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プロフィール
コメント数 123
性別 男性
自己紹介 新作をどんどん観に行く、というよりも好きな作品を何度も繰り返し観るタイプです。
よろしくお願いいたします。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
いやあ、素晴らしい。映画を観てこんなに泣いたのはいつ以来だろうか?なんでこんなに泣けるかというとこれが本当の話だからだろう。細かいところまでブライアンとロジャーが監修に携わっているようなので、描かれている事の殆どが事実というかそのまんまと捉えて良いようだ。実際にその場にいた人だけが作れるリアリティというのがあって、そのリアルさはある意味オリバーストーンの「プラトーン」にも近いと思う。名曲誕生の裏話など、ファンとしては答え合わせをしているような楽しさもあり、また自身のアイデンティティとの葛藤を誰よりも持っていたフレディが、だからこそ誰よりも人に愛されることを求め、そしてそのフラストレーションを音楽にぶつける事で人々を魅了していく様がとても良く伝わってくる。音楽というのはその人そのものが出るものだと思うが、やはりフレディという人だったからこそあの名曲達が生まれたのだと改めて納得させられた。ファンには、半分に切ったような独特なマイクスタンドの誕生秘話あたりも見れて楽しい。極めつけはLIve Aidでのステージをほぼ完全に再現したクライマックスで、内情を知った上で見ると1曲ごとの重みがまた凄いし、最後のWe are the Championsでの大合唱なんて、もうどうしたって胸が熱くなる。病気を押してのステージという事では美空ひばりの不死鳥コンサートと共に永遠に歴史に刻まれる名演であろう。しかも、見ている側には決して病魔に冒されているなんてことは感じさせないパワフルなパフォーマンスである。Live Aidも、翌年の Magic tourでのウェンブリーも然り。。  早くも本年度オスカー候補の声もあるラミマレック、そしてブライアンメイ役の方も、とにかく皆本当にそっくりで「あれ?これは本人を見ているのか?」と何度も錯覚するほど。本当に本人がのり移っているかのようであった。(そっくりといえば、映画開始直後ウェンブリーのバックステージ階段で、若き日のU2と思われるメンバーとフレディがすれ違うシーンがあるのだが、その際ボノがちゃんと学ランらしき物を着ていて、そんなところの再現度の高さにびっくり。ボウイも一瞬髪型だけ登場(笑))  というわけで、Queenファンは言うに及ばず、きっとQueenの事を知らない方でも一つの音楽映画、伝記映画として十分に楽しめる作りになっていると思う。(そう信じたい。)きっとQueenのこと知らなかった方も、この映画見た後はQueenを聞きたくなるんじゃないかなあー。もう一回観に行こう。
[映画館(字幕)] 9点(2018-11-11 08:54:12)(良:4票)
2.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
呉市でお店をやっていた私の祖母がまだ健在だった頃、戦中/戦後の生活について聞いたことがあった。祖母は「戦争でお店も全部焼けちゃって、本当に貧しくて何もなかったけど、それでもとにかく毎日楽しかったねぇ。」と答えてくれたのだが、私はこの祖母の言葉を聞いた際、不思議な感覚を持った。自分が勝手に抱いていた戦中/戦後のイメージと「楽しい」という言葉が結びつかなかったのだ。それがこの作品を見て、なんとなくだが祖母の言葉の意味が分かったような気がした。  毎年8月になるとテレビで放送される戦争特番や戦争映画。勿論真実ではあるのだろうが、やはり一つの角度から描かれた「側面」であり、「ダイジェスト」なのだろう。「昔の人は大変だったんだなあ」戦争特番を見るたびにそんな感想を抱き、どこか昔の人は今の自分達とは違うのだという意識を持っていた。しかし考えてみればほんの数十年で人間の業や生活の本質が変わるはずもない。人間の1日とは昔も今も、朝起きて、ご飯を食べ、排泄をし、それぞれが仕事をし、家に帰ってきて夕ご飯を食べ、お風呂に入って翌日の為に寝る。要はこれの繰り返しであり、これの繰り返しこそが人生であろう。この映画が衝撃的であるのは、そういった人間の日々の生活=日常にフォーカスしているところにあり、戦争という「非日常」にフォーカスしてきた今までの戦争ものとは、ほとんど真逆のアプローチであると言える。  2016年5月、オバマ氏の現職大統領として初の広島訪問。あの日行われたスピーチがより心を打つものであったのは、あの8月の日の朝も、いつもと変わらない、そして私たちと何も変わらない、普通の日常があったのだ。そしてそれを一瞬で壊してしまうのが戦争なのだという事に触れたからではなかったか。  映画が終わった際、「すずさんが生きていて、良かった…」「お義姉さんが生きていて良かった…」「周作さんが生きていて…」と思った。 何も無い、普通の1日を過ごせるのがどんなに幸せな事かを実感できる映画である。
[映画館(邦画)] 9点(2017-03-03 13:16:09)(良:2票)
3.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
これは素晴らしい。最近はアメリカ超近代史実の映画化が続いているイーストウッド監督だが、恐らく監督は今、フィクションよりもこういった実際に起こった事実の表裏をより観客に伝えたいという気概が強いのだろう。とかく上映時間が長くなりがちな昨今の映画に於いて、1時間40分程にまとめているのが凄いし、それほどこの映画は言いたい事がはっきりしている。人的要因を排除し、機長らを弾糾しようとするNTSBは丁度同時期(2007〜2008年)にリーマンショックを発生させた米金融界とダブるものがある。金融工学を駆使しサブプライムローンを売りまくった事が発端となったあの事件も、机上の計算だけが先走りした結果引き起こされたものだったと思うが、そういった「頭でっかち」になりがちなアメリカンエリート(頭が良すぎて、一番大切な何かを見落とす)の欠点もついているようだ。さて本作は機長らの仕事を全うしようとする姿も感動的だが、NY waterwayの人々や、普段メジャーリーグの話をしているようなレスキューのお兄さん達が、救助する時に一気にスイッチが入る瞬間など救助に関わった人々の姿も印象的に描かれる。見終わった後に心に優しい灯りがぽっとともるような本作、普段はエンドロールを最後まで観ずに退席される方も、これはエンドロールの最後まで観た方が良いだろう。(最後の最後で泣かされた。)
[映画館(字幕)] 9点(2016-09-25 12:43:09)(良:2票)
4.  パラサイト 半地下の家族
まさに歴史を変えた一作として永遠に語り継がれるだろう作品。アカデミー作品賞受賞後の日本の報道を見ていて思ったのだが、ちょっと余りにもあっさりし過ぎではないだろうか。確かに松たか子氏の日本人としてのアカデミー初歌唱も素晴らしい事だと思うが、どう考えても本作のアジア映画初作品賞受賞の方がよっぽど重大な事件だ。しかし、その事はほんのちょっとしか報道されない。もし日本映画が取ってたら絶対に今の100倍は報道されているはずである。「我が国の名誉ではないし、お隣韓国の名誉になる事柄だから、余り大々的に報道する事はやめておこう」なんて報道規制されてたりして。だとしたら相当ヤバイしダサい事である。私は常々、映画の力はその国の力、つまり映画=国力だと思っているのだが、まさに今の韓国の底力を見せつけるような面白おかしい作品。とにかくチョヨジョンの美しさだけでも見る価値がある。
[映画館(字幕)] 8点(2020-02-16 18:58:16)
5.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 
面白かった。すごく極端な事を言うと、鑑賞中まるで黒澤映画を観ているようだなと思う箇所が何個かあった。構図なのか、なんなのか。もともとスターウォーズとは、黒澤明の映画に憧れたジョージルーカスが「宇宙を舞台にしたクロサワみたいなチャンバラ映画を撮りたい!」と一念発起して作り上げた作品である。その9部作の最終作品が、黒澤映画っぽさを感じさせると言うのは、JJ監督がそれを意識したのか全然してないのかは分からないが、何か原点回帰っぽくて良いのではないかと思った。やはり、活劇映画は、もっと言うとチャンバラ映画は、このくらい大げさで(映像的に)分かりやすくなくては!と、スクリーンに映されるどこをとっても現実感を排除した完璧な世界観を前に思ったのである。脱線するがこの広い世界でこんな映画を今作れるのはアメリカという国だけであり、もはやそれは悔しいとかそういう事とも離れていて只々驚愕するだけである。  ともかく、前にも書いたがここまである種カルト的な人気を持つシリーズは、例えどんな作品を作っても必ずどこかから文句は出るし、つまり全員を納得させる事は無理である。しかし個人的には、シリーズの最終作がこれで良かった!と思えただけで満足なのであった。シリーズ最後までお疲れ様でしたという思いを込めて1点加点させていただく。
[映画館(字幕)] 8点(2020-02-16 14:37:15)
6.  ジョーカー 《ネタバレ》 
面白かった!今明かされる現代人用のジョーカー誕生秘話・・そうかなるほど元々は芸人を目指すほど心の優しい青年だったのだな、そして母子家庭で育つもその母親は心を病み、継父には虐待されていた。それもヒーターに紐でくくりつけられるという酷い虐待だ。だから背中に大きな火傷の跡があるのだな・・・仕事はうまくいかず、仲間に裏切られ、憧れの芸人にも心を踏みにじられ・・・そりゃあ、こんな酷い目に会い続けたらジョーカーになってしかるべきだな・・・と、観続けるうちに途中から違和感を感じ始めた。待てよ・・・ちょっとこれは理にかないすぎではないか?筋が通り過ぎている。。何かおかしいぞ・・・?? ジョーカーって本当に理不尽で、神出鬼没、なんの犯罪歴もなく、指紋の記録もないような真に訳の分からない存在のはず。だから怖いし、人々を引き付けるのだと思っていた。しかしこの映画で描かれる内容は、ある意味あまりに合理的である。まるで、ジョーカーも元はと言えば人の子なんですよ。。と言っているようだ。そこで気づくのである。ダークナイトでは「俺のこの顔の傷、どうやって付いたか知りたいか?」と問いかけた後、いかにもな、それでいて全く異なる話をいくつもしていた。「俺がどうやってジョーカーになったか知りたいか?」そうこの映画で描かれた内容も、奴流のジョークの一つにすぎないのだと。フォアキンフェニックスは、これでオスカーを取ったとしても恐らく誰からも文句が出ないくらいの演技をしている。
[映画館(字幕)] 8点(2019-11-03 23:29:16)(良:1票)
7.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 《ネタバレ》 
監督の優しさが溢れ出た新たな傑作だ。基本的な展開は「ジャンゴ」や「イングロリアスバスターズ」と同じと捉えて良いだろう。歴史の中で悲運の人生を送った方々の想いをタランティーノが遂げる作風である。ただ今作はより個人的なお話なので感情移入もしやすい分、見終わった後は本当に複雑な気分になるだろう。作品全体のリズム感は「ジャッキーブラウン」が一番近いのかもしれない。ストーリーが動き出すのは上映開始後2時間ほど経ってなので、この辺りはヘイトフル・エイトっぽい。となるほど今までの監督フィルモグラフィーの様々な要素を併せたような作品だ。本当に世界観がある映画というのは、いくら上映時間が長かろうがいつまででも観ていられるものだと思うが、本作も途中からもうストーリーなんて展開しないでいいからこの人達の生活をこのままずーっと観ていたいという気持ちになってくるのが不思議だ。それくらい1969年のハリウッドに没頭させてくれる。シャロンにもう一度命を与えたかった、普通の生活をさせてあげたかったという監督の言葉が全てだと思うが、当該監督の作品から優しさをこんなに直接受け取ることができる日が来るとは。ブランディが良く躾されていることや(ブランディは最後に大活躍)、途中途中でブラッドピット演じるクリフがとんでもない身体能力の高さを示すシーン(ベランダに登るところetc..いちいち面白い)など、クライマックスに向けての伏線もバッチリ。賛否両論分かれる作品だと思うが、今までの当該監督作品が好きな方はきっと気にいるだろう。点数は一度鑑賞時点でのものだが、もう一度観たらあと1点くらい上がりそうだ。
[映画館(字幕)] 8点(2019-09-07 10:39:53)
8.  新聞記者 《ネタバレ》 
事実は小説よりも奇なり。先日、民放のとある情報番組が山本太郎(及びれいわ新選組)の特集を組もうとしたら、番組自体が突然打ち切られるという事があった。どこかからテレビ局に相当な圧力がかかったものと思われる。言論統制、情報操作、この映画で描かれている事は決して絵空事ではなく、「今」実際に起きている。「この国の民主主義は、形だけで良いんだよ。」権力側の本音が最後のこのセリフに集約されている気がした。  フィクションとして観るも、ノンフィクションとして観るも、まさに観る側の自由だと思うが、1映画としてとてもよくできていると思う。普通にサスペンスとしても面白いし、変にわざとらしい演出が出てきて冷ますこともなく、終始良い緊張感が続く。思ったよりウエッティな泣きの演出が多い気がしたが、それも家族間の絆など描く上で必要最低限な程度に留まっていたと思うし、俳優陣の演技も自然で素晴らしかった。(個人的に特に印象深かったのが主人公が働く新聞社の上司陣野役を演じた北村有起哉。)  松坂桃李は最近の仕事ぶりを見るにつけ、あえて難しいと言うかリスキーとも取れる役ばかりを演じている気がする。これは完全に意識的にやっているのだろう。俺は単なるイケメン俳優ではないぞと言う気概がその仕事から伝わってくる。  それにしてもこの作品のどの俳優の演技よりも、先日放送された首相と三○じゅん子の政見放送の方が数倍も芝居ががって見えたのはどうしたものか。まさに事実は小説よりも奇なりである。
[映画館(邦画)] 8点(2019-07-10 23:02:28)(良:2票)
9.  グリーンブック 《ネタバレ》 
面白い!作中のドクターシャーリーのキャラそのままのように小粋な作品である。考えてみると不思議な作品でもある。特に派手なアクションがあるわけでもなく、銃が頻繁に出て来て緊張を強いるわけでもない(全く出てこないわけでもないが・・・)もちろん派手なCGもない(おそらく車のシーンとかで地味に使われている程度)それなのに、全く飽きないのは何故なのだろうか。中ダレも一切なしで上映時間2時間10分があっという間であった。おそらく脚本が良いのと、監督の演出や編集がうまくてスムーズなのだろう。米国南部では差別が特に強かったということは話ではよく聞いていたが、こうして映像で観るとこれがほんの数十年前まで普通に行われていたのだということに改めて驚く。(勿論今でも完全に無くなった訳ではないだろうが・・・)それにしてもトニーリップの奥さんが本当に素敵な人で惚れ惚れしてしまう。個人的には「フィールドオブドリームス」におけるレイキンセラの奥さん、アニーと並ぶ素敵な女性像である。主人公の奥さんがカッコ良い人物の映画は名作という個人的な説がまた強まった。蛇足だが、シャーリー約のマハーシャラアリの声や風采がどことなくプリンスに似ていた。特に「トニー」と声かける際の声が。
[映画館(字幕)] 8点(2019-04-18 11:04:56)
10.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
この映画が描いているのは、何かを創造する事の素晴らしさであり、もっと端的に言うのなら、「働く事(≒生きる事)の素晴らしさ」であろう。それは、ほとんど誰もが共感できるテーマであり、だからこそこの映画はこんなにも多くの人に受け入れられているのだろう。形は違えど、サラリーマンであれ、専業主婦であれ、誰もが日々働いており、誰もが日々何かを創造しているのだから。(実際、小さなお子さんを育てられているお母さん達の日常は、この映画の現場のような事の連続だと思う。)物語の終盤、最早人としての好き嫌いをも超越し、それぞれが一つの目標に向かって個々の役目を全うしようと懸命になる姿は、まさに現代人としての生き方そのものを描いていたと思う。  というわけで、ソンビを通じて実は人間を描いているというのは、昔から多くのゾンビ映画がやってきた事であり、そういう意味ではこの作品も立派な「ゾンビ映画」であると言える。ただ違う点があるとすれば、今までのゾンビ映画が割と人間の愚かさや浅はかさなどを描いてきたのに対して、今作はこれ以上ないくらい爽やかな人間賛歌になっている所だろう。
[映画館(邦画)] 8点(2018-10-26 11:04:10)(良:2票)
11.  ミッション:インポッシブル/フォールアウト 《ネタバレ》 
これは相当な力作だな・・と鑑賞後殆ど感心に近い感想を持った。やっぱり画面からトムクルーズの本気度が伝わってくるのが一番のポイントだろう。これを言ったらおしまいかもしれないがそれこそ80年代のジャッキーチェン映画を観ている時の興奮に近いものがあった。まさに体当たりアクションの連続で、正直トムクルーズがこんなに体を張ったアクション俳優になるなんて、トム=「カクテル」や「ハスラー2」のイメージだった自分にはとても想像できない未来であった。ストーリーの方は相変わらず自分には少し複雑すぎて分からない部分も多いのだが、自分の中の映画方程式「よく分からない≠面白くない」が今回も証明される形となった。パリの入り組んだ細道をカーチェイスし、車をスタックさせた後バイクに乗り換えるシーンでは、トムのバイクのエンジンが掛からず、その際一瞬自転車が映ったので、「ついにトムクルーズ自転車に乗るのか!?(=プロジェクトA)」と一瞬相当期待したのだが、やはりそれは無かった(残念!!)鑑賞中「どうだろう、7点かな・・・」なんて思っていたのだが最後のヘリコプターでのチェイスと山小屋でのベンジー救出、そして爆弾解体シーンの見事なモンタージュで1点追加し文句なし8点となりました。いやはや、本当に良いものを観させていただきました。
[映画館(字幕)] 8点(2018-08-17 00:09:34)
12.  孤狼の血 《ネタバレ》 
とても余韻の残る作品だった。こんなに力のある日本映画は久々に観た気がする。所謂 銀残しなのだろうか、プライベートライアンのようなザラついた画像がこの映画の「昭和感」を表現するのにぴったり合っていたと思うし、その画面から溢れ出るような暑苦しさがとにかく素晴らしい。公式HPなどにも記されている「この国には牙のない男が増えすぎた。」という宣伝文句が表すように、これはもう明らかに製作者側が意識してやっていることである。つまり「牙のない男」を「映画」に置き換えて、「最近の日本映画、おかしくないか?」という作り手が感じているフラストレーションをそのまま叩きつけたような迫力があるのだ。それが画面から溢れ出てくるのだから本物の力となって観客に伝わる。要は、痛いものはちゃんと痛く、エロいものはちゃんとエロく、酷いものはちゃんと酷く見せなくてはいけないという、ある意味至極当然の事が、最近の日本映画は全然できてないんじゃないの?という、現代映画界に対する見事なカウンターである。(まあこれは日本映画に限ったことではないのかもしれないが・・)一点、最後の方に、日本人が大好きなお涙頂戴の、殆ど演歌的とも取れる演出があって、そこは流石にやりすぎというか、捻くれた私からするとさーっと一瞬引いてしまうシーンがあるのだが、まあ気になったのはそこくらいで、後はとにかく色んな意味で痛快に観れた。テレビ放映は難しいと思うので、やっているうちに劇場での鑑賞をお勧めする。
[映画館(邦画)] 8点(2018-06-12 22:05:37)(良:2票)
13.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 
いやー、良いもの観させていただきました。というのが観終わった際の素直な感想。「もうフィクションなんかに興味はない、俺は今、本物のアメリカ人を描くことに専念したいんだ!」監督の最近のフィルモグラフィーを見るにつけ、そんな気概が伝わってくるようで、本作ではなんと実話を元にするだけでなくその張本人達に本人役を演じさせるという、ある意味究極の方法を取っている。序盤は主役3人達の幼少期から始まり、彼らの成長過程を描きながら、ところどころで事件のモンタージュを挟むという巧みな構成で、中盤からは気の良い3人と一緒にヨーロッパ観光気分を味わえ(笑)そして事件の顛末へと怒涛の展開をみせる。何よりもこの3人が子供の頃は問題児であった(実際に問題児であったというよりも、周りからはそう見られていてた)というフリが十分に効いているので、最後にHeroesとして称えられるところのカタルシスは中々抗しがたいものになっている。  ちなみに一緒に観に行った友人は「監督お得意の『最後に実写でご本人登場!』みたいなのが今回は無かったね」と言っていた。そう、彼は演じていたのが本人達であるということを知らなかったのだ。「あれ、最初から本物がやっててね・・・」と真相を伝えると、一言「嘘だー!だって全然棒読みとかじゃ無かったじゃん(笑)」と驚いていた。確かに。。皆さん演技が上手すぎる!一般の方でもあんなに自然に演技ってできるものなのだろうか?やはりこれも監督のディレクションの賜物だろう。  兎にも角にも、気持ちの良い青年達の熱い活躍に胸を躍らせられ観終わった後は清々しい気分になれた。
[映画館(字幕)] 8点(2018-03-08 23:14:19)
14.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ
面白かった。2時間半の長尺だがまさに盛りだくさんの内容で、退屈に感じる時間もあるにはあったのだが、それは劇中せいぜい5〜10分(もしくは20分)ぐらいだったように思う。当該監督のことはあまりよく知らないのだが、フィルモグラフィーを見るとどうやら脚本も自ら書くタイプの方のようだ。その辺り今回抜擢された理由なのだろうか?ここまで超メジャーで、ある種カルト的な人気もあるシリーズの最新作において、自ら脚本を書き、監督をして一つの作品を作り上げたという事がまず凄い事だと感心した。本作自分にも突っ込みたいところは様々ある。しかしちゃんとスターウォーズにはなっていると思うし、恐らくどんな作品を作っても必ずどこかから文句は言われる事は分かっていて、脚本も単に自分が好きなように書けるわけではなく、色々なしがらみをクリアしながら書かなければいけなかったのだろう。もし自分がそんな立場だったら…と考えるだけで震え上がってしまう。ヴィジュアル面も素晴らしい、特にロゴが表していたように今作は赤い色の存在感が鮮やかで美しかった。そして特にマークハミルの演技はとても貫禄があって素晴らしかった。最後に、改めてキャリーフィッシャーのご冥福をお祈りします。  26th Dec 2017 再観。Dolby ATOMSという、通常より100円だけ高い劇場にて。 改めて思ったのは、今回ちゃんとギャグで素直に笑わせようとしてくれているところがあったのが嬉しかった。映画開始2~3分ぐらいで行われるポーとハックス将軍とのやり取りが一番素直な笑わせ場所だとは思うが、、。あとは上から真っ黒いカッコよい物体が降りてきて一瞬「新しい宇宙船か?」と思わせておいて、カメラが引くと実はファーストオーダーの制服用のアイロンだった。。とか色々と細かい事をやっている。ローグワンの真面目路線は少しSWとしてはシリアス過ぎると思っていた自分にとってはこういう一息つける箇所は嬉しかった。そして、やっぱりファルコンは一番苦しい時に助けに来てくれるんだなあ、これぞSWだなあと感激。ローズのルックスは2回目で慣れた。
[映画館(字幕)] 8点(2017-12-24 10:31:25)(良:1票)
15.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 
面白かった!当該監督作品は初めて観たが、うまい監督さんですね。2時間40分程の上映時間も殆ど気にならずに楽しめた。世界観もきちんとブレードランナーを継承できていたと思うし、この世界観を漏らさずに描ききるには製作者の皆さん相当腐心されたのだろうなあと感心した。美術面は本当に素晴らしい。演出面では例えばラブがマダムを殺すシーンではナイフで刺す瞬間カメラが建物の外に出て無音になる所など、なかなかセンスを感じた。(こういう映画的な演出は最近見ることが少なくなった気がする。)惜しむらくは音楽がヴァンゲリスでないことで、恐らくそれは、制作サイドが一番悔しいとは思うが、やはり自分の中でブレードランナーをそうたらしめていたのはあの音楽に拠るところが多いため、「ここでヴァンゲリスの音楽が入って来れば最高だったな・・」と思うシーンが多かった。オリジナルの方も初見時は正直「?」という感想だったので、本作もこれから何度も見ることで更に面白さが増していきそうな予感がする。余談だが本作でjoi役のアナ・デ・アルマスに心奪われた男性諸君はそのまま「ノック・ノック」を見ることを強くお勧めする。(女性不信になると思いますが。)
[映画館(字幕)] 8点(2017-12-02 14:46:22)(良:1票)
16.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 
周りがどれだけ過酷な状況であったとしても、個人の経験はあくまで自分自身が選ぶのだ、そして自分が望むように生きるには、強い信念が必要だ。という、まさに宗教めいたメッセージが込められていたように思うし、そのメッセージは根底で「暴力脱獄(Cool Hand Luke)」に通じるものがあると思った。衛生兵として武器も持たずにひたすらに傷ついた兵士(敵、味方関係なく)を助ける姿はとても尊いものに見えた。それにしてもハクソー・リッジを登った後に始まる戦闘の凄まじさは特筆に値する。オスカー受賞も納得の音響がとにかく物凄く、迫力ある映像と相まって、迫力がありすぎて劇中涙が出てしまった。(そこに至るまでの演出が割と抑えられているので、ギャップがすごい。)迫力がありすぎて涙が出るというのは個人的に初めての経験であった。どんどんとやられる日本人兵を見るにつけ日本人である我々の気持ちは複雑になるだろうが、どちらもまさに必死で、やらなければやられる世界であるということがその血みどろの画面から伝わってくるし、徹底的にやりきった戦闘演出は逆に戦争を憎んで人を憎まずという姿勢を感じさせた。(視点を返せば、我々の祖先は日本を守るためにこんなに壮絶に戦ったのだと見ることもできる。)一方、最後の最後に1、2カット、明らかにCG(合成?)とみられるシーンがあり、そこで冷めてしまったのが残念だ。とはいえ、上映時間も全く気にならないほどの緊張感が貫かれた作品。とにかくその音響を体験するためにも劇場で見た方が良いと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2017-07-04 22:34:56)
17.  美女と野獣(2017) 《ネタバレ》 
当たり前なのだろうがとても心温まる物語で感動した。やはりミュージカルはこのように大団円で終わるものの方が個人的に向いているようだ。最後エンドロールでキャストの方々を紹介するシーンでは、役者の皆さんそれぞれ良い表情をしていて感動が高まった。それにしてもBeauty and the beastは名曲だ。あの曲が流れるだけで気分が高まるのだからどうしようもない。特にBoth a little scared, Neither one prepared という歌詞が素晴らしい。エンドロールでオリジナルを歌っていたセリーヌ・ディオンの歌声が聴けたのも嬉しいサプライズだった。
[映画館(字幕)] 8点(2017-04-27 17:02:39)
18.  レヴェナント 蘇えりし者 《ネタバレ》 
冒頭10分間のバトルシーンは、プライベート・ライアンのノルマンディー上陸作戦を始めて観たときの衝撃を思い出させた。その後も緊張感のあるシーンの連続で、一気に見せる。やはりロケーションの素晴らしさが特筆に値する。大自然の力。何とも雄大で、美しい。そしてその自然が織り成す音の力。とにかく作中様々な音が鳴っていて、個人的に自宅のリアスピーカー群がここまで活躍する作品は久々だった。抑えた中にも凛とした美しさのある坂本龍一らしいスコアも印象的だ。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-09-15 11:43:23)
19.  ザ・ウォーク 《ネタバレ》 
何か観る前に勝手に抱いていたイメージと全然違った。史実とファンタジーを混合させたような内容はフォレスト・ガンプに近いと感じた。人生はチョコレートの箱のような...では無いが、映画も本当に見るまで分からないものである。あまりCGバリバリの映画は趣味ではないが、こういったCGの使い方は好きだ。冒頭主人公がワールドトレードセンターの載った記事を破る際、咳をしてごまかすシーンは思わず「チャイナタウン!」と叫んでしまった。しかしロバート・ゼメキスの映画は夢があっていい。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-09-13 09:12:52)
20.  ヘイトフル・エイト 《ネタバレ》 
面白かった。やはりこの人の作品は独特な時間の流れ方をする。最近見た映画の中では一番上映時間が長い作品だったが、長さを感じさせない。  上映開始後2時間くらい大した動きが無く、ほぼ会話のみで進んで行く。普通なら冗長になりそうだが、流石にこの辺りは監督お得意の手腕だろう。ひたすら伏線を張って行く会話の中、緊張感は保たれたままだ。  ドラマが大きく動き始めるのは映画が始まって2時間くらい経ってから。そこからは突発的なバイオレンスや時系列の倒錯など正にタランティーノ節全開となり、加速度的に面白くなって行った。前半で張った伏線も気持ちよく回収されて行く。  思えば、hateful eight というタイトルからして上手なミスディレクションになっている。 また、イングロリアス バスターズで出てきたあの台詞が飛び出したり、ゾーイ・ベルがニュージーランド出身...なんて会話するのもファンにとっては嬉しい所。  会話メイン、密室群像劇、という事で、やはり初期のレザボアドッグスを想起させる所もあるが、それだけでなく過去のタランティーノ作品の様々な要素を併せ持った集大成のような作品ではないか。  オスカーを受賞したエンニオ・モリコーネのスコアも素晴らしい。
[映画館(字幕)] 8点(2016-03-10 22:32:43)(良:1票)
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