421. フィッシャー・キング
《ネタバレ》 鬼才テリー・ギリアム監督が撮ったまさかの普通の映画。おかげで初めて万人受けするような作品に仕上がってしまいました。それでも随所にギリアムらしいシュール世界が散見されるのだけど(狂気に取り憑かれたロビン・ウィリアムスの妄想世界とかね)、最後は意外にもほのぼのさせてくれる。こんな映画も撮れるのだとギリアムの多才さに改めて感心させられた作品。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-21 19:45:34)(良:1票) |
422. セブン
《ネタバレ》 全編にわたって横溢するダークで陰鬱な映像美は確かにそれだけで素晴らしい。そこに、個人的に大好きなナイン・インチ・ネールズの破壊的でノイジーな楽曲が乗っかってもう堪りません。まぁ、中身はショッキングなだけで薄っぺらいですけど。思えば、デビット・フィンチャー監督ってこの作品と『ファイト・クラブ』で自分のなかでは終わりました。この強烈な後味の悪さもグット!(自分、Mなもので) [DVD(字幕)] 7点(2013-04-21 18:19:54) |
423. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 あんまり相性のよくないデビット・フィンチャー監督だけど、この映画はけっこう好き。確かにストーリーは陳腐と言ってしまえばそうだけど、やっぱりブラット・ピットとエドワード・ノートンという二人の華があって実力もある俳優の、鍛えられた肉体同士がぶつかり合う姿は見ていて爽快!特に、エドワード・ノートンて狂気に取り憑かれた男を演じさせたら右にでる者は居ないですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-21 17:51:25) |
424. モ’・ベター・ブルース
《ネタバレ》 デンゼル・ワシントン、ウェズリー・スナイプス、そしてサミュエル・L・ジャクソンといった今ではちょっと考えられないような黒人俳優たちの競演、監督は黒人のアイデンティティを主要なテーマとするスパイク・リー、そんなキャストで撮られた作品のテーマはジャズ。この日本人にはおおよそとっつきにくい題材の映画なんだけど、それぞれのドラマがしっかりしているから最後まで飽きさせずに観ることが出来ます。とくに全編を覆う都会的な夜の雰囲気が良い味出してますね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-20 17:56:11) |
425. 25時(2002)
《ネタバレ》 社会のはみ出し者である麻薬の売人、そんな底辺を這いずり回るような境遇の主人公が、とうとう刑務所に入ることが決まって、そんな彼のシャバでの最後の一日を描いた小品。何をやっても上手くいかない、どうしようもない駄目男のトホホな人生が、そんな一日によく投影されていて良かったと思います。エドワード・ノートンはやっぱり芸達者ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-20 17:28:41) |
426. エリン・ブロコビッチ
《ネタバレ》 世間の退屈な大人たちに「まぁ、なんて下品なんでしょう」と蔑まれながら、それでもそんな退屈な社会に果敢に挑戦するジュリア・ロバーツがまさにはまり役!「生まれてきたんだから楽しんで生きなきゃ損」と言わんばかりの彼女のエネルギッシュな生き方に、観ているこっちまで元気付けさせてくれる。痛快なエンタメ作品でありながら、ちょっぴり社会派なところもある佳品。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-20 16:46:26) |
427. シンドラーのリスト
《ネタバレ》 やっぱりスピルバーグって良くも悪くも映像作家だってことがよく分かる作品。3時間以上もある長大な作品を全編モノクロ(一部例外があるけど、そこも印象的!)で最後まで見せきる手腕はもう神がかり的。観客を、実際にそこに居るかのような気持ちにさせるこの臨場感は凄いです。でも、人間の暗部ってこんなもんでしょうか?この時計を売れば、この宝石を売れば、もっと多くのユダヤ人を救うことが出来たのに。そしてそうやって救われたユダヤ人が今度はイスラエルでパレスチナ人を殺し始める……。そんな人間に対する深い洞察力みたいなものが、やっぱりスピルバーグには欠けているように思います。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-12 13:14:44) |
428. リアル・スティール
《ネタバレ》 もう、ベッタベタ。冒頭10分で最後の映像まで予想できるような、そんな恥ずかしくなるような王道ストーリー。でも、そんなベタベタな映画って普通は古臭くって最後まで観ていられないんだけど、この作品はロボットボクシングという新しい題材を扱ったせいか最後まで飽きずに面白く観れた。それに、映像の隅々までこだわりを持って作られているところも、そんな古さを感じさせない一助になっているように思う。格闘ゲームで育った世代のお父さんが息子と一緒に観たら最高に盛り上がれるんじゃないかな。そんな王将のラーメンみたいな映画デス。ちゃんとお父さん向けに、出てくるお姉さんはみな巨乳でセクシーだよ(笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2013-04-04 11:45:51) |
429. ウォーリー
《ネタバレ》 こういう人類が滅びた世界でたった一人孤独に生きる主人公という設定は、個人的に手塚治虫の火の鳥を読んで以来大好き(どんな偏った趣味だ?!笑)だったので期待して観た。確かに、前半のウォーリーがゴキブリだけをたった一人の共に、独りぼっちでひたすらゴミを片付け続ける姿が切なくてキュンキュンしていたのだけど、宇宙船に乗り込んで人類が出てきた辺りから興醒め。自堕落ゆえに太ってしまった人間の描写がなんだかグロテスクだし、何よりウォーリーの孤独感が薄れてしまった。それでもイブとのラブストーリーは可愛かったので7点! [DVD(字幕)] 7点(2013-04-03 13:05:19) |
430. フェイス/オフ
《ネタバレ》 いかにもジョン・ウーらしい、どうしようもなく馬鹿馬鹿しい映画なんだけど、ちょっとこの作品だけは奇跡が起こったのか、むちゃくちゃ面白い。ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタという2大癖のある顔を持つ濃ゆい俳優がぶつかり合って発する熱気のようなものに痺れてしまった。特に、冒頭のグラサン姿のニコラスがマント翻しながら空港に現れるところは、笑っちゃうくらいにカッコいい!!思えば、このころのニコラスが一番輝いていたかなー。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-30 10:45:22) |
431. ウルフマン(2010)
《ネタバレ》 最新のCG技術を駆使して、超古典的な映画をリメイク。おどろおどろしい中世の雰囲気はなかなか味わい深かった。何よりデル・トロとホプキンスの濃ゆい演技合戦は見もの。そしてこんなCGなどなかった時代から狼男という題材を苦労して映像化してきた先人の映画人への深いリスペクトも感じられてナイス。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-29 14:19:34) |
432. フラットライナーズ(1990)
《ネタバレ》 この後、山のように作られる青春ホラー映画の走りのような作品。でもこの映画はその後の凡百の似たような映画とは一線を画する作品でありました。まず、何よりも目の付け所がいい。臨死体験を通して死後の世界に触れてしまい、それに病み付きになってしまう若い男女たち……。この先、どうなってしまうのだろうってワクワクしながら観ていたら、途中からちょっぴり深いテーマを帯びてきて、それでも鑑賞後はすっきり。シューマカー監督初期の佳品。ケビン・ベーコンはこのころから癖のある俳優さんだったんですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-29 14:09:55) |
433. フォーン・ブース
《ネタバレ》 ワン・アイデアで撮られた小気味の良いサスペンス・アクション。この監督の持ち味が意外にこのコンパクトな映画に見事に発揮されていて、キレのあるエンタメ映画の佳品に仕上がっていて、単純に面白い。コリン・ファレルも肩肘張らず自然体で演技していたのだろうけど、後半の懺悔シーンで思いのほか印象的な姿を見せた。この携帯電話が全盛の世の中で敢えて電話ボックスに目を付けた製作者のセンスに拍手。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-29 13:31:40) |
434. 17歳のカルテ
《ネタバレ》 ちょっとでも触れたらすぐに壊れてしまいそうな、そんな十代の少女たちの病んだ世界を独特の映像美のなかに描いた作品。このぞくぞくするような淫靡で美しい世界観に、颯爽と登場するアンジェリーナ・ジョリーの姿がとても印象的。秀作です。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-27 13:32:42) |
435. ウォーク・ザ・ライン/君につづく道
《ネタバレ》 男ってみんな馬鹿なんだよね。自分勝手で無茶なことして自業自得なんだけどどう仕様もない状況に陥って、それでもそんな男たちはみんなお母さんである女性から生まれてくる。そんな単純だけど普遍的な男と女の関係を、実在の歌手の人生を軸に、ホアキン・フェニックスとリーズ・ウェザースプーンが好演してます。なかなかの秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-27 13:10:24) |
436. ナイト&デイ
《ネタバレ》 それまで、けっこう社会派なエンタメ映画を撮ってきた監督が、これまで培ってきたキャリアを活かして、何も考えずにただ楽しめる映画を撮ってみようと作られたような本当に楽しい映画。大作映画を撮ろうとして、結局、まあまあの映画になってしまった映画が大半を占めるなか、まあまあの映画を撮ろうとしてちゃんとまあまあの映画に仕上がっているある種貴重な作品。良いですね、この軽さ。『ミッションインポッシブル』とは違った意味で楽しませていただきました。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-27 12:55:12) |
437. アバター(2009)
《ネタバレ》 ジェームズ・キャメロンって、とことん男社会が嫌いなんだろうね。この作品も、「石油利権のためやったらイラクの子供たちが何人死のうがかまうものかー!」な、大佐を初めとする男どもの欲望をを徹底的に叩き潰す、異界の住人たちの窮鼠猫を噛むような破壊力といったら観ていてホント爽快。そして、アバターとなって彼らに手を貸す主人公の姿もオーソドックスながら、やっぱり格好良い。でも……、最後がいただけない。僕はずっとあの大佐をアバターな自分じゃなくて、足の悪い無力な自分が倒すんだろうと(そしてコンプレックスを克服し〝現実の人間〟としても強くなれるのだろうと)ずっと信じてたのに。これじゃネトゲ廃人の映画って言われても仕方ないじゃん。とはいえ、徹底的に拘りぬいた映像美はやはり映画の歴史をまた一つ塗り替えただろう革新的なもの。それだけでも素晴らしい。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-25 13:28:52) |
438. マシンガン・プリーチャー
《ネタバレ》 あの『チョコレート』という超社会派映画を撮った監督の新作が、ジェラルド・バトラーを主演に迎えなんだか馬鹿っぽいアクション映画(パッケージとかも見る限り)みたいだけど何故?という疑問を感じながら鑑賞したのだけど、これが良い意味で期待を裏切ってくれた良作。キリスト教に限らず、宗教的信念から始まる人道的行動の限界と危うさと胡散臭さをちゃんと客観的に見せてくれました。いつまでも続く戦場で、200人、300人の子供たちを救ったからといって結局、本質的にはなにも変わらないし、そのせいで犠牲にされる彼の周りの家族や友人たちはどうなるの? そして彼の行動はあと一線を越えれば残虐な敵となんら変わらない。それでもこんな男が居ました、あなたはどう思いますか。そう観客に問い掛けてくるような深い作品だった。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-13 12:02:33) |
439. ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
《ネタバレ》 面白かった。本当にエンタメ映画の王道をいく徹底的にこだわりぬいた脚本に、ひたすらお金をかけた迫力の映像。とくにドバイの高層ビルのシーンは、高所恐怖症の自分としては、「もう、やめて~」というくらいハラハラドキドキ。やっぱりエンタメ映画はこうでなくちゃ。そしてこんな映画があるからこそ、それこそマイナーな良質のアート系映画もちゃんと創られる余地もでてくる。ハリウッド映画の腹の広さを再確認できる、最高に面白いアクション映画だった。余談だけど、トム・クルーズのひたすら走ってるだけの姿って何故か絵になるなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-12 21:15:49)(良:1票) |
440. スペル
《ネタバレ》 久々に戻ってきましたね、あのB級テイストのサム・ライミが。「スパイダーマン」で一気にメジャーになってしまったけれど、彼の持ち味はやっぱりこれ、この「どうしようもなくお下品でお下劣で馬鹿馬鹿しくてそれでも最高に笑えて面白い」でしょう。始まりのあり得ないほどの婆さんの気持ち悪さから一気にテンションが上がっていく展開は爆笑しました。個人的に、自分の命を救ってくれる霊媒師に払うお金が足りなくて断られた次のシーンで、主人公の女の子がどでかいアイスクリームを馬鹿食いしてるところがツボでした。おまえは初恋の人にふられたティーンエイジャーか(笑)。 [DVD(字幕)] 7点(2012-09-23 16:39:15)(笑:1票) |