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王の七つの森さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 188
性別 男性
自己紹介 ・・・・最初に投稿してから4年近くたとうとしています。
これからも、細々とでも投稿してゆきたいと思っています。

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161.  クリムゾン・タイド
途中から、ジーンハックマンの顔が、ラムズフェルドの顔と重なってきた。、、、、、おそらく、アメリカの軍隊、共和党支持者の殆どは、ジーンハックマン的なメンタリティを持っているのだろう、ということがわかったのが収穫でした。、、、、頭の固いサディスティックなレイシストということです。、、、、、映画としては、エンディングが最低。両者とも正しく、かつ誤っていただとぉ!! ・・・・(追記)末端の兵士もパソコンを持って走っている時代です。衛星、情報収集機(艦)からの情報が瞬時に末端にまで伝わるというのに、軍隊が、卑弥呼の時代のような上意下達の指揮命令に依存していたのでは目標を達成することは難しいでしょう。それは民間企業でも同じです。(というか、軍隊の方が、民間企業よりも、より合理的な組織原理が常に追求されていると思います。)・・・・・・ということは、その場の指揮官の判断力が圧倒的に重要ということです。ジーンハックマン演じる艦長は、自分の頭で判断していただろうか。・・・ミサイルの発射が極めて重大な事項であること、命令に変更可能性のあること、を考慮すれば、艦長は、犬の指揮命令をする立場には適していても、大量の人々の生死を左右する地位に相応しいとはとても思えません。よって、現代的視点に立てば、軍隊の論理によっても、艦長の行動は正当化できない、というのがわたしの考えです。
6点(2004-09-26 10:02:36)
162.  1900年
イタリアの農村の風景、農民達の共同性豊かな生活、地方領主の権勢、時代の情景などが、見る側の想像力を強く揺さぶるように伝わりました。どの登場人物も、型にはまらず、生き生きとしてエネルギッシュです。・・・・特にオルモ、アッチラが最後まで印象的。アッチラを見ていると、豊かなものに対する屈折して執拗なルサンチマンが、ファシズムのエネルギーを供給し続けた状況がよく理解できました。アルフレートについては、跡を継承したあたりから、描く方のビジョンが混迷して、躍動感がなくなった印象を受けました。・・・・・ただ、人物達があまりに生き生きと、自分たちの生を全うし始めるので、だんだん収拾がつかなくなり、最後の1時間ほどは、断片的で脈絡が不明な寄せ集めになったのではないでしょうか。特に最後など、農民は祖父達のように静かに眠りにつき、地主は、正義、神の裁きを受けるということを、アンナカレーニナ以来の、鉄道の象徴を使って示したのかもしれませんが、とってつけたようでした。・・・・とはいえ、全体として記憶に残るシーンにあふれていました。例えば冒頭のシーン。脈絡を知らず見ると、アッチラ、レッジーナが哀れに見えますが、4時間後、事情を知った上で、同じシーンに接すると、全く違った感情がわきます。客観的認識とは一体何なのかが問われていたのでしょう。・・・・全体として、私たちが歩いてきた道を、想像力豊かに描いた素晴らしい作品だと思いました。
9点(2004-09-21 09:20:23)
163.  キル・ビル Vol.1(日本版)
やはり、日本の映像文化、大衆文化についての、おたく的コレクション満載ということなのでしょうか、、、、、。たとえていえば、私が看護師だとして、看護師グッズおたくの知り合いから、是非、本職の私に、コレクションを見て貰いたいと、ざっっと、注射器、体温計、点滴セットなど、その収集品を広げられた感じ、、、、、。私の反応の選択肢は、次の通り。、、、1) 異様な違和感から、サルトル的嘔吐感を感じる。、、、物質としては同じ注射針でも、彼が注射針に与えている意味と、私にとっての注射針の意味は全く異なり、彼の収集品を見ると自分の日常の意味世界が揺らぐから。(真面目で誠実なパンピーによくありがちな反応、5点以下をつける)、、、、、2) 「おまえ、これ、ギャグだよな、本気でこんなもん集めているはずないよな、おまえなかなかいいギャグのセンスしてるじゃん」(確固とした自分の世界を持つ人の反応、O型にしばしば見られる、7~9点)、、、、、、3) 「君は、日常の閉塞した意味世界から脱却するために、自覚的に手段として、こういう収集をしているわけね、本心から看護師グッズが好きなわけじゃないよね」(要するに評論家、8~10点)、、、、、、4)「へえー、よく集めたね。この収集品の一つ一つに君の愛を感じるよ」(優しい人、でも冷たくドライなところがある)、、、、、、、私は真面目なパンピーなので、1)です。、、、、例えば、雪の庭、白装束での戦い、、、その結果が、赤い血しぶきが白を染めるのではなく、頭頂部がカッパのように切り取られ、しかし相手の刀剣に言及して息絶える、というのを見て、こみ上げるのは、笑いではなく、吐き気に似た違和感でした。、、、ただ映画とは何だろう、ということを考えさせられたので、いずれ3)に移行するかもしれません。      
5点(2004-08-28 11:19:12)
164.  マスク(1994)
最初に見たのは、確か、飛行機の中、その後、幾度かテレビでも。、、、、何度見ても見飽きず、10年たっても色あせないのは、ダンス、衣装の色彩、細かな仕草などが、大胆でありつつ手を抜かず、丹念に作られているからなのでしょうか。、、、徹底してばかばかしい話を、めちゃくちゃ一生懸命に、みんなで頑張って盛り上げようとしている雰囲気が好きです。、、、警官が踊り出すシーンとか、キャバレーで踊るとことか、マスクが撃たれて演技するとことか、、、、、みんな大まじめにマスクにつきあって演じているわけで、、、、、、。娯楽映画の一つの極致だと思います。、、、、、マスクというのは、古今東西、どこにでもあるテーマなのでしょうが、娯楽に徹したアメリカバージョンというのもいいですね。 
8点(2004-08-23 18:29:50)
165.  デイ・アフター・トゥモロー
飛行機の中で、飲んだくれて見たので、正しい鑑賞方法とはいえないし、、、、とりあえず、二時間ほど飛行時間を短縮してくれた感じで、その点には感謝しなきゃいけないし、、、、でも、見終えて思ったのは、「なんじゃ、こりゃぁぁぁ、、」ということでした。、、、、息子を助けに行って、その息子達がニューヨークで唯一の生存者になりました、助かって良かった、めでたしめでたし、、、、えっ、息子だけがたすかりゃそれでいいのかなぁ、、、。それで環境問題の方はどーなったのと思ったら、最後に、こんなにピュアな空気は見たことがないです、とかの付け足し。、、じゃぁ、放っておいて、大災害がおこれば、自動的に解決できるっていうのだろうか。、、、、それに図書館の本を焼くということは、文明に対する根底的な批判を含意するはずだけど、その含意を重く受け止めているとは思えなかったし、、、、、と、ぷんすかぷんとしつつ、暫しあって、、、、そっかー、アメリカじゃ、家族というのが一番大事な社会集団なんだぁ、ということが、よーくわかりました。会社、国家、学校、教会なんかの集団より、一番大事なのは家族だもんね、という価値意識を前提にしないと、この映画、全く意味不明のストーリーですものね。、、、、ということで、異文化の映画を評価することは難しいことなのだなぁと気づかせてくれた点でも、この映画には感謝しなければならないのかもしれません。、、、、、全然違う文化環境で創作された映像を自分の属す文化の価値基準で評価することは、その映像に対する適正な接近方法なのだろうか、、、、うーむ。、、、、そして、映像は確かに凄いから、よっ、いい出来だよ、パチパチパチとやらなきゃいけないのだろーか。、、、、再びうーむ。、、、、しかし、どーしても一点、許せない部分があり、この点にします。、、、、それはグーテンベルクの聖書。世界に数点伝えられているこの本は、ほんとーに美しく、神々しいものなのです。、、、、(つけたし、、、この映画は、結局、環境問題を手段、CG技術を示すことを目的としているようですが、それって本末転倒、目的と手段の転位ってやつてじゃないですかね。)
4点(2004-08-15 02:18:52)(良:1票)
166.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
前半部分の、着想と音楽と映像が素晴らしいですね。、、、見た後、何日かして、ふと田舎の親父の声が聴きたくなって電話をしてしまいました。トトにとってアルフレートは父親ですものね。そんな気にさせてくれたというだけで、見てよかった。、、、、、、、、、、ただ、火事からアルフレートを救い出す場面から、なんか、もつと違う、もっと想像力豊かな展開があり得るのではないかという気持ちが、少しずつ強くなっていったことも確かです。、、、だって、小学校に行くかいかないかの子供が、大の大人をあんなに引きずれるとは思えないし、あれがなくったって、火事の後の後の話の展開は、あのままで理解できるし、、、、、。映画館だって、別にアメリカ風に爆破して取り壊す必要はないだろうし、、、、そう考えてくると、アルフレートが残したフィルムも、そこにどういうメッセージが込められているのか、今少し、しっくりこないのです。、、それに、神父の検閲フィルムは映画館と共に焼けた筈ですし、トトのコレクションも映像になるほど長いものではなかったし、そもそも目の見えないアルフレートがどうやってあのフィルムを編集したのだろうとも思っちゃうじゃないですか、、。結局、トトとアルフレート以外、生き生きとして存在感のある役どころがないというのが最大の難点なのかもしれません。
8点(2004-07-30 13:27:45)(良:1票)
167.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
膨大な制作費に見合う収益を上げるには、原作を読んだ人も、読んでいない人も、楽しませるものではなくてはならない、、、「指輪物語」という題名をそのまま拝借する以上、原作をできる限り忠実に再現する必要がある、、、、という難しい方程式を10時間近くかけて解いたら、出てきた答えは限りなくゼロに近いものであった、、、、今はそんな気持ちです。、、、、、舞台芸術でも映像芸術でも、原作がある場合には、舞台、映像制作者の「解釈」が必ず介在します。あるいは、そういう解釈者の仲介なくして、古典的な原作は、現代に蘇ることはできないといってもよいでしょう。オペラにしても昔の衣装、舞台をそのまま忠実に踏襲するのは希だし、ギリシアで評判を得た蜷川のオイディプスも、勘九郎のニューヨークの舞台も、古典劇に対する自分たちの解釈を問うものであった筈です。、、、、、、で、この映画では、トールキンはどのように解釈されていたのでしょうか。、、、、、迫力ある戦闘、城の鳥瞰、闇に与するものの崩れた容姿、、、そんな解釈しか浮かび上がってきません。しかも、それらはみなどこかの映画で垣間見たことがあるような映像だと思います。、、、、なぜ、小さき者であるホビットに指輪が託されるのか、なぜ、スメアゴルに最後まで重要な役割が与えられるのか、フロドとサムの身分差をどう捉えるのか、王の血統をどう扱うのか、なぜ指輪を葬らねばならないのか、そしてそもそも指輪とは何なのか、、、、そうしたことの解釈の跡を、残念ながら映像から確認することは殆どできませんでした。、、、、、だから、見終えて、問いかけられたように感じるものは何もなく、残ったのは強いてあげれば、静かな怒りに似た感情なのです。、、、、そして何とも言い難い幕切れ、、、、、、フロドは、あの先の角を曲がれば、新しい世界が開けているかもしれないと歌いつつ、新しい冒険の途につくのではなかったかと、、、、、。
5点(2004-07-27 16:45:30)(良:6票)
168.  千と千尋の神隠し
皆さんの評価を見ていると、なんか自分も、宮崎監督と一緒に年取っちゃったのかな、なんて感じちゃいます。、、なんていうと監督に失礼ですよね。、、、、ずっと、理想の女性像はと尋ねられると、ナウシカですっ、と答えてきましたし、、、(実は、南ですっていったこともあったかもしれないけど)、、、なんかいやな出来事や、嫌いな人に会うと、小声で「バルス」とかいってきたし、、、、。でも最近、ナウシカとかラピュタとか、なんか元気がよすぎで、いまいちその世界に入り込みにくいんですよね、、。で、今、宮崎作品で好きなのは、この「千と千尋」と「紅の豚」になっちゃいました。豚さんの方は、今はこんなに腹もでて、かっこ悪くなっちゃったけど、ホンとはもっとかっこよかったんだ、的な願望を満足させてくれるからかなあ、、、。それにエンジンの調子が悪くなったとき、なおすために青い空と海、白い雲のとこを飛んでいくシーンは、音楽もいいし、うっとりですよね。そいでもって、おときさんのサクランボのみのなるときでしたっけ、昔のことおもいだしちゃったりして、、、。あっといけない、「千と千尋」が本題でしたよね。、、、何がいいって、千が銭婆のところへ、電車に乗って出かけるシーンの深い青の圧倒的な美しさなんです。あそこは思わず、じわっーと目がにじんじゃいます。ほんと。、、、、なんていうか、あの電車は、原爆投下直前の広島の市電のようでもあり、昭和30年代の東京の都電のようでもあり、長崎のもののようでもあり、、、、、、とにかく、今は消えてしまった人たちや物たちを強く意識させるんですよね。、、、自然やものにも魂、命が宿っていると考えることで、環境問題を乗り越えようという、この作品の方向性と、その沈んだ深い青が調和しているし、、、。あれっ、主人公のことがどっかいっちゃいましたね。まあ、子供すぎて、タイプじゃないっていうことで、すいません。
9点(2004-07-16 09:42:23)(良:1票)
169.  十二人の怒れる男(1957)
映画学の教科書があるなら、第一ページで参照されるべき作品だと思います。「映画というと、どうしても目を奪う映像に関心が向きがちであるが、土台となるのは、やはり言葉のやりとり、展開なのだ、、、ほにゃらら、、」みたいな文脈で。、、、、そして政治学の入門書でも、参考とすべき映画として、まずあげられてもよいでしょう。民主主義とはどのようなものかを考える素材として。、、、、素晴らしいのは、人が異なる意見をぶつけ合い、議論する過程で、納得すれば自分の誤りを認めて意見を修正し、合意を形成してゆく過程が生き生きと描かれていることです。これは、ギリシアからの民主主義の伝統といえるのではないでしょうか。そして、この映画の主役は、言葉だ、といっても過言ではないと思います。、、、、、、いやほんと、この頃のアメリカ映画というのは凄い!!!!、、、この映画は、とてもヨーロッパではできないのではと思えてしまいますし、アメリカ社会の強さの秘密を明らかにしているとも考えられます。、、、、、、、、、ただし、その集団の一員なら何も感じなくなってしまうのかもしれませんが、集団の外に身を置いて想像してみると、手放しでは賞賛しにくいですよね。なんか洗いざらい話して、みんなで一つの意見にまとまらなきゃいけないみたいで、、、、。ある意味で宗教的というか、、、、。それにこの映画の場合、ふと気づくと、全員、白人で男ばかりだし。、、、、民主主義にはグロテスクなところもあるのだ、ということで、満点にするのは控えました。
9点(2004-07-16 09:02:21)
170.  カルメン故郷に帰る
幾つかの点で、歴史的資料として朽ちることのない価値を持つ作品だと思います。、、、、、まず、廃線になって久しい草軽鉄道が人々の生活の中にとけ込んでいた姿を見ることができることは、鉄道ファンならずとも、好奇心をそそられることでしょう。今となっては、軽井沢から草津まで、鉄道が通っていたということはちょっと想像しにくいからです。、、、、、、第二に、軽井沢周辺、そしてそこからの浅間山の景観です。三笠から北軽井沢は、今は落葉松などが鬱蒼とし、浅間山の勇姿も木立の隙間からのぞかれる程度ですが、この映画を見ると、その周辺は開けた感じですし、浅間も存在感を示しています。有島武郎や堀辰雄が、その終焉の際に見た光景は、この映画に見る景色に近かったのだろうと思うと、想像力が刺激されます。、、、、、、、第三に、戦後すぐの雰囲気が生き生きと描写されている点です。小学校が地方の文化的、公的中心をなしていたこと、文化という言葉が流行語であったこと、オルガンが貴重なものであったことなどなどが、へえっ~という感じで伝わります、、、、、、。そして第四に、この映画が、最初のカラー映画であったこと。、、、、、、もちろん、それもこれも、高峰秀子、笠智衆、佐野周二、佐田啓二などが、昔っぽくても、しっかりとした演技をしているからこそです。
7点(2004-07-15 16:48:17)
171.  ショーシャンクの空に
[異説]--[全てはレッドの想像上の物語説]---1. 拳銃を持って現場に行ったアンディは、キリスト教的意味では罪を犯しており、贖罪に値する。 (あるいは、アンディが犯罪を実行していないという映像上の証拠は示されておらず、真犯人とされる男についても話しだけで、犯行の映像は示されていない----だからアンディが実行犯であるという可能性もある) 2. 建物の構造から考えて、2階のアンディの牢に接してあれだけの長さの穴をほるべきコンクリートがあるとは思えない------従って、アンディはあの朝、本当は首をつったのであり、脱出劇はレッドらの想像上の物語である。だから最初から全ての話しはレッドによって語られている。------ラストは、天上の国での再会である。----こんな解釈をすると、全然違った映画に見えるかもしれません。「太陽がいっぱい」の隠れたテーマがホモセクシュアルだったみたいに。、、、、、、、、というか、この映画にredemptionという原題がどうして付けられたのかをずっと考えています。redemptionは牢獄からの開放という意味もありますが、元々は、神からの赦しというニュアンスを多分に含んでいると思うからです。、、、、、そう考えると、心の中では妻を殺したアンディが、その罪を神からどのように赦されるのかというのが、この映画の重要なテーマではないかと思えてきます。、、、、、だとすると、アンディがレッドに後半でいう「自分は妻を愛していた」という言明は、自分の罪を認め、神に全てを委ねるということを含意しているように思えます。、、、、赦しのかたちが、自死なのか脱獄なのかは見る人の判断に任せられる、、、、、、。こういう解釈が十分に成り立つのであれば、10点の映画なのですが、やっぱり無理がありますかね。えへへ。
8点(2004-07-11 16:46:32)(良:1票)
172.  キリング・フィールド
本当は望ましいことではないのでしょうけど、映像としての完成度ではなく、扱った題材だけで、高い評価を与えたいのです。、、、、、ユダヤ人迫害を描いた映像は、数多くあります。しかし、ポルポトの虐殺をテーマとする映像はどれだけあるのでしょう。、、、、1970年代の半ば、大阪万博も札幌五輪もとっくに終わり、長島が引退し、キャンディーズもそろそろ引退しようという、そんな頃ですよ、、、わずかの間に100万人もの人が、、、しかもアメリカ政府も中国政府も、ちゃんと知っていて、傍観、或いは支援したなんて、、、、、。ユダヤ人迫害の歴史は絶対に忘れてはならないことですが、残念なことに、今、そうした映像は、シャロンの蛮行に荷担する機能を果たしかねません。それに、イスラエルでユダヤ人の強権的支配が確立すれば、イエスが再臨すると本気で信じているキリスト教徒が何十万、或いはそれ以上もアメリカにいるなんて、、、、、。ムーア君でも誰でもいいから、シャロンの蛮行を告発する映像を作ってくださいっ。お願いしますっ。、、、、、、あれっ、本題と離れてしまった。ごめんなさい。
9点(2004-07-11 07:58:52)
173.  天井桟敷の人々
わたしが大切にしたいと思う価値観、感情がこの映画には散りばめられています。、、、、、、最初、映画館で見たときは、長くて腰が痛くなりましたし、特に深い感動もありませんでした。アルレッティはおばさんだし、ジャンルイバローのパントはあまりにゆったりとしているし、画面は白黒で衣装や装置の細部は不確かだし、、、、。ただ、その後、ビデオを購入し、何度か見るうちに、じわじわと虜になり、最愛の映画になりました。どうしてなのだろう???、、、、、、、そう考えてきて今、わかりました。わたしが大切にしたい価値観がここには溢れていると。、、、、、ルメートルのように全てを天職に傾けたいという感情、ラスネールのように斜に構えたい心情、バチストのように昔の感情を爆発させたい気持ち、、、、、飲んだくれてラスネールに気前よく振る舞い、また決闘にまで臨んでしまう軽はずみ加減、、自分の中の嫉妬心を客体視して「これでオテロがわかった」とする前向きさ、、垣根を設けず乞食の演技にも瞠目するバチスト、、、、、、などなどなど。、、、ただ一点、人生とは、カーニバルのようなもので、そこでは、人の大きな流れに囲まれ、自分の位置を定めることができないものなのかどうか、これから考えて行くつもりです。
10点(2004-07-11 07:10:32)
174.  ブレードランナー
レプリカントが私たちとは異質な悪と感じられたら、この映画は吐き気さえ催す駄作に感じられるかもしれません。(確かに、そういう方向の想像力の発揮もありかもと今、ふと思ったりもするのですが)、、、、、、、レプリカントが求めているものは、限定づけられた命をながらえることであり、それは人間の根源的な欲求と重なり合うものです。、、、だから彼らが延命の術を求めて、街をさまよう姿は、行き詰まった恋愛、隘路に逢着した仕事に活路を求めつつ、虚しく歩む私たち自身の姿を想起させるのです。ヴァン・ゲリスの流れる雨降る夜の街は、そうした情感をさらに強くしてくれるものでした。、、、、そうした彼らに対して、既存の社会は、絶対的な障壁を設定し、差別し、その欲求の実現を暴力的に抑圧する。、、、、、、、それに対して彼らは暴力で応える。、、、彼らの中に、自分達と共通する願望を認め、差別される姿に同感を覚えつつも、その暴力に抵抗感を感じながら映像に見入ってゆくことになります。そしてロイの最後。、、、、自分は、極めて短期間であっても、誰とも違う経験をすることができた、その経験を美しく抱きながら、この先の命を断念しようと、ロイは暴力を収め、運命に従いました。、、、、あまりに美しく神々しい。、、、この時、私という存在も、経験、思い出によって定義される存在であるということが、切々と了解されるのです。過去の想い出は、わたしという現象そのものであるのかもしれない、、、、、、。レイチェルが懊悩するのは、自分を定義してくれる、かけがえのない記憶、思い出が、実は偽りのものであるかもしれないからでした。、、、SFの魅力は、今と違う世界を描くことで、私たちの想像力を刺激し、刺激された想像力で、ふと今の世界を見たとき、今の世界が違った形で豊かさを回復してくれる、というところにあると思います。そしてこの作品は、そうしたSFの魅力を見事に実現していると私は考えます。
10点(2004-07-11 06:32:02)(良:4票)
175.  ソフィーの選択
、、少し不確かな記憶で、いい加減なことを書きます、ごめんなさい。、、、、、この映画で20年近く印象に残っているのは、三人で、橋のところでシャンパンを飲んで、グラスを海だか河だかに放擲するシーンです。映画の主題など忘れ、、、、、あれがやりたいっ、京浜島かベイブリッジあたりで、、、、と飲んだくれると、そう思い、仲間を募っていたものです。もちろん、結局、実現することはありませんでした。、、、、、クリスタルのグラスは、キラキラ輝き、しかしこの瞬間にも割れてしまいそうな脆さを内包し、自分が心の中で大切にしているもの、あるいはどうしても捨てることが出来ない業のようなものを、象徴してくれるように思います。、、、、、あの頃、私は、海に投げ捨ててしまいたい、何か貴重なものを心に抱えていたのかもしれません。、、、、そう考えると、もしかしたら、ゾフィーにとっての過去もそのような存在だったのかもしれないと、今、思えてきます。単に忌まわしいのではなく、それが自分とどこか一体化しているというか、、、、、。そうであれば、あの放り投げられたシャンパングラスは映画の結末を暗示していたのでしょう。、、、、単にホロコーストをテーマとした映画ではなかったと、今になって思うのです。
8点(2004-07-09 09:25:22)
176.  戦場のピアニスト
見飽きることのない、よく整った作品だと思います。、、、、、ただ、見終えて、何か素直に感動できないものが残るのです。、、、どうしてだろう。、、、、前半で最も印象的だったのは、集められた広場で父親がビスケットか何かを家族に切り分けるシーンです。それが家族にとって、いわば最後の晩餐であり、戦争と迫害で、何が失われてゆくのかを痛切に感じさせてくれました。、、、、、しかし、その家族について、その先は映像として触れられていません。シュピルマン氏が、家族をどのように思い、どう追悼したのかが描かれないと、どこか綺麗に話しが完結した感じがしないように感じられます、、、、、、。それとどうしてドイツ人将校が、ショパンを弾くユダヤ系ポーランド人を救おうという気になったのか、それもしっくりきませんでした。、、、、、ショパンといえばポーランドナショナリズムの象徴といっても良い存在です。あの緊張した場面で弾きはじめる嬰ハ短調ノクターンは、ポーランドの人達にとっては、国歌にもきこえるのではないでしょうか。、、、、それをどうしてドイツ人将校が許すのか。、、、ドイツ人将校の命乞いのシーンを重ねると、何か、ポーランドナショナリズムの勝利宣言にも受け取れてしまうのです。、、、、、、、、というか、監督や制作者に、ナチスとそれに荷担した人達を、絶対に許さない、という強い意志があり、その攻撃的な強い意志に、どこか同感できない部分が私にあるのかもしれません。
7点(2004-07-08 17:21:27)
177.  ビューティフル・マインド
退屈することなく時間を過ごすことが出来ました。前半の映像が、実は統合失調症の主人公の目を通して描かれていたという仕掛けなど、確かにおおっっっ、と思わせるものでした。とはいえ、見終わってから、ふと思いました、、、、、、で、結局、何を表現し、何を伝えたかった作品だったのだろう、、、、、、、そうした仕掛けで人を驚かせ、成功譚で感動させようという狙いはわかるのですが、結果として、統合失調症という重いテーマについて何も語っていないことになるような気がするのです。、、、、、統合失調症といってもその症状は多様であり、多くの場合、一見したところは、ごく普通の人です。それを思うと、ラッセル・クロウの演技は、やや普通でない部分を強調しすぎ、かえって、統合失調症に対する理解を阻害する危険もあるようにも思います。
6点(2004-07-07 09:42:36)
178.  ダントン
ずいぶん昔に、岩波ホールで見ました。その時思ったのは、どうしてこの映画の題名は、「ロベスピエール」ではなくて、「ダントン」なのだろう、ということでした。ロベスピエールという権力者の苦悩の方が、生き生きと、説得力をもって表現され、「ダントン」は、単純ナイーブ、無責任、文句ばっか野郎にも受け取れたからです。、、、、、、それでも敢えて自由を高唱するダントンを評価しよう、どんなに苦悩していても権力者は権力者なのだ、というのがワイダのメッセージなのだと暫定的な解釈を与えてきたのですが、、、、、、、、、、それからずっと、もう一度見て考えてみたいと、新しいビデオ屋に行くと探すことにしているのですが、、、、、不幸にしてまだ巡り会えず、今日に至っている次第です。
7点(2004-07-07 09:29:16)
179.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
限られた命と力しか持たない我々は、絶対的権力(=指輪)の持つ誘惑に囚われることなく、自分達の限界の範囲内で秩序、良き生活を実現するよう努めねばならない、、、というのが『指輪物語』の重要なテーマだとずっと思ってきました。、、、、、絶対的権力というのは現代的には、核兵器、米国の軍事力行使と置き換えることもでるでしょう、、、、、そういう観点からは、誘惑に殆ど抵抗することなくその虜になってしまう者達、フロドの葛藤、誘惑に抗すことが出来ず滅びるボロミア、指輪に恬淡としていられる人達などの心の動きがコントラスト豊かに見たいのです。、、、、、、、、で、本編では、殆どそうした人々の心の動きは配慮されているようには思えませんでした。、、、、、、CGを駆使した、大迫力、殺戮映画。、、、、、、確かに、城の攻防戦など、見応えがあるのかもしれません。でも、そもそもフロド達は指輪を守るために命をかけているのではなく、指輪を捨てるために戦っているのであり、それを考えるならば、迫力ある戦闘シーンというのはそれほど必要なものではないと思うのです。、、、だから、決してこれはトールキンが描いた『指輪物語』とは、少なくとも私にとっては、違うのです。、、、、、、『指輪物語』を素材とした、別の騎士物語だというのならもっと評価するのですが、『指輪物語』という原題をそのまま用いている限り、低い評価を与えざるをえません。
3点(2004-07-06 12:20:38)(良:1票)
180.  ロックよ、静かに流れよ
もう10年以上前でしょうか、数人の知人と、酒を飲みながら、それぞれが推薦する映画をビデオ屋で借りてきて見ようではないか、という会を行いました。私が用意したのが、この「ロックよ~」でした。見ながら、私は涙をこらえるべく、がぶがぶ酒を飲んでいたのですが、ふと見ると知人達は、、、寝ていました、、、、、、、、、。私の好みでは、70年代の青春映画、といわれたら、「八月の濡れた砂」を、そして80年代の青春映画としては、この「ロックよ~」を推したいです。、、、、、、、岡本君や前田君がいま、上手に年をとったおじさんとして、もっとブラウン管(←ちと古い表現)に登場してくれたら、岡本君達の間で流れた15年と、見ている自分の中で流れた15年が重なり合って、もっと味わい深くなるのになぁ、、、。
7点(2004-07-05 19:27:08)
010.53%
121.06%
284.26%
3157.98%
4168.51%
5189.57%
6105.32%
72010.64%
83317.55%
92915.43%
103619.15%

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