81. 孤狼の血 LEVEL2
レベル2を謳うだけあって、ストーリーも演出も前作より派手になっている。残念ながらその派手さが逆効果となり、リアリティや迫力を削いでしまっている。鈴木亮平だけ孤軍奮闘しているものの、全体的にはドタバタ劇の印象を拭えない。前作が成功したのは、小説を原作とした屋台骨のしっかりした脚本に、白石監督の迫力ある演出が乗ったことだと思う。今作はその屋台骨が弱いため、いまいち演出も地に足がついてないように感じた。もし次作も撮るのなら、やっぱり柚月小説をベースにしたほうがいい気がする。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-02-27 19:19:15) |
82. ゲットバック 奪還
いやあ騙された。レンタル屋であのパッケージ見て「お、ヴォルフガングペーターゼンの新作じゃん」ってなったら、普通硬派な迫力ある映画期待するよね。まあ、内容のゆるいことゆるいこと。脚本の出来はなかなか良くて、オチもきれいに決まってるんだけど、残念ながらそういうこと期待して観たんじゃありませんから。最初からベテラン監督の、肩の力を抜いたヨーロッパのコメディ、として観れば普通に観れる映画なのに。こんな有名監督の映画でパッケージ詐欺やっていいのか!? そこにいちばん驚いたね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-11-24 22:11:06) |
83. カーゴ/CARGO
一言で言うと、短編のほうが良かった。短編のカーゴは強烈なインパクトがあった。グロいゾンビとヒューマニズム溢れるストーリー。そのギャップにノックアウトされたわけだけど、長編のほうは、そのギャップがマイルドになってしまった印象。監督に作家性があるのは間違いないので、次回作に期待。 [インターネット(吹替)] 6点(2022-07-06 23:22:31) |
84. ライフ(2017)
うーん。なんだろう。丁寧に作られた正統派SFホラーなのに、なぜか盛り上がりに欠ける。いい役者も揃ってるのに薄味な印象。エイリアンとゼログラビティを足して、2じゃなくて3で割ったような感じ。ラストはまあまあパンチが効いてるので、あのテンションを序盤から欲しかった。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-04-08 07:43:46) |
85. ドライブ・マイ・カー
世俗臭の全くしない登場人物たちによる、浮世離れしたエピソードの数々。美しい映像に、淡々としたセリフ。それが心地良い人には最高の映画だし、合わない人には退屈なだけの映画。世俗にまみれた私は、どっちかというと後者寄り。本気でこの映画を語ろうと思えば、村上春樹とチェーホフへの造詣が必要だと思いますが、日々、世知辛い娑婆で暮らしております。そこまではとても手が回りません。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-04-01 21:53:30) |
86. TENET テネット
序盤はノーラン節である。いつも通りマイケルケインが出てきて「この映画はノーラン節だ!」と高らかに宣言する。そこまでは良い。中盤から雲行きが怪しくなってくる。世の中にタイムリープものは沢山あるけど、時間が逆行する話ってのは、聞いたことがない。その点は斬新で素晴らしい。でもそのアイディアをしっかり料理できているかというと……うーん、微妙。この映画のキモは、時間の逆行を利用して、面白いストーリーを展開できるか、面白い映像を生み出せるか、だと思うが、残念ながら両方とも分かりにくくなっている。難しいアイディアに挑戦した心意気は良し。次はがんばれ。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-09-21 20:27:06) |
87. 来る
原作既読でレヴューします。話がかなり大胆に変更されている。特に話の根幹に関わる、香奈の扱いの違いに驚いた。その結果分かりやすくなっている反面、大味な話になった印象も否めない。また原作では「ぼぎわん」とは何か、少しずつ丁寧に紐解かれていくが、映画版はその要素をバッサリカット。これはだいぶ寂しい。原作はJホラーあり、ドラマあり、謎解きあり、バトルあり、といろんな要素を丁寧にバランスよく盛り込んだ秀作だったが、映画版は派手なだけで深みのない内容になってしまった。とはいえ、演出が上手いので、勢いで最後まで見てしまえるのだが。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-08-29 14:02:36) |
88. 人間失格 太宰治と3人の女たち
タイトルに「3人の女たち」と付けただけあって、ヒロインたちは三者三様の凄まじい存在感を放っている。それから監督の映像美に対する拘りも凄い。この作品は女優と監督、4人の女の映画だと言っても過言じゃないと思う。でもちょっと待ってほしい。これは太宰の映画である。太宰の魅力は、遊び人でダメ人間なのに、インテリで繊細なところ、生意気なのに気が弱くて自虐的なところ、そんな人の持つ振れ幅を小説の中に惜しげもなく披瀝して、読者に親近感や、自分自身を見たような錯覚を与える、そんなところじゃないかと思う。確かに斜陽や人間失格を書いた頃の、太宰の生活はこんな感じなんだろうなとは思う。でも、太宰文学の持つ魅力が、あまり映画に反映されてない気がする。そういう意味では、映画のテーマが太宰から少しずれている気がするのだが。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-06-07 19:50:02) |
89. ピクセル(2015)
80年代にアーケードゲームにハマったおじさん達が、子供と一緒に安心して見られる映画、というコンセプトがはっきりしていて実際その通りの内容に仕上がっています。ゲームの懐かしさに加えて、冒頭で描かれる80年代のアメリカの景色は、バックトゥザフューチャーなど子供の頃に見ていたアメリカ映画を思い出させてくれます。内容は無いに等しい映画ですが、世代がドンピシャなら一瞬少年時代の感覚が蘇ると思います。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-07-28 23:54:36) |
90. メイズ・ランナー
《ネタバレ》 迷路に囲まれた広場で若者が共同生活するシチュエーションは面白いし、迷路の奥はどうなってるんだろうと好奇心が湧くので、最後までだれずに見れます。ところがオチが弱い。特にダメではないけど、全く驚きもないという、ふーん…と思って終わりみたいなラスト。残念ながら2が見たいとは思えない。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-03-27 22:53:19) |
91. ゲド戦記
ジブリ映画として考えたら地味だしちょっと暗いけど、この程度の説明不足の映画なんて山ほどあるし、中盤以降は黒幕クモのキャラが面白くてグッと話が締まったと思う。巷で言われるほどの酷評はちょっと大袈裟なのでは。 [地上波(邦画)] 6点(2018-01-13 14:25:50) |
92. センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島
ありきたりで子供向け、と言ってしまえばそれまでだけど、映像のクオリティは相当なものだし見せ場の連続でダレることがなく、まさにアトラクションのような映画。それにしてもこの内容の映画にマイケル・ケインが出るとは。制作陣の「B級とは言わせねーぞ」という気概が伝わる。でもマイケル・ケインである必要なかったんじゃない? [ビデオ(吹替)] 6点(2015-02-07 09:18:57)(良:1票) |
93. エリジウム
全体的にクオリティーは高いのに、映像もストーリーも既視感満載。よく出来た映画にもかかわらず、最近乱発される凡百の近未来SFに埋もれてる印象。第9地区はあんなに毒の効いたインパクトある作品だったのに、どうしちゃったんだ? [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-11-10 00:04:46) |
94. 惑星ソラリス
難解って言われてるけど、それは登場人物たちが哲学的なセリフを語るからであって、ストーリー自体は明瞭簡潔でラストのオチも鮮やか。むしろ難解なのはこの監督の感性じゃないかな。時々息を飲むほど綺麗なシーンがあったり、暗示的な演出があったり、監督の相当な手腕を感る。それなのに雨のシーンが晴天丸わかりだったり、首都高の車載映像を近未来風景ですと言い張ってみたり、エドウッドかって思うほど雑な演出がある。「俺は芸術を撮ってるんだ。そんな細かいことにこだわるな」と聞こえてくるよう。このあたりの感性が合う人は信者になるでしょうし、合わない人には長くて分かりにくい映画になるんじゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2014-08-31 22:23:56) |
95. SPIRIT スピリット(2006)
単純に格闘アクションとして観れば文句なしの内容だと思う。演出も上手いし美術も凝ってるしスケール感もある。ところがそんなクオリティーの高さのために、どうしてもストーリーにも目がいってしまう。B級感満載映画だと自然とその辺は目をつぶってしまうのに。残念ながらストーリーは細かい詰めが甘くて、あまり褒められたものじゃない。そのギャップで随分損をしてる映画だと思った。うーん、もう一歩。 [地上波(吹替)] 6点(2014-01-03 09:05:56) |
96. 裸のランチ
なんだか訳の分からない話だと評判を聞いていたけど、見てみたら以外と伏線が張られて後で消化されたり、思ったより話がつながってた。 なんだか妄想めいたことが沢山おこりだしたと思ったら、インターゾーンっていう謎めいた裏世界の存在をほのめかして、見る側を話に引き込むあたりはビデオドロームに共通するものがあったと思う。あと話が分かりそうで結局よく分からないあたりも一緒。 無理に理解しようとせず、妄想めいたクローネンバーグ節を楽しもうと思えば、まずまずの作品って印象かな。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-04 02:20:17) |
97. ハチミツとクローバー
うーん、青春とはうまくいかないもんだ。でも青春に限らず理花さんや花本先生たちも寂しげなわけから、大人だってうまくいかないもんなのかもね。それでもあきらめきれず、前へ進む努力をするしかなくて、その先に何が待っているのか、もしかすると何も待ってない可能性が高いのに、それでもそうするしか出来ない人たちの姿が良かったです。 [DVD(邦画)] 6点(2011-05-09 22:16:59) |
98. ハプニング
《ネタバレ》 出た。投げっぱなしジャーマン映画。結局何だったのか一切説明しないとはある意味いい度胸だと思う。それでもハプニングの前兆と自殺シーンの不条理さは、意味が分からないゆえにものすごく怖い。この怖さを体験するだけでも観る価値のある映画だと思う。ただし釈然としない気持ちになるのは自己責任で対処して下さい。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-02 01:08:57) |
99. ミラーズ(2008)
うーん、よく出来た映画なんだけどなんか面白くない。それは多分どこかで見たようなプロットをどこかで見たような演出で教科書通り作ってあるからじゃないかな。あと鏡を恐怖の媒体にするんであれば、なんともつかみどころのない薄気味悪い恐怖を描いたほうが効果的なんじゃないでしょうか。この映画の恐怖演出はこれでもかとばかりに見せ付けてくるので却って怖くありません。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-01 22:13:49) |
100. ヴィレッジ(2004)
M・ナイト・シャラマンの映画ということでどんでん返しがあることは分かって見てたのですが、それでもこのラストは鮮やかでした。そういうことだったのか!と思わず納得してしまいました。ただ問題は話が展開しだす中盤までかなり退屈なこと。ひたすら無垢で牧歌的な村人の生活を延々見ていないといけないので辛いです。もっとも私は退屈でしたが村のああいう生活が魅力的だと思える人ならもっともっと映画に引き込まれたことでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-01 22:07:48) |