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あろえりーなさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 4669
性別 男性
年齢 41歳

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21.  オデッサ・ファイル 《ネタバレ》 
すごく面白かったです。ちょっとおまけして、9点つけちゃいます。 なんというか、スパイもの、探偵ものの話の面白さを、今一度呼び起こされたような気がした次第です。 身分を偽り潜入してからはずっとハラハラしながら観てました。 全体として粗がないわけではないんですよ。 SS隊員に化けて身体検査受けてる時に額が汗まみれなんですけど、それで見事通っちゃうのがザルだろとか、 二階に侵入した時にばあちゃんがファイルの存在を話し出すとか都合よすぎるだろとか思うんですけど、 それよりも面白さの方が優ってるんですよね。 だから、「ばあちゃん都合いいな」より「ばあちゃん、いい情報ありがとう!」の気持ちが先に来る(笑)。 老けメイクもすごく良くできてましたね。最後まで信じて味方してくれるガールフレンドも実に愛おしい。
[地上波(字幕)] 9点(2017-02-09 21:54:10)
22.  ナイトクローラー 《ネタバレ》 
まぎれもない大傑作ですね。この1年で鑑賞した中では一番素晴らしい作品だったと思う。 ジェイク・ギレンホールは以前から演技派だなぁと思っていたけど、本作もまた見事な怪演を見せつけてくれます。 というか、彼は作品選びも巧いなと思うんですよね。いい脚本、そして自分ならこの役をこなせるぞって吟味してるんでしょうね。 主人公のルイスは、モラルもかなぐり捨てたクズ、というか狂人の域になっていくわけですが、 そんなクズ野郎なのに彼の心情にいつの間にかアイデンティフィケーションしてしまう。それが本作の恐ろしいところ。 最初の頃はその日暮らしをしていた無職で、ひょんなことからパパラッチの現場に出くわし、そこに自分の居場所を見出す。 多少の憐れみもあって最初は見てたけど、そのリアルな人間描写ゆえにグイグイと彼の心情に惹かれてしまうのです。 テレビ局に持って行ったら褒めて使ってもえらたというのも大きいね。承認欲求を満たしてくれた。 ちょっとした踏み外しがどんどん大きくなり、完全に一線を越えることに。でも、自分だったら、、、と思うと怖くなる。 あそこまで踏み外したりはしないと思うけど、多少のいけないことはしてしまいそうな気がする。 ニーチェが言っていた、「 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」という言葉を思い出す。 自分の中の黒い部分、モラルって結構儚いものだったりするのだなということに気がつく。 こういう主人公だと因果応報で悲惨な結末になるのが普通だけど、それどころかルイスは会社規模を大きくして終わる。 この結末もまた恐ろしい。単なる映画の枠を超えて、現実のジャーナリズムの戒めになってる。 印象深いシーンは数多くあるけど、個人的には事故に遭わされタンカーで運ばれるジョーを見るルイスの顔が目に焼き付いちゃった。 人間のあまりにダークな部分をむき出しで目撃しちゃったみたいで背筋が寒かった。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2016-04-05 21:59:03)(良:1票)
23.  ジャージー・ボーイズ 《ネタバレ》 
いや~、イーストウッド監督、またまた傑作を作っちゃいましたね。フォーシーズンズって正直知らなかったのですが、シェリーとかは聴いたことありますよ~。いやほんと、すごい歌声ですものね。天性の才能って、こういう方を言うのでしょう。心に残るシーンはいくつもありますが、例えば初めてボブが自曲を披露し、フランキーが歌い初め他の二人も演奏に入ってるあのシーンね。フォーシーズンズのサウンドの始まり、なんかすごく感動的よね。それから中盤。フランキーはとっても義理堅いね。トミーの借金を全部肩代わりして、必死にドサ回りみたいなことするんだもん。家庭と向き合う時間も削って働いて、やっと返済したと思ったら娘さんが他界しちゃうだなんて、、、。それでボブが持ってきた曲が「君の瞳に恋してる」ですよ。もぅ~、胸が、目頭が熱くなりましたよ。この曲、有名だけど、本作を見てからはまた違った感覚で聞くようになりますね。こんなバックグラウンドがあったとは。素晴らしい作品です。元々は舞台で演じられている俳優さんたちを、そのままその役柄で映画に持っていったんですね。主役のジョン・ロイド・ヤングはじめ皆さんとてもいい演技でした。ギャングのボス役のクリストファー・ウォーケンはさすが大御所です。これ以上ないぐらいのはまり役でしたね。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-02-14 22:19:16)
24.  奇跡のリンゴ 《ネタバレ》 
最初のうちは、ロケットダッシュするバイクとか電気ショートの衝撃で宙を舞う2人とか、描写がマンガチックなので「もしやずっとこのノリでいくのか?」と不安を感じたのですが、見終わった時には凄く感動してしまいました。邪念なしに見れば、本当にいい映画なんじゃないでしょうか?首を吊ろうとした時に運命の木を見つけ、全力で家に戻ろうとしてる時にフラフラの嫁さんと再会して抱き合うシーンでまず一泣き。笑うというのは人間にしかない性能だって、そこで言ってまた笑顔になる。あんなクサい台詞で号泣しちゃう自分、あぁ、また涙もろくなったんだなぁ。そして、友人から今すぐ農園に行けと言われ、恐る恐る見てみるとそこには満開の花が咲いたりんごの木々。ここで二泣き。10年間も無収入で、周りから白い目で見られ、家族に苦労をかけ、変人扱いされてたんだもんね。そりゃ泣かないわけにはいきませんて。周りと違うことするのって、ほんと大変やなぁって思いました。新しいことする人が必ずくぐる試練。木村さんの完全無農薬栽培に関しては、いろんなことを言う人がいますけど、そういうのは置いといてお話として素晴らしいです。木村さんは、宇宙人に連れ去られてUFOの中を案内されたり、飛んでいく龍を見たり、幽霊を見たりしているというかなり面白い人みたいですけど、自然と向き合って、隠れてる真実を見いだすことで物事を成し遂げるという、そのアプローチは興味深いので、これから彼の本をいくつか読んでみようと思います。
[ブルーレイ(邦画)] 9点(2013-12-23 23:26:47)
25.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
本日、映画館で鑑賞致しました。ストーリー的には特筆するものはありませんが、これは高得点をつけざるを得ない作品であります。これほどまでに、宇宙をリアルに描いた作品はなかったのではないでしょうか。それはまさに「体感」する映画。観客が宇宙飛行士とアイデンティフィケーションし、恐ろしい危機を共有する映画。宇宙とは、圧倒的な美しさと、圧倒的な孤独と死が共存する場所。私は鑑賞中、本編の前に流れる無味乾燥なアメコミ映画の予告編集を思いだしておりました。この作品はそんな映画たちに、「これがリアリズムの凄さじゃ。どんなもんじゃーい!」と高らかに宣言しているようにも感じました。昨今、重力を無視していろんなものが飛び上がる映画ばかりですが、自然法則に忠実に描きリアルな怖さを伝えるのもまた映画の醍醐味なのであります。勿論、全てがリアルというわけではなく、例えば宇宙服は見た目が格好よくなるようにウエストを絞っていたり、宇宙船の窓を実際よりも増やしたりしてはいるようですが、無重力に関する描写は徹底して正確さを追求しているようです。身体が回転し、上も下もわからない制御不能の怖さ、なんとかして宇宙船のどこかに捕まらなきゃ、そのまま飛ばされて死んでしまう、という危機一髪の怖さ、酸素がどんどんなくなっていく、というギリギリの怖さ、宇宙空間には何もないのに、そこは「恐怖」で満たされている、、、。そして「音」にも注目です。自分の呼吸と、それから心臓の音。そして無線の音。これがまた孤立感の表現を巧く出してるし、そこに付随される音楽は見事なまでに情動的。この作品をテレビのちっこい画面で見ても、本作の一番の魅力である「臨場感」は全く伝わらないでしょう。映画館で見て、本当に良かった。
[映画館(字幕)] 9点(2013-12-22 14:53:03)(良:1票)
26.  エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン 《ネタバレ》 
自分がまだこの世に存在しないものを創造しようとする時、一体どんなアプローチで迫っていったらいいのか。どうすれば新しいものを作り出すことが出来るのか、その一つの回答が本作から見いだされます。フェラン・アドリア氏は食材を分子レベルからアプローチして新作料理を作り出す。なので、半年で200もの料理を創作するという厨房の世界は、料理作りというよりまるで化学の実験でもしているような感じなわけです。素材からのアプローチ、このボトムアップな考えは、正直目から鱗でした。新しいものを生み出す為には、そういう斬新なアプローチと方法、そしてなにより試行錯誤、この繰り返しと積み重ね、これが必要なんだと。創造する人たちが必ず通る道、その真理がここにはあります。
[DVD(字幕)] 9点(2013-11-11 00:18:17)
27.  シージャック(2012) 《ネタバレ》 
私はハリウッド映画ばかり観てる人間ですから(笑)、 レンタル屋さんでこの作品を見かけた時、 手に汗握るサスペンス&海賊との銃撃戦みたいな そういう展開があるのかと思って観たのですが、 その予想は良い意味で裏切られました。 派手さは無いですが、とてもリアルな描写で 深く入り込んで鑑賞出来ましたね。 海賊といっても、時には釣りとかして 和気あいあいになったり、通訳の人は割と 理性的だったりして、それがまたリアルで良い。 そして社内で交渉のプロを交えながら海賊と 繰り広げる交渉劇もまた凄くリアル。 あ、現実世界で起こる海賊との交渉もこんな 感じなんだろうな~って思わせます。 普段は落ち着いた責任感ある社長さん。 それ故、激高したり、一人席を外して 考え込んだりしてる描写は人間味を感じ共感させられる。  船内にいたコックが主人公ではありますが、 船員たちを救い出そうとする社長さんもまた ある意味主人公の一人みたいなものです。  そしてあのラスト。いや~、やられました。 ズシリときましたよ。家族と出会っても、 喜びの表情一つ見せないコック。でもあの展開って、 実際にありえそうですもんね。 ハリウッドスタイルとは真逆だけど、 本作はとことんまで現実の出来事に忠実な 作りに思え、だからこそ登場人物全てに共感が出来る。 傑作だと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-07 23:29:57)
28.  サヨナラ 《ネタバレ》 
とてもいい映画だと思います。マーロン・ブランドがいい味出してるんですよ~。ちょっとこうヤンチャ臭い感じと、育ちのいい雰囲気の掛合いがたまらないです。ナンシー梅木がこの作品でオスカーを受賞しましたけど、日本人の目からすると割と普通の演技で、それほど特筆するような感じではないですよね。夫役を務めたレッド・バトンズもオスカーを受賞しているから、これはたぶんキャラクターによるところが大きいんでしょう。二人で心中してしまうという劇的な役柄ですから。マツバヤシ歌劇団というのは、たぶん宝塚を模してるんだと思うけど、ハナオギさんの歌声は素晴らしく、スターらしいオーラが出ていてハマり役でした。歌劇団が歩く橋や庭園、日本家屋など、どれも情緒ある風景です。マーロン・ブランドが何回も頭ぶつけるシーンは笑えたし、夫婦岩のシーンは、観ているこっちもニンマリしちゃう。この二人、ことあるごとにチューしまくってて、「あんたらどんだけキスしとんねん!!」とツッコミ入れちゃうほど、そののろけっぷりがたまらない。終盤、言いよるロイドに対しずっと煮え切らないどっち付かずの態度をとるハナオギに「はぁぁぁああん!もぅ早くOKしてあげてえぇぇぇぇええ!!」と、ドキドキしながら叫んじゃいました(笑)。なんたって、タイトルが「サヨナラ」ですから、二人はやっぱりサヨナラして終わっちゃう切ないお話なのかと思ってたので、このハッピーエンドにはほっと胸を撫で下ろした次第です。そして国際結婚を拒もうとする風潮に「サヨナラ」を言い放ったラストの鮮やかさに思わず拍手。とっても楽しいラブストーリーでした。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-02 21:55:25)
29.  ハウス/HOUSE(1977) 《ネタバレ》 
これはすげえや。今までに数千本という映画を観てきましたが、ここまでぶっとんだ映画は他にお目にかかっておりません。なんというか、一般的には欠点と指摘されるようなことを、徹底して貫いてそれを魅力に転換させているという感じを受けますね。例えば、背景の絵なんかは、凄く綺麗に描いてるけれども一目で絵とわかるわけですよ。それは普通ならチープさの一言でマイナスに受け取られるけど、この作品だとそれが漫画的なファンタジー世界を作り上げるにあたって、逆にこのキッチュさが魅力になってるわけですよね。それから、キチガイみたいにやかましい音楽も、台詞が聞こえずらくなるほどで普通ならこれも欠点の烙印を押されそうなもんだけど、これがまたこの独特な雰囲気を生み出していてプラスになってるんです。やたらと多用されるワイプとか早送りや巻き戻しなどのエフェクトなんかも、映画的な意味は全くないと思うんだけど、それもまたシュールさを生み出す構成要素になってる。お屋敷の内装だって、見るからにセット臭いんだけど、それがまた異世界感を出して良いんですよね。そんなわけで、マイナスを全て魅力に変える事に成功してる希有な作品だと思います。いや勿論、ほとんどの人は受け付けない内容だと思うし、大林監督の少女趣味が全開なのでとても人にはお勧め出来ないんですが、こういうヘンテコな映画は大好きなので、高得点差し上げちゃいます。メロディーがピアノに指を食べられ、「あら、ないわ~」なんて言いながら全身も食われちゃうシーンとか、オシャレが巨大化して、「おおきい唇~」だなんて言われるシーンとか、ガリが全裸になって水中バレエするシーンとか、猫の掛け軸が「ニャー!」って恐ろしい顔になってクンフーが電灯に頭から食われものすごいサイケな映像になるシーンとか、印象深い場面はたくさんあるのですが、個人的にはそのクンフーが見せるクンフーアクションの唐突感がツボです。僕の頭の中、凄い勢いでかき回してくれました。
[DVD(邦画)] 9点(2012-04-24 16:24:52)(笑:1票)
30.  ホテル・ルワンダ 《ネタバレ》 
これは素晴らしい作品です。10年に1本ぐらいの傑作と言ってもいいぐらい。ツチ族とフツ族というのは、見た目の違いなど無い同じ民族だったのに、ベルギー人によって明確に区分けされ、それによって両者が対立してしまうわけですね。支配人が「白人を信じて全てを模倣してきたのに裏切られた。私はバカだ」と吐き捨てる様に言う台詞がありますけど、それは彼個人の心情を吐露していると同時に、白人によって長らく植民地支配を受けてきた黒人全体の気持ちを代弁してもいるのだと思います。日頃、世界の平和を訴えるはずの政治家は「ルワンダは票にならない」といって助けない。人間の本質とは何かを考える上で、性善説と性悪説の二つがあるけど、人間は基本的に利己的で、その本質を隠すために偽善の皮をかぶっているのかな。この作品を観ていると、人間とは本質的に性悪なのかなと考えてしまう。圧倒的な数の悪人に対し、善い人達のなんと少ないことか!!見終わった観客が、なにかしらの後ろめたさを感じたとき、それこそが、この作品の意図するものなのでしょう。記者が語った「たとえこの映像が世界中に流れても、ほとんどの人が、怖いねぇ、と言ってディナーを続けるだろう」という印象深い言葉があります。そう、結局は傍観者なのです。そしてこの言葉は、この作品をエンターテイメントとして消化し、「怖いねぇ」と言って終わらせる観客たちにむけて語られているのでしょう。 自分の無力さ、ある種のやるせなさをひしひしと感じてしまう。
[DVD(字幕)] 9点(2012-02-24 23:13:41)
31.  チャイナ・シンドローム 《ネタバレ》 
原発の危険性を題材にした作品ではあるが、実を言うと原発に反対する映画ではない。そうではなくて、利益の為に真実が歪められ、安全性を蔑ろにする企業と、その企業に加担し報道を自粛するメディアを問題にしている。そしてこの図式はなにも原発だけでなく、鉄道に航空機に自動車、建築物に工業製品、人間が作り出す全てのものと業界に言える普遍的なテーマなのである。だからこそ本作は、今から30年以上も前に作られ、報道カメラがフィルムであるという古さを感じさせれる内容でありながらもその中核部分は決して色あせないのである。技術者ジャックはまさにヒーローであるが、彼のような英雄は周囲が敵に囲まれているが故に孤独でもある。目の前には、巨大企業が作り上げた不条理の壁がある。命を狙われ、カーチェイスをやってのけ、銃を奪って篭城までしてでも、人々の生命と安全の為に真実を救い出そうとした。この一人の孤独な英雄に、ここまで強く共感を持つ映画は他にあまりない。それ故に、サスペンスフルで娯楽作としても良く出来てると思う。また同時に、このような題材でシリアスな意欲作を作り上げるハリウッド&アメリカという国の懐の深さも驚嘆せずにはいられない(しかも公開直後にスリーマイル島の事故が発生してます)。あらためて申し上げるが、これは「反原発」という単純な映画ではない。この作品は、観客一人一人に、あなたはキンバリーやジャック側の人間ですか?それとも、利権のためだけに生きている企業側の人間なのでしょうか?ということを痛烈に問いつめているのである。
[DVD(字幕)] 9点(2011-08-13 19:38:18)(良:2票)
32.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
ケチのつけようがない傑作。イーストウッド氏の近年の作品は、全部傑作じゃないか。凄い。凄過ぎる。普通、映画監督っていったら、働き盛りぐらいが一番脂のってて、晩年の作品てのは大概は「いかにも晩年」的な作風で終わるものなんだけど、イーストウッド氏は違う。どんどん進化していく。どんどん上へ昇って突き抜けて、誰も到達出来ない高みへと達してしまった。まさに心揺さぶられる、珠玉の一品。精神病棟を解放してあげた仲間の女性との無言の見つめ合い。僕はあのシーン好きだな。言葉なんかいらないよね。うん、これが映画ってもんなんだよ。それにしても、ついこの前も冤罪事件があったし、テクノロジーは進歩しても、80年経っても人間は全く変わっていないんだということを痛感してしまった。
[DVD(字幕)] 9点(2009-07-24 21:50:47)
33.  手紙(2006) 《ネタバレ》 
近年の邦画の中では間違いなくトップクラスですね。いやぁ素晴らしい作品だと思いますよ。確かに、ラストの小田和正にイチャモンをつけたくなる気持ちはよくわかります。ただ、それを差し引いてみても、良質の作品であることに変わりはないでしょう。やっぱり東野圭吾の原作が日本の闇と人間の深淵をしっかり描いてるもんだから、それを忠実に映像化してまずい内容になるはずありません。兄にしろ弟にしろ、相手をためと思ってやった行動が裏目に出る。その切なさやるせなさ、そして差別の理不尽さ。こういう話に私は弱い。山田君の熱演にも拍手。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2009-06-18 22:26:55)
34.  隠し砦の三悪人 《ネタバレ》 
黒澤さんの作品では最も「エンターテイメント」な作品ですね。分かりやすい面白さを徹底してる。そしてキャラが際立ってる。特に百姓の二人組は強烈なまでの個性と愛嬌を持ち合わせており、ルーカスが真似るのも無理はないなと感じさせます。そしてそのストーリー運びや設定も、後世に多大な影響を与えてるんだなということがよくわかる。ところで、隠し砦のある山の風景は、なんだかまるでグランド・キャニオンの様な様相を思い起こさせるし、森の中にある泉も、どことなく西洋的な風景に見えてきませんか?ラストの早川領を一望する抜ける様な風景も、あまり日本ぽくないように思えてくる。そこには、ある種の異国的な壮大さみたいなものが感じられる。音楽だって、旋律こそ日本風ではありますが、ライト・モチーフの使い方やそのダイナミズムさはまるで西部劇そのもの。そう、黒澤作品はたくさんの映画人に影響を与えたけれども、黒澤さん自身もまた西部劇に大きく影響を受けたんだなということが見て取れるわけです。それにしても、日本が舞台でありながらこういう壮大さ異国さを生み出すには、モノクロだからこそ出来る映画の「虚構の力」というのがある様に思います。よく、「黒澤映画はカラーになって駄目になった」という人がいるけど、それはつまるところ、カラーによって映像が現実により忠実になることによって、モノクロが持っていた「虚構の力」が失われたからではないか、という風に思うんです(勿論、カラー作品にはカラー作品の魅力があるわけですが)。その力をアイデアや創意工夫で存分に活かすことが出来たのが、黒澤明の非凡たる証だったんじゃないかなぁと。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-09-26 23:19:37)(良:1票)
35.  ブレードランナー/完全版 《ネタバレ》 
細かい部分は違うかもしれませんが、基本的には初公開版とほぼ同一です。ここではいつくか僕の好きな印象深いと思うシーンを書きます。レイチェルが、自分の子供の頃の写真を持っていて、それをデッカードに渡すシーンがありますよね。デッカードがその写真に目を落とすと、本当はタイレルの姪の記憶を移植されたものであるから、実は偽物なんだけど、その写真の中の光景が少しだけ動くんですよね。あれは凄く切ない、胸にぐっとくるシーンです。それからラストのロイとデッカードの対決のシーン。よく見ると突然ロイが鳩を持ってるんですけど、どうしてまた彼に鳩を持たせたのか。それはつまり、飛び立っていく鳩を映し出す事によって彼の魂を表現してるわけですね。例えば「ドクトル・ジバゴ」に、花瓶に入れてある花の花びらが一つ、また一つと舞い落ちるシーンがあるんですけど、あれはつまり登場人物の悲しい心情というのを表現してる。それと同じで、なにか外界のものによって人の内面を表現するという手法が、とても知的で芸術的だなと思わせるんです。レプリカントなんだけど、魂を表現する。偽の記憶なんだけど、写真が動く。結局のところ、レプリカントという反人間的な存在を設定することで、より人間的なものを端的に表す。SFにだけ許される特権的なやり方で、だからこそ僕はこの作品にぐっとくるものを強く感じる。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2008-08-14 22:16:24)
36.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 
スタッフロールにスクリーンプレイ、アイリス・ヤマシタという名前が書いてあるのを見て、私はてっきりこのお話は、その当時を知る日系のおじいちゃんが書いたものなのかなと思ったんですけど、後にメイキング映像を見て実は日系の若い女性だということを知ってとても驚きました。当時の資料を集め研究し、出来る限り史実に忠実にしたかったのだそうな。ストーリーとしての素晴らしさも去ることながら、その真摯な仕事ぶりに感心致しました。イーストウッド氏は「戦争で亡くなった全ての人たちは尊敬に値する。彼らの犠牲があって今の日本があるんだということを、忘れてはならない」と語っています。これこそがこの作品のテーマであり、メッセージなわけです。日本の領土で行われた初めての日米の戦い。そして第二次大戦において最も激しい戦闘の一つであり、日米双方に多数の死傷者を出したという。特に日本軍は2万名余りの兵士のうち、そのほとんどが戦死ししてしまったそうな。まさに玉砕覚悟の防衛だったわけです。栗林中尉の台詞に「 我々の子供らが日本で、一日でも長く安泰に暮らせるなら、我々がこの島を守る一日には 意味があるんです!」というのがありましたけど、本当にそういう思いで戦ったんだろうと思います。にもかかわらず、制作者側が言う様にあまりきちんと教科書で教えられていない。この国ではやれ戦争や自国の歴史ということになると、すぐさま右と左のイデオロギーの戦いに終始してしまう。過去に起こったことをそのまま伝える事、戦争で亡くなった方々に敬意と哀悼を表する事は、本来はイデオロギーを超えたものであるはずなのに。そりゃ確かに戦争は無意味だし、嫌なものだから記憶からなくしてしまいたいかもしれない。でも彼らの存在まで無意味にし、その思いまでなかったことにしたら、それこそ何の教訓も得てないし、自分で自分を卑下する様なものですよ。思想的に偏屈になるか、あるいはただの無関心かのどちらかに行く事無く、全ての日本の人々が彼らの存在と思いを知り、頭をたれるその日が来るまで、この作品の意義が失われる事はないでしょう。
[映画館(字幕)] 9点(2008-08-13 23:47:42)(良:3票)
37.   《ネタバレ》 
優れた映画作品には、3つのE、すなわち「3E」が備わっていると言います。その3Eというのは、「Educational(教育的で)」、「Enlightening(啓蒙的で)」、「Entertainment(面白い)」の3つです。その観点から言うと本作は、まさにこの3つの要素が備わった傑作中の傑作であると言えます。演説場での暴動と、議員が暗殺される一連のシーンの緊張感とダイナミズムは本当に素晴らしい!そして真実を追い求める予審判事と事件を収束させようとする国家権力の息をもつかせぬ闘い!国名こそ上げていないものの、当時のギリシャの軍事政権を批判した内容となっており、事実に即した悲惨な結末が待っていても、やはりこの作品には大いなる希望を見いだす事が出来ます。それは、真実はどれほど覆い隠そうとしてもいつか必ず暴かれるものであり、自由はいくら抑圧しようともいつか必ず人々の身に宿るという、この世の真理を雄弁に語っているからです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-05-25 23:55:57)
38.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
これぞまさしくエンターテイメント!犯人の方々のバック・ストーリーが重く、深く、それでいて人情味があって、感情移入せざずには入られません。この犯人の動機付けがもし描かれていなかったら、ただのアクション映画として厚みも無く、犯人達に共感の念を持つ事はなかったでしょう。この動機付けがあるからこそ、被害者を出さずに計画が成功してほしい、と応援する気にもなり、その結果ハラハラドキドキ感が得られるんだろうと思います。アクションシーンが無駄に凄いし、なにより高倉さんと宇津井さんの演技がもう素晴らしいのなんの。乗客の反応がちょっと馬鹿すぎるかなと言う気もしますが、そこはご愛嬌。なにせ30年以上前の作品ですし、実際の新幹線を使ってのアクションシーンは難しいのでしょう、ときおり出てくるミニチュアが興ざめなんですけど、そのへんが-1点かな。ああいうの見ると、この面白さそのままに今の技術で誰かフルリメイクしてくれないかな、と思ったりするんですけど、たぶん脚本も変わって現代風に薄っぺらいものになっちゃっうんだろうな、、、、。ただ一つ、喫茶店の火事はちょっと突然すぎるよね(笑)。でもあんな無理矢理な設定も、ありえなさを面白さが凌駕してるんでOK。飛び去る飛行機のジェット音、そして銃声!のラストは圧巻であります。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-02 00:50:16)
39.  ミリオンダラー・ベイビー
不純なものが一切ない、直球の作品でしたね。ああ、こういうのを本当の映画というんだな、巷に溢れてる映画とやらは単なる商品でしかなく、こういう映画こそが「本物の映画」と言えるんだな、見終わった後にそう感じましたね。こういう作品に言葉は似合いません。言葉にできない、説明しがたい感動が襲ってくるんです。そう、現実ってそういうものだから。二度とあの練習場には戻ってこなかったイーストスッド爺。ああ!切ないね!
[映画館(字幕)] 9点(2005-06-25 22:52:47)
40.  9|11 N.Y.同時多発テロ衝撃の真実
9.11の映像はもう何度見てもまったく慣れないですねぇ。よく「歴史の生き証人」という言葉が使われますけど、テクノロジーが生み出したそれまでになく確実性と具現性を持った「歴史の生き証人」が映像だと思うんですね。人間だったらいつか死んでしまうし話は記憶と関わってるから確実なものではないし、具現性に乏しいものでしょう。それまでもっとも確実なものは書物だけだった。書物は人間と違って死にませんからね。だけど具現性に乏しい。映像はこの確実性と具現性を両方兼ね備えているわけですよ。今、巷に溢れてる映画、映像はほとんど価値のないものばかりだけど、でも映像の存在する意義は何かと言ったら、そこにあると思いますね。こういう優れたドキュメンタリーを見るとつくづくそう思います。内容に関しては、そうですね、人が飛び降りるあの凄まじい音。ダーーーーン!っていう爆発したみたいな。あれは強烈ですね。この兄弟は、遺体は映してはいけないものだ、ていう立場をとった。この倫理に関してもすごく関心しますね。遺体を映す映さないっていうのはドキュメンタリー作る人では考えが違う。一線を越えるか越えないかみたいな。勿論、悲惨なシーンを見せてもそれは凄く訴えてくるものにはなるけど、倫理的にどうかっていうのがありますよね。
9点(2004-07-23 01:23:15)
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