141. 悪魔を見た
《ネタバレ》 猟奇殺人鬼の餌食になった婚約者の復讐に血眼になるイ・ビョンホンが鬼気迫る。まだ半分もいかないうちに犯人をボコボコにしてしまって、その後どう続けるのかと思ったが、泳がせておいて段々と苛酷な制裁を加えていくという展開が新鮮。 街中で猛獣を捕らえてはまた放つようなものだから、放たれた猛獣の犠牲になる者も出るが、そんなものは知ったこっちゃないってことか。 ムチャクチャなやり方だし、結局また大事な人が犠牲になるという愚行でしかない。惨殺された婚約者の妹までもレイプ殺人鬼の餌食にされてしまった。主人公としてはあまりに思慮が足りなすぎて重みがないのが引っかかる。 チェ・ミンシクの極悪人っぷりは生々しい。瀕死のジュヨン(オ・スナ)の懇願もまったく意に介さずに目的を遂げるシーンはインパクトがある。鬼畜のような悪党とバイオレンスを描くと韓国映画は凄みを感じさせる。ストーリーに深みはないものの、最後まで引きつけられてしまう。 [DVD(吹替)] 6点(2016-10-06 09:34:47)(良:2票) |
142. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
《ネタバレ》 アスペルガーを相手にするには、寛容の心がないと神経が擦り切れる。できれば関わりを持ちたくないのが本音。ただ、そんな息子を持った親の気苦労はどれほどだろうか。 オスカーを愛した父。その父を9.11で失って、父の死を乗り越えられずに、父との思い出にすがって鍵に合う鍵穴を探し続けるオスカー。そのオスカーを気遣って、先回りして根回ししていた母。 ハートウォーミングな話だけれど、少年に魅力を感じないので琴線に触れるまでにはいかない。また、祖父のことや貸金庫の中身が消化不良で、まとまりきれなかった印象が残る。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2016-10-05 23:08:02) |
143. 華麗なるギャツビー(2013)
レッドフォード主演のオリジナル版は、ヒロイン役の女優に男を振り回すほどの魅力をまったく感じなかった。このリメイク版では、そこがずいぶんマシになったので、その点では違和感なく楽しめた。その反面、デカプリオの主人公は、レッドフォードに比べると底が浅い印象を受ける。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-05 23:06:28) |
144. 青天の霹靂
《ネタバレ》 劇団ひとりの思わぬ才能に驚き。ベタな話ではあるが、泣き所をしっかり押さえている。 母の無償の愛と父の不器用な愛。物語自体はよくあるタイムスリップものだし、都合の良すぎる箇所はいくつもあるのだけれど、役者の力もあって泣かされる。 [DVD(邦画)] 8点(2016-10-05 23:05:19) |
145. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 実話に基づいた映画ということで、大戦下での暗号解読をめぐる闘いやコンピュータの父チューリングの実像を知ることができて面白かった。 前半はアスペ体質の主人公にイライラさせられて嫌悪感が募る。とにかく嫌な野郎で一緒に働きたくないタイプだが、良き理解者との出会いから同僚とのつながりもできたよう。人格的には好きになれないものの、その情熱と才能には敬意を覚える。 天才には変人が少なくないけど、映画以外の変人エピソードもなかなかのもの。同性愛が罪になる時代に生まれたせいで、41歳の若さで自殺してしまった悲運の天才。機密保持のためとはいえ自分の業績を世間にまったく認めてもらえないことは、何ともやるせないことだったに違いない。 [DVD(吹替)] 6点(2016-10-05 23:02:24) |
146. 恋の渦
会話がおもしろいし、キャラがリアル。ただ、芯になるようなストーリーはないので、見終わってもだから何なんだという印象も残る。あるあるネタを映画にしたような感じ。 [DVD(邦画)] 6点(2016-09-17 01:17:43) |
147. マイ・インターン
《ネタバレ》 デニーロ主演で大いに期待したが拍子抜け。ストーリーが型にはまったような予定調和の展開で、引き込まれるところがない。 シニアならではの経験を生かしたエピソードも弱くて印象に残らない。もっと職業柄習得したアナクロ的な技能を活用するようなことがあれば面白かったのだが。 主人公が温厚で出来すぎた人間である上に、上司のアン・ハサウェイとの間にこれといった葛藤がないのも物足りない。アクの強い役柄の多いデニーロだが、主演映画でこれほど物足りなかったのは初めてかも。 [DVD(吹替)] 3点(2016-09-10 21:59:43) |
148. ナイトクローラー
《ネタバレ》 ゲスの極みのような主人公。常に駆け引きして相手を利用しようと自己中に徹している。 こういう輩には地獄を見てほしいところだが、サクセスストーリーになっているのがミソ。そこにカタルシスはないので、ストレスは残る。 ドラマや映画だとこういうゲス野郎はラストで報いを受けるのが常なのだが、現実世界ではこの映画のようにのし上がる奴も少なくないんだろう。コネも学歴も実績もない人間がのしあがるには、良心やモラルを捨てて他人を踏みつけていくしかない。目的のためには人が死んでも気にしないくらいに。そういう意味ではリアルな映画で、不快感と面白さが同居している。 「遠い空の向こうに」「ブロークバック・マウンテン」「ミッション:8ミニッツ」で見たギレンホールとはまるで別人。この役のために12キロ減量したギョロ目に、がつがつした狂気を感じる。 [DVD(吹替)] 7点(2016-09-10 21:57:40)(良:2票) |
149. 鬼はさまよう
《ネタバレ》 韓国お得意のサイコパス殺人者。何度刺されてもなかなか倒れないモンスターぶり。そして、人を殺すときに浮かべる笑みが不気味。この憎々しさは俳優も演出もうまいからか。関節を外して手錠から抜けるというのは、マンガのようでやりすぎだけど。 妹を殺された刑事が事件の真相を追うが、そこに義弟の存在が浮上。犠牲者の夫スンヒョンはひ弱に見えたが、驚くような身体能力を発揮したのには違和感があった。でも、復讐への執念で体を鍛え上げたという理由が用意されていて、納得できるようにはなっている。 スンヒョンが交換殺人を持ち掛けるヤクザを絡めていたことが、話をややこしくさせていた。 韓国は死刑判決が出ても執行されなくなって久しいらしい。そのことへの憤りが、この作品からは感じられる。 きれいごとの通じない、死をもって償うべき人間は世の中には存在する。被害者や親しい人たちが浮かばれない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-13 23:08:23) |
150. あん
《ネタバレ》 こんなに重いテーマだとは思っていなかったが、樹木希林の存在感がすごい。キャスティングがはまった。 雇われ店主の永瀬正敏だけでなく、脇の浅田美代子もイライラさせるような嫌な女性オーナーを好演。 ハンセン病を扱った映画では「砂の器」が思い浮かぶが、あれはBGMから重々しくて苦手だった。この作品はそんな重々しさはなく、さらっと描いた分だけかえって心に染みた。 [DVD(邦画)] 7点(2016-08-03 01:59:46) |
151. 映画 けいおん!
テレビシリーズ未見。縁遠かったジャンルだが、食わず嫌いをいったん取り払ってみると意外と見れた。 テレビシリーズを見直そうとまでは思わないが、キャラがかわいらしいので人気になるのも理解できる。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-08-03 01:54:45) |
152. アーサー・クリスマスの大冒険
《ネタバレ》 渡し損ねたプレゼントがたとえ一つでも子どもの気持ちを思って届けに行く。 安心して見られるファミリー向け映画。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2016-08-03 01:53:48) |
153. マレフィセント
《ネタバレ》 恋人に裏切られた復讐心から、赤ん坊のオーロラ姫に呪いをかけたマレフィセント。でも、オーロラ姫の可愛らしさに、母性が目覚めてサポートしてしまう。 そんな人間臭いマレフィセントに好感が持てる。子供向けファンタジーかと思ったが、大人でも結構楽しめる。 [DVD(吹替)] 6点(2016-08-01 19:21:17) |
154. ドライヴ(2011)
主人公のドライバーにそれほど感情移入できなかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-01 19:17:59) |
155. WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
《ネタバレ》 軽い気持ちで林業研修プログラムに参加した主人公が、徐々に変わっていく様がいい。 スローライフを見学に来たチャラい学生たちこそ、かつての自分の姿。 その姿に苛立ちを感じるということは、自分が成長した証拠。 王道の青春ものという感じ。ただ、ちょっとタッチが軽いので、もっと深く切り込んでくれたらとは思う。 [DVD(邦画)] 5点(2016-07-31 23:17:21) |
156. 泣く男
ちょっとした戦争並みに派手にドンパチやっているけど、肝心のストーリーに引き込まれず、後半飽きてアクビが出てしまった。 どこかで見たようなあざといアイテムばかりで話が薄っぺらく、演出も少しうざったらしいので、普段なら人物関係を完璧に把握しようとするが、整理する気にもなれない。 チャン・ドンゴンのファンなら。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-07-31 01:47:40) |
157. ギリシャに消えた嘘
ギリシャ観光をした気分になるサスペンス。思わせぶりなところが幾つもあるけど、特に凝ったしがらみはなく、ストーリーは平凡。 メインの三人の行動に不自然なところが目につくし、そのキャラクターの誰にも思い入れができない。二人の男が魅了されるキルスティン・ダンストにも、それほどの魅力を感じなかった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-02-28 20:22:43) |
158. 映画 暗殺教室
殺せんせーのキャラにハマらず。尺の関係で省略されていることも多いだろうし、原作未読なこともあって、ピンと来ない箇所もある。謎を残したまま続編へつなげる形で終わっているが、映画は1本完結スタイルのほうが良い。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-02-14 22:31:23) |
159. 黄色い星の子供たち
《ネタバレ》 タイトルからファミリー向けのファンタジーか何かかと勝手に思っていたら、史実に基づいたホロコーストの重厚な映画だった。 黄色い星というのはユダヤ人が付けさせられた目印。ホロコーストはもちろん知っていたが、パリでもこんなことがあったのは知らなかった。あのフランスでもナチスの理不尽な暴挙に加担していたとは、思いがけない黒歴史。それでもユダヤ人を匿った庶民も多かったのが救いと言える。 ただ、現在イスラエルがパレスチナにやってることを見れば、複雑な心境になってしまう。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-14 22:26:45) |
160. 天使の分け前
《ネタバレ》 ウイスキー醸造の過程での蒸発分が天使の分け前というシャレたネーミング。それをうまくラストにつなげてオシャレにまとめた印象。 ただ、ところどころ引っかかるところも。まず、ロビーがチビで貧弱そうなので、とてもケンカが強そうではなく使いっぱしりに見える。もっと引っかかるのが、暴行事件の被害者が置き去りにされているところ。自分だけが幸せを掴んでいいのかと。それも結局は犯罪行為に走って、超高級ウイスキーを盗んで得た大金で。いくら盗まれた被害者がウイスキーの味もわからない大金持ちだったとはいえ、それが免罪符にはならない。殺人犯が罪を償って出所して更正して幸せな家庭を持ったとしても、遺族はやりきれないだろう。ロビーは殺しこそしていないが、トラウマになるほどの暴行を加えているんだし。 盗み出す仲間がウイスキーの瓶を割ってしまい、皆が頭を抱えるシーンは面白かった。味方の足を引っ張る使えない無能な奴は、敵よりもタチが悪い。どんなグループ、組織にも1人はいる存在なので、共感を呼びやすい。 [DVD(字幕)] 5点(2016-01-03 21:13:21)(良:1票) |