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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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1.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 《ネタバレ》 
いよいよ第三部、最終章。 「王の帰還」という表題なんだけど、僕は心の中で「ミナス・ティリスに導かれし者たち」と呼んでいる。 城塞都市ミナス・ティリスの堂々たる佇まい、その荘厳さ・・。その姿はまるで天空の城ラピュタのよう、、まぁそれはさておき。 通常版ではいつの間にか死んだ (ことになっていた) 、サルマンと蛇の舌グリマ。卑劣な彼らに相応しい最後にスッキリ、ついでにストーリーがキレイにつながってモヤモヤがスッキリ。 アラゴルンたちが死者の軍勢を連れて海賊船を乗っ取る過程、ここもキレイにつながりましたね。 そして、ガンダルフとナズグル王の対峙、これはもう鳥肌モノでしょう・・。白の魔法使いと黒い悪魔の戦い、これは「絵」としても、まちがいなくシリーズ最高峰でした。 さて、SEEを通して鑑賞した総評。 当然ながら、登場人物たちの知られざるエピソードが追加された分、彼ら (彼女たち) の人物像をより知ることができてよかった。通常版では見えなかったエピソードたった一つでも、その人の印象は大きく変わり、そして新たな人と人のつながりによって世界もまた広がった。例外的にフロドとサムのエピソードは通常版からほぼ過不足ないため、あくまで指輪の主たる彼らのエピソードを軸にスリム化して劇場公開されたのだろう、と改めて感じることもできた。 しかしながら、今回、通常版の未公開映像を堪能できて嬉しい反面、これほど重要なエピソードを知らずにLOTRを観ていたのかぁ~ という落胆の気持ちが少しだけあったことも確か。何より、渾身の演技をカットされた役者たちの心境を考えると不憫でならない、、。特にボロミア、ガラドリエル、エオウィン、サルマン、、(泣) 願わくば、1つのバージョンでスパッと! そこは本当にお願いしたいです。 最後ですが、原作者の想像力、この世界観を映像化するにあたり、作品に携わった膨大な労力、、その力には頭が下がる思いです。 そして、役者たちは、登場人物たち一人一人に魂を吹き込んだと思う。 第一部から通して680分、この世界に退屈することなど僅かたりともなかった。 今は、ただただ「指輪物語」の世界にどっぷり浸った幸せでこころがいっぱいだ。
[DVD(字幕)] 9点(2020-07-01 14:48:26)
2.  シムソンズ 《ネタバレ》 
素晴らしい、、数ある青春系スポーツ映画の中でも、これほどの作品にはなかなかお目にかかれません。この映画はなんかこう、、キラキラとまぶしいのです (笑) その象徴がもちろん加藤ローサではありますが、およそ全ての登場人物たちが本当に魅力的でありました。 まず、和子 (加藤ローサ) にとってカーリングの目標であり、恋敵でもある美希 (藤井美菜) 。孤高の天才少女であり、例によって扱いづらい敵対キャラでしたが、彼女がチームメイトになるまでの心境の変化を確りと描写できているため、素人軍団のシムソンズ合流に不自然さがありません。 チームメイトのもう二人にも (もれなく) スポットを当てています。その二人が大ゲンカした後、菜摘 (高橋真唯) が家の外から大声で「ありがとう」と叫ぶあたりから、私はちょっと泣けてきて、その直後の場面、いつかの海辺でみんな結集して仲直りして、やっとこさシムソンズ結成、、ここの展開があまりにも完璧。「(五円玉の) 表? 裏? どっち!?」「・・・表!!」ここでついに涙腺が、うぅ、、(泣) また本作を語る上で、絶対にかかせないのが大泉洋さん。その存在感たるや、主演級、ですね。私はこの映画によって彼の存在自体を初めて知ったので、癖ありまくりの顔と声とキャラにかなり大きなインパクトを受けまして、以降、彼の出演作で本作の衝撃を超えるものはいまだに出会っておりません。(彼自身にとっても、意外と本作の平太がベストアクトな気がしてます) イケメン枠として田中圭、オジサン枠の松重さん、重鎮枠の夏八木勲さん、彼らも全て見事にナイスキャスティングであり、とてもカッコイイ。 あと全編に渡ってジュディマリの歌がよかったのですが、ここはBGMばかりではなくて、彼女たちが (鼻歌交じりに) 歌う、あるいはラジカセ (ラジオ) からながれてくる、、そういった映画的な試みがあってもよかったかもしれません。(実話ベースなだけに時代が合わないかな?) 周知のとおり、実在のカーリングチームをモデルとしていますが、これはこれで間違いなく映画として (彼女たちの) 一つの世界を構築していたので、オリジナルの傑作青春スポーツ映画としても評価したい。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-04 21:12:43)
3.  狼少女
2005年の暮れに、本作は「ALWAYS 三丁目の夕日」の大ヒットに隠れるようにして、テアトル新宿でひっそりと公開しておりました。 どちらも「昭和」という時代設定、という共通点がありますが、その再現度で言うなら、「狼少女」の勝ち。(圧勝) しかも本作は、ああいうVFXやCGに頼らずに、人と洋服と小道具 (ランドセル) 、学校 (教室) や団地といったロケーション、そして「夕焼け」だけで、ここまで昭和感を出すという優れモノ。やたらと、東京タワーを映せばいいってもんじゃない。ちなみに私は昭和50年代に小学生だった者ですが、当時の人や学校や街の風景 (空気) 、夕焼けの色、本当にこんな感じでした。 ストーリーとしては、この年代特有の「仲間はずれ」と、嘘と引っ越しと狼少女、のお話。なんじゃそれ? っていう感じですが、とにかくそんな感じ。冬の景色、そしてテーマ曲もよかった。 私が小学生のころ、気になっていた女の子が引っ越しをしたことがあり、そういう、大切な懐かしい思い出を私の記憶の中から少しだけ映像化してくれました。最後の上履きに書かれたメッセージ、私はいつも涙でにじんでまともに読めないんだ。 本作の深川監督は私と同世代で同郷ということでした。 いつまでも心に残る映画をありがとう。
[映画館(邦画)] 9点(2013-11-10 21:13:07)
4.  マーサの幸せレシピ 《ネタバレ》 
私的、完璧な料理映画の一つ。 ドイツ人のマーサ。美人でシェフとしても一流、でも料理に対するプライドが人一倍高くて、他人と衝突することを恐れません。しかし、こっそりとカウンセリングに通っていて、弱い一面も併せ持つという、とても人間味のあるキャラクターになっている。 イタリア人のマリオ。得意料理も仕事ぶりも、性格も、何から何まで、マーサと対象的。陽気な彼の登場によって、店 (厨房) の空気のみならず、映画自体の雰囲気が劇的に変わった。彼は、得意のパスタで、心を閉ざしていたリナの心も開いた。マーサも、そんな彼に魅了され、次第に心を開いていく。 二人のキスシーンは、いつになくロマンチックだ。そういえば、音楽も上品で美しい。調べてみたら、やはり女性監督だった。本作は、女性ならではの「美的感覚」が随所で感じられる。見て、聴いて、感じて、食欲どころか、「五感」を満たしてくれる、幸せな映画だ。 おいしい「料理」は人を喜ばせ、やがて人と人を結びつけていく。料理は、国籍やパーソナリティを越える愛と友好のキーワードだ。 さぁ、この素敵な映画をぜひみなさんも、Bon Appetit!! と、なぜか最後はフランス語で締めくくることにしよう。
[DVD(字幕)] 9点(2013-08-18 21:06:00)
5.  オーロラの彼方へ 《ネタバレ》 
大好きな映画の一つ。 SF、サスペンス、親子の絆、、なかなか成立し得ない要素が非常にバランスよくブレンドされていると思います。 一つのハイライトである、デニス・クエイドが火災から女の子を救出する場面。ここを分岐点に歴史は変わり、SFファンタジー全開の前半から、一転サスペンス要素の色濃い後半へとジャンルまでもががらりと変わる。うまい展開です。スローモーションの演出、効果的なBGMも手伝って印象的な場面となり、物語の中盤をよく引き締めているように感じます。 全体的に、ベースボールがうまくストーリーに絡んでくるあたりは、アメリカならではだろう。 デニス・クエイドは父親像としてカッコいいし、ラストの爽快感がまた素晴らしい。(歌もいい) 公開当時に鑑賞していますが、期待以上の出来だったので、実に得したような清々しい気分で映画館から出てきたことを今でもよく覚えています。 これだから映画館に足を運ぶのはやめられません。
[映画館(字幕)] 9点(2013-07-25 17:54:37)(良:2票)
6.  ひゃくはち 《ネタバレ》 
まず、出演者たちが確りと野球をこなしており、全く芝居に見えないことが驚愕ですが、本当に秀逸なのは、彼らのノリとか、彼らが醸し出す雰囲気そのもの。実を言いますと、私が高校在学中に、わが校の野球部が甲子園に出場しておりまして、当時のヤツらったら、まさに本作のようなヤツらだった (笑) こういう、わざとらしくない雰囲気を (正確に) 作り出せるのは、監督の手腕によるところが大きいと思います、はい。たまに合コンとかあってもさ、365日も野球漬けだからファッションなんぞ知らん、だから服装はダサいんだ、それでいい。 ところで本作、甲子園を目指す高校野球の強豪校、そのベンチ入りのはざまを彷徨う球児が二人、彼らは親友であり、いつしか最後の一枠を争うライバルへとなる・・。何だか、書いてるだけで胸が熱くなるお話でしたが、なぜか私は、弁護士を志して退部した彼のエピソードに心を (カキーン!と) 打たれました。なぜって、本作は夢見る補欠の物語ですが、「退部者」の描き方にも愛を感じたから。野球から逃げたのではなく、別の夢を追うことにした、、という、彼を敗残者にしないところに優しさを見ました。 ちなみに、「ひゃくはち」って、硬式球の縫い目と人間の煩悩と除夜の鐘、の数。 "甲子園" が持つ狂信的な求心力と、頭を丸めて来る日も来る日も (野球という) 修行に励む高校球児たちの姿。その関係はどこか宗教じみたところがあるので、なかなか奥深い題名なのかと。 最後にどうでもいいことだけど、野球少年が神社にいらっしゃると「耳をすませば」のカントリーロード、聴こえてきそうでした (笑)
[インターネット(邦画)] 8点(2024-02-06 22:31:34)
7.  しあわせのかおり 《ネタバレ》 
日本料理、焼肉、イタリアン、フレンチ、、ありとあらゆる食の映画を観ても、なぜか「中華料理」が最も映画映えすると言うか、うまそうに見えると言うか、、このボリューム感のせいだろうか? 冒頭の海定食、山定食だけでかなりの満腹感、いや満足感でしたなあ。まぁそれはさておき (笑) 本作は出演者たちを厨房に立たせて実際に料理をさせて、その包丁やフライパンの手捌き、一つ一つの「音」と、料理人の汗ばんだ表情を抜かりなく撮っています。出来上がった料理が一層うまそうに見えるのは、料理人の、労を惜しまぬ仕事ぶりを丁寧に、力強く見せているからこそ。そして、画面から「かおり」が漂ってくる (気がする) のは、これがよい料理映画であることの証、なんです。 全体を通して、安直な回想場面ではなく、王さんと貴子、それぞれの部屋に置かれている写真によって、視聴者に想像をさせながら二人の半生を伝えていることもよかった。 王さんが貴子を連れて中国に帰省する場面、これは紹興という街の美しさとともに、忘れ難いエピソードとなっています。ここで垣間見た彼の生い立ちや人望の厚さは、「王慶国」という人物に深みを与えているし、娘と紹介されたことを知り涙する貴子の姿に私ももらい泣きするという、、。 お互いに、父と娘の面影を投影した関係ではありましたが、そこにたどり着くまでには、ほとんど "力仕事" のような中華料理店の厨房を、日本人の、それも女性に託すという、中国出身の王さんとしては、相当な覚悟と葛藤があったはずなんです。 だから、国境、言葉、そして男女格差のような、世に多くの見えない「壁」があるなら、それを乗り越えていく架け橋として「食」(料理) の力がある、、本作にはそういうメッセージが込められているのかもしれません。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-12-12 20:50:41)
8.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
これは好きだなあ。 日本からの「転校生」サチエさん、ダーツの旅のミドリさん、わら人形のマサコさん。そんな彼女たちとともに、疲れた日常からの束の間の現実逃避、ですかね。いい感じにユルくて、ご飯もうまそうで、フィンランドの景色も素晴らしい、ときてる。おまけに、尺が短い上に構えずに観れるので、暇な時などビール片手についつい観てしまう。 しかし、わざわざフィンランドを舞台にするあたり、荻上監督はアキ・カウリスマキが大好きなんだろうなあ。食堂というストーリーからして「浮き雲」のオマージュだし、マルック・ペルトラ (コピルアクの人) は代表作「過去のない男」の主演俳優。ならば本作は、かもめ食堂~サブタイトル「過去のない女たち」、ということにしておきましょうか (笑) そうそう、本作で印象的なのは登場人物たちの無表情でそっけない感じ。ちょっと、何考えてるのか、よくわからない。もちろん、アキ・カウリスマキのタッチをねらったと思うけど、どうやらこれについては、多くのみなさんには単に不気味なだけに映ったようだ。
[DVD(邦画)] 8点(2021-06-07 21:32:36)
9.  村の写真集 《ネタバレ》 
徳島県の山奥にある素朴な村の風景に癒され、藤竜也さんの背中に多くを教わり、その一挙一動に身が引き締まる映画でした。 彼が演じたのはカメラマンではなく、"写真家" の高橋研一であり、そしてどこにでもいるような、息子との接し方に戸惑う一人の不器用な父親でもありました。出がけに自然光の色合いを確かめる表情、カメラの向う側の村人たちに微笑む笑顔、、その素顔は朴訥で優しい人。 まるで村の守り神のような存在である反面、息子への厳しさは、父としての責任であり、優しさでもあり、そして照れ隠しのようにも思えました。 言うまでもなく、本作に一貫しているテーマとしては、後世に伝えていきたいもの。古き良き日本の風景。人としての、礼節。あえて言うなら、愛があることを前提とした鉄拳制裁もそうだ。 なお、昔からの映画ファンにとっては嬉しいサプライズが最後の最後に待っていました。そう、まるで「過去」からやってきたように突然に現れて、おいしいところを全て持っていった原田知世さん。 さすがは、「時をかける少女」といったところか。
[DVD(邦画)] 8点(2021-05-30 22:37:38)
10.  花様年華 《ネタバレ》 
言ってしまえば、ストーリーはありがちなメロドラマのように思う。しかし、この映画の何という美しさ、そこに尽きる。赤ではなく、紅い色彩を基調とした映像に、雨がこんなにもよく似合うとは。 そして主演二人の、どこから撮っても「絵」になること。特に、張曼玉 (マギー・チャン) の真紅のチャイナドレス姿は、お人形さんかい? って本気で思うほど。トニー・レオンは、やはりウォン・カーウァイと相性がいいようだ。 その二人を一層華やかに際立たせた衣装、当時の香港を完璧に再現した街並み、画面の細部まで拘りが行き届いた美術、、本作は衣装や照明といった美術スタッフ、そして撮影の素晴らしい仕事にも拍手を送るべきだろう。 「花様年華」とは、花のようなきれいな時期、人生で最も美しい瞬間と言われる。本作で言うなら、香港における1960年代という「時代」のことだろう。 1960年代、香港、そこに確かに存在した一人の女、、それは記憶の中で永遠に美しい花として咲き誇るのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2021-05-06 20:41:51)
11.  深呼吸の必要 《ネタバレ》 
沖縄の離島に集結したキビ刈り隊の面々。 主人公のひなみ (香里奈) は明るく社交的で協調性があり、優等生の学級委員タイプだ。だから私は彼女には興味が湧かない。 対象的に、他はどう見ても過去に「訳あり」な感じで、波乱の予感に期待は膨らむ。 すると意外にも、大ベテランの田所さん (大森南朋) が、空気読めない発言を連発して彼らを挑発しまくり、隊の雰囲気を乱していきます。 そしていよいよ、キビ刈りです。優等生同士 (ひなみと池永) 、問題児同士 (西村と川野) 、をペアにするという、意図不明な田所さんの選択もあり、思うように仕事は捗りません。 お楽しみのBBQでは西村と一触即発し、そして、ついには嵐の豪雨の中、車で家を飛び出し、大クラッシュ!!という、、。 一言だけ言わせてほしい。田所さん、、もしかして、足、引っ張ってる?? その田所さん (しつこい) 、これからも、長野のりんご、千葉の落花生、北海道のジャガイモに、日本全国一年中飛び回り、大忙しということだ。いや、彼がいるから忙しいのかもしれない (笑) そんな彼に、「もうケガするなよ、定職就けよ、住民税払えよ」と私は最後にエールを送ろう。
[DVD(邦画)] 8点(2020-09-01 21:38:46)
12.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 《ネタバレ》 
「二つの塔」って、サウロンとサルマンの邪悪な権力を象徴する表題なんだけど、僕にとって第二部は騎士の都ローハンにまつわる物語なんだ。 だから、SEEではローハンという国の内情、セオデン王、エオメル、エオウィンの三人がより深く掘り下げられていて、とても満足でした。 個人的にエオウィンを演じたミランダ・オットーが大好きなので、彼女のエピソードが追加されていたことは本当にうれしい。セオデン王の息子の埋葬で、彼女が捧げた歌の悲しくも美しい響き・・。彼女ひいきを抜きにしても、この埋葬は心を打つ名場面の一つだったように思う。彼女がアラゴルンに手料理のシチューをふるまうシーンもよかったな。味はイマイチだったようだが、彼女の家庭的な一面が見れて私はなおさら好きになったよ (笑) 今回、ボロミアの過去がまたしても明らかになりますが、彼が指輪の旅に加わった背景、ファラミアとの絆を確認することができます。そして、あの心を揺さぶる名演説、、。しかし、初めの公開版ではこのエピソードをバッサリ削除するとは (泣) ショーン・ビーンよ、さては撮影中にピーター・ジャクソンとケンカでもしたかぁ? また、アラゴルンが自身の年齢と長寿の家系であることをしれっと告白したり、俺ぁそんなことも知らずに今まで何度もLOTRを観ていたのか~、とか色々と衝撃的であった。 そして歴史が大きく動く裏で、メリーとピピンがここまで奔走していたとは知らなかった。(そのいたずらぶりも強調されていたような気がするが、、) おっと忘れていた。肝心のフロドら指輪の主たちのエピソードは通常版からほぼ過不足ないため、彼ら二人の印象はSEEでもここまであまり変わらず。 ではでは、「王の帰還」も続けて観よう。 あと、250分、めくるめくファンタジーと冒険の最終章へ。
[DVD(字幕)] 8点(2020-07-01 14:43:04)
13.  ロード・オブ・ザ・リング - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 《ネタバレ》 
前々から気になっていたSEE、ようやく鑑賞することができました。主に通常版にはなかったエピソードに感じたことをつらつら。 まず、ホビット庄のエピソードの長さ。フロドたち四人の性格というよりは、「ホビット」という種族の特性や生活ぶりが強調されています。やがてここに生きて帰ってきたい、という郷愁、そして「指輪」さえなければ、いつまでも平和だったことを強く印象づけたようにも思う。 そして、最重要はエルフの都の存在でしょうか。とにかく、通常版ではガラドリエルの登場が少ないため、ようわからんが何だか偉そうなヤツだ、といった程度でしたが、旅の仲間たちを優しく包み込むような、この神秘的な美しさったら、すごいわ。特に彼女とギムリという予想外の絡みはとても微笑ましい。モリア坑道に仲間たちを誘ったことにより、彼がガンダルフの死に感じていた罪悪感、彼女の言葉はそれを優しく癒したように思う。 そしてみなさんと同感で、SEEによってより存在感が増した一人はボロミアです。彼の名誉を守ったんじゃないかな。ゴンドールの執政官であった父の幻影を探して苦悩する姿。意外と優しい一面も持っていて。ただの指輪に目がくらんだヤツではなかった。 全体的に通常版では見えなかった登場人物同士のつながり、例えたった一つの会話でも、それはただの一エピソードにとどまらずそのまま物語全体の奥行きが広がったように思う。 ではでは、続けて「二つの塔」へ。
[DVD(字幕)] 8点(2020-07-01 14:38:41)
14.  レクイエム・フォー・ドリーム 《ネタバレ》 
脳天を強く殴られたような強烈な映画で、その後味はともかく一度観たら死ぬまで絶対に忘れない、という意味での高評価です。確かに、薬物を打った時の創造性溢れる映像表現は面白い。でもそんなことはおまけに思えてくるほど、ストーリーそのものが放つ破壊力が凄まじい。この映画では、薬物依存者たちの物語は二つのチームに分かれます。お互いに薬物をけしかけ合って自滅した三人。孤独なゆえに依存症の蟻地獄に堕ちたサラ。その堕ち方こそ対象的でしたが、実は共通点が一つあります。彼らは、救う者がないまま、とうとう最後まで孤立無援だったということ。そもそもこの映画って、薬物依存者による破滅の物語ではなくて、薬物依存者に寄り添うべき良識ある者が誰もいないという恐怖、を描いています。絶対に堕ちるしかないという・・。だから主要な登場人物以外は人間に感情が宿っていない、というか全体的に空虚で無機質な感じがします。おばさんの集団、冷たい医者たち、ブラウン管の向う側で笑う者たち、レストランの男、、。そしてどことなく近未来的な空気があって、私は「時計じかけのオレンジ」を思い出しました。(もちろんお母さんの髪の色に電気ショックも、、) 全編通して、暗示的な海辺の風景が印象的ですが、それは夢か現実か、あるいは幻覚症状なのか、とても曖昧です。そしてその風景は、不思議と美しくなっていくように見えます。でも実は何一つ変わってはいません。それが美しく輝きを増していくように見えたのは、彼らが破滅して普遍的な正しい人生とは無縁になったから。海辺の美しい風景は、もう決して手が届かない幸せや夢の象徴だからです。
[DVD(字幕)] 8点(2019-09-29 17:51:27)
15.  サヨナラ COLOR 《ネタバレ》 
少年時代の正平にとって未知子は高嶺の花であり、体育館や教室の窓という "ファインダー越し" に眺めるしかなかった。長い時を経てようやく再会したとき、彼女は病院のベッドに横たわりそれは医者と患者の関係でしかなかった。未知子が正平を浜辺に呼び出す場面がある。ここで初めて、二人は対等に向き合う。それは彼の人生においても、この映画においても、わずかこの一度きりだ。青い海、空は晴れて澄み渡り、眩しい太陽の下、目の前に美しい彼女が立っている。この場面の何という美しさ。 (そう、それはまるで天国のような・・) そして二人は砂丘の上に並んで腰を下ろし、たった一瞬だが明るい未来へと揃って目を向けるのだ。不器用に一途にこだわり続けた想いは、残りわずかな彼の人生に、彼女と再びめぐり逢う奇跡で応えた。死という終わり方をもってしても、決して悲しくはなく、それすら霞むほどに彼が最後に抱いたであろう幸福感に泣いた。
[DVD(邦画)] 8点(2018-12-07 23:17:24)
16.  アヒルと鴨のコインロッカー 《ネタバレ》 
伊坂幸太郎氏の原作を先に読みました。氏の作品の中では特にお気に入りの一冊です。映画化にあたり、本ならではの叙述トリックをどう料理するのか?と楽しみ反面、少々不安でしたが、これはうまいです。素晴らしいとしか言いようがない。基本、映画においては時系列で物語が進むべきで、回想シーンの多用はNGと思っています。でも本作の大半は実は回想ではなく、"ドルジ" を "河崎" と思い込まされた、椎名の解釈 (想像) なんですよね。山形人の存在により彼が事実を知った時、ペット店や動物園等々、彼の解釈はだまし絵に姿を変えドルジの回想 (真実) によって上書きされます。「椎名」の存在を最大限に活かした、映像による叙述トリック。監督の手腕に唸らされました。思えば彼はこの切ない物語の唯一の部外者 (巻き込まれ役) です。映画が初見の方は真実を何一つ知らず、いつの間にか彼と一緒に物語に巻き込まれ、そして一緒に騙される。すなわちこれは視聴者参加型の映画なのだと思う。映画が発信する言葉については言うまでもありません。"風に吹かれて" は、音楽という言葉の壁を越えて理解する普遍的な感動。アヒルと鴨は、見た目や肌の色ほど変わらないその本質。そして河崎とドルジと琴美の関係。そのどれもが、愛や友情に国境はない、といった大きなメッセージだと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2017-09-21 12:02:55)(良:2票)
17.  ブロークバック・マウンテン 《ネタバレ》 
私は、ジャックが生来のゲイなら、イニスのは後天的なものだと思いました。イニスの資質を見抜いてその愛を覚醒させたのがジャックならば、イニスが成り行きに身を任せたのは、この雄大な大自然の助力も決して小さくはなかったと思う。遠い昔、アメリカ西部開拓史の時代、大自然の中で愛し合う男二人。その光景は、男同士であること以上に生命と生命の躍動感に溢れていて、どこか神秘的ですらありました。なお、本作をただの同性愛を描いた物語として捉えるとこの映画の本質には気付けません。当時は現在よりも保守的で同性愛に対する世間の偏見が強かったであろう時代。そこに描かれていたのはその偏見を恐れる二人の葛藤であったり、愛のない女性と偽りの結婚生活を送る空虚な心境や罪悪感であったり。彼らを取り巻く女性たちの、そのやり場のない怒りを考えても心が痛みます。二人が生きるには時代が早すぎた、の一言で片づけるには切なすぎる物語。最後、ブロークバック・マウンテンの絵葉書と彼のシャツを見つめるイニスの悲しげな眼差しが忘れられません。
[DVD(字幕)] 8点(2016-01-01 17:04:26)
18.  母なる証明 《ネタバレ》 
鑑賞中にすごく感じたことなのだが、知的障害の息子トジュンが記憶を断片的に思い出す場面、毎回タイミングが良すぎるのだ。何も知らない母をまっすぐに真実へと誘うかのように。そもそも、トジュンは本当に知的障害者なのでしょうか?あくまで個人的な仮説ですが、これはその昔に農薬で母に殺されかけた少年が、知的障害を演じて復讐の機会を窺い、それを達成した話ではないだろうか。実は彼が少女を殺した場面は過失にも故意にも見えます。自分が自ら人殺しになり、あんたの息子にも人殺しの血が流れていますよ、と"母だけ"に復讐するつもりが予想外にも本当に捕まることになり、目撃者もいて事態が予期せぬ方向へ向かった。老人が殺されたり、無実の知的障害児が捕まったのは、母性が惹起した悲しき二次災害です。最後、火事場に忘れてあった鍼道具をトジュンが母に渡す場面がある。僕は全てを知っているよと言わんばかりに。お互い多くを語らぬも母子の以心伝心で、母はこのおぞましい真実を全て悟ったのではないのか。ここで何より恐ろしいのは、長きにわたり知的障害児と信じて布団を供にしていた息子が実はそうではなかったとわかった時の母の衝撃です。これはもう狂うしかない。"Mother"とは母性ではなく、復讐の対象を指していた。そう考えるとこの映画は根本からくつがえり、情念と怨念を以て迫る恐ろしい姿に変貌をするのです。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-17 23:32:33)(良:2票)
19.  誰も知らない(2004) 《ネタバレ》 
モデルとなった事件とは細部が異なっていると言った意見が多くあるが、私は実際の事件との整合の粗は特に気になりませんでした。是枝監督ご自身も、過去に起きた事件の詳細を伝えることは念頭になく、観た人がこれを教訓としてどうするのか、未来に向けた建設的な視点で本作を撮っているように思います。こういった事件の根絶は難しい。だが、それを目指して先ずは何かできること一つ、である。これを観た人が一人でも多くこのような母親にはなるまいと心に誓ってほしいし、親であるなら子供を今まで以上に大切にしてほしい。前を向いて歩きだすラストから監督のその思いは充分に伝わり、救いのない話の中に一筋の光明を見た気がします。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-05 21:06:02)(良:1票)
20.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
よくこんな面白い話を考えつくもんだ。本当に感心します。とにかく脚本が秀逸。話の大筋と役者のキャラ設定だけで既に成功したようなものだが、抜群のセンスで時間軸をいじくり回してさらに面白くしてる。同じ場面をもう一度映せば、実はあんなトコにもこんなトコにも・・。うまいな、と唸らされる展開の連続でした。台詞も楽しい。「お前、携帯電話をナメるなよ」(笑)「30過ぎたらクラス替えも文化祭もないの」(笑)。探偵役の山中聡さん、主演級で映画出演しているのは初めて観たが、この人すごく楽しいね!それにしても、この二人っていいコンビだと思う。続編やったらかなりうけると思うのだが・・。お金をかけなくても優れた脚本があれば面白い映画は作れる。そのお手本のような映画でした。
[DVD(邦画)] 8点(2014-04-21 21:46:37)
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