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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1681.  デッドコースター
設定だけでなく、前作の流れを汲んだ正統派の続編。ショッキングシーンのえげつなさはパワーアップ。でもスッキリと見せる工夫をしているので、悪趣味ではありません。殺しのバリエーション豊富。フェイクもふんだんに取り入れられており、飽きずに観られました。生還要件が提示された部分が、前作と一番の違い。そして長所です。漠然と死の恐怖から逃げるよりも、生き残る希望があったほうが、恐怖が高まると思います。ただ難点もちらほら。死の予兆が無いトラップが散見されたこと。助かるための要件がいとも簡単に(何の根拠もなく)提示されたこと。仕掛けそのものの遊び心が弱まった点等々。それでもテンポの良さがこれら短所を目立たなくしています。概ね良好。個人的には前作よりも高評価です。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-05 18:19:26)(良:2票)
1682.  ミート・ザ・ペアレンツ2 《ネタバレ》 
新郎側の両親が登場して、前作より豪華さアップ。それがそのまま物語の面白さにも繋がっています。続編としては意外と少ない成功パターンかと。家族同士の軋轢は、価値観の相違に基づくもの。正しいとか間違いとかいう類のものではありません。それでもフォッカー家のほうが共感できる。というか馴染みやすい。結末はフォッカー家スタイルの完全勝利でした。爽快です。でもバーンズ家(というよりデ・ニーロスタイル)が全部悪いわけじゃない。そのあたりのフォローがあるともっと良かった。それにしてもあの子の「あ~す ほーーる」は可愛かったなあ。ちなみにうちの子(2歳)は「おっぱっぴー」ばかり言っています(苦笑)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-11-04 17:35:50)
1683.  松ヶ根乱射事件 《ネタバレ》 
代わり映えしない周りの景色。体温の上がらない日々。希望は品切れ中だけど、閉塞感は毎日バーゲン。思考の幅が狭くなり、判断力が鈍くなっていく。それはこの町に住む人々全員に共通しています。泥沼に足を踏み入れていく主人公の兄。交際中の女の娘に手を出す父。母は世間体を気にするばかり。今歩いている道を唯一の道だと信じて疑わない人々。いや、意識か無意識か可能性に目を閉じているのだと思う。もっといい道(人生)があったらたまらない。今までの生き方を否定することになってしまうから。斜め下を一心不乱に見つめ続ける。そんなふうに見えます。気が滅入るほどリアリティがある。だから笑えます。同時に寂しい。ラストに提示されるのは、現状肯定。三浦友和は現実をただ受け入れます。木村祐一は、お宝を換金するのを諦めます。ラスト、主人公は拳銃を乱射。現状に対する最後の足掻きか。でも何も変わらない。ただ、そのことを確認したかっただけなのかもしれない。元の生活を彼はまた始めるのでしょう。語り口はニュートラルなので、希望を見出せないこともない。でも個人的には、他人事と思えず、なんとも後味が悪かったです。完成度は高くセンスもある作品。でも苦い。苦すぎる。
[DVD(邦画)] 6点(2007-11-02 18:28:28)(良:1票)
1684.  トランスアメリカ 《ネタバレ》 
性同一性障害の主人公に両刀使い?の息子。この2人を「父と息子」と捉えて良いのかよく分かりません。でもよく似ています。やっぱり親子だと思う。本音を言えば、性同一性障害者が家族にいたら、自分なら頭を抱えると思う。ポルノ男優も同じ。親の立場にしてみれば、やり切れないでしょう。世間体も悪いし。主人公の母親の態度は酷いと思うけど、実際はあんなものだと思います。でも血のつながりは断ち切れない。どんなに拒絶しても、結局は徒労に終わる。肯定するしか道はありません。勘当して世間体を保つことに、何の意味もありません。諦めが肝心。とかく負のイメージが強い“諦め”という言葉。でも悪いことじゃない。この場合、違う価値観にシフトするだけのこと。父親と売春男という関係が、母親とポルノ男優に変わっても、大したことじゃない。認め合って肯定し合って生きていくことほうがずっと幸せ。設定は少々奇抜ですが、とても真っ直ぐなファミリードラマ。エピソードも豊富で、ロードムービーとしても面白かったです。それにしても、主演のお父さんが女優だと知ってお口あんぐり。完全に男優が女装をしているのだとばかり。ちんもあったし。物語よしで、演技もよし。得した気分です。
[DVD(字幕)] 8点(2007-11-01 18:26:43)
1685.  ほしのこえ
起承転結を有する物語というよりは、言葉(単語)とイメージ映像で世界を紡いでいる印象。いわば詩のような。内なる心の世界の具現化。究極の遠距離恋愛で描かれるセンチメンタリズム。その切ない世界観に共感できた人にとっては、この上なく甘美な作品だろうと推測します。一編の詩に心を奪われるのと同じ。ただしその反面、間口は狭いと思います。国民的ベストセラーになる詩集があまり無いように、ポエムというジャンル自体が市民権を得ているとは言いがたい。かくいう自分も正直苦手です。そういう意味で、そもそも一般受けし難い作品なのだと思います。“アニメーション”として評価した場合、その背景美術の美しさは特筆するに値します。文句なくすばらしい。ただ、キャラクター造形は×。単純に作画力が足りていません。技術があるのか無いのかよく分からない。最大の難点はオリジナリティが感じられないこと。何処かで見たような景色で、人を感動させるのは難しいと思います。ただ、光る要素は確かに感じます。次回作に期待したいです。
[DVD(邦画)] 5点(2007-10-31 18:27:51)(良:1票)
1686.  自虐の詩 《ネタバレ》 
中谷主演や類似設定ゆえ、『嫌われ松子の一生』との比較は避けられない本作。コメディ色が強い前半は同監督の『トリック』を、不幸話が続く中盤から終盤にかけては、確かに『松子』を彷彿とさせます。シンボルシーンのちゃぶ台返しは序盤に集中。バリエーションを付けて楽しませてくれます。阿部の顔はそれだけで“勝ち”みたいなものだし、遠藤憲一も巧い。堤節が楽しめるコメディパートは概ね上々の出来。笑いはOKです。ただし“泣き”の方はパッとしません。『松子』で培った中谷の演技をはじめ、役者陣は申し分なかっただけに、演出・脚本面での不手際が感じられます。幸江の過去の回想場面は冗長で中弛み。シリアスモードに水を差す阿部のロン毛。熊本さんとの後日談も取って付けたような。完成度という尺度で『松子』と比較するのは相当厳しい。DVDレンタルやテレビ放映等が済んだ頃の評価は、5~6点台で落ち着くと思います。でも自分は本作が好き。大好きです。エンドクレジット、海に漂う大量のクラゲを見つめながら胸に込み上げるものがありました。(※クラゲは黒沢清監督の某作と同じ比喩表現。でも物語に取り込めておらず、これまた使い方は下手です。)ラスト赤子を抱えて寄り添うイサオと幸江。「幸も不幸も関係ない」「人生には明らかに意味がある」そんな当たり前の事を言葉に出すのは恥ずかしい。でも本作のように下手な映画はそれでいい。不粋なやり方でも観客の心に届けばいい。シチュエーションで泣かされていると思います。多分に主題歌の影響もある。原作が素晴らしいのでしょう。そうだとしても構いません。冷静に映画を分析するよりも、素直に自分の心と向き合うほうがきっと幸せ。自分の人生が愛おしく思える。そんな映画はダメじゃない。下手くそだけど、いい映画だと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2007-10-30 18:33:54)(良:2票)
1687.  g@me.(2003) 《ネタバレ》 
『模倣犯』の登場で、自分の中の邦画サスペンスの株価は急落しました。その後も『レディ・ジョーカー』『千里眼』等趣味に合わない作品が続き、ハードルは下がりっぱなし。しかも本作の主演は藤木直人だという。こりゃツッコミを楽しむ作品かなと高を括っていたのですが、意外や意外面白い。1人称視点のトリッキーな物語を堪能しました。懸念された藤木についてもそんなに悪くなかった。演技は予想通りアレでしたが、犯人のキャラクターには合っていたと思います。仲間の演技は当初違和感だらけ。事の真相を知れば納得できるものの、彼女が意識的に「樹里」を演じていれば、もうワンランク上のサスペンスになったとは思います。不要なサービスカットやIZAMの演技にも疑問符がつく。オチも安っぽい。ただ、全体的にみれば十分楽しめるレベルにあると思います。出発は誘拐ゲーム。最後は恋のゲーム。原作は相当面白いのでしょう。
[DVD(邦画)] 7点(2007-10-28 20:45:38)(良:1票)
1688.  Dr.チョッパー
チョイとヤバめのイクラだったのにお腹を壊さなかったのも、飛び出してきたネコを轢かなかったのも、アルバトロス作品を観た後だったからかも。そういう意味で、役に立ちました。あ、でもtotoBIGは…ダメかな。
[DVD(字幕)] 3点(2007-10-27 00:35:46)
1689.  陽気なギャングが地球を回す
デフォルメの効いた演出に、オシャレのスパイスを振りかけて。この試みは面白いと思います。ただノリが上滑りしているような。佐藤曰く、「銀行強盗はロマン溢れるもの」。綿密な計画と大胆な行動の上に成り立つ芸術作品。佐藤の演説は時間稼ぎの手段。派手な服装は人相を分かり難くするため(その割に私服も派手だけど)。それぞれに意味があります。芸術性も感じられる。でも、ドキドキもワクワクもしません。つまりロマンが無いということ。それは緊張感が欠如しているから。軽いノリはOK。でも緊張感まで無くしたら元も子もありません。この部分の手抜かりが作品の質を下げていると感じます。キャスティグはまずまず。佐藤浩市や鈴木京香のような大人の役者を配したのは正解。更なるビックネームもこのお遊びに付き合ってくれたら、もっとオシャレだったと思います。方向性はアリ。でもデコレーションに凝る前に、まずやるべきことがあると思いました。
[DVD(邦画)] 5点(2007-10-26 19:00:12)(良:1票)
1690.  寝ずの番 《ネタバレ》 
“ウィット”や“ウエット”に富んでおり、随所でニヤリとさせられます。もちろん爆笑もある。役者陣もみな上手い。「楽しめなかった」と言えばウソになります。ただ、エピソードを積み重ねただけなので平坦な印象は拭えません。「そそ」と「かんかんのう」といった目玉を、序盤に使ってしまったので中盤がやや薄いか。それでも「歌合戦」からの畳み掛けはお見事でした。ポイントはラストの電車踊り。あの輪の中に入れたか否か。一緒に踊れた人は、本作を十分に堪能できた人。一門や、堺正章、監督と同じように内輪に入れたということです。(一緒に踊っていたけれど、蛭子能収は外の人だと思う。)残念ながら自分は内に入れなかった組。このチェックは結構厳しい。それ相当の人生経験を必要とします。年を取っているだけではダメ。もちろん、そういう経験をしているから偉いと言う訳ではありません。観ている景色が違うだけ。夕日が美しいと思う人もいれば、車のフォルムにみとれる人もいる。どの景色が美しいかは、それぞれが決めればいいと思う。ただし、監督は多分そう思っていない。(不遜な言い方で申し訳ないですが)謙虚さが感じられない。この景色が世界で一番だと信じて疑わない。「楽しめない奴はイキじゃないね」と自信満々です。主義義主張のない監督よりは100倍マシ。だけどその強い自信の前に、弱い人間は萎縮してしまう。江頭に爆笑し、ダチョウの竜ちゃんに腹を抱える自分のセンスがダメなんじゃないかと思えてくる。(いや実際ダメなんですけど。)内輪に入れて共感できた人には素晴らしく心地いい世界。ただ敷居は驚くほど高いと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2007-10-25 19:57:59)(良:1票)
1691.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
夢と現実が交錯する物語の場合、その区分が曖昧になることが多い。そこから派生する幻惑・幻想・酩酊感がウリだったりもする。本作も、後半にかけて夢と現実の境が無くなっていきます。でも夢か現実か、あるいはその混合世界か、自分が何処に立っているのかは判断できます。戸惑いはあっても、迷子にはなりません。物語の骨子は明確で、物語のナビゲーションは丁寧でした。これは勿論プラスの要素。ただその反面、面白味には欠けます。夢は所詮個人の思考の産物。「一見制約が無さそうで、しっかり制約のある世界」を真面目に描きすぎたかと。この辺のさじ加減は難しい。地図とコンパスが無かったら目的地には着けないけど、保護者同伴の冒険旅行にワクワク感はありません。もう少し乱暴でも良いと思いました。点数は8点。私的には高得点です。でも「8点止まり」という感じ。凄くもったいないと思いました。ちなみにオチは世の男性に“夢”を与えるもの。あの超おデブのボクちゃんが、クールビューティーなパプリカ本体をゲットするとは!でも彼は天才でもあるしなぁ。やっぱシビアな結末なのかも。
[DVD(邦画)] 8点(2007-10-24 17:20:44)
1692.  リディック 《ネタバレ》 
前作の後日談としての設定は引き継いでいますが、ほとんど別物と言っていいくらいアクションや世界観がスケールアップしています。この系列の作品で最もよく見られる続編パターン。で、予算増に比例して評価も下がる。これまたお馴染の傾向が伺えます。それも分かる。前作はサバイバルサスペンスに比重を置き、コンパクトで分かり易い。それに比べて本作は、いっぱいに風呂敷を広げたはいいが、何を包みたいのか分かり難い。完成度は前作のほうが上だと思います。ただ本作には気楽に観られる面白さがある。娯楽大作の派手さがある。リディックのアクションは格段にパワーアップしましたし、灼熱監獄惑星からの脱出劇も見応えがありました。(このエピソードのみに絞れば、まさしく続編という感じ。)風呂敷の畳み方は強引だけど、伏線を張っているから納得できます。オチは気が利いていると思う。自分は十分楽しめました。前作の採点は5.9点で切り捨てて5点。本作は6.4点で切り上げて7点。その違いは満足度にあります。サスペンスとして今一つと感じた前作に対し、娯楽アクションとしてお腹いっぱいになった本作の方が、個人的には好みです。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-22 18:14:51)(良:1票)
1693.  悪魔の沼 《ネタバレ》 
序盤、宿屋の主人が女を鉤で刺し殺したシーン。あれは生々しかった。ただ、ここがマックス。後は緩やかな下降線でテンションが落ちていきました。大鎌のビジュアルは良いのですが、リアリティには欠ける。しかも男が使いこなせておらず、こけおどしに見えたのはツライ。もう一つの目玉、クロコダイルも本能的に恐怖を抱く対象じゃない。不意打ちでしか人を殺せない宿屋の主人は、殺人鬼として疑問符が付きます。なごみ系レトロなB級ホラーとして楽しむが吉。怖くは無いです。
[DVD(字幕)] 5点(2007-10-21 17:11:51)
1694.  ピッチブラック 《ネタバレ》 
難点は、リディックが悪人に見えないこと。いくら賞金稼ぎが「彼は危険だ」と叫んでも、そのほかの乗客たち(観客)が目にするのは、脱出のために働く頼れる男の姿。伝え聞いた話と実際に目にした事実とでは、どちらが重いかは明らかです。おまけに子供はなつく始末。彼の本性が悪人でないことは、早々にバレてしまいます。これが大問題。後半の脱出劇で“前門の虎後門の狼”という危機的状況が作れていません。クライマックス、彼が残された仲間を助けに行く感動ポイントも予想通りだから驚きがない。彼が最後に言う「リディックは死んだ」という台詞は、「死んだことにして刑を逃れたい」という気持ちと、「悪人から生まれ変わった」という2つの意味が含まれています。皆既日食を抜けて進む宇宙船。差し込む光は、彼の心の中の光なのでしょう。でも、最初から悪人じゃないから、感動に結びつかない。つまり“凶悪犯リディック”という肝心の設定が活かされていないことが、諸々の不具合の根元です。物語が動かない前半のうちに、とことん彼の凶悪犯キャラを肉付けしておく必要があったと思います。ただ本作はSFアクション。そこで楽しめれば問題ありません。暗闇の中でのVSエイリアンのサバイバル戦は見応えあり。銃器に頼らないところも良かった。ただ、最後のたたみ掛けが今ひとつで残念。
[DVD(字幕)] 5点(2007-10-20 18:48:51)
1695.  ぼくんち 《ネタバレ》 
関西地方と思しきとある島が舞台。漂う空気に覇気はなく、閉塞感に包まれています。物価は高く、治安は悪く、中華料理屋はマズい。島を捨てればいいのにと思う。でも島民はその生活を受け入れています。多分一生島からは出られない。それは此処に根付いてしまっているから。爽やかな高原の風に揺られる花もあれば、真夏の太陽に焼かれながら、道路の端っこにへばりついて生きる草もある。どこに何で生まれるかは運。蒔かれた種は、そこで芽を出すしかありません。運命という言葉は好きじゃないけど、どうしようもない事はある。そういう現実を笑いのエッセンスに変えるしたたかさ。アスファルトを割る雑草のような生命力。それがサイバラ作品の魅力だと思います。痛いけど可笑しいのは、本当の意味で惨めじゃないから。本作がその魅力を十分に引き出しているとは、正直言い難いです。でもだからダメだとは思わない。原作を最高に楽しむ方法は、原作を読むこと以外にありません。映画は映画。割り切って捉えるとそんなに悪くないと感じます。観月は汚れ役をものともせず、岸辺は「上手い」の一言。濱口や今田も良かった。それに「親はなくても子は育つ」というテーマは伝わってきました。島を離れる兄弟。動物の毛に絡み付いて移動する雑草の種のように。あるいはタンポポの綿毛のように。此処ではない何処かに行き着いて根を下ろし、いずれ花を咲かせて欲しいと願います。愛情を注がれて世話をされた子供は幸せだという。では一太や二太、ネコ婆の子供たちは幸せではないのか。彼らを憐れむほど、自分は厚顔ではありません。むしろ「生きとったらええねん!」と言い切れる強さに憧れます。
[DVD(邦画)] 6点(2007-10-19 18:18:29)
1696.  インプリント ~ぼっけぇ、きょうてぇ~ 《ネタバレ》 
周りは日本人だらけなのに、主人公はアメリカ人。そもそも日本人の観客は感情移入しにくい設定。ただそれを差し引いても、観客が作品へのめり込む仕掛けが不足していたと思います。男のキャラ付けは薄く、彼が抱える過去も取って付けたよう。小桃なる女郎も魅力的に見えません。ただ、口裂け女郎の生い立ちには、それなりに意味がありました。彼女の境遇を慮るとやるせない。命に対して価値を見出せないから、彼女は小桃を手にかけてしまった。彼女は人として哀れだと思う。だからこそ、彼女を只の化け物にしてしまったのは罪深い。何であんなギャグみたいなお姉さんを取り付けてしまったのか。お姉さんの存在価値はその見た目のインパクト、キモさに依るところが大きい。もう一つの人格としての位置づけならば、ちゃんと人として扱わなければ。切ない感情が引き出されそうになったのに全部ぶち壊しです。彼女を演じた工藤夕貴の演技そのものは、決して悪くなかっただけに惜しい。原作者の岩井志麻子の悪ノリ女郎ぶりは見モノです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-10-17 18:45:34)
1697.  メリーに首ったけ 《ネタバレ》 
テッドの身になってやきもき。濃いネタの数々に爆笑。そして最後はスッキリハッピーエンド。確かに「メリーに首ったけ」なストーリーでした。まず大切なのがヒロインのキャスティング。男を惹きつける魅力に溢れていること。その点キャメロンは文句なし。彼女よりも美形の女優は大勢います。でも美人であることと、男にモテることは違う。彼女のルックスには親しみがある。男が“どうにかなるかも”と思う上限。清潔感アリ、性格○。茶目っ気もある。モテないはずがありません。メリーを取り巻く危ない野郎たち。そんな中で、テッドがメリーを射止めたのは何故か。元彼を連れてくる潔さアピール。弟くんが唯一心を許した件など、彼はポイントを稼いでいます。でもこれらは、観客が“彼を認める”要件にすぎません。メリーが彼を選んだ理由は単純です。“彼を好きだったから”。もともと彼はメリーのタイプ。学生時代、歯の矯正をしているブサ顔のテッドを、彼女は最高にチャーミングだと言っている。プロムに彼を誘ったのも、弟を助けてくれたお礼ではなかった。ヘタレ男のハッピーエンドを喜べるのは、そこに変な同情が無いから。ラブコメのツボを押さえた、巧みな脚本でした。お気に入りは動物ネタ。テッドVS犬の一戦には腹を抱えました。文字通り犬への“ブルドッキング”ヘッドロック。容赦無用の目潰し攻撃!そしてそれをかわす犬!!笑い転げました。動物ネタに限らず、下も障害者ネタも少々キツイ。眉をひそめる人もいると思います。でも自分はタブーを怖れない姿勢に、むしろ好感を覚えました。例えば、弟やニセ建築家ら障害者キャラを扱うのは、リスクを伴います。避けるほうが無難。でも現実には、知恵遅れの人も身体障害者も周りにいます。映画に出ていこないほうが不自然なくらい。彼らの存在に目をつむるほうが間違っている。可笑しいと感じたなら笑えばいい。それは偏見や蔑みとは逆ベクトルの行為だと思います。(本作では、徹底して障害者を平等に扱っています。ヒーリーが彼らに容赦が無いのもそのせい。)関係団体からお叱りを受けそうな動物ネタも同じ。”あり得ない”からオモシロイ。現実とフィクションを混同するのはナンセンスです。勿論、どんな表現にも配慮はあって然るべき。でも配慮が過ぎてもパワーを失ってしまう。バカコメディは、ヤリ過ぎくらいで丁度いい。「下品で、くだらなかった!」最高のほめ言葉を贈りたい。
[DVD(字幕)] 9点(2007-10-16 18:14:34)(良:4票)
1698.  ラッキーナンバー7 《ネタバレ》 
最近は韓国映画のドロドロ怨念系ばかり観ていたので、本作のようなスタイリッシュな復讐劇はなんか新鮮でした。もっとも物語の体裁上、そのことは終盤まで明かされませんので、全体的な雰囲気は新訳『間違えられた男』といった趣。サスペンスとしては、至極真っ当なつくり。シンプルな構成ゆえ物語を深く理解できるのが良。ただ、ドラマ部分の掘り下げは十分ではないと思いました。とくにキーパーソン、グッドキャットについて。彼が幼い主人公の命を助けたのは、まあ理解できる。しかし彼が主人公の復讐に加担したのは何故でしょう。ボスやラビのやり方に我慢できなかったから?主人公の父親代わりだったから?プロの殺し屋が私情を挟む以上、其処に何らかの理由付けが欲しいと思いました。彼のキャラクターに肉がつけば、物語に厚みが出たと思います。復讐がなされてもイマイチ爽快感に欠けるのもマイナス。家族を皆殺しされた主人公には同情しますが、危険な賭けに手を出したオヤジさんにも非がある。また、序盤からボスもラビも顔を出しすぎ。手の届かない大物相手だからこそ凝った仕掛けが必要な訳で、こうも簡単に復讐相手に会えるならば、「いつでも殺せるのに」と思ってしまいます。6点か7点か迷うところですが、タイトルがタイトルだけに。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-14 19:52:02)(良:2票)
1699.  幸せのポートレート 《ネタバレ》 
男性側のファミリーは堅い絆で結ばれているように見えます。同じ価値観を共有し、円滑に過ごすための暗黙のルールがある。ただ、その結びつきが強すぎるために他者を排除する傾向が伺えます。「あの人はOKだけど、この人はダメだ。」とすぐにレッテルを貼ってしまう。社会的マイノリティを抱え、散々嫌な思いをしてきたのでしょう。防衛意識が殊更強い。例えばジェシカが家を飛び出すキッカケ。彼女が言ったゲイに対する認識は、世間一般のそれ。配慮に欠けていたとは言え、この家族の反応は過剰です。其処にこの家族の危うさが見える。痛いところを突かれたから怒るのだと思います。もし本当に家族愛で結ばれているなら、少々の批判は受け流せばいい。彼女を軽くたしなめる程度で十分です。「私たちはもっと大事なことがあると分かっているの」と。少々気持ちが悪いです。異なる価値観を拒絶する姿は、ヤバイ宗教なんかに似ている。母親が妊娠中の写真をプレゼントされて、家族一同号泣。ますます気持ち悪い。姉妹の節操の無さも、家族の思考回路も正直よく分かりません。日本でも同じようなプロットのテレビドラマはよくありますが、こちらは決まってドロドロ系。そうならざるを得ないと考えるのが日本人の感覚なのだと思います。「ちょっといい話」風にまとめる力技は凄いです。
[DVD(字幕)] 4点(2007-10-13 19:52:57)(良:1票)
1700.  僕の彼女とその彼氏(ゆうれい)Drop in Ghost 《ネタバレ》 
技術的な部分はよく分かりませんが、とにかく暗転がウザかった。“眠る”“記憶を失う”等のシチュエーションとは関係なしに、頻繁に使用される暗転。時間と空間をリセットする意味では有効な手段かもしれませんが、ブツブツ切られるので物語にテンポが出ません。もっとも物語になっているかどうかも怪しい。タイトルから推測するに、主人公は「ぼく」でしょう。しかしぼくの視点で物語が進むのかと思いきや、さにあらず。誰の視点とも定まらないまま物語は進行するので、観ている方は置いてけぼり。何となく「彼氏」(ゆうれい)の心残りは解消されて終了。そこにドラマがあったのか謎。たぶん“切ない系”の恋愛モノを狙ったのでしょうが、サッパリでした。それでいて、ギャグに凝るのは違うのでは。しかも下ネタっぽいし。現場では爆笑しているのかもしれませんが、まず肝心なドラマへ力を注いで欲しいと思いました。主演の満島ひかりのハツラツぶりだけは良かったです。
[DVD(邦画)] 3点(2007-10-12 18:34:03)
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