281. ぐるりのこと。
《ネタバレ》 鬱病に掛かっている人が知り合いであった事があるので、個人的には非常に刺激的な一本でした。リリー・フランキーの嫁を演じる木村多恵の演技が素晴らしかったです。子どもが流れてしまってからの情緒不安定な演技には「この人ホントに鬱病に掛かってるんじゃないか?」と思ってしまうほどでした。ふとした時にみせる目の泳ぎとかが凄くリアル。それがあるから序盤で不器用ながらも仲睦まじい夫婦を見た後に訪れる不幸の様子は観ていて非常に心が痛みました。まあだからこそ終盤の幸せが素晴らしいものと感じる訳ですが。 無口な画家を演じるリリー・フランキーも好演していたと思います。彼の持つ何処かフワフワした空気が役にピッタリでした。 この物語は正直言って誰にでも訪れる不幸を描いているので、私たち観客に直に苦しみが伝わってくる。しかしその不幸の時に自分の愛する相手とどう向き合うのか、その相手もどうやってその不幸を乗り越えるのか教えてくれる。すごく優しさに満ちた映画だと思います。そういう悩みを抱えている人にこそ是非観てほしいです。 序盤や終盤に時々入る不必要(と言うと怒られそうですが……)なカットが無ければもっと評価が上がったかも。でも時々入る不必要な会話はとても面白かった。 [映画館(邦画)] 9点(2008-10-03 01:14:31) |
282. 千と千尋の神隠し
アニメーションとしては凄く映像は綺麗だし、話もしっかりしている、あとテーマもまあ良く観てると自然に伝わってくる。でもこの映画はどうも好きになれません。宮崎監督がある映画雑誌で「この映画は現代の援助交際などの性風俗を扱っている」といった事をインタビューで答えていたのを読んだのですが、そこまで性風俗について若い女性に警鐘を鳴らしたいならもっと直接的に訴えても良かったのでは?この映画で湯屋が舞台というだけで、それを読み取れる女性は非常に少ないでしょうし。ジブリが子ども向けアニメを作り続ける必要なんて別にないのですし(実際、前作のもののけ姫は子ども向けとは言えない)やるなら徹底的にやって欲しかったです。 [DVD(邦画)] 6点(2008-10-02 10:13:04) |
283. キル・ビル Vol.1(日本版)
《ネタバレ》 タランティーノが趣味で映画一本作ってしまった感じがしました。女が復讐の為にブルース・リーの格好で刀を振り回すってどんな映画だ 笑。最後の雪が降る中での殺陣はカッコよかったです。 しかしまた日本のヤクザが外国人に勘違いされる映画が出来てしまったなあ。それとも外国人もネタとして分かって観てくれているのかしら。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-02 09:56:36) |
284. おくりびと
納棺師という余り馴染みの無い職業についてのお話だったので、純粋に為になりました。そういう職業の人達が、劇中の様に差別されているか如何かは知りませんが、そうだとすると悲しいですね。私は本当に尊敬に値する仕事だと思いましたが。 ただこういう題材の映画にしては、笑いのシーンも多く含まれていて、観る側が暗い気分に陥ってしまうのを防いでいた様に感じました。観る側への配慮がありがたい。 [映画館(邦画)] 7点(2008-09-27 00:04:06) |
285. デトロイト・メタル・シティ
最近の漫画の映画化作品にしては結構出来た方だと思います。兎に角、松山ケンイチと松雪泰子のキャラのなり切りっ振りが凄い。不満点を挙げるとすれば、映倫に年齢制限掛けられてもいいからもっと下ネタ満載にして欲しかったのと、最後のキレイなまとめ方はやめて欲しかったくらいですかね。まあこれは映画としては仕方の無い点なんでしょうけど。 [映画館(邦画)] 6点(2008-09-21 09:35:11) |
286. 20世紀少年
《ネタバレ》 想像していたよりはずっと楽しめましたが、「続編も見てね」と云わんばかりの最後の纏め方はいかがなものでしょうか。あと犯人を推理する話だと考えていましたが、謎解きに関する材料が殆ど無かったので、ガッカリしました。 トモダチはあんな被り物してても声が出てるのは或る意味凄い。空も飛べる。 [映画館(邦画)] 6点(2008-09-04 23:56:42) |
287. 花より男子F(ファイナル)
《ネタバレ》 映画の冒頭にエグザイルがヘリに飛び降りるシーンが、バック・トゥ・ザ・ヒューチャー2の終盤のシーンにそっくりで笑ってしまった。(しかもエグザイルがそんな奇抜な真似をする必要は微塵も無い) 原作及びドラマ版のファンとしてはアリなんでしょうけど、映画にする必要は殆ど無し。しかも無理に映画としてのスケールを大きくしようと無理やり世界中を飛び回る展開にしたのが何とも姑息な感じがしました。 [映画館(邦画)] 4点(2008-09-04 23:53:11) |
288. ジャッカル
オリジナル元は知らないで観ましたが結構楽しめました。 殺し屋のブルース・ウィリスもまあまあいけるかと。問題はリチャード・ギアの主人公の方で、彼に最初から最後まで何の魅力も感じませんでした。むしろ題名からしてジャッカルの方が主人公。 最後の粋な演出は好きです。 [地上波(吹替)] 6点(2008-08-31 13:55:48) |
289. 魔女の宅急便(1989)
魔女と共存している世界観と、細部まで書き込まれた町並みの風景が魅力的でした。欧州に行きたくなる映画でした。 キキは健気に仕事を頑張る姿が可愛いですね。 [地上波(邦画)] 7点(2008-08-30 18:53:19) |
290. 紅の豚
挿入歌と主人公のブタがカッコよすぎ。一般人受けは難しいだろうけど、それに挑んだ宮崎監督は凄いと改めて思いました。 [地上波(吹替)] 9点(2008-08-30 18:51:14) |
291. となりのトトロ
ここまでボーッと観ているだけでノスタルジックに浸れる映画も珍しい。近所のおばあちゃんと一緒にいるのが何故か怖かった経験があったりして笑えました。 [地上波(邦画)] 8点(2008-08-30 18:46:27) |
292. 恋人はスナイパー 《劇場版》
《ネタバレ》 愛すべきバカ映画。敵が現れるとライフルを持っていても、拳銃を持っていても、何が何でも肉弾戦にシフトするのは笑えました。 でもやっぱり日本でアクションをするとダメになりますねー。それよりも酷いのが意味不明な脚本。5分に1回は突っ込み所が見つかる映画というのも珍しい。 [地上波(邦画)] 4点(2008-08-24 20:39:26) |
293. イノセンス
《ネタバレ》 あの長ったらしい台詞回しは前作を見ていれば我慢できる範囲でした。我慢出来なかったのは、あのキャラクターと背景のタッチが余りにも違う事。小道具にCG処理を少しする位ならいいんですが、あれだけ背景をCG処理しちゃったので完璧にキャラが背景から浮いていました。素人の意見ですが、あれは受け付けられません! 話の内容は結構良かったです。テーマも前作のそれを引き継いでいていい感じ。 [映画館(邦画)] 5点(2008-08-21 21:50:25) |
294. GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
非常に哲学的な要素が多いです。なのでハッキリと好き嫌いが分かれる作品でしょうね。しかも舞台は電脳化が進んだ近未来なので、世界観が受け付けられない人には絶対無理かと。 人間はどこまで機械化しても人間足り得るのか、脳が電脳となってもそこに魂というモノは存在するのか、そんな電脳世界で死ぬと云う事は本当の死であるのか、哲学好きにはたまりません。 [地上波(邦画)] 8点(2008-08-21 21:44:00) |
295. スカイ・クロラ The Sky Crawlers
《ネタバレ》 兎に角、声を担当している役者達を如何にかして欲しいと思いました。意図的にやっているとはどうしても思えないほど、感情の起伏の表現が下手です。菊地凛子と加勢亮の二人がその中でも郡を抜いて酷い。役者を起用する方も、演じる方ももう少し考えて映画を作って欲しいと切に思いました。 昔ながらの戦闘機を用いた空中戦の迫力は一見の価値ありです。逆に言えばそれ以外は別に面白いと感じませんでした。 [映画館(邦画)] 4点(2008-08-20 01:28:30)(良:2票) |
296. ウォーターボーイズ
《ネタバレ》 オトコのシンクロっていう発想は斬新で、目の付け所がいいなと素直に思いました(まあモデルの高校があるらしいですが)。 部員との友情や女の子とのロマンスなどが本編の大部分を占めるので、シンクロの場面自体は最後の発表でのみなのが惜しかったと思いました。もう少しシンクロの部分で見せてもよかったのでは? [地上波(邦画)] 7点(2008-08-18 01:19:00) |
297. 名探偵コナン 時計じかけの摩天楼
《ネタバレ》 犯人のサイコな雰囲気は良く出ていました。サスペンスだけで無く、ミステリも重視した脚本は良かったです。最後はベタな気がしましたが、漫画の映画化ですし固いことは云いません。 [映画館(邦画)] 5点(2008-08-16 16:34:17) |
298. 名探偵コナン 戦慄の楽譜
《ネタバレ》 サスペンスとしては何時も通りそれなりの出来だと思いましたが、ミステリといては犯人に結びつく推理の部分が疎かになり過ぎている気がしました。 数十メートル先の電話へ、声を使って電話をかけるってのも無理がありすぎる気が。 [映画館(邦画)] 4点(2008-08-16 16:32:15) |
299. 金田一少年の事件簿2 殺戮のディープブルー
ミステリを映画として持ち込む際、サスペンス要素が介入するのは仕方が無いことだとは思います。でも金田一少年のシリーズの売りと云えば、やっぱり本格ミステリと言わざるを得ないのですから、その土俵で勝負して欲しかったです。サスペンスだったらコナンが同じ様な事を毎年していますから。 [地上波(邦画)] 3点(2008-08-16 16:27:22) |
300. キサラギ
《ネタバレ》 良い映画でした。こういう伏線を張りに張っておいて後から一気に回収するのは大好きです。限られた空間で登場人物はたった5人というのも物語に緊張感が生まれて良かったですね。しかしサスペンスに縛られずに、コメディ要素もしっかり入れてくる。その混ぜ方が絶妙でサスペンスとしてもコメディとしても楽しめます。 全てのわだかまりが解けた時、雨空が夕焼けに変わっているのは「12人の怒れる男」をイメージしていた様に思いました。そう言えば舞台設定も結構似てますし。 あと最後の如月ミキのビミョーっぷりがツボでした。 [地上波(邦画)] 8点(2008-08-16 15:21:54) |