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コメント数 823
性別 男性

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21.  12人の怒れる男(2007) 《ネタバレ》 
アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされており、評判もかなりいい映画のようなので、恐らく世間一般的には良い映画なのだろう。 しかし、個人的には恐ろしいほど相性が悪かった。見ていて「オマエラいい加減に話進めろよ!」と怒りが何度もこみ上げてくるほどの苛立ちを覚えた。 「12人の怒れる男」というよりも、「12人のイカれた男」ではないかというほど、クレイジーなやり取りが繰り広げられているとしか思えなかった。 タチが悪いことに、オリジナルのネタを下手になぞっているから、怒りがさらにこみ上げてくる。 オリジナルも日本版は好きなのに、ロシアのリメイク版には何一つ良さを見出すことができない。 事件の本題にはほとんど触れずに、勝手に自分の話をして、話が終わったとたん、いきなり「無罪」に変えるといわれても、「はぁ?」としか感じない自分の見方が悪いのか。 なぜ「無罪」に変えるのかがオリジナルに比べて、何一つ理解も共感もできなかった。 本作は陪審員制度を通して、陪審員のそれぞれの思想やバックボーンなどが自然と明らかになり、国が抱える問題点や闇が浮き彫りになるという仕組みではなくて、それぞれが自分のことを事件とは関係なく喋っているようにしか思えない。 訳の分からないロシアのおっさん達が自分の悩みをぶちまけて、演説を単に繰り返しているようにしか感じられない映画を自分は評価することはできない。 また、彼らは“議論”をしているというよりも、根拠も証拠もなく、ほとんど推論と思い込みだけで一方的に話をしているとしか感じられなかった。 とてもではないが、知的な会話や、高度のやり取りがあったとは思えない。 ロシアという国は陪審員制度とは相容れない国であるということを伝えようとしているのならば納得できるが、恐らくそういう趣旨の映画ではないだろう。 オリジナルとは異なるラストも結局何を伝えたかったのかが理解できない。 有罪を超越した「有罪」という概念は素晴らしいが、落とし方がすっきりしない。 結局、彼らは偽善者だったということか(ホームレスを世話しているのならば、面倒みられないのか)。 また、何度も繰り返し描かれる犬のシーンと、少年をイメージしているつもりの鳥のシーン、少年のダンスシーンもうざいとしか感じれらなかった。 恐らく見方を完全に誤っていると思うが、こういう見方をする人もいるということをあえて伝えたい。
[映画館(字幕)] 2点(2008-09-27 00:53:21)(良:1票)
22.  ドリーマーズ 《ネタバレ》 
ベルトルッチはラストエンペラー以外見たことないのであまり上手く理解はできなかったけど、三人の絶妙なバランスがとても良かった。 テオの「自分たちは一卵性双子だから」と少しあきらめがちに語るセリフとイザベルの狂おしく扉を叩く仕草、「私達は永遠よね」とテオに語るセリフに、離れたくても離れられない双子の関係とそれに振りまわされるマシューの姿が印象的だった。 二人を現実に引き戻したくても上手く出来ないマシューが痛々しい。 そして徴兵が逃れてきた平和主義者のマシューと活動したくても何をやっていいのか分からないテオとこのまま夢を見たままで終わりたかったイザベルの三人のドリーマー達に襲い掛かる革命という別の現実が否応なく夢から現実に引き戻す。
6点(2004-08-02 01:10:37)(良:1票)
23.  キング・コング(2005) 《ネタバレ》 
初日、深夜の渋谷での鑑賞だったが、観客が50人以下というかなりヤバ目の入りだった。アメリカでも多少苦戦していると聞いているが、「夢」への実現のためにこれほどの情熱を傾けられ、ジャクソン監督の私財を投じられて創られた本作が、後に続く者への希望となるように、収入面においても挽回していって欲しいと思う。 内容は、30年代オリジナルに存分なオマージュを捧げながら、70年代リメイクで本来描きたかったものを更に2、3歩進めたようなものを描き出した。 アクションに関してはもちろん文句のつけようがないが、コングとアンの関係を丁寧に描き出しているのが好印象だ(70年代リメイクはこの部分で完全な失敗を犯している)。 このため、アンのコングに対する気持ちに全く違和感がない。コングの孤独を知り、優しさを知り、その強さを知り、惹かれていく過程及び信頼関係が強固に築きあげられていく様を非常に丁寧に繊細に描いている。また、束の間のスケートデートなども微笑ましく(決して擬人的ではなく動物的なのもよい)、そして一緒に観た夕陽がとても印象的に用いられている。コングがエンパイアステートビルに登ったのは、アンと過ごす時間を誰にも邪魔されたくないという想いから登ったのではないかと思ったが、二人で観たあの夕陽をもう一度死ぬ前に一緒に観たかったという想いもあったからかもしれない。 それにしても、ブロディの描き方が中途半端な気がする気がする。愛する者に対するコングの一途で強い真っ直ぐな「愛」と、ブロディの気持ちは強いが、想いが伝いきれない煮え切らない「愛」の対比を訴えるべきではなかったか。それが現代の煮え切らない人々への強いメッセージとなるのではないか。 余談であるが、恐竜の走るスピードは、種類によるが、自転車並と言われているだけあって、人間の走るスピードより若干速い感じに描かれているのは科学的にみて合致しているように思われる(監督はリアルな恐竜を描くつもりはないらしいが)。 また、ナオミワッツが粉雪の舞うニューヨークで、あんな薄着でも大丈夫なのかという疑問をもつと思うが(映画での話であるが)、実際にもクソ寒い東京でのプレミア試写会でもコートも着ずに薄着でファンサービスに務めていたという話もあり、これもまた問題ないように思われる。
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-18 19:21:53)(笑:1票) (良:1票)
24.  インファナル・アフェア 終極無間 《ネタバレ》 
大変楽しみにしていた三部作の最終章。評判の高かった「1」に、世界観が広がった「2」に対して、「3」でどういうオチを付けるのかを楽しみにしていた。 鑑賞後の感想としては、製作者のやりたいことは大体分かった。ラウの末路こそ正に無間地獄に違いないとは思った。 結論やアプローチ自体は面白いし、評価したいが、映画としてはあまり面白くはない内容となっている。 1や2でせっかく世界観が広がったのに、何故かその世界観を狭めて、こじんまりとしてしまった感がする。 まずはキャラクター。 ヤン(トニーレオン)に比べてヨン(眼がねのエリート)、サムに比べてシェン(大陸の武器密売商)はあまりにもキャラクターが小粒過ぎる。 ラストを締め括るには、もっと大物が欲しいところ。確かに「3」はラウのストーリーなので他のキャラクターは要らないと思う人がいるかもしれないが、ヨンとシェンは「2」のハウよりもインパクトに欠けるというイメージだ。 「3」でもサムの存在感は際立っていた。何事にも抜け目ないところや、部下を見殺しにしながら、「俺なんて2回も死んでるんだぞ」なんてセリフはサムならではのセリフ。大部分のキャラクターが死んでいるのだから、サム並のキャラクターが一人でも新規に出て欲しかった。 そしてストーリー。 時間軸を細切れにしたり、はたまた同時に進行させるというのはない話ではない。 本人は整理しきれているつもりだろうが、その効果としては初見の観客が見ればただ混乱するだけになっている気がする。 むしろラウ本人にしっかりとフォーカスを当ててじっくりと、善人になりたいがためにありもしない架空のイヌを追い続ける虚しい姿を観客に見せて、妄想を追うがために自分が自分でなくなっていく過程、自分を認識できなくなり他人を自分に重ね、自分をヤンに重ねていく姿をきちんと描くべきだっただろう。 このあたりがどうもさらりとラストの少々の時間で描かれすぎてしまっている気がする。 ラストもラウにいきなりあんな行動を取らせずに、ラウでしか感じ取れない「地獄」について、何か喋らせても良かったと思う。
[映画館(字幕)] 5点(2005-04-17 22:51:52)(良:1票)
25.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 
白人>黒人>南米系>中央アジア系>東南アジア系という人種問題の構図を扱いながらも、テーマの本質は「人間」そのものを描いた作品。 人は誰しも、やり場のない悲しみ、苦しみ、怒りを抱えながら立場の弱い人を傷つけ、また逆に人に傷つけられて生きている。それでもなお、誰かに触れ合いたい、何かを感じたい、心の乾きを潤したいと求めずにはいられない弱い存在でしかない。オムニバス形式で短い時間で深く描きこめてはなかったが「人間」の本質を捉えた素晴らしい、いい映画だった。ブレンダンフレイザー以外の俳優陣の演技も素晴らしかった。フレイザーの役は妻の苦しみに全く気づかない、あるいは妻の怒りに相当うんざりしているというようなさらなる演技が必要ではなかったか。または、妻の苦しみに手を差し伸べるか、逆に振り払うかの流れもあってもよかった。中途半端でどっちつかずの役柄だった。 映画はよいのだが、個人的にはラストがどうにも気に入らない。東南アジアの人達を解放する黒人の笑顔がこの映画とマッチしていないような気がする。「笑顔」に対するうそ臭さではなく、ややちょっとこのエピソードが突飛というか、ずれている気がする。ラストは多数の人の交錯するシーンで終わればよかったのではないか。エピソード自体あってもいいけど、ラストに持ってくるものではないだろう。 また、人種差別者のマットディロンが起こした行動とマットディロンを嫌ってパートーナーの起こした行動の対比が見事だな。どんなに蔑んでいたとしても、自分の命を省みない行動を起こせるし、逆に人種差別なんてしない、仲良くなろうしても、心のどこかに人を信じきれない先入観が潜んでいる。自暴自棄になった黒人テレビ演出家を救った男のもう一つの行動に「人間」という複雑さ、強さ、弱さを感じられた。余談だが、隣の客がモノ凄い花粉症の人で常に鼻から「スピースピー」と訳の分からない音が聞えてきた。花粉症の人はこの時期大変かと思うけど映画鑑賞の際には周りの人の迷惑にならないように気をつけましょう。
[映画館(字幕)] 9点(2006-02-27 01:49:27)(良:1票)
26.  スネーク・アイズ(1998) 《ネタバレ》 
表面上のストーリーだけを評価すれば5、6点程度の映画なのかもしれないが、デパルマ監督の卓越した手腕を見せつけられたことにより、個人的な評価が随分上がった。8点はちょっと高すぎかもしれないが、デビットコープの大した事のない脚本を高レベルの映画にきちんと仕上げた点を評価したい(コープ脚本の「パニックルーム」を高レベルの映画に仕立てたフィンチャーと同様)。 ポイントはなんといっても、冒頭ちょっと過ぎからの「長回し」だろう。100分未満の映画にも関わらず10分以上をワンショットで撮ってしまう技量には驚愕する。その他にも分割画面により同時並行にストーリーを進め、緊迫感を高めたり、同じ場面を色々な角度から描いて、全貌を徐々に明らかにしたり、仕切られたホテルの部屋の上からカメラを動かしたりと、デパルマ監督の演出が冴えわたった見事な作品に仕上がっている。 ニコラスケイジも役になりきった演技が好印象だ。決してヒーローでもない安っぽい小悪党役が彼にハマッタ感じがする。金への誘惑などに対する「心」の揺れをタバコの手の揺れで表現しているのもベタであるが、分かりやすくてよかった。決して100万ドルの男ではなくて、血塗られた100ドル程度の男(汚れた安っぽい男)なんだよ、あのニコラスケイジの役は。 シニーズも好演している。彼は部下を見捨てて溺死させた過去によって「命」の重みに対して不感症になってしまったのだろう。数万の命のために数名の命を犠牲にしても厭わない「軍人」と、一人の命のために働くことが本分の「警官」の構図が面白い。また、親友同士の駆け引きも見所の一つになっている。 ラストではシニーズは自害し、ニコラスが親の一人勝ち(スネークアイズ)をしたかのように見えたが、実はそうではなかった。一躍「英雄」に祭り上げられるものの、汚職が次々と明らかになり(高級車に乗り回す)、「別荘(刑務所)」に行く破目になる(刑期を終えて真人間になったらジュリアはまた逢いましょうと言ってキスをする)。結局、親の一人勝ち(スネークアイズ)をしたのは、事件の全貌が闇に葬られ、予定通り建設を進めるパウエルであったと、ラストの宝石(赤毛の女が嵌めていたもの)が告げている。そういうオチにするんだったら、もうちょいパウエルにもスポットを当てても良かったかなとは思うが、真の悪人は捕まらないという一種のメタファーなのかもしれない。
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-14 21:13:41)(良:1票)
27.  ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう
結局何も教えてくれなかった気がするのは自分だけだろうか。 しかし未知なものは未知なままにしておきましょうというメッセージだけは受け取ったつもり。 7話のうち秀逸なのは7話の「射精のメカニズム」でしょう、これについてはだいぶ教えてもらったかな。 これだけなら9点をつけても良いほど素晴らしい斬新な出来。 脳内で繰り広げられる会話には味があるし、ただ一人で踊りまくる「快感」や神父の格好をした「罪悪感」、イタリア料理嫌いの「胃」もいい存在。 仲間想いの精子達や歌をともに歌いながらチカラを合わして必死に取り組む姿には一種の感動を覚える。 「俺だけ場違いでは」「言い訳用意」のセリフもかなりツボにはまったな。 あとは7話ほど素晴らしい話はなかったけど、乳が襲ってくるやつは個人的にはあのくだらなさは好き。 羊はアレンが演じなかったため、変なリアリティが出て良かったと思う。 あの役者は眼で困惑を演じたり、手の動きで感情の動きを描いていたのが良かったと思う。 羊を真顔で探しながら「ハニー」と言うのにはかなり笑った。 しかしラストのオチ「ウール洗剤」はちょっと弱いだろう。 あとのストーリーについては工夫は随所に感じられるものの、ネタやオチはだいぶ弱いかなと思う。全体を通して観れば高得点にはならなかった。
5点(2005-01-10 20:03:39)(良:3票)
28.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 
「オマエはケニーGか」一人で爆笑していた。 冒頭とラストのオムツがどうのこうのとか、まだ砂漠にいるとかどうのこうのとかはよく分からなかったけど、それ以外はなかなか良かった。手にした銃の感触は消えないとかそんなことも言っていたが、果たしてこの映画はそんな映画だっただろうか、ちょっと疑問。 イラクとの戦闘シーン(切れた電池を取りに銃弾の中を走るシーンなど)はあったけど、アメリカ兵が死亡または負傷する目立ったシーンが、訓練と誤射というのがこの映画のすべてを物語っていると思う。それなりにサムメンデスのアイロニカルで斜に構えた感じと空虚さが交じり合った空気は悪くはないと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-13 01:35:44)(良:1票)
29.  ミュンヘン 《ネタバレ》 
後半のオランダ女が登場し、ちょっとディアハンター風になってきてから、この映画はモノ凄く面白くなっていったと思う。 何かを感じさせ、何かを考えさせ、深いインパクトを与える、良い映画なので、もう1点ほど加えてもいいかなと思ったけど、平和に胡座をかいていて、民族とか祖国とかそういう感覚に対して全く希薄である今の自分がこの映画に対して深くは共鳴することはできなかった。ましてや、ミュンヘン事件なんてこの映画を知る前にはその存在する知らなかったし、今でもイスラエルとパレスチナの関係もよく分からんけど、あのラジオの音楽の選曲争いなんかもいい例えなのかなと思う。ラジオが自分の祖国と考えると、何か見えてきそうな気がするが。 そんなわけで、自分にはバナの心の動きを感じることしかできなかった。バナは結構よかったんじゃないかな。数人で打ち合わせしていても、どこにいるかも分からないあの存在感のなさ。そんな普通で頼りない男が、家族のため、祖国のためと自分に言い聞かせて暗殺グループのリーダーになるというところがよい。そして、序盤のぎこちなさ、まとまり感のなさから、困惑気味に手探り状態でスタートし、徐々に暗殺グループとして成長していく。リストにも載っていないオランダ女を殺したときの「(偽造のプロの人のことに対して)全然気づかなかった」セリフがポイントだと思う。彼らが祖国のためでもなく殺人に対して享楽的になっていることが分かる。そして逆にあっという間に、追う者から追われる者へと精神的に追い詰められていく様が見事だ。 追い詰められた男に対するジェフリーラッシュ(国)の切り捨てと、妻(家族)の温かさの対比もまた見事だった。 難点をいえば、線で描くのではなく、点と点を繋いでいるようなかなり雑な創りな気もするし、もっと整理して演出したり、事実に基づいているので難しいかもしれないがもっとストーリーや人間関係を膨らませれば面白くできるのではないかという気がしたが、この映画がアカデミー賞にノミネートされたというのはやはりなかなかアカデミー賞は捨てたものではないと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2006-02-05 22:02:51)(良:1票)
30.  ハムナプトラ/失われた砂漠の都
インディジョーンズシリーズを彷彿とさせるアドベンチャー映画を創りたいというコンセプトは面白いし、舞台背景も結構凝っているし神秘的な雰囲気は出ていた、冒頭はテンポ良く、映像は特に素晴らしく、また気軽にユーモアがあふれ、お約束的なノリで素直に楽しめる作品には仕上がっている。 しかし、往年の作品と比べるとアドベンチャーモノでありながら、緊張感が欠けているのが最大の問題ではないだろうか。 普通この手の映画は手に汗握るものだが、この映画からはあまり感じられなかった。 それに主人公のことはよく知らないんだが、主人公としての魅力やカリスマ性みたいなものを感じない。 脇役も個性的な味を持っている人がいっぱいいたんだが上手く引き出せてないような気がする。 ベニーはぎりぎり合格点だがもっと嫌らしさを感じさせても良かったし、エヴァリンは魅力はあったから恋愛色をもうちょい加味した方が良かったかなと思わせるし、ジョナサンもとぼけた感じで仕事はしてまっせというのは感じられたがちょっと弱い。 惜しいのは黒ずくめの顔に刺青をしている人が活きていない。寡黙でありながらメチャクチャ強い設定にした方が面白かったかなと感じられる。 敵役のイムホテップの目的である3000年の悲恋を上手く描ければ、もっと切なさを感じながらも冒険映画として面白い映画になっただろうな。
4点(2004-08-28 19:59:42)(良:2票)
31.  ナチュラル・ボーン・キラーズ
家庭内の暴力が新たな暴力を生むという暴力の連鎖とメディアによる暴力の垂れ流しが人々の暴力への感覚を麻痺させるという二つの仕組みが暴力の源のように描いていると思う。 このあたりは大体の人が納得できると思う。 しかし、テレビのレポーターが銃を喜んで乱射することを描くことによって人はみな心に悪魔を抱いているとかみな罪を犯しているようなことまでを描いているが、このあたりまで来ると多少分からなくなってくる。 確かに暴力願望というのは誰でも持っているかもしれない、メディアと共に暴力への好奇心を募らせているかもしれない、しかし罪を犯す人と犯さない人は紙一重ではない。 もちろんある環境に置かれれば罪を犯さざるを得ないというケースはあるかもしれないが、やはりこの境界線には決定的な差があるのではないか。 そして、この映画が導く暴力に対しての答えが見えにくいと考えられる。 ストーンのことだからよくは分からないが、暴力を推奨しようという人はまずはいないだろう。 しかし嘘だらけの一生より純粋な一瞬を望むというようなセリフもあり、暴力を実行することこそ「生きている」人生であり、暴力を頭に留めておくことはまやかしのようなことも描いていた気がする。 この映画は「暴力」について考える一助にはなるが、これでは答えがないだろう。 しかも「暴力」に加えて訳の分からん「愛」まで持ち出してくるともうこれはちょっとお手上げ状態に陥る。 しかし中身のテーマ性はともかく、この映画を見てその映像の奇抜さに相当の衝撃を受けたことは事実。 その演出に果たして意味があるかどうかは置いておいて前半1時間はまさに驚きの連続だった。 後半は多少ダレルような気がした。特に暴動から脱獄に至る部分はやや平凡な創りという印象。 レポーター殺しは良かった分、この辺りはもっと何とか出来たような気もする。
8点(2005-01-06 01:14:55)(良:1票)
32.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 
再びインディ・ジョーンズと冒険を出来るのは、喜ばしいことだ。 過去のシリーズで良かったアイディアを流用している部分があり、好ましいと感じられるところもあった。 しかし、肝心の冒険の内容はあまり好ましいものではなかった。 ストーリーは分かりにくいものではないが、あまりに変な方向に大きく膨らましすぎて、付いていけない。付いていくことができないのではなく、付いていきたくないというストーリーだ。 あり得ないようなストーリーが本シリーズの特徴でもあるが、今回ばかりはちょっと間違えた方向に進んでしまったのではないか。 そういった存在をぼやかす程度ならば許せるが、ここまでモロにやられるのは困惑する。 また、キャラクターも多数登場するが、誰も使い切れていないのが問題だ。 敵役のケイト・ブランシェットは頑張っているものの、全体的に出番が少ないため、魅力や存在感が薄い。悪役としては合格点とは言い難い。彼女よりも「最後の聖戦」のエルザの方にまだ魅力があり、もっとイヤらしさを醸し出して欲しかった。 シャイア・ラブーフもロープアクションやバイク、ナイフなど頑張っているものの、こちらも存在感が少々薄すぎる。母親マリオンとインディの恋愛にヤキモチを焼く子どもっぽさは悪くないが、出番が足りない。 親が子のために、子が親のために命をかけるような展開に出来なかっただろうか。 親子愛という要素をもうちょっと工夫すれば、いい展開になった。 マリオンの同行は許せるが、マックとオクスリー教授は本当に必要なキャラクターなのかと問いたくなる。どちらにも確かに重要な役割はあるが、脚本を工夫すれば同行させる必要はない。同行させるならば、それ相応の役割を演じさせるべきだろう。 マックのとって付けたような退場のさせ方は酷すぎた。 主役であるハリソン・フォードのアクションは悪くないが、還暦近い考古学者のオヤジが殴り合いで屈強の兵士に勝つという設定よりも、歳を取ったなりにもっとアタマを使ったクレバーさやスマートさも身に付けて欲しいものだ。 アクションはもっとシャイア・ラブーフに任せてもよかったのではないか。 全体的に既視感のある演出・ストーリーであり、目新しさを感じることができない。 キャラクターも魅力ある活躍をせず、ストーリーもおかしな方向に進んでしまったため、高い評価はしにくい作品だ。
[映画館(字幕)] 6点(2008-06-15 02:54:11)(良:1票)
33.  愛についてのキンゼイ・レポート
無修正という事が少し話題になっているが、その点については全く衝撃を受けるものではないので期待しないように。それよりもエンディングクレジットの際に流れる映像の方がよっぽど刺激的ではないだろうか。 この映画は「性」についてオモシロオカシク描いたイロモノ的な映画ではなく、極めて真剣に真面目に創られている映画であるので誤解しないように。 映画は色々と考えさせられるところもあり、恐らくよい映画なのかもしれないが、どうにも自分にはピントが合わせづらい映画だった。 この映画は、今から50年前「性」という当時はタブーとも言えるテーマに果敢に挑戦した学者の苦難の半生という見方もできる。また、夫婦の愛を描いた作品でもあり、父と子の確執を描いた作品でもあり、「性」と「愛」の違いや、人間の個性についても描いた作品でもある。 しかし、それらを観客に明確なメッセージを込めて、ストレートに伝えるのではなく、かなりボヤッとした感じで描かれているという印象を受ける。 だから観る者が深く深く噛み締めれば、味が出るのかもしれないが、初見ではあまりピンと来るものがなかった。 というのも、自分はノーマルだと思っているからかもしれないが、自分がアブノーマルかもしれないと思っている人は観れば、特別に感じるものがあるかもしれない。 それにしても、例の出し方が上手いなと感じた。かなり危ない10秒オッサンとレズのおばさん、この二人を登場させることにより、キンゼイレポートの功と罪が明確になったように思える。
[映画館(字幕)] 5点(2005-08-28 13:47:29)(良:1票)
34.  プロデューサーズ(2005) 《ネタバレ》 
観終わった後、他の観客から拍手が溢れていたり(有楽町の日劇)、ここでも結構評判よくいいようですが、自分には全く面白さを感じられなかったな。 下ネタが嫌いなわけではないし、下らない笑いが嫌いなわけでもないけど、コメディ作品なのに全く笑えないし、最後が心が温まるようなものでもなかった。 笑えるシーンの唯一の例外としては、獄中にいるネイサンレインが「あの野郎!俺の過去まで奪いやがった」と怒るシーンくらいかな。 ミュージックシーンでも会計士のシーンくらいしか目新しい感じのはなかったし、楽しめた人には申し訳ないが、ただ単に騒々しいだけの映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2006-04-23 03:50:45)(良:1票)
35.  Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 
この映画をみて、「板垣死すとも自由は死せず」という言葉を思い出した。 奇抜な仮面やナイフアクションにも目を奪われるが、「自由」や「正義」について真正面から問いた、かなり骨太の作品。 アメリカを植民地化したり、イギリスが独裁国家になっていたりと、映画では大げさに描かれているかもしれないが、偏向的な情報操作などある意味ではあり得ない世界ではないかもしれない。 政治的メッセージの強さだけでなく、もちろんラストのアクションも見応えがあり、それだけでなく、ラブストーリー的な要素や、同性愛などの差別、メディアの在り方等も散りばめられた、かなり深い作品となっていると思う。 どういう社会であれ、その社会を創りあげた責任は個々人にあり(「誰がこんな社会にしたのかは鏡をみるべき」)、社会を変えるのも一人のヒーローの力ではなく、個々人の力によらなくてはならないという当然だけど力強いストレートなメッセージには単純に惹かれた。 また、「V」を具体的に描くのではなく、象徴的な存在として描かれているのもよい。「V」とは一人の男でも、無敵なヒーローではなく、社会を変えようと思うすべての人が「V」なのだから。
[映画館(字幕)] 9点(2006-04-24 02:02:12)(良:1票)
36.  トロピック・サンダー/史上最低の作戦 《ネタバレ》 
ニヤニヤとはできるが、自分も含めて観客の中で大笑いしていた者はいなかった。 コメディ映画にも関わらず劇場が静まり返っていたのは印象的だ。 本作はストレートで分かりやすい笑いで構成されているのではなくて、基本的にはマニアックな笑いで構成されている。 パロディの元ネタが分からなければ、そもそも笑えなく、ハリウッド風刺に対しても、その知識がなければ、笑えない。 日本人には合わないような笑いがメインではないか。 瞬殺された監督の死体をいたぶるシーンなどは、むしろ分かりやすい方であり、日本人にも理解できる笑いだ。 本作に描かれた“笑い”がアメリカ人の笑いのツボだとすれば、アメリカと日本はユーモアの質はかなり異なるといえるだろう。 しかし、ベン・スティラーはアメリカ的な笑いとも異なる“笑い”を描こうとしたように個人的には思う。 単純な笑いを追求するのではなくて、コメディ映画という枠を取っ払って、リミッター限界の際どい世界をベン・スティラーは描こうとしたのではないか。 ベン・スティラーの世界観に対して、理解も共感もできないが、個人的にはそれほど嫌いな作品ではなかった。 マジメなプロ選手の試合ばかり見ていると飽きてくるものだ。 こういうプロ選手による暴投や乱闘だらけの見たことのないメチャクチャな試合を見るのも面白い。アマチュア選手による暴投や乱闘だらけのメチャクチャな試合ではない点がポイントだ。 プロフェッショナルがどこまでバカになり切れるのか、どこまで限界まで到達できるかを競っていたように思われた。 トム・クルーズの存在が本作にとっては大いなるプラスに作用している。 ベンやロバートの暴走をトムがなんとか引き締めているようにも感じられた。 本作に描かれた例えを引用すると、ベン・スティラーやロバート・ダウニーJr.は「アイ・アム・サム」のショーン・ペンであり、トム・クルーズは「フォレスト・ガンプ」のトム・ハンクスであるような気がした。 ベンのように本物のバカになりきるのではなくて、本物のバカを演じているのはトムだ。 トムがベンとは異なるタッチで演じたために、本作のマニアックさがやや和らいだような気がする。 ベンやロバートの暴走に対して、ジャック・ブラックの影が薄かったのも印象的だ。 スローモーションでケツを痛がるシーン以外に見所なし。 彼にも付いていけない世界だったのかもしれない。
[映画館(字幕)] 6点(2008-11-26 21:41:25)(良:1票)
37.  バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 
ストーリー、演出、役者、アクション、カーアクションどれを取っても素晴らしい。 バートン版ももちろん好きだし、叩かれまくっているシューマッカー版も好きな自分だが、これこそ完璧なバットマンではないだろうか。 ストーリーとしては、正義と復讐の違いを丁寧に描いていると思う。単に銃で撃ち殺すこととバットマンとしての行動との違いが充分に理解できる。 また「闇の軍団」自体が単なる悪党集団ではないところも面白い。彼らにも彼らなりの正義がある。バットマンの正義と「闇の軍団」の正義の違いを考えてみても面白い。 演出としては、蝙蝠に襲われても立ち尽くすウェインには鳥肌モノだった。あのシーンで彼が完全に恐れを克服したと一目で理解できる良い演出だろう。 ラストの聴診器を拾い上げるところも良いと思う。ストーリーの原点に振りかえることで、父母を自分が死なせてしまったという負い目、怒り、恐れも消えうせ、父母に対して自分が誇れるほどの自信をつけたウェインの成長を感じられる良いシーンである。 役者については、クリスチャンベールを見たのが始めてであったが、今までのマイケルキートン他バットマンを演じたどの役者よりも良かった気がする。繊細でかつ、自分の本当の姿をレイチェルには知って欲しいという人間的な部分を感じられた。 他では、マイケルケインとゲイリーオールドマンの役どころとしての比重も厚かったが、存在感も充分厚かった。 アクションについては、多少スピードは速いと感じたが、眼で追えないスピードではない。「ボーンスプレマシー」とは異なり、限界ギリギリのところを見せてくれたと思う。 カーアクションについても好きなところ。クルマがクルマだけに、他の映画のどのカーアクションよりも迫力があった。 ただ、無抵抗の悪人一人殺せないのに「闇の軍団」の真の意図を知ったとたん皆殺しにしてしまうところや、人体に影響のないマイクロ波というのが少し気になる程度だろう。 個人的にはバートン版「バットマン」との繋がりは大切にして欲しいと思っていたが、両親を殺したのがジョーカーでない(注:本作の扱いがオリジナル通り)などはストーリー上、やむを得ないところがあるのだろう。最後には一応繋いでくれたので良しとしたい。 
[映画館(字幕)] 8点(2005-06-19 00:41:54)(良:1票)
38.  リバティーン 《ネタバレ》 
あまりストーリーや演出に起伏がなく、かつ説明不足でもあるため、ぱっと見たところではロチェスターやその他の登場人物の内面があまり伝わってこなかった気がする。 しかし、断片的なセリフを繋いで、その意味を斟酌するとなんとなくロチェスターの姿が見えてこないだろうか。 自分には、ロチェスターという人物は、才能を有しながらも自分に自信が持てなく、かつ天邪鬼的な性格をもった弱い男の姿が映った。 王からも愛され、自分の正妻からも愛され、女優であるバリーからも愛されたけれども、自分に自信をもてないから、どの人に対しても正面から向き合えなく、酒や娼婦の女に逃げて溺れて、破滅していったのではないか。 だから王から頼まれた戯曲に対しても、王や世間から凡庸だと失望されるのが怖くて、せっかくの労作は燃やしてしまい、とんでもない作品を提供して、最初から逃げざるを得ない環境を作ったのではないかと思う。 それでも、最後の最後に王の窮地には、ぼろぼろの身体で参上し王の愛に対しては報いたけれども、王には「自分のためにやったまで」と言い放つ姿はやはり天邪鬼的な性格がみてとれる。 また、自分の正妻やバリーにも自分の本当の姿を見せて失望され嫌われたくないから、二人とも愛しているがゆえにどちらにも、こちらから嫌われるようなことをしていたように思われる。 バリーもロチェスターと同様な気質をもっており、好きだけれども自分の気持ちは明かさないという二人の最後のやり取りだったと感じた。 そんな風にロチェスターのことを見ていたら、冒頭とラストの「私のことを好きになるな」という言葉は、実は「私のことを好きになってほしい」という切なる思いが込められているのかもしれないとも感じた。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-06 04:11:08)(良:1票)
39.  アンブレイカブル
冗談抜きにして感動して泣きそうになってしまった。 自分の存在理由を見出せない二人の男。 一人は毎朝、言い知れぬ悲しみとともに目が醒める。 そしてもう一人は、自分の生きる意味を問いかけていた。 一人は愛のためにフットボールを辞め、やるべきことが分からずに毎日を無気力に生きる。その無気力さがやがて徐々に愛を失いかけている。 警備員をやりながらフットボールの思い(冒頭での女性との会話も注目)を捨てきれてないウィリスは中々いい感じだったし、罪を犯した奴を見抜くという力と絶対に怪我をしないという力という自分の真の力を使って、つたないながらもヒーローとしての一歩を歩み、息子に黙って新聞を差し出すシーンなんてとても良かった。少し距離があった二人の距離が近く感じたシーンでもある。 また同様に、いつからか別々に寝ていた嫁ハンを夜ベッドに運ぶシーンも、この映画が実は失いかけていた愛を取り戻したがっていた二人のラブストーリーでもあったとも気づかされるし、実はかなり深い映画だと思う。 そして対極にいるもう一人の男は、耐えがたい苦しみに生きる目的・希望を失っていた。精神を病んでいたと一言では片付けられないのではないか。本当に病気に苦しむ人間はそういう悩みは抱えているだろうし、死ぬまで怯えて生きていかなくてはならない逃れられない恐怖から「自分」が生きている意味、答えを見出そうとした哀しい男がちゃんと描かれていたと思う。 現実はコミックではないという視点もラストの結末には描かれていたし評判が悪い理由がよく分からないけど、見ててハゲは病気ではないのかとか、ヒーローも悪役も水が苦手って、水が苦手な宇宙人もいたけど、この監督、水になんか恨みでもあるのかと突っ込める楽しい映画でもあるし、冒頭のウィリスが振られる列車での長回しのシーンも結構見応えがあり面白く撮れていると感じた。
10点(2004-09-18 18:53:58)(良:7票)
40.  アンジェラ(2005) 《ネタバレ》 
母国フランスでは大コケ・駄作扱いされていた本作だけど、まったく駄作というわけではなく悪くはなかった。しかし良くも悪くもない中途半端な映画という印象を受けた。 映画自体は、説教くさいテーマであったが「嘘をいわずに真実をいえ」「人に愛されるような人間になり、なおかつ自分自身も愛せ」「自分に自信をもて」などそれなりのテーマを描きつつ、ラブストーリー的な要素や「別れの辛さ」なんてものも描かれている。しかし、これらのテーマなどが上手く演出されてはいないという気がする。特に、アンジェラの過去がなく苦悩するところや、アンジェラがアンドレのことを本当に好きになり始めて困惑してはやく空に帰りたがるという、肝心の「終盤」をかっ飛ばすほどに雑に演出しすぎている。ここは繊細に演出すべきだろう。 また、アンジェラが天使であることがあまり活かされているとは思えない。途中で正体も明かしてしまっているため更に面白さがなくなっている。天使とはっきりと描くのではなく、ラストは「果たして、アンジェラとは、夢だったのか、幻だったのか、天使だったのか、それとも生身の人間だったのか…」というような余韻を感じたかった。「グランブルー」「ニキータ」「レオン」で感じた「二人の別れ」の「前向きな切なさ」のようなものを演出できる人ではなかったか、リュックベッソンという監督は。お決まりのハリウッドエンディングを良しとする人だっただろうか。 むしろアンジェラは生身の人間の方が面白いのではないか。傷ついた男女が同じ時間、同じ橋で自殺未遂を図るという奇妙な出会いから、お互いがお互いの心の傷を癒していくというストーリーの方がよりベターな気がする。 また、この映画は「最後の戦い」でみせた白黒映画であり、「グランブルー」のような美しい風景をみせており、レオンでの名ゼリフ「「OK」は言うな。(個人的には使って欲しくなかった)」やフィフスエレメントで描いた「愛してる」と言い出せないシーンなど、リュックベッソンの集大成のような映画になっている。しかし逆の見方をすると、前作から6年経ったベッソンの成長のなさ、才能の限界や、監督能力の減退を見せつけられたような気もする。 この内容なら思いきって「最後の戦い」のように全くセリフをつけず、演出と俳優の演技だけでみせつけ、終盤の「ジュテーム」のみをセリフにするとか思いきった演出がみたかったところだ。
[映画館(字幕)] 5点(2006-05-15 22:58:58)(良:2票)

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