Menu
 > レビュワー
 > タケノコ さんの口コミ一覧
タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

たまにポチっと「良」投票・・・

よろしくお願いいたします。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 
いきなりどうでもいいようなことだけど、美人秘書をわんさかとはべらすシンドラー (リーアム・ニーソン) がよかった。女たちにタイプを打たせて、それを楽しそうに眺める彼の姿が笑えた。この題材ですら、"娯楽性" にこだわるあたり、とてもスピルバーグらしいな、と。もしかしたら、「ジョーズ」や「インディ・ジョーンズ」すら、本作への試金石だったのかもしれない。そう思えるほど、ユダヤ系の大映画監督がやがてたどり着く、集大成であり到達点のような映画だった。 冒頭、野心のかたまりであったシンドラーは、はっきり言っていけ好かない。しかし、障害者の従業員がナチスに殺られたあたりから、明らかに彼の心に "変化" が生じていく。彼の怒りは単なる一経営者としてか、ナチス上層部への対抗心か、それとも「正義感」が芽生えたのか、ここではまだわからない。やがて、殺りくと死体の山を目の当たりにして、彼が決意したのは、自分が救わなければならない「使命感」だろう。オスカー・シンドラーその人が、人道主義者として覚醒し成長していくという、彼自身の "成長記" としてもよくできた映画だ。 そして、彼が救ったユダヤ人たちに見送られる最後の場面は、私の心に深く突き刺さり、生涯忘れることはあるまい。このとき、リーアム・ニーソンの涙は、確かに演技などではなかった。 数限りなく悲惨な出来事があったホロコーストという歴史について、赤い服の少女と、この涙と、彼を見つめるユダヤ人たちの眼差しが、私に多くのことを教えてくれた。
[DVD(字幕)] 9点(2021-02-22 13:34:40)
2.  シムソンズ 《ネタバレ》 
素晴らしい、、数ある青春系スポーツ映画の中でも、これほどの作品にはなかなかお目にかかれません。この映画はなんかこう、、キラキラとまぶしいのです (笑) その象徴がもちろん加藤ローサではありますが、およそ全ての登場人物たちが本当に魅力的でありました。 まず、和子 (加藤ローサ) にとってカーリングの目標であり、恋敵でもある美希 (藤井美菜) 。孤高の天才少女であり、例によって扱いづらい敵対キャラでしたが、彼女がチームメイトになるまでの心境の変化を確りと描写できているため、素人軍団のシムソンズ合流に不自然さがありません。 チームメイトのもう二人にも (もれなく) スポットを当てています。その二人が大ゲンカした後、菜摘 (高橋真唯) が家の外から大声で「ありがとう」と叫ぶあたりから、私はちょっと泣けてきて、その直後の場面、いつかの海辺でみんな結集して仲直りして、やっとこさシムソンズ結成、、ここの展開があまりにも完璧。「(五円玉の) 表? 裏? どっち!?」「・・・表!!」ここでついに涙腺が、うぅ、、(泣) また本作を語る上で、絶対にかかせないのが大泉洋さん。その存在感たるや、主演級、ですね。私はこの映画によって彼の存在自体を初めて知ったので、癖ありまくりの顔と声とキャラにかなり大きなインパクトを受けまして、以降、彼の出演作で本作の衝撃を超えるものはいまだに出会っておりません。(彼自身にとっても、意外と本作の平太がベストアクトな気がしてます) イケメン枠として田中圭、オジサン枠の松重さん、重鎮枠の夏八木勲さん、彼らも全て見事にナイスキャスティングであり、とてもカッコイイ。 あと全編に渡ってジュディマリの歌がよかったのですが、ここはBGMばかりではなくて、彼女たちが (鼻歌交じりに) 歌う、あるいはラジカセ (ラジオ) からながれてくる、、そういった映画的な試みがあってもよかったかもしれません。(実話ベースなだけに時代が合わないかな?) 周知のとおり、実在のカーリングチームをモデルとしていますが、これはこれで間違いなく映画として (彼女たちの) 一つの世界を構築していたので、オリジナルの傑作青春スポーツ映画としても評価したい。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-04 21:12:43)
3.  知らない、ふたり 《ネタバレ》 
今泉監督の佳作、いや、秀作。 監督は毎回、人を好きになることの肯定、をテーマに数多くの傑作恋愛映画を撮られていますが、ストーリーと見せ方のアイデアが豊富であり、どれもが全く違った色合いの映画になるところがすごい。そして、パンとか、お花とか、古着とか、本作の靴とか、、映画を彩る小道具も毎回楽しみにしてます。監督 (の日常生活) はきっとおシャレだろうな、お会いしなくとも私には手に取るようにわかります。 そうそう、監督の映画には、よくストーカーがご登場されます (笑) でも当事者たちは、いつも威風堂々としていて、決してその行為を (第三者に) 隠そうとしない、、そこが笑えるし、なぜか清々しいところ。誰にも隠したらヘンタイ (ストーカー) 、そうでなければ純愛。そこ、重要な境界線。本作の彼らは一見「ストーカー」ではありますが、もしかしたら、それはまだ呼び名のない、全く新しい恋のカタチなのかもしれません。 一人が二人を同時に好きになること。どちらにも隠したら二股 (浮気) 、隠さなければ (どちらも) 純愛。そこ、重要な境界線。それもまだ呼び名のない、全く新しい恋のカタチなのかもしれません。(また言っちゃった) 監督はいつも、恋する人たちの「内面」を優しく描いています。だから、私たちが意識するほど、この映画にとって、日本人とか、韓国人とか、あまり関係ないのかもしれない。大切なのは、国籍や言葉ではなくて、その人、その心の内面なのだから。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-12-27 23:09:19)(良:1票)
4.  潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ 《ネタバレ》 
なんせ、ヘミングウェイだし、文学の香りにたじろぎつつ、身構えて鑑賞を始めたが、、その心配は、「すっ裸」のフランクによって、すぐに杞憂に終わりました (笑) 潮風漂う海辺の美しい風景の中、全く違う人生を歩んできた二人の老人の心温まる交流が、とてもよかった。 フランク (リチャード・ハリス) はウォルトから礼節や身だしなみを教わり、次第に紳士らしく変貌してゆく。かたやウォルト (ロバート・デュヴァル) は、奔放なフランクの影響でタガが外れていき、ついには二人そろって「すっ裸」で遊泳してしまう姿が笑えてくる。お互いが「持ち味」を与え合い、少しずつ変わっていく二人の姿は微笑ましいし、この年齢からでも人は変われるんだ、と感じさせてくれる。 フランクの最後は切ないけど、たくさんのよい出会いのおかげで、彼は一片の悔いなく人生を終えることができた、そう思いたい。 二人乗りの自転車、海辺の公園で幼い少女たちと語らう二人の老人の姿、、それは理屈抜きに癒される光景であり、いつまでも心に残りそうだ。 そして、シャーリー・マクレーンはいつまでもキレイだ。彼女がアパートの管理人さんとは、まさに「アパートの鍵貸します」らしくていいじゃないか。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-10 16:30:32)
5.  しあわせのかおり 《ネタバレ》 
日本料理、焼肉、イタリアン、フレンチ、、ありとあらゆる食の映画を観ても、なぜか「中華料理」が最も映画映えすると言うか、うまそうに見えると言うか、、このボリューム感のせいだろうか? 冒頭の海定食、山定食だけでかなりの満腹感、いや満足感でしたなあ。まぁそれはさておき (笑) 本作は出演者たちを厨房に立たせて実際に料理をさせて、その包丁やフライパンの手捌き、一つ一つの「音」と、料理人の汗ばんだ表情を抜かりなく撮っています。出来上がった料理が一層うまそうに見えるのは、料理人の、労を惜しまぬ仕事ぶりを丁寧に、力強く見せているからこそ。そして、画面から「かおり」が漂ってくる (気がする) のは、これがよい料理映画であることの証、なんです。 全体を通して、安直な回想場面ではなく、王さんと貴子、それぞれの部屋に置かれている写真によって、視聴者に想像をさせながら二人の半生を伝えていることもよかった。 王さんが貴子を連れて中国に帰省する場面、これは紹興という街の美しさとともに、忘れ難いエピソードとなっています。ここで垣間見た彼の生い立ちや人望の厚さは、「王慶国」という人物に深みを与えているし、娘と紹介されたことを知り涙する貴子の姿に私ももらい泣きするという、、。 お互いに、父と娘の面影を投影した関係ではありましたが、そこにたどり着くまでには、ほとんど "力仕事" のような中華料理店の厨房を、日本人の、それも女性に託すという、中国出身の王さんとしては、相当な覚悟と葛藤があったはずなんです。 だから、国境、言葉、そして男女格差のような、世に多くの見えない「壁」があるなら、それを乗り越えていく架け橋として「食」(料理) の力がある、、本作にはそういうメッセージが込められているのかもしれません。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-12-12 20:50:41)
6.  深呼吸の必要 《ネタバレ》 
沖縄の離島に集結したキビ刈り隊の面々。 主人公のひなみ (香里奈) は明るく社交的で協調性があり、優等生の学級委員タイプだ。だから私は彼女には興味が湧かない。 対象的に、他はどう見ても過去に「訳あり」な感じで、波乱の予感に期待は膨らむ。 すると意外にも、大ベテランの田所さん (大森南朋) が、空気読めない発言を連発して彼らを挑発しまくり、隊の雰囲気を乱していきます。 そしていよいよ、キビ刈りです。優等生同士 (ひなみと池永) 、問題児同士 (西村と川野) 、をペアにするという、意図不明な田所さんの選択もあり、思うように仕事は捗りません。 お楽しみのBBQでは西村と一触即発し、そして、ついには嵐の豪雨の中、車で家を飛び出し、大クラッシュ!!という、、。 一言だけ言わせてほしい。田所さん、、もしかして、足、引っ張ってる?? その田所さん (しつこい) 、これからも、長野のりんご、千葉の落花生、北海道のジャガイモに、日本全国一年中飛び回り、大忙しということだ。いや、彼がいるから忙しいのかもしれない (笑) そんな彼に、「もうケガするなよ、定職就けよ、住民税払えよ」と私は最後にエールを送ろう。
[DVD(邦画)] 8点(2020-09-01 21:38:46)
7.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 
よく練られた脚本に台本読合せを入念に行ったであろうリハーサル、その努力伝わりました、楽しめました高得点。 いや~~ 実に白熱しましたね。 縁もゆかりもない、この場限りだけの他人同士であること。思えば、この一期一会こそが「議論」することのあるべき理想の姿かもしれませんね。だって、親族集会や会社の会議じゃあ、こうはいかんもの。特に会社の会議なんて、明日からの立場を考えたら、上司に面と向かって「あなたの意見はまちがっています」なんて言えんわい! (笑) ・・・で、結局は被告の女性が登場すらしないあたり、真実うんぬんは本作の焦点ではないように思われました。 そして確かに優しい日本人たちでしたが、あのメガネくんだけは例外。むしろ彼こそ、ストーカー殺人とかやりそうなタイプ。次は彼自身が陪審審理の対象になるかもね~。 最後の解散していくオチは素敵ですよね、あの後味の良さでみなさんの好感度と映画の点数上がります、まちがいなく。
[DVD(邦画)] 8点(2020-08-27 17:58:55)
8.  しゃぼん玉 《ネタバレ》 
乃南アサ氏の原作は、何年も前に読んでございますが、細部をかなり忘れていて、今回の映画が初見のようになりました。 始め、青年 (林遣都クン) は鬼のような形相で、悪いことをたくさんしますが、どこかしら人の優しさを知らずに育った (粗暴な) 野良犬のようなところがありました。 そんな彼が、流れ着いた宮崎県の山奥 (椎葉村) の風景と人の優しさに癒され、憑物が1枚1枚剥がれていくように人間らしく表情が宿っていく、、。 村で過ごした彼が、人生で初めて知ったもの。 スマの優しさ。 シゲ爺の厳しさ。 人を好きになること。 人の心を知って、人として成長して、人として罪を償って、また村に帰る彼の姿に大きな感動を覚えました。 本作は少年院や刑務所で上映されているようですが、確かにこの映画には、罪人を更生させるだけの「力」があると思います。 「ぼう、ぼーう」 彼をそう呼ぶ市原悦子さんの声がどこまでも優しかったです。 山でおむすびがころころ転がった場面では、私は日本昔ばなし「おむすびころりん」を思い出し、今にも彼女のナレーションが聞こえてきそうでした。
[DVD(邦画)] 8点(2019-11-05 17:23:35)
9.  ジョーカー 《ネタバレ》 
これは大傑作だ。でもとても反社会的で、おかしな影響受けそうなちょっと怖い映画。白状するが、彼と同じく "名もなき群衆" の一人として血が騒いだわ。 でも、この映画を観て感想を冷静にコメントしてるうちは大丈夫。ジョーカー、カッコイイ!! などと、騒いでいるうちも、まあ大丈夫だろう。そうそう、ヤツが階段を降りながら踊るシーン、、これにはカッコ良すぎて、しびれた!! ヤツと同じようにピエロのメイクしたり、笑い方を真似したり、独り部屋で鏡に映った自分に話しかけるようになったら、、これはマジであぶないかもね。 ・・って、なんかやっぱり、コメント書いてるだけでも「タクシードライバー」そっくりだ (笑) もちろん、「キング・オブ・コメディ」のリスペクトでもあるし、久しぶりにデ・ニーロが刺激的な役をやってくれて往年のファンとしては嬉しかったね。 その余韻に浸る私に向かって、会社の部下(男性・20代前半)はしれっと言ってくれた。「ホアキン・フェニックスかっこよかった!! マーレー役の人は何て言う俳優ですか!?」 ・・・。 ったく、ズッコケさせてくれるぜ。 とても時代を感じたが、、でもこれを機にあの二作を知ってくれたら、オジサンは嬉しいよ。 昔のデ・ニーロ、カッコ良すぎてちびるなよ。
[映画館(字幕)] 8点(2019-10-22 22:56:51)(良:1票)
10.  シング・ストリート 未来へのうた 《ネタバレ》 
さすがの安定感と言いますか、ジョン・カーニー監督の映画は外さないですね。今回、オリジナルの曲もよいのだが、やはり私の年代にとっては80年代の音楽の数々が懐かしくて、曲が流れるたびに当時を思い出して心弾みました。特筆すべき点として、音楽をテーマに、"大人たち"を多く描いてきた監督ですが、今回は少年を主人公にすえてきました。少年と音楽(ロック)とくれば当然、自由、権力に対する反抗、束縛からの解放、これなんです!規律厳しい学校。ちょいワルな仲間たちとキュートなあの娘。校長先生は世俗的な(つまらない)大人の象徴。そして、、規律とは破るためにある(笑)。未来に向かって漕ぎ出すラスト。そのすべてがあの有名な映画を彷彿させます。そうです、本作を僕は勝手にジョン・カーニー版"小さな恋のメロディ"と思ってます。本気で音楽に生きる覚悟は、長く険しい荒波に挑むようなものでしょう。その覚悟が本気であればあるほど、途中で後戻りはできません。ラストは二人の心境になって、、いや、それはさすがに図々しいので、兄貴側の心境で二人の船出を見守っていました。(それにしても何てカッコいい兄貴だ!)若さと情熱と愛があれば。自分はもう、二人のような若さはありませんが、あの頃の気持ちと音楽はいつまでも心に忘れずにいたい。
[映画館(字幕)] 8点(2016-09-16 23:39:30)
11.  潮風のいたずら 《ネタバレ》 
ゴールディ・ホーンの魅力が全開・・! 高慢ちきなジョアナと家事に育児にテンパるアニー、どちらがお好き? 私は、ジョアナのコスプレしたアニーが一番お好き。カート・ラッセルの80年代ハードロックMTV風ファッション、実は好きなんです。「子供たちのいたずら」はちょっとシンドイ。アンドリュー、あんたは最高。でもグラント・ステイトン三世さんも、ちょっとバカっぽくて憎めないかも。二人のためではなく、家族のために妥協すること、変われること。これってコメディのふりして、実は結婚することの核心を突いてると思うの。それぞれ海に落ちて始まり、最後は二人で (自ら) 海に落ちて終わる。そして、何と本作のリメイクがあるとは驚きました・・。でもそれよりまずは本作のBlu-ray化を強く望みます (笑)
[DVD(字幕)] 8点(2015-12-14 23:27:11)
12.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
あのフォー・シーズンズの大ヒットミュージカルを、クリント・イーストウッドが映画化すると聞いて非常に楽しみにしていましたが、その期待を裏切らない素晴らしい内容でした。楽曲の質は今さら改めて言うまでもありませんが、今回特に印象的だったのは、バンドメンバーが視聴者に向かって語りかける演出です。この実験的な試みに序盤は違和感を覚えましたが、観ていくうちに次第に慣れ、いつの間にかこの語りを楽しみに待ち構えるようになり、そして最後はラストのメンバーたちの粋なスピーチに思わず顔がほころぶこと間違いなし。舞台版に対する監督ご自身の思い入れもよく伝わり、この演出は結果的に大正解だったように思います。彼らが楽しそうに歌う姿はしばらく忘れられそうにありませんが、私はその彼らを楽しそうに撮影する監督クリント・イーストウッドの姿もついつい想像してしまう。映画のジャンル変われど質の高さ変わらず。老練クリント・イーストウッドの匠の技、まだまだ健在です。
[映画館(字幕)] 8点(2014-10-09 22:06:21)
13.  島にて 《ネタバレ》 
山形県唯一の有人離島「飛島」と、島に住む人々の暮らしに密着したドキュメンタリー映画。 まず、上映開始直後の巨大なタコに思わずニヤリ。ちょうど、今日の晩酌のつまみにタコの唐揚げを考えていたからだ。私がスーパーで購入した真だこは130gで550円、いったいこの巨大な真だこはその何食分になるだろうか (笑) さて、本作は島民の方たちの素朴な暮らしぶりがよく伝わる内容となっていた。 映画的な出来映えとしては、場面が変わるところの挿入画に監督の光るセンスを感じさせた。 島の緊急ヘリポート。 放し飼いになった山羊。 寂れながらも生活感のにじみ出る古民家の数々。 はるか海の向こう (の本土) にそびえ立つ雄大な鳥海山・・・。それぞれ、この島ならではの風景を厳選しており、いつの間にか私は次の挿入画を心待ちするようになっていた。 本作は、島の過疎化問題への取り組み (島おこし) が大きなテーマとなっている。その事例として、UターンやIターンによる新規サービス業や、バーベキューイベントなど催しの様子も紹介されていた。しかし、とても良い取り組みであると素直に思う反面で、島おこしが大当たりして多くの人と喧騒で賑わい、まるでリゾート地のように開発される島 (の姿) もあまり想像したくない自分がいた。 手付かずの大自然。 140人が暮らす島。窓から海が一望できる教室で、たった一人の生徒にたった一人の先生。 それはそれで、この島ならではの贅沢だろうし、誇りたい文化でもあるように思えたからだ。「飛島」自身は、どう考えているのだろうか? 少し身勝手な意見になったが、、この島の古き良き文化を残しながらの、飛島と島民みなさまの繁栄を願いたい。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-29 23:08:08)
14.  ジョー・ブラックをよろしく 《ネタバレ》 
大人のための良質なファンタジーであり、ラブロマンスだと思う。 大富豪と死神の奇妙なやり取りを通じて、いつしか立場を超越した (男と男の) 友情が芽生えていく、、といった展開はいかにもマーティン・ブレストらしいですが、本作は、「二人の関係を不審に思う関係者たちをどう納得させるのか?」という、この興味をちらつかせることによって客をうまく惹きつけているところがある。そこは見事に、「国税庁の調査員だ」という、全く予想だにしなかったジョーの一言に一瞬啞然とするとともに、うまいオチだな、と。(それにしても、この場面のアンソニー・ホプキンスの演技は絶品だ) その伏線でもある、それは死と税金のように避けられないもの、これは忘れ難い言葉でした。死と税金ともう一つ、この映画は、人は生きていく上で、「孤独」も避けられないもの、というテーマも併せ持っています。金も名誉も手に入れたビルにとって、若さと美貌を兼ね備えたジョーは、彼自身の叶わぬ願望を投影したようでもあり、同じく孤独という意味で二人は表裏一体なのかもしれません。 いつものことながら、アンソニー・ホプキンスは、大富豪や高潔な人物の役がよく似合う。本作でも、その重厚な存在感で魅せてくれます。 かたや、ブラッド・ピットはそのビジュアルで魅せてくれた。彼のキャリアでは「ファイト・クラブ」の頃が完璧な容姿であったと思うけど、本作もほとんど同時期だから、まさに悪魔的な、ちょっと形容し難い美しさがありました。 クレア・フォーラニもキレイ。彼女も完璧な美しさだと思う。でも、主演の二人に比べたらどうしても存在感で勝てない。なぜなら、彼女には強烈な「個性」がないから。 思えばこの映画の見せ方って、俳優「本人」を大事にした撮り方をされていますね。その分、クローズアップが多くなり全体的に冗長なのが難点でもあるけど。 また、本筋に関係ない部分では、ビルとジョーとドリューによるスーツの着こなしがカットの度に楽しみで、彼らのスーツとネクタイのセンス、そしてネクタイの結び方、、三者三様でそれぞれにこだわりがあり素敵でした。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-12 18:37:33)
15.  シェフ 三ツ星フードトラック始めました 《ネタバレ》 
まず、「料理」をモチーフにした映画として、ちゃんと料理をしている、そしてその出来上がった料理が美味しそう。ここはポイント高い。やや展開が都合よすぎる感じはしますが、こういう観終えた後に元気の出る映画はキライじゃない。 それはさておき、個人的にすごく感じたことを。 あくまで料理の映画ではありますが、モノを作るプロが (一人) いて、そこにまつわる人と経営と評価とお金、という、本質的には「ビジネス」のお話。すると本作は、「アイアンマン」シリーズのジョン・ファヴローだし、ハリウッド映画界の大作至上主義 (金満主義) とか、その映画評論家たちへの当て付けですかね、そのあたりの含みをどうしても感じるんです (笑) フードトラックとキューバサンドの組合せは、ミニシアターと良質な低予算映画の愛すべき関係を意識してるのかなぁ、って。 監督、本当は「クレイマー・クレイマー」みたいの、撮りたいんじゃない?
[DVD(字幕)] 7点(2021-08-31 13:38:05)
16.  しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス 《ネタバレ》 
サリー・ホーキンスの演技力はすごい、それは間違いない。しかし、それよりも今回は、実在の人物を女優が演じるにあたり、キャスティングの重要性を改めて確かめることになった。なぜなら、モード・ルイスとサリー・ホーキンス、二人とも感受性の高さがうかがえる個性的な顔立ちだし、もともと雰囲気が近いように感じたからだ。(そこだけは演技の力ではどうにもならない) 絵の偉人であり、歴史的にも有名なモードとは対象的に、旦那のエベレットは凡人なんだけど、映画は決して二人を値踏みすることなく対等に描いていた。これはとてもいいことだ。むしろ、見方によってはエベレットの物語に見えたくらいだ。 モード・ルイスの人生を彩ったもの。 カナダの海辺の美しい風景。 彼女が住んだ家と動物たち。 そしてエベレットという存在、、。 僕は「絵」のことは詳しくないが、描いた人の人生や生きた場所を知った後では、同じ絵を見ていても味わいが全然違う、、それだけは本作によって知ることができた。
[DVD(字幕)] 7点(2021-01-20 13:10:46)(良:2票)
17.  ジプシーのとき 《ネタバレ》 
例えば、楊徳昌の映画を観れば、たった数時間で台湾とそこに暮らす人々をよく知った気にさせられたように、エミール・クストリッツァはジプシー村に暮らすジプシーという、その生き様を僕らにわかりやすく教えてくれる。 そして監督の描く彼らの姿は、とても土着的で、遊び心があって、生と死があって、そして幻想的でもある。「魔術」などはちょっとした遊びで深く考える必要はないが、むしろそれを超越するほど彼らの実生活が幻想的、ということに注目するべきだろう。とりわけ、美しく幻想的なドナウ川の祝祭、その何という荘厳さ、、これはもう忘れることはないと思う。 人間たちと音楽、ガチョウ、宙づり、そしてコソコソと動く段ボール箱まで、とにかくこの映画は落ち着きがないように見えるけど、実は一画一画がとても洗練されていて、特に場面が切り替わった直後の意表をつく光景、これには監督のセンスの良さを感じた。 個人的には、「死」や生きることの悲しさをより強調した本作よりは、底抜けに楽しい「黒猫・白猫」のほうが好みではありました。
[DVD(字幕)] 7点(2021-01-10 13:36:00)(良:1票)
18.  シンプル・シモン 《ネタバレ》 
シモン君が、道行く女性たちに性癖やらアンケートして奔走する場面が可笑しい。これが日本だったら警察に通報されるだろうし、性に開放的な国スウェーデンだから笑いとして成立するんだろう。だから、そういう貞操観念も文化も全く違う国の恋愛映画として、まず楽しめる。 思えば、アスペルガー症候群ならではの特性と言うか、シモン君の〇や数字や宇宙に対するマニアックな嗜好って、不思議と映画映えするんですよねぇ、、視覚的にもストーリー的にも。そのへん、色使いも含めて、ファンタジータッチにうまく映像化したように思います。 なお、決して本作を、「アスペルガー症候群が恋に目覚めるまで」に固執した恋愛映画として閉じないよう。だって、宇宙船プレイにロマンチックな丘のパーティーとか、むしろ普通の恋には飽きたあなた、今の関係をマンネリに感じているあなた自身こそ必要かも? (笑)
[DVD(字幕)] 7点(2020-06-09 18:59:13)
19.  ジュディ 虹の彼方に 《ネタバレ》 
ジュディ・ガーランドという歌姫の半生は、離婚や酒と薬にまみれた孤独な生涯だった・・。それは波乱万丈の人生のはずなのに、どうしても「エディット・ピアフ ~愛の讃歌~ 」とか「ストックホルムでワルツを」あたりを彷彿させます。要するに、"女性歌手の伝記映画" という定形的なフォーマット通りというか、、映画の構成としては目新しさがない気がしました。 そして、彼女は「オズの魔法使」のドロシーでしょう? それなのに子役時代の彼女が歌うシーンが皆無という、トンデモナイ脚本だし・・。 まぁ、色々と思うところはありましたが、レネー・ゼルウィガーの歌唱力と演技、そして何より歌そのものの素晴らしさには感動しました。 ありがちな展開の中でも、ゲイのカップルとの交流が印象的で、彼女のキャラに深みを与えています。その彼ら二人が最後に大きな仕事をしてくれて・・。 幼いころから、映画やショービズの世界で勝つことを義務付けられて、奪いとられた普通の等身大の子供時代。その当てつけのようにいつまでも自由奔放で、まるで大人になることを拒んでいるような彼女の人生でした。家族たちとはうまくいかなかった。でも最後までファンたちには愛されて、拍手喝采に涙する彼女。 いつしか夢見た虹の彼方、その向う側にはいったい何が見えたのだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2020-03-14 13:11:52)
20.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
題名がネタバレ全開な映画をいくつか知っているが、、これはその逆。何て噓つきな題名だ (笑) 高倉健さん演じる爆破犯一味。多種多様な乗客たち、爆破予告に振り回される国鉄側、そして犯人を追う刑事たち。クロスカッティングを効果的に織り交ぜながら進行する人間たちのドラマは、とても観応えありました。しかし、肝心の疾走する新幹線にスピード感が感じられないのは、当時の撮影技術ゆえに致し方無いか。そういった意味では、現在の撮影技術によるリメイク版を観てみたい、と思わせる映画ではありました。 (高倉健さんの代わりを誰にするかは難航するだろうが) 新幹線だけではなく、オートバイなど多彩な乗り物によるアクションも見どころ。ヘリコプター、翔んで埼玉、にはニヤリ。
[DVD(邦画)] 7点(2019-09-16 14:34:54)
010.17%
120.35%
230.52%
3203.48%
4345.91%
5508.70%
614825.74%
717029.57%
811820.52%
9234.00%
1061.04%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS