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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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101.  スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 
最高に愉快な音楽映画です。  劇中で演奏するミュージシャンは大人から子供まで全部モノホン(本物)。 極めつけはデューイを演じるジャック・ブラックの狂気地味たハイテンション! 次から次へと機関銃のように飛び交うセリフの応酬!  ライブで盛り上がる夜のバー、ロックで最高にハイになる音楽馬鹿の彼だが、彼は受け止めて貰えるほど愛されて(認められて)いなかった。  自分の音楽に酔っていた“現実”を思い知らされるデューイ、それでもロックへの情熱は燃え尽きない。  デューイは親友のネッドを騙してまで仕事を引き受ける。 だが待っていた職場は正に彼の運命、天職、音楽の才能に溢れた子供達との出会い。  子供達の才能を親と教師たちは無視していた。 しかし、誰よりも仲間を求めていたデューイは子供達の才能を見逃さない。  デューイにとっては利害の一致、子供達にとっては自分を認めてくれる恩人への恩返しだ。  しかしいくら何でも「夢は諦めろ」を先生がいうなよ。当っているかも知れないけど!  それでも褒めて伸ばす、付きっ切りで教えるのは上手い。デューイもまた様々な子供達と出会う事で少しずつ成長していく。モチロン狂気に満ちた野望を抱えて。 「ロックは頭を試されるんだ」 QUEEN&レッドツェッペリン「左様」  「ダイエットは?」 「食うのが好きだからしない」 デブの鑑かコイツは。  やがては教師も掌握して磐石・・・かと思いきやそう都合よくいかないのが世の中です。  それでもデューイの魂は生徒に届いていた! 彼を経歴ではなく“魂”で教師として認める子供達の心意気! デューイも腹をくくる。デューイの情熱に親友の魂も蘇る・・・! でもあの半ズボンは無いわー(褒めてる)。  ダイブにはじまりダイブに終わる。 メタいセリフが飛び交うエンディングも最高だったぜ。  DVDの特典でツェッペリンにライブで許可を貰おうとするシーンが面白い。  電話を取らせないために火まで付けるとかどんだけだよ。  「“The”で始まる映画はコケるんだ」 遊星からの物体X(The Thing)「!?」  ジャック・ブラックがオーソン・ウェルズみたいになっててワロタ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-08 17:52:42)(良:2票)
102.  コロッサル・ユース 《ネタバレ》 
これは、本当にデジタルで撮られた映画なのだろうか。 まるで昔のカメラで撮ったかのような奥行きと映像美が拡がっているではないあ。 そう、今の時代には失われてしまったロスト・テクノロジーとでも言うべきか。   「ペドロ・コスタ」は、絶望に沈むある街で生きる人々を描くのだ。  消えゆく孤独な魂、消えていく土地の哀しみを・・・。  かつてロバート・フラハティは「極北のナヌーク」を撮った。 イヌイットと生活を共にし、彼らの生きた姿をフィルムに残した。  日本の小川紳介もまた。  ペドロ・コスタは、この時代にその域まで己の精神を研ぎ澄ました作家と言えよう。  作品は一見すると楽しみづらいかも知れないが、ドキュメンタリーとしても、一つの娯楽としても是非とも見て貰いたい作品だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:32:28)
103.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 
後に南北戦争を描いたスピルバーグの「リンカーン」を予告していたかのような作品。 武器が尽き、どんどん追い詰められる様子は南北戦争の南軍の様。アメリカ人の視点で日本人の生き様、死に様をありありと刻んでいく。 そこには狂信的な異常はなく、ただありのままが描かれているに過ぎない。 実際にあった激戦をアメリカと日本の二つの視点から描いていくが…「硫黄島からの手紙」の方はアメリカ軍相手に予想以上に持ちこたえた戦略だとか、硫黄島を守備していた日本兵よりも多い敵を倒したとか、数字的な物はこの映画からは感じられない。  そこに描かれるのは赴任した栗林中将が、いかに戦いまでの準備をし、いかに生活し、いかに戦い、いかに死んでいったか。 特に穴を掘って立て篭もり、島全体を天然の要塞とする戦法。そしてそこを守った他の日本兵たちがいかに暮らし、いかに戦い、いかに死んでいったか。そこに重点が置かれているようだ。 目に映る凄惨な死闘、そして兵士の語りによる人間ドラマ。 発掘される手紙の数々、死を覚悟した男たちが何を残して散っていったのか。 バロン西のカッコ良さは異常。 「万歳!」の渇いた声が耳に残る映画でもあった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:21:26)
104.  父親たちの星条旗 《ネタバレ》 
「硫黄島からの手紙」が戦場中心に描いたのに対し、この映画は主人公が硫黄島での激戦と星条旗を掲げた者たちの戦後を描いていく。俺はコッチの戦後に焦点を当てたドラマの方が好きかな。 星条旗の裏にある真実と現実。 表向きの希望、その理想の裏でプロパガンダとして消えていった男たち。戦争に国も人も関係ない。 それぞれにしか解らない苦しみを抱えてみな生き、死んでいく。 英雄になったから何なのだろうと。そんな虚しさがこの映画から伝わってくる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:18:15)
105.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
前半は「鉄腕ジム」や「ロッキー」みたいなサクセスストーリーだが、終盤は今までの総てを破壊されるような、そんな哀しき決断が待ち構えている。 フランキーもエディも最初マギーの依頼を断るが、先に彼女に声をかけたのはフランキーが育てるボクサーのウィリーだった。 ウィリーが去ったのは自分の夢のためでもあるし、マギーをフランキーに育てさせようとしたのかもな。 しかし30代は男でも諦めるレベルだ。 フランキーは夢破れた者を余りに“見すぎた”。 エディの事があってやや過保護にもなっていた。だが、フランキーは勝負に出る。 ウィリーが出て行って吹っ切れたのか、あるいわ焦りでか。 フランキーは冷静な姿勢でマギーにボクシングを叩き込んでいく。 焦らず、氷を削るように確実に。二人は限界まで挑み続ける。 フランキーのアドバイスもあって勝って勝って勝ちまくる。苦戦はほとんどなく本当に「鉄腕ジム」を見ているような気分だった。 しかし、本物のボクサーと殴りあった彼女のファイトはリアリティがあり見応え充分。 強すぎて試合にならない、八百長ではなく「金払ってやるから試合しやがれ馬鹿野郎」料を払って戦う日々が続く。だからって挑発しすぎだフランキー。 それにしたってマギーの母親がクソBBAすぎる。 「いい男を見つけてまともにお暮らし」 「でも負けたんだろ? 残っているものを守らなきゃ」 言ってる事は正しい。でもうぜえええっ 傷ついた娘を見て一応は優しい言葉をかける両親。「娘を酷い目に遭わせて」とさぞかしフランキーを恨んだ事だろう。 フランキーもエディに当り散らすなど人のせいにしてしまいたいくらい自分を責める。 ラストは賛否があると思うが、俺はハッキリとマギーが「やって」と言ったのを覚えている。 体は動かなくとも心はまだ一人の人間、ボクサーだった。彼女は最後まで立派なファイターだったよ。 フランキーは、マギーの“遺言”を受け取り去っていく。 「カッコーの巣の上で」を思い出すようなラストだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:15:19)
106.  イップ・マン 序章 《ネタバレ》 
キン・フー、ジャッキー・チェンと数々のカンフー映画の傑作群に武術指導をしてきたサモハン・キンポー。  ウィルソン・イップやドニー・イェンたちと組んだこの「イップ・マン」は、カンフー映画の最高傑作として長く語られ続ける事だろう。ブルース・リーも師事した伝説の拳法家・葉問(イップ・マン)の名と共に。  原点にして頂点、それが葉問だ。  戦争や権力者の圧力に屈しない武術を綿々と受け継いできた中国。 カンフー映画の肉が裂ける、骨が砕ける音、汗の匂いも同時に。  木人形を使った鍛錬から始まるファースト・シーン。 美味そうに飯を食べる葉問は、無用な争いは避ける男だ。 手合わせで技は教えても、殺してしまっては教えるものも教えられないし成長もできない。  だが、いざとなればリボルバーからシリンダーだけ外す事も、道場破りにきた野党をホウキでブチのめす事も朝飯前。 ホウキ買おうかな・・・。 頼まれれば武術指導も快く引き受ける。 「良い拳法は老若男女を問わない」 どんな敵でも怖くなんざねえ、仲間に手を出すやつぁ許さねえ、怖いのは嫁さんだけだ! 奥さん「物を壊さないで!(意訳:あとは勝手にしやがれ)」  殴り合いから斬り合いまでやるカム・サンチャウが良いキャラすぎて微笑ましい。殺しはやらないこだわりも憎めない悪党だ。 どちらにも付かず第三勢力として度々葉問たちに絡むのが面白い。  どんなに家が無くなろうが、食に困ろうとも、鍛錬を続ける拳と魂が腐る事はない。それが葉問。 戦争の無力感に苛まれようとも、彼は耐えて耐えて耐え、殴って殴って殴りまくる。  誇りを捨ててまで家族のため拳を振るうリュウ師匠もカッコイイ。彼も魂までは腐っちゃいない。  プライドまで捨てた武術家を侮辱する事は許さない。葉問の撃拳連打が十人の空手家をブッ倒すシーンはスゲエぜ。 どんな傷を負おうとも、その志は人々の中に生き続ける。  斉藤閣下も太っ腹です!形はどうあれ正々堂々と立ち会った閣下は偉い。  だが三浦のクソ野郎と階段で顔面砕かれた男はザマあかんかん。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 17:58:24)
107.  シンデレラマン 《ネタバレ》 
実在したヘビー級ボクサー、ジェームス・J・ブラドックがどん底から再び蘇る姿を描いた伝記映画。  ロン・ハワードはどうしてこう伝記映画が面白いのだろうか。  題名とは対照的にシンデレラどころか落ちぶれた中年サラリーマンみたいな内容。 全盛期の華々しい試合場面から始まるファースト・シーン。 1920年代末期の狂騒的な空気、その後30年代の大恐慌の暗い空気。  一度の敗北で折れた魂、大恐慌の厳しい波が彼を窮地へと追い込む。 怪我に悩まされ選手生命もギリギリ、ライセンスを剥奪された事は幸か不幸か。  必死に金を稼ごうと仕事を探す日々。中には拳銃で「仕事をよこせ!」と行動するような人間も出てくる。 彼は仕事を求めて走る。ボロボロの肉体に鞭を打つが、仕事仲間や家族の存在が彼の心と身体を少しずつ回復していく。 酒にも煙草にも逃げなかった彼は立派だよ。 そもそもそんな金すら無いしね。  家族のためなら“負け戦”でも戦ってやらあ。たった1回のチャンスでも喰らい付く根性、ハングリーハート。 労働で“鍛え直した”ボディは伊達じゃない。 トレーナーも財産を削って彼を支え続けてくれた。  闘志は、蘇る・・・!  復活したブラドッグはオーナーの金儲けのための飼い犬(ブルドック)ではなくなった。 一人のファイターとしてどんな強敵にもブチ当たり、ブチのめす。 アバラが折れようとも闘志は二度と折れない。  殴られても歯を喰いしばって耐え、反撃に出るブラドックの姿には燃えるぜえ。ファイトシーンのこの熱さ!  ブラドッグの姿に会長の心にも変化が現れる。  実在のマックス・ベアは奥さんを罵るどころか殺してしまったボクサー(映画では何故かもう一人殺害)への贖罪の気持ちで溢れ、試合後に相手の健闘を讃える真面目なボクサーだったそうだ。  本編はDQN熊vs不良オヤジのクライマックス。  未公開シーンも必見です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 17:57:22)
108.  メメント 《ネタバレ》 
どうでもいいけど、「444」番目のレビューとはちょっと不気味。  最初出て来た1枚の写真。 何が起きているのか解らないと思っている内に、ポラロイドカメラ、男の死体、それを殺す瞬間と次々に逆再生で状況を伝えていく。  冒頭が語るように、「メメント」は逆再生の映画だ。 デビュー作の「フォロウィング」の形式に似ている。  主人公が何故その男を殺す事になったのか、そのキッカケは何だったのかを観客の視点で遡って行く。 電話の主が最後まで明かされないのも、観客がその正体を追っているためだろう。  一通り見た後、チャプターで最後からもう一度見返すのもまたこの映画の楽しみ方。 冒頭部分を「逆再生」して本当の順序を把握するのも一興だろう。  夥しいメモ、写真、肉体に刻まれたメッセージ、頭に残る記憶、記憶、記憶。 ある事件がキッカケで10分しか記憶が持たない状態になってしまった主人公。 彼のその“後遺症”に目を付け、複数の人間が彼を自分の私利私欲のために利用し、身を破滅させていく。 主人公が語るように、記憶は記録ほど正確じゃない。 かといって、記録もまた他者が手を加える事でどんどん正確じゃなくなる。   復讐を生きがいにしてしまった主人公。 それを利用する者も、彼に利用されていた事に気付く。誰かが気付いても、肝心の主人公はすぐに忘却。  嫌な事を忘れてしまうべきか、覚えておくべきか。 忘れたくても忘れられない人もいるってのに・・・便利なんだか不便なんだか解りゃしない。  だが、それでも体は反射的に“何か”を覚えている。 温もり、痛み・・・主人公が持つ“注射針”もそれを物語る。  彼の肉体に刻まれた記憶が彼自信の脳味噌を、魂を解放しない限り殺人は永遠に続いていくのだ。怖い映画だよ。  襲ってきた男をぶん殴って監禁した話も「誰だっけ」なんだぜ? 怖すぎて笑えねえ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 17:56:05)(良:1票)
109.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
タランティーノ流「地獄のバスターズ」×「特攻大作戦」 眼には眼を、歯には歯を、虐殺には虐殺を。 冒頭の床下への“死刑執行”、死刑執行人(ハングドマン)たちに復讐を誓う少女。 タランティーノの長回しは、眠ろうとする瞬間に叩き起こすような溜めに溜めて溜めた破壊力を味あわせてくれる。 マカロニウエスタンのような西部劇かと思えば、エルンスト・ルビッチのような洒落たコメディになったり、最後の最後でロバート・アルドリッチの最高にゲスい戦争映画になったりと。 とにかくブッ殺してブッ殺してブッ殺しまくる戦争復讐活劇「イングロリアス・バスターズ」。 戦いに卑怯もクソも無いぜヒャッハーってとこが好きです。 女性陣も最高にビッチで素敵ですね。 ナチスに虐殺された者達のために自らブッ殺し返すバスターズたち。 死を恐れない彼等はどんな死地にも飛び込む。 一方、復讐を誓う娘もまたその時を待って待ち続ける。 映画という大衆の心に火をつける火薬、復讐を望む2つの火薬、3つの火薬がクライマックスで木っ端微塵に炸裂する瞬間は凄まじい限りだ。 クリーム・ブリュレに煙草捨てるようなクソ野郎は死んで当然(意味不明)。 食い物の恨みが加算されました。 黒人の話は後の「ジャンゴ」に繋がる部分。 指やアクセントの違いで正体がバレてしまう瞬間の戦慄、一瞬で終わる銃撃戦の破壊力!! 皆さんもその国の習慣と発音だけは正しく覚えましょう。 G.W.パプストが出るならこの映画の元にもなったエルンスト・ルビッチやフリッツ・ラングの話題もして欲しかったというのは欲張りか。 「国家の誇り」撃ちすぎバロス。 まさかゲッペルスやヒトラーまであんな事やこんな事になっててクソワロタ。 歴史的に全滅だから結果オーライ!! 最初から最後まで退屈させてもらえなかったぜ。タランティーノ本人は長い間暖めた最高傑作といっている。俺もそれくらい好きな映画だ。 少なくとも「キッド」がチャールズ・チャップリンの最高傑作の一つである事は確かだぜ。 ・・・え? 何でチャップリンが出てくるんだって? それが知りたきゃ、映画館の前で女性をナンパするドイツ兵の声を聞きにこの映画を見やがれっ!
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-05 17:42:22)(良:1票)
110.  3時10分、決断のとき 《ネタバレ》 
ジェームズ・マンゴールドによる「ウォーク・ザ・ライン」「17歳のカルテ」「アイデンティティー」に並ぶ傑作。  今後もマンゴールドの最高傑作の1つとして語られる作品だと思う。   「決断の3時10分」のリメイク。  前作を遥かに上回るメリハリとテンポの良さ、充実したガンファイト。  静かな前作も良かったけど、本作は娯楽にもドラマにも力が入った充実振り。  冒頭のシーンや仲間が集う場面もよりドラマティックとなり、鉱山での銃撃戦はかなりの見応え。  主人公が孤独な戦いに追い込まれていくシーンも説得力が増した。   ラッセル・クロウの二面性と葛藤を強く感じられる演技、  クリスチャン・ベールの素晴らしいチンピラ振り。  この二人が立場を超えた絆を結ぶやりとりは面白い。  何より二人共良い髭面!   ベン・フォスターの冷酷さ、  ピーター・フォンダの渋みのある演技も見事。   ただラストは意見が分かれると思う。  前作とあまりに違う顛末だが、主人公が最後まで孤独と向き合い、自分の正義を貫いたのは良かったと思う。  そんな映画。   世間的にも世界的にもリメイク版の評価の方が上のようだ。俺はどちらも好きだぜ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-14 07:59:58)
111.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生
え?これフィンチャーなの?ってくらい丸くなったねフィンチャー。  F・スコット・フィッツジェラルドの短編の映画化で1991年から転がり続けてきた企画をデヴィッド・フィンチャーが手掛けた作品。  「ゾディアック」あたりからちょっと丸みが出てきたかなーなんて思ってたけど、「セブン」の頃を思うと鋭さは無くなったけど落ち着きというか、作品に余裕が出て来たと思う。  以前は短時間にありったけの情報をブッ込む感じだったけど、今は少し長くして情報を飲み込みやすくしたというか。 この映画は彼の作品の中でもっとも優しい部類には入るだろうね。  生まれた瞬間から80歳の老体。見た目こそ老いた姿だが、肉体年齢は赤ん坊そのもの。 年月が経つにつれて彼は若返り、普通の人間が歳を重ねるように生をまっとうしていく。  ブラッド・ピッドのメイクは、本当に老人から若者の姿にうつり変わっていくようだ。  見た目は「幼いが故に言葉をまだ覚えていない子供」、実際は・・・そんな主人公の最期は切ない。  ただ、元々が短編だからこの映画はちょっと長すぎてダレを感じてしまった。もう少し短くて密度があればもっと面白かったと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2014-09-07 21:40:44)
112.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 
古沢良太の佐藤祐市と組んだ「キサラギ」は両手で中指凸立てるほどうんざりするような映画だったが、山崎貴と組んだこの映画は凄く良い映画だと思う。  古沢良太、俺が悪かった。「キサラギ」散々disってゴメンよ。   この映画は西岸良平の「三丁目の夕日」を原作とするとてもノスタルジックな作品だ。本当に映画を見たなあって気分になったよ。  CGで再現されたとは思えない、実写のような雰囲気を持った下町(続編でゴジラが出た時は「この監督は馬鹿なのか」と良い意味で思ったけど) それもその筈、三丁目の住宅はセットで、各地から「当時の匂いを残す」物が掻き集められた家だ。  子供の頃から「こち亀」とか「オトナ帝国の逆襲」といったいわゆる“古き良き”と色褪せない懐かしさの共存したような作品を見てから自分には、物珍しさをそう感じなかった。 でも、茶川と淳之介が時間をかけて家族の絆を深めていくシーンはベタだけど良いなと思った。  高度経済成長といっても人々はまだ戦争の傷をかかえて生きているし、その悲劇を繰り返さないために平和な時代を一生懸命に生きていた。  金は無くても、心は豊か。 確かに過去を美化しすぎているのかも知れないけど、この映画がCGという“幻想”を使うように、今を生きる人間が過去への“憧れ”をこの映画に投影しているのでは無いだろうか。  光ばかりで闇の部分は少ない。 だが、現に「戦争なんか二度とゴメンだ」というメッセージだけは本当だと思う。闇を語るのはそれだけでいい、もううんざりだ・・・そういう映画が一つくらいあっても良いんじゃないかな。
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-07 21:35:22)(良:1票)
113.  キサラギ 《ネタバレ》 
この映画を再見しようと思ったキッカケは何だっただろうか。 脚本の古橋良太なら「三丁目の夕日」で感動し、 監督の佐藤祐市ならカーリング映画「シムソンズ」の面白さに心打たれた事がキッカケだった。 それに「シムソンズ」でも佐藤祐市と組んだカメラマン川村明弘の仕事振りに心を揺さぶられたからなのです。  「キサラギ」の窮屈さが苦手という人にも開放的な「シムソンズ」をオススメしたいし、心の中をさらけ出しつくす「キサラギ」か人間の善良さを信じ抜く「シムソンズ」か。好みが分れるのも無理はないだろう。 いずれも“嘘”をひっぺがして“真実”をさらけあう面白さ。  俺はこの映画に対して散々罵ってきた。あなた方は「一貫性がない」とか「手のひら返し」とか、散々に私を罵る事でしょう。 それを覚悟で、俺はこの映画を見直し素直に面白いと思えた感動のもと、この映画のレビューを再び書いていきたいと思うのです。  エレベーターでふと現れた独りの男。何もない屋上、回る鉄の音、室内の異様な“暗さ”。 その暗い理由も、クライマックスで“真実を語る”ように煌く星々を際立たせるための漆黒だった。  匿名掲示板という偽りの自分、直接顔を合わせる時も“仮面”を被ったまま。一人、また一人集まるアイドル(偶像)に魂を奪われた人々。 クールを装う男、流される男、話に置いてきぼりをくらう男、明るすぎる男、何かを押し殺しているような男たち。  織田裕二「いいじゃないですか~」 「踊る大捜査線」では「真下正義」として活躍したユースケ・サンタマリアの鉄仮面。  パーティー気分だった主催者に対して、他の人間は真面目に追悼。でも何処か冷めた様子。 その理由も伏線。泣く男と冷めた男たちの違い。初見時の俺は、その辺の巧さを見逃し、完全に忘却していたらしい。 この映画は脚本の映画だ。確かに再見して映画的演出が冴え渡っているシーンが多いのがよく解ったが、やはりクライマックスの“あの瞬間”を盛り上げるために脚本が頑張っているのです、セリフの一つ一つで頑張っている映画です。  その一つ一つをより鋭く効かせる映画的演出の数々。  カチューシャという遺品、コレクションという火種、出入りは自由だが“ある瞬間”には閉ざされ密室を作り上げる。窓の外の雨、一触即発の緊張。 ド突き合い、ナイフ、右手に輝る切っ先、指紋でベッタベタになる遺品たち。 それに中々ハッキリ写されないアイドルの顔。 「シムソンズ」もまた主人公が憧れるアイドル的存在に影響を受ける作品だった。 あの映画は最初から顔や行動をハッキリと映していたが、この映画は“あの瞬間まで”徹底的に顔を映さない。  腹痛のせいで事情を中々掴めず除け者にされる塚地。この映画の“デブ”は最初憎悪の対象として描かれる。 あの頃の俺「貴方ちょっと黙ってて!」 初見時の俺は、その空気に犯されていたらしい。何故あれほど塚地に殺意がわいていたのか何となく理解できた。 だって農家なのに腐ったりんごパイ食って腹下すの?なんて思ったりしてさ。  本当にウザかったのは真下正義の方だったのにね。 あと警察仕事しろ。  今は後半で“化けの皮を引っぺがして”大活躍する塚地の演技力を賞賛したい気分だ。 「嘘だっー!!!!」と思わず叫び「何でもいいや」と諦めながら。  ほらおまえらヌード(幼女)だぞ喜べ。  回想を語るアニメーションは「シムソンズ」の頃から登場。  散乱する食い物、手紙、ストーカー、モヒカン、クッキー、エロムードになる照明、ダンボール、キャンドル、椅子を掴んでぐるぐる。  ここまでセリフばかりだなあと思っていると、あのクライマックスの素晴らしさで一気にもっていかれる。 黄色いクッションが“スイッチ”になり、満点の“星空”が語る真実!!彼等は嘘をついていなかった。 俺は何故このシーンを見逃していた!?おおおあの頃の俺のクソ馬鹿野郎があっ!!  そんな俺のように初見時と再見時で印象がガラリと変わったという体験がある貴方。 ラストの如月ミキと一緒に踊って嫌な気分を発散してしまいましょう。
[DVD(邦画)] 9点(2014-09-07 19:55:57)
114.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0 《ネタバレ》 
「GHOST IN THE SHELL」そのものに対しては今更言う事は無い。  08年にCGの演出や一部セリフの入れ替えがされた「2.0」。  音がよりリアルになってコッチの方が好きという人もいるだろうね。音響は最高レベル。  ただ、個人的にCGを使う必要性はまったく無いと思うんだけど。 あのオーパーツの塊みたいな素子やヘリの作画がCGに置き換えられてしまったのはちょっと残念。  緊迫感も旧ver.の方があったかな。  特に戦車戦はそう思った。素子が腕に捕まってゴーグルが割れるシーン。 旧ver.は装甲を破壊されるようなグシャッて感じだったが、「2.0」はガラスをパリンッと割られるような感じでちょっと軽いと思った。バトーが素子の助けに間に合うシーンは重さが増したように感じたけど。 ヘリのセリフが違うとその後の印象も結構違うのね。   一番ビックリしたのは、前作じゃ「ナウシカ」のクロトワ(家弓家正)だった人形使いが「ナウシカ」のクシャナ殿下(榊原良子)になったという事だ(押井的には「パトレイバー」の忍さんですよねー)
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-04 04:06:37)
115.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
やはり映画の本当の面白さというものは、一度だけでなく二度、三度見て初めて発見できるようだ。 最初余り惹かれなかったのに、どうしてこうも引き込まれる“何か”を感じるようになるのだろうか。 この映画を再評価するキッカケは何だったのか。そうだ、画面を支配する豊かな“黒”のコントラストだった。 フィルム・ノワールやジョンアルトンのキャメラ、クリント・イーストウッドの映画を思わせる暗黒の空間。 それに男達を破滅へと導く運命の女(ファム・ファタール)たち。 だが、この映画の題名が示す通り劇中の女達は彼らの“運命”とはならない。 恐ろしく平和なまま、ほぼ何も変わらないで終わるあっけなさ。 俳優たちの何処かそっけなく冷めた雰囲気も手伝い、余計にそんな印象を受ける。 「現金に体を張れ」や「パルプ・フィクション」といったジグソーパズルを組み上げていく流れだが、先達と比べると余りに物足りなく感じるだろう。俺も欲を言えばあと30分足して一発ブチかまして欲しいくらいだ。 その分、突拍子な脱線や意味もなく人を殺傷して台無しにするようなマズさも無い、その安心感が心地良い見事なシナリオで出来た傑作である。 マンション、ドアのポストに鍵を入れる女。 その女の語りから始まるファースト・シーン。 男に逃げられた女、女に逃げられたサラリーマン、探偵、ヤクザと様々な人物の視点が積み重ねられていく。 会話が多くを占めてはいるが、冒頭の鍵の場面や妙に印象的な探偵の黒衣、タクシーを追うスピード感、浮気調査を物語る写真の数々など映像で魅せるシーンも多い。 神田が探偵だったのは意外だった。まさか今までの流れでヤクザが出るなんて誰が想像できただろうか。いや、宮田のワケあり風な彼女の話からして気になってはいたけどさ。 神田のパートになると突然マフィア映画みたいな空気が流れはじめる。 かといって、神田が出会うヤクザたちは人殺しの集団というよりは、本当は気の良い不良という感じ。ボスがスゲーくだけています。 むしろ「殺すぞおっ!」と言っていたトラックのオッサンの方がヤクザみたいだった。 あれで本当に死んでたら完璧ギャグ。 最初は神田の良い奴ぶりに惚れ、何時の間にかボスのカッコ良さに惚れる映画です。 自ら組員のために危険を犯す行動的なボスとかマジ理想の上司。
[DVD(邦画)] 9点(2014-08-31 19:40:36)
116.  ソウ 《ネタバレ》 
最初この映画を見た時に感じた嫌悪感は何だったのか。 餓鬼(中坊)だった俺はジグソウのクソ野郎に殺意を覚えたこと、 低予算とか触れ回る割には編集技術の高さとか演出に「低予算」という説得力を感じられなかったこと、 BGMがうるさすぎて俺の中でしばらくギャグ映画という位置ずけになってしまった事。 というか、映画は本来低予算が当たり前だ。 ハリウッドも低予算だからこそディティールとかシナリオ、演出、俳優で勝負していた。 それがいつの間にか金を無駄にかけ時間も無駄に長くなり、低予算のB級的感覚を持った映画を白眼視する馬鹿が増えて“珍しく”なっただけに過ぎない。 クリント・イーストウッドとかスピルバーグとか、今でも想像より遥かに安く早く面白く作っている。それが当たり前の事だったからだ。 だから、ワンによるこの映画もその辺のA級を自認する退屈な文芸映画よりも遥かに面白い。 それは再見してその面白さに気付く事が出来た俺が保障しよう。 この映画を見直そうと思ったのも「死霊館」の面白さに感動したからだし(「死霊館」の方が俺は好き)、短編の「ソウ」に心を打たれたからだ。 ただ、短編の得体の知れないクソ野郎に振り回されるというのが最大の魅力だった筈なのに、この映画はクライマックスであっさり謎解きをしてしまう。 短編のエピソードは“影”だけで表現されていたのに対し、この映画ではガッチリ描写される。この場面だけでも短編より金かけているよね(面白いから別に良いんだけどさ)。 ほっぺがクルクルパーの人形とか、長編で思う存分殺りたい放題。白人も黒人も黄色人種も一人ずつ確実にブッ殺されていきます。 闇、水の中の男の顔、ハッキリしない暗い部屋、突然電気がついて明るくなり、この部屋が密室だという事が分かる。互いに素性をよく知らない、鎖に繋がれた二人の男、それぞれに与えられたヒントと“鍵”、中央に転がる“痛々しい”男、握りしめられた拳銃、画面の向こうでふんぞり返るクソ野郎の存在。 しばらく闇の中にいて突然明るくなるのだ。眩しさでしばらく眼を開けられない。 ポケットの中のヒント、レコーダー。 最初のうちは二人とも鍵を共有する精神的な“余裕”があった。試行錯誤を繰り返して先に進もうとするが、謎のメッセージに踊らされる二人。 トイレに手を突っ込むとか色々キツすぎる。画面の向こうのクソ野郎に弄ばれ、徐々に恐怖が苛立ちに変わっていく二人。そこに与えられる“鋸”。最初の15分は前に見た時より楽しめた。 そこに回想だけならともかくジグソーを追う外の人間やら凶悪犯との追走劇やら、別の映画で見たかったアクションばかり入ってくる。 それで外の人が頑張って犯人を…と思ったら実は!というのが狙いなのは解るけどさ…なんかねえ。 回想の処刑ショー、早回しで恐怖を強調するのはヒッチコックの「裏窓」を思い出す。 写真でゾッとする瞬間、ビデオのヒント、複数の赤い布、カメラのフラッシュで照らす、明かされる真実。二重三重の罠。 そしてああやっぱり音楽のせいでギャグ映画に。そもそもシリーズ化されている時点でギャグ映画確定じゃありませんか。 頑張れオッチャン!頑張れママ!父さんも脚をオープン・ゲットして今逝くぞー!顔面蒼白すぎて泣いた。 ジグソウ「地獄でまた会おうぜっ!」ガッシャーン 何でこんな奴に説教されなきゃならないのだろうか。まったく頭にくるほど面白い映画だ。  ・ソウ(短編) 俺は長編よりも、長編の元になった短編の得体が知れない恐怖の方が好きなんだ。 様々な不協和音が響くオープニング。 机で向き合う男が二人。警官と憔悴した謎の男、警官が男から事情を聴く。 捕えられるまでの記憶、捕らわれた後の記憶の中の恐怖。弄ばれる苛立ち、生きるために一線を越えなければならない葛藤。 鍵を得るための作業が“影”で演出される巧さ。この時点でジェームズ・ワンはズバ抜けた何かを持っていた。 帽子を被る人形のウザさといった。 この短編の内容は長編版「ソウ」において、別の人間によって繰り返される。こんな面白いもの、反復したくもなるぜ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-27 02:32:30)
117.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
ダニー・ボイル会心の傑作。 インド映画というよりハリウッド(ボリウッド)のノリ。 ボイルの最高傑作である「トレインポスティング」や初期の「28日後...」や「普通じゃない」の頃に比べると余り鋭さは感じられないが、それでも娯楽としてかなり良く出来ている。  昔のインドを捉えた映画とこの作品の状況を見比べてみるのも面白い。 ジャン・ルノワールの「河」やサタジット・レイの「大地の歌」の時代と比べると、確かに生活は豊かになったのかも知れない。極一部は。 昔と変わらぬ貧しい生活を送る者はけして減少していない。 拡がる経済格差がよりインド社会を複雑に歪める。 犯罪に身を堕とし破滅する兄、大博打に出て大金を手に入れた弟。 兄に無かったもの、弟にあったもの。  それは「信頼」である。兄貴は誰も信じずに身を滅ぼし、弟は愛しい女性を最後まで信じた。どんなに身を落としても、人を信じられなくなれば終わりである。  ムンバイの社会背景ならミラ・ナイールの「サラームボンベイ!」もオススメ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-24 18:03:45)
118.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 
スピルバーグの戦争映画は傑作が多いが、彼の戦闘描写とドラマを1時間に圧縮してしまう贅沢さ、それをどんどん積み重ねていくドラマ特有の厚み。スピルバーグ指揮の元作られた最高傑作はこの作品ではないだろうか。 「プライベート・ライアン」も良い映画だが、俺はこの作品の方が好きだ。 TVドラマとは思えない迫力、そして1時間毎に深味を増していくストーリーが良い。 日本でも六部作という「人間の條件」シリーズがあるが、コチラは合計10時間だ。 一個中隊が開戦から終戦まで駆け抜けていく様子はサミュエル・フラーの傑作「最前線物語」を思い出す。 一見するとアメリカ賛辞の映画にも思えるが「勝って生き残ったんだ。喜んで何が悪い! 俺は死んだ仲間の分も生きなきゃならんのだ」という叫びも聞こえてくる。 実際、この作品は戦争の残酷さも色濃く描いている。アメリカ軍に味方した市民が、次の瞬間にはドイツ兵士に拷問されている等、見返す度にその細かいドラマ性に驚く。リアルな戦闘描写もそうだが、銃撃戦が無くとも市民の犠牲は出続けるのだ。 軍人、市民と様々な立場を通して戦争の残酷さを我々に伝えてくれる。とにかく色んな人に見て貰いたい作品。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-03 22:50:50)
119.  太陽(2005)
これは、まず日本じゃ撮れない。日本は主観で天皇像をやたら特別視しすぎるきらいがある。天皇もせっかく「私も人間だ」といったのだから、日本人はもっと砕いて描いても良い筈だ。 その点、ソクーロフは客観的で、あくまで一人の人間として天皇を描いた。 口ももごもごし、まるで子供のように植物の研究に明け暮れ、「人間て良いな~」と謳歌していそうな、何処にでもいそうな感じに。これほどユーモアと気品を両方感じさせる天皇、中々いない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-30 19:12:36)
120.  シルビアのいる街で
一体シルビアは“何者”だったのだろうか。やりすぎとも言える演出が暴き立てる彼女の虚構性。映画そのものもストーリーらしいものは無かったが、後に残る心地良い余韻は何なのだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-11 00:01:12)
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