41. インビジブル2
《ネタバレ》 透明人間は一種のモンスターで、スパイダーマン、スーパーマン、考えによってはゾンビやドラキュラとも同次元の「常識的にはありえない」荒唐無稽な存在である。通常そういった場合はその主人公のダイナミックな動きとか、おどろおどろしさ等でそういったあり得なさをカバーして映画を見せていくのだが、この映画は「透明人間」なだけに苦しい。苦しいととるか、「陰絵」の楽しみのように凹の趣を良しと取るかは人によって分かれるところだろう。ストーリーもそれなりにハラハラさせてくれるが重さはない。前回は透明人間に変身していくところが「グロテスク」な見せ場であったがそれもサラリと流している。スッキリしてはいるが、これ、なんの映画?透明でなにも・・・ [DVD(字幕)] 4点(2007-04-30 00:13:47) |
42. トゥモロー・ワールド
これは凄い。久しぶりに感動した。次々に死んでいく命の軽さと一人の赤ちゃんの命との対比をこれほどまでに見事に描いた原作も素晴らしいし、映像もまた素晴らしい。戦闘シーンはリアルで迫力と緊迫感がある。映像はどれもシックで落ち着きがあり美的に描かれている。今までのどんな戦争映画もSFもかすんで見える。 子供を育てた経験のある人なら必ずわかる、心の奥にある人として持つ子供への愛。それをもう一度呼び起こして心を揺さぶってくれる。必見、本当に必見。 [DVD(字幕)] 10点(2007-04-09 23:24:04)(良:1票) |
43. グエムル/漢江の怪物
《ネタバレ》 ひとつの映画に多数の要素が織り込まれ、それぞれが上手につながっている。環境破壊、在韓米軍、家族愛、目上を敬う道徳観、怪物のリアルさ、行政による個の無視、悲劇。怪物の出来もリアルで良かったが、映像もスピード感があってシックで綺麗なトーンが洗練されていた。普段、米国映画ばかりなのでそれに慣らされてきていたが、儒教を文化背景とする韓国映画のパニックものを見て、あらためて、「キャーキャー」とヒステリックに騒ぐだけの米国映画より「馴染める」気がした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-02-12 20:39:23) |
44. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 視点、発想が独創的だと思う。 ホラー、サスペンス系はどの映画にしても、「何かに近い」映画だが、これにはオリジナリティを強く感じる。 文明は人に幸せをもたらしたのだろうか?という問いを投げかけているように思える。 隔絶されてている環境は外界との比較においてのみ不便さがあるだけであり、幸せというものは文明に拠らないと映画は答えている。 さらに、個々の幸せは他人が決められないという答えも提示している。非常に感慨深く鑑賞させてもらった。 [映画館(字幕)] 8点(2007-02-11 19:05:56) |
45. バンド・オブ・ブラザース<TVM>
サラウンドの臨場感抜群で迫力ある戦場シーンにはそれなりに感じるものもあるが、どうしてもいわゆる「戦争もの」から脱していないように感じられてならない。よくある戦争ものの相似形として大型化だったり、色彩がきれいだったりといった・・・。それはなぜかといえば、戦争なのにカッコ良く、美化されてしまっているから。コンバットのリメイクといってもいいほど。テーマ音楽が私的にはすごく嫌い。英雄伝としての戦争映画はちょっとね。 [DVD(吹替)] 5点(2006-11-23 23:22:25) |
46. アンダー・サスピション
《ネタバレ》 警察捜査の怖さを表す。表向きの顔をどんどん剥ぎ取られてしまい恥ずかしい部分を曝け出すハメになるのだが、それが怪我の功名で夫婦関係の誤解を解く方向に導いてくれるという深い映画。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-15 23:57:47) |
47. M:i:III
《ネタバレ》 スパイ大作戦なので、やはりそれなりに「お決まり」があってそれは外せない、そういう作りかたなんだなと納得しながら鑑賞。水戸黄門の印籠、悪代官と越後屋のように「ベタな展開」は楽しく安心感があってよかったような。ラストもあくまでスカッと「仲間の連帯」を意識したハッピーエンド。 スパイ大作戦のカラーというか基調を外さずに近代的な映像で、スピード感、あまり深刻になりすぎないストーリー展開。でもそれって結局B級映画ってことかも。 [映画館(字幕)] 6点(2006-07-15 23:45:28) |
48. スクール・オブ・ロック
久しぶりに清々しい映画だった。サウンドオブミュージックのようでもあり、パッチアダムスのようでもある。人に物を教えるってことは凄くエネルギーが必要なのだなと改めて感じた。自分は人になにか物事を教える際に、ああして熱意を持って、まめに準備して、相手を信頼し、仲間意識を持って、愛情持って取り組むことができるだろうか、とても出来はしないと思った。更に、自分に何か人に一生懸命伝えるべき物を持っていることが素晴らしいのだとも教えられた。ためになった。頭が下がる。 [DVD(字幕)] 10点(2006-05-14 00:58:40) |
49. フライトプラン
設定にはかなりの無理アリ。おそらく原作ではそのあたりの必然性を上手に立証しているのだろうが映画では無理だったか。が、主題であるところの、「大事な事に関しては人の情報や考えに惑わされず、自分で行動し考えなさい」という点に感動した。 [映画館(字幕)] 8点(2006-02-19 17:24:59) |
50. コンスタンティン
喫煙者の評価は低いでしょうねえ、これ。特撮はよくできていたし、題材も面白かった。 [DVD(字幕)] 8点(2006-01-06 22:40:02) |
51. オープン・ウォーター
「この状況からどうやってこの人たちは助かるのだろう?」と助かることを半ば当然のように予想しつつ映画をみていくことに慣れてしまっていた私は、このどういう形であれ「観客の予想を覆した」という点で新鮮さを認めた。助かるだろうと思っていたのに淡々と死んでいく様。裏の裏は表であって、こういう作りかたの映画は多くなると価値が無い。いうなればずるい映画と言える。 映像に文句をつけたい点がある。海の怖さをあまり上手に表しきれていない。海は船の上から見るのと、海面すれすれから見るのとではその生々しい恐怖感が全然違う。人が海に対して抱く潜在的な恐怖感を表現するためには、もっと、人がなぜ海を怖がるのかよく熟慮しなくてはいけない。海の底が見えないことがなぜ怖いのか。透き通っているのと濁っているのとでどう感じ方が違うか。そこまで考えていない。まるでそこらの池で浮いているような映像で、まったく切迫感がなかった。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-30 18:29:42) |
52. キング・コング(2005)
長い!長すぎる(怒)。筋書きに新しさは望めないのだから、リメイクするならその意味を考えて作れと言いたい。大人の男が面白いと思う映画ではない。女性向きだね、「私を守ってくれる王子様、それがコングよっ!」ってところに共感できない人にとってはきつい3時間になる、忠告まで。それから映像と流れは安っぽいよ、とっても。 恐竜が追ってくるシーンなど、CGは大量に投入されているがアーケードのゲーム機じゃないんだから、もう見慣れすぎて全然感動と驚きは無い。 [映画館(字幕)] 3点(2005-12-18 17:37:22)(良:1票) |
53. 0:34 レイジ 34 フン
《ネタバレ》 状況設定が非常に苦しい!苦しすぎてダメ。こういった「追い詰められていく型」の映画は状況設定のシビアさが全て。あまりにもありえない設定をしており、その点で現実味が全く感じられず、つまり怖くない。ただ残酷で痛そうなだけ。公共交通機関である地下鉄構内から一切脱出不能であること、監視カメラがあるのに監視者が少ない、監視者も殺される(しかもタイミングよく)、携帯も通じない、小銭を持っていないことにして公衆電話という手段を映画上で抹消(笑)。モンスターの正体はロボトミー手術を受けさせられた(精神障害をきたした)元産婦人科医という設定だろう。が、あのパワーはなんだ?あるときは超人的な力持ち、あるときはひ弱なガリガリ男、でも実際はおじいさんの外科医(産婦人科)なのに。あまりにも雑な設定で酷すぎる。あまりにもいい加減なためストーリーに説明がつかないから「不条理」にみえるだけ。 映画制作者としては「意味のある」殺人鬼として作ろうとしているのは間違いない、ただそれが失敗しているだけ。説明もなくぶんぶんと殺人を繰り返していく様を見せるだけで怖がらせる名作「不条理」ホラーとは、かけらほどの一致も無い。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-03 22:17:11)(良:1票) |
54. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
子供と一緒だったため日本語吹替え。意外と観やすくてよかったですよ。ハリーポッターに関しては原作も読んでいないし、2作目、3作目の映画もまだ観ていません。1作目は話題になったし、女性の知人の評判が抜群によかったので期待して観にいって大いに期待はずれだった記憶があり今回も全然期待せずに行ったのですが、よそうに反してよかったです。スコットランド、ハイランド地方の風情ある景色がよ~く描かれており、映像がとても綺麗でした。 [映画館(吹替)] 8点(2005-11-28 21:47:15) |
55. ハウルの動く城
老いた感性を持つ者だけがこの映画を味わえる「舌」を持っていると言えるのかもしれない。老いて初めて気付く過ぎし日々の美しさや尊さを描いた類稀な映画である。未来に心を馳せる若人には何を描いているのかテーマを共感して楽しむことは困難であろう。ただ表面的なストーリーを追いながら、ただ映像を見せられているという感を持たざるを得ないであろう。 人生を振り返ったとき、自分の歩いてきた道程とこれから自分に残された意外に残り少ない時間に気がついたとき、この映画を見直してみるといい。 [映画館(字幕)] 9点(2005-11-15 22:14:52)(良:1票) |
56. 死ぬまでにしたい10のこと
死を題材にした物語は多いけれど、この映画の発想は斬新でかつ描き方がライトでそれが逆に「誰にでも訪れる死」というような死を身近に感じさせる効果があった。ガンの宣告の場面で、医師がゆったりとした時間をとっていた。医療ではどうすることもできない、ただ一緒に悲しんであげるという癒しの手段をとった医師に感心した。 [映画館(字幕)] 9点(2005-11-14 21:33:01) |
57. スーパーサイズ・ミー
「貧しいからこそ肥満になる」という傾向が世界的に顕著だとのこと。リッチであればそれだけ「食」にバラエティがあって気も配れるが、貧乏だとどうしてもカロリー摂取だけが目的になりがちだとのこと。そういう風潮に警鐘を鳴らした意味はある。が、描き方は非科学的で説得力には欠ける。この映像が意味することはカロリーの過剰摂取で人の体がどうなるかを言っているにすぎない。別にマックでなくても同様の症状に行き着くことは誰にでもわかる。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-14 20:45:47) |
58. 宇宙戦争(2005)
宇宙戦争って古典中の古典で、ストーリー的には目新しさのかけらもない。しかも以前に映画だってある。にもかかわらずそれをもう一度映画化し、面白いと感じさせてくれる映画に作ったことが凄い!つまり、映画は映像が大事だってことを再認識させてくれた。登場してくる火星人はああいう脚の長いタコのような形ってところまで原作で指定されているのに、それをあそこまで怖く、スリルを感じさせる映像にしてあり、本当に映画の力を感じる。 [映画館(字幕)] 8点(2005-11-07 23:08:17)(良:2票) |
59. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
スターウオーズはニューエイジ思想の一種だといわれている。この映画をみるとどうしても米文化の浅薄さを感じてしまう。ただ映像を楽しむべき娯楽作品ならいいのだが、どうも受け入れがたい宗教的なメッセージを感じてしまう。 [映画館(字幕)] 4点(2005-11-07 22:58:56) |
60. ランド・オブ・ザ・デッド
ゾンビ映画になにを期待するか?面白いなと感じるのはやはり「スリル」なのではないだろうか。内臓が飛び出るような気持ち悪さや「かわいそうさ」自体にはそろそろ慣れてしまっているし。主人公がだんだん追い詰められて、逃げ場がなく、そこをどう打開していくかを自分を投影しながら観るもの。でも、この映画は怖くないね。全然追い詰められていかない。スリルというものがない。マイケルジャクソンのスリラーのほうが怖いくらい。 [映画館(字幕)] 4点(2005-11-07 22:32:10) |