日の夜、友人宅で飲んだ帰り道、ティーナは一緒に歩いていた12歳の娘ベシーとともに四人のチンピラたちに絡まれ船小屋へと連れ込まれてしまう。そして、娘の目の前でティーナは非道な男どもに抑え込まれ、死んでもおかしくないほどの暴行を受けるのだった。捜査を担当することになったジョンの尽力によりすぐに犯人は逮捕されたものの、家族に雇われた敏腕弁護士によってすぐに釈放されてしまう。あろうことか直後に始まった陪審員裁判の中でティーナは売春婦扱いされ、男どもは無罪放免になる可能性さえあった。ティーナは精神的に追い詰められ、塞ぎ込む娘のベシーには追い打ちをかけるように犯人からの嫌がらせが始まった。法律は役に立たない。娘からの決死の訴えを聞いたジョンは、自らの力で犯人どもに正義の鉄槌を下すことを決意する…。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送る、そんな勧善懲悪リベンジ・アクション作品。まあベタベタな内容ながら、けっこう丁寧に作られていてそこそこ面白かったですね、これ。突っ込みどころは満載だし、絵に描いたような憎まれ演技してる悪役たちにもちょっと笑っちゃいそうにもなりましたけど。んでも娘役の女の子は健気に頑張っていたし、もういかにもな悪徳弁護士を演じたドン・ジョンソンもなかなかの嵌まり具合。肝心の復讐劇もそこまでやり過ぎにならず、ぎりぎりでリアリティを保っていたのも良かったかな。まあ頭空っぽにして観る分にはぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。それにしてもニコラス・ケイジ、今も新作が2~3本レンタルビデオ屋さんの棚に並んでいたけど、ほんとにどんなけ自分を安売りするねん!って改めて思っちゃいます。もうここまで来たら自分も出来る限り観ていったろやんけ!って若干意地になってます(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2018-12-07 08:54:02)
490.  光をくれた人 《ネタバレ》 
第一次大戦で心に深い傷を負った元兵士トム。退役後、何もかもを捨て去るようにして静かな港町へと辿り着いた彼は、小さな孤島に聳え立つ灯台の灯台守という職を得る。以来彼は、深い孤独の中でただひたすら海を照らす光を守り続けていた。ある日、そんな孤独なトムの人生に新たな光が差すことに。港町に住む純朴な女性イザベルと恋に落ちたトムは、情熱的な交際期間を経て、彼女を妻として灯台のある島へと迎え入れることになるのだった。誰にも邪魔されず、平穏ながらもただただ幸せな日々を過ごすトムとイザベル。だが、そんな幸せな日々も長くは続かなかった。子供を強く望んだ二人だったが、最初に身ごもった子供は流産し、二人目も死産してしまう。心身ともに疲れ果て息詰まるような生活を続けていた二人。だがある日、そんなトムとイザベルのもとに信じられないようなことが起こる。一艘の小さなボートが島へと流れ着き、その中に若い男の遺体と生まれたばかりの小さな女の子が横たわっていたのだ。すぐに当局へと報告するというトムを説得し、イザベルはその女の子にルーシーという名をつけ、自らの子供として育てていくことを決意するのだった――。物語はその後、罪を隠しただ幸せそうな夫婦を演じていた二人が数年後、教会で衝撃的な事実を知ることで急展開することになる。そう、彼らがルーシーを授かったのと同じころ、生まれたばかりの女の子が父親の乗ったボートで行方不明となる事件が起こっていたのだ。残された母親はただひたすら子供の行方を追い続けていた。「もう隠しておけない。真実を話すべきだ」というトムに、イザベルは「私が母親よ。何も言わないで」と訴える。親の性とは言え、見ていてなんとも心苦しい展開が続く。誰も悪くはない。ただ心が少し弱かっただけ。そんな人々の悲劇など我関せずとばかりに海は今日も波打ち続ける……。デビュー以来、美しい映像でもって人生の光と闇を見つめ続けるデレク・シアンフランス監督の美質が今回も冴え渡っている。本当の家族としか思えない役者たちの演技も素晴らしい(主役を演じた二人はこの後、本当の家族になったらしいが)。最後、年老いた主人公の元に成長した娘が訪ねてくるシーンなど、年月の重みを感じさせ涙なくしては観れなかった。ときに暗い海へと沈み込みそうになる人生というものに、微かな道しるべともなる明るい光を投げかけるような味わい深い一篇だ。
[DVD(字幕)] 8点(2018-12-04 22:21:49)
491.  オレの獲物はビンラディン 《ネタバレ》 
「ビンラディンを捕まえ、法の裁きを受けさせることが出来るのはお前だけだ!」という、突然の神の啓示を受けた糖尿病を患う中年男ゲイリー・フォークナー。主治医の先生を騙して資金を調達し、ヨットやパラグライダーという移動手段を手に入れ、そして通販で一本の日本刀を入手するとゲイリーは綿密?な計画を練ることに。様々な紆余曲折の末になんとかパキスタンまで向かった彼は、まるで憑りつかれたように山岳地帯の何処かに潜伏中だというビン・ラディンを捜しはじめる。当然、彼の友人たちや恋人はなにかと振り回され、現地で職務を遂行中のCIA職員にまで影響を与えるようになる。一方何も知らない現地のパキスタン人は、突然現れた日本刀を振り回す白人男を面白がり、ゲイリーは一躍有名人へとなってゆく…。そんな実在するイカレタおやじのイカレタ旅路をスラップスティックに描いたブラックコメディ。うーん、正直いまいち笑えなかったですね、これ。大して面白くもない小ネタをひたすら垂れ流してるだけで、ストーリーが一向に進んでいかないのが致命傷。だいたいパキスタンまで到着するのが遅すぎて、途中のダレ具合が半端ないっす。また登場人物が物語の中で誰一人として動き出さないのもいただけない。主人公はもちろん、彼の恋人の娘である脳性まひの女の子なんて、いくらでも面白くなりそうな素材なのに全く活かされていません。実話とは言え、いかに映画として面白く魅せるかがスタッフたちの腕の見せ所なのに、いったい何をやっていたのでしょうか。途中で何度も睡魔に襲われながらなんとか最後まで観ましたが、得られたものは何もなかったです。イカレタおやじを嬉々として演じていたニコラス・ケイジの嵌まりっぷりに+1点!
[DVD(字幕)] 4点(2018-12-03 22:25:56)
492.  ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 《ネタバレ》 
いまや世界的な大企業となったマクドナルド社の創業から成功への道のりを、創業者であるマクドナルド兄弟と彼らに取り入った一人の男の姿を通して描いたヒューマン・ドラマ。単なるミキサーのセールスマンに過ぎなかったしがない男レイ・クロックはある日、田舎町で画期的なシステムを持った飲食店と出会う。「これこそ俺が求めていたものだ!」。その徹底的に無駄を省いた合理的なシステムに魅せられたレイは、経営者であるマクドナルド兄弟と半ば強引にフランチャイズ契約を結ぶと瞬く間に全国へと進出していくことに。だが、あくまで安定した品質管理と地域社会に密着したサービスに固執する兄弟と利益至上主義、徹底的な成長戦略を重視するレイとの対立は次第に激しくなってゆく。そして、彼らの意識の違いはとうとう限界を迎え…。マイケル・キートン演じるこの主人公はとても共感できるような人物ではないのですが、それでも彼の野心がなければマクドナルドは一地方の地域密着型の小さな飲食店で終わったことは明らか。資本主義経済の何たるかがとてもよく分かる考えられた脚本であると思います。特に創業者であるはずのマクドナルド兄弟が最終的には経営から追い出されるという結末は、人間性を多少なりとも犠牲にしなければ成功は保証できないという経済原則の不条理を見事に突いている。「ライバルが隣で溺れていたら、その口にホースを突っ込み水を流し込む。君たちにそれが出来るか?」というレイの言葉は重い。マクドナルド社が本作を非公認にしているのも頷けます。惜しむらくは、彼が後に結婚することになる第二の妻とのなれそめが非常に簡潔に描かれてしまっているところ。彼女と初めてバーで出会い、二人でピアノ演奏するシーンがとても印象深かっただけに、そこらへんが少し物足りなくも感じた。とはいえ全体的には良くまとまった、なかなか見応えのある経済ドラマの秀作と言っていいでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2018-11-29 01:00:06)
493.  人生はビギナーズ 《ネタバレ》 
70代になって自らがゲイであることを告白した老人と、40を目前にして恋に臆病なその息子との決してうまくいかない日常を独自の手法で描いたヒューマンドラマ。この監督の最新作である『20センチュリーウーマン』がけっこう良かったので、今更ながら今回鑑賞してみました。確かにこの監督のセンスは凄くいいと思うのですが、なんだろう、本作は僕はそこまで嵌まらなかったかな。なんだかあまりにも主人公がうじうじしすぎてて、僕はいまいち共感できなかった。カラフルな映像センスや時間軸をバラバラにして再構築するストーリーテリング等、その独自の世界観は良かったんですけどねー。
[DVD(字幕)] 6点(2018-11-27 22:56:15)
494.  セブン・シスターズ 《ネタバレ》 
環境破壊と極端な人口増加によって深刻な食糧不足へと陥ってしまった未来社会。政府は人口抑制策の一環として、強硬な児童分配法を施行。一家庭が持てる子供の数を一人とし、二人目以降が生まれるとその子は強制的にコールドスリープで眠りにつかされることになるのだった。そんななか、ある一人の女性が七つ子を産んで亡くなってしまう。このままいくと一人を除く六人の赤ん坊が強制的に当局に収容されることは明らか。「そんな勝手なことは誰にもさせない!」。残された女性の父親は、そう七人姉妹を秘密裡に育てることを決意する。それぞれに月曜から日曜までの名前を付け、それぞれの曜日にしか外出できないルールを設け、彼女たちを〝一人の女性〟として育ててゆく――。30年後、順調に成長した〝彼女〟は、大銀行の行員として順調に出世コースを歩んでいた。それぞれに悩みを抱えながらも自らの個性を殺し、日々、七人一役をこなしていた姉妹たち。だが、そんな平和な日々は突如として終わりを迎えるのだった。月曜が仕事が終わっても帰ってこず、連絡も取れないまま行方不明となってしまった!果たして月曜は何処に消えてしまったのか?残された六人の姉妹は、それぞれの長所を活かしながら消えた月曜を捜しはじめるのだが…。一人の女性として育てられた、そんな七人姉妹の闘いをノンストップで描いた近未来SF・アクション。という荒唐無稽な設定ながら、勢いとキレのあるアクションの数々で最後まで見せきったところは素直に素晴らしかったですね。いや、これ、ほとんど期待せずに観たんですけど、なかなかの掘り出しもんでしたよ。特に、一人七役を演じたノオミ・ラパスがまさに嵌まり役でした。ちゃんと誰もが別人に見えたですもん。イケイケのねーちゃんからオタク女子、普段は強がってるけど男には奥手の女性だとか、難しい演じ分けを見事にこなしておりました。そして、そんな七人姉妹が次第に追い詰められ次々と命を落としていくという演出もだいぶエッジが効いていて大変満足。ことの真相は途中で予想できたものの、コールドスリープの正体とかは普通に「おお!」となりました。いやー、なかなか面白かったです!8点!
[DVD(字幕)] 8点(2018-11-24 23:48:27)
495.  ザ・ウォール(2017) 《ネタバレ》 
2007年、戦争終結間際のイラク。凄腕のスナイパーに襲われ全滅した仲間の部隊から無線機を回収するという任務をくだされた2人のアメリカ兵は、すぐさま砂漠に囲まれた目的地へと向かう。だが、やって来た現場は明らかに不審な空気が漂っていた。きっとどこかからスナイパーが狙っているに違いない。そう判断した彼らは危険を避けるため、ずっと遠くからその凄惨な現場を見張り続けるしかできなかった。ところが何時間経っても変化が見られない。しびれを切らせた一人が思わず無線機回収へと向かう。だが、やはりそれはイラクの伝説的スナイパーの狡猾な罠だった――。瞬く間に狙撃され、踏み出した兵は瀕死の重傷を負って倒れ、残った兵は崩れ落ちた一枚の壁へと追い詰められてしまうことに。敵はどこに潜んでいるのか全く分からず、頼みの綱の無線機は狙撃で破壊されてしまった。壁から出れば頭を撃ち抜かれて即死するのは確実、だが執念深いスナイパーが簡単に諦めてくれるわけもなく、彼らは喉の渇きと怪我の痛みにひたすら耐えるしかない状態へと追い込まれてしまう。しばらくすると、手にしたトランシーバーからまるで彼らを嘲笑うかのようなスナイパーの声が聞こえてくるのだった…。極限状況へと追い込まれてしまった、そんな二人の兵士の決死のサバイバルを描いた戦争アクション。いわゆるワンアイデア、ワンシチュエーションのソリッド・シチュエーション・スリラーと呼ばれるやつなのですが、そこはアクションエンタメ界の売れっ子監督。手堅い演出のおかげでけっこう臨場感のある作品に仕上がっていたと思います。まあこの手のジャンルの佳品として名高い『フォーンブース』の戦場版と言ったらそれまでなんですけどね。ただ、コリン・ファレルの名演が光っていたあちらとは違い、本作は全体的に薄味な印象。民族対立の象徴として直立する〝壁〟の暗喩も巧く機能しておらず、後半に明かされる死んだ兵士の望遠鏡のエピソードも弱い。最後のオチも取って付けたようでいまいち。うーん、5点!
[DVD(字幕)] 5点(2018-11-24 22:50:52)
496.  ザ・ボーイ ~人形少年の館~ 《ネタバレ》 
老夫婦がまるで実の息子のように溺愛する一体の蝋人形。広い洋館で、その人形と一夜を共にすることになった女性の不可思議な体験を描いたミステリー・ホラー。正直に言いまして、この作品を観たのは確か一年近く前でその頃はこのサイトに本作が登録されておらず、だからと言ってわざわざ自分で登録申請するほどのもんでもないなぁとほったらかしにしていました。ところが今回、親切なお方が登録してくれたので約一年ぶりにうろ覚えの記憶だけを頼りにレビューを書かさせていただきます。まあつまんない作品でしたよね、これ。さして怖くもないし、最後のオチなんて「はぁ何それ?」って感じで怒りを通り越して呆れてしまったのを覚えております。まぁそれくらいかな(笑)。要約いたしますと、論評に値しない作品ってことですわ。
[DVD(字幕)] 3点(2018-11-13 03:49:23)
497.  怪物はささやく 《ネタバレ》 
複雑な家庭環境に生きる孤独な少年、その彼の元に夜な夜な現れては幾つもの物語を話す巨木の怪物。怪物は彼にささやく――。「これから三つの物語をお前に話す。それが終わったら四番目の物語をお前が話すのだ。お前の真実の物語を」。僕のこよなく愛するダーク・ファンタジーの秀作『永遠のこどもたち』の監督の最新作ということで、今回かなり期待して鑑賞してみました。うーん、期待が高すぎたのか、僕はいまいち嵌まれなかったですね、これ。なんだか現実世界とファンタジーがうまく嚙み合っていないような印象を受けてしまいました。結局この怪物って少年の妄想の産物で、あくまで現実には影響を及ぼさないのでこの二つの世界に統一感がなく、いまいちストーリーに入り込めませんでした。主人公である、暗い影を背負った男の子もなんか魅力に乏しく最後まで感情移入出来ません。まあ映像はさすがに迫力があったし、怪物が話す物語世界のアニメーションも独自の世界観を構築していたしでそこは充分楽しめましたけど。
[DVD(字幕)] 5点(2018-11-13 03:38:36)(良:1票)
498.  スリー・ビルボード 《ネタバレ》 
舞台はアメリカのとある田舎町。娘をレイプされ焼き殺された母親が町外れに立てた、三枚の看板。そこには一向に事件を解決できない警察署長への怒りのメッセージが書き込まれていた。当然、その影響は小さな町に瞬く間に広まってゆく。人種差別主義者の警察官、末期癌を患い余命幾ばくもない警察署長、看板を立てた広告代理店の営業マン、被害者となった女の子の弟、DVの末に離婚したその父親…。彼らの怒りが更なる怒りを呼ぶ憎しみの負の連鎖を軽快に描いたクライム・ドラマ。じっくりと考え抜かれたであろう脚本の力が際立つ、なかなかの佳品であったと思います。そんなよく出来た脚本だけではなく、適材適所に振り分けられた俳優陣の演技もすごく嵌まっていました。特に、主人公の娘を殺された母親を演じたフランシス・マクドーマンドの狂気すれすれなのに何故か嫌いになれない人物造形はなかなかのもの。ちょっと僕の好みとは微妙に外れますが、なかなか見応えのある人間ドラマでありました。
[DVD(字幕)] 7点(2018-11-08 19:49:20)
499.  マザー!(2017) 《ネタバレ》 
一軒の大きな家に暮らす一組の夫婦。彼らの身に降りかかる暴力的な出来事を悪夢的なイメージと独自の発想力を駆使して描いた不条理劇。何かと話題の本作、興味津々で今回鑑賞してみました。これって聖書を下敷きにしているのですね。なんだかデヴィッド・リンチとかのシュルレアリスム系を髣髴とさせる内容ですけど、あっちよりも遥かに分かりやすくて全然悪くなかったですよ、これ。僕はむしろ好きかもです。なんか最後まで観たらこの独自の世界観にどっぷり嵌まってる自分がいました。例えるなら、『ブラックスワン』の妄想パートのみを延々見せられてる感じ?あまりにもいき切っちゃった映像に、もう後半は自分もトリップしているような感覚になっちゃいました。これだけのシンプルなネタでここまで創り込めるアロノフスキーの才能はやっぱり凄いと思います。いや、自分はあと2時間くらいは観ていられたかも?!(笑)。今回は興行的に散々だったみたいですけど、これに懲りず次回作も頑張ってください!!
[DVD(字幕)] 8点(2018-11-04 21:16:49)
500.  デトロイト 《ネタバレ》 
1950年代、デトロイトで実際に起こった暴動を背景に黒人と白人との埋めがたい溝を描いた社会派ドラマ。いかにもキャスリン・ビグローらしい全編を貫く緊張感は確かに凄いとは思うのですが、いかんせんストーリーが弱い。実話と言ってもこれは一方の側の意見のみを全面的に取り上げた内容なわけで、実際どうだったのかは正直藪の中なわけじゃないですか?もう少しそこら辺の事情を汲めるような取り上げ方は出来なかったものか。例えば、もっと白人の側に立った人間の視点を取り入れてみるとか?じゃないとこのラストはかなり救いがなさ過ぎて、なんかモヤモヤした後味の悪さが残るのでちょっとしんどいです。迫力のある映像や分かりやすいストーリーテリングなどはさすがの安定感だっただけに惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2018-11-02 22:41:31)(良:1票)
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