21. 燃えよ剣(2020)
《ネタバレ》 時代の流れに乗ることよりも、信念のままに生きることを重んじる男の姿。 “新選組”が「ワイルドバンチ」にダブって見えてくる。 チャンバラではなく実戦の剣を感じさせる殺陣は迫力があった。 会津の人たちが今にしてなお、長州人を嫌う理由が分かる作品でもあった。 [映画館(邦画)] 8点(2021-10-17 17:37:06) |
22. 極底探険船ポーラーボーラ
《ネタバレ》 ティラノザウルスが尻尾引きずって出てきます。 でもね、公開当時のティラノザウルスは今みたいに羽毛も生えてなかったし、尻尾を浮かせて前傾姿勢をとってたりしてなかったんですよ。 着ぐるみでどこまで恐竜をリアルに描けるか、スタッフは拘っていたのですが、時間を経て恐竜の考証が変わってしまったんです。 本作の原題は「最後の恐竜」で、地底世界にただ一匹生き残っているであろうティラノザウルスと、主人公マステンのダブル・ミーニング。 DVD化されたときにタイトルバックのマステンのアルバムに書いてある文言がキチンと訳されていて、 (DVD以前の劇場版やビデオ版ではほとんど訳されていない)マステンの因業ジジイぶりが分かりやすくなっていたのは嬉しかった。 地球が空洞で、別世界が広がっているというのはUFOマニアにも有名な説。 多分元ネタはバロウズのペルシダーシリーズで、古くて新しい(?……?)設定。 この映画、素敵な邦題のせいで大分損してると思います。 [映画館(字幕)] 8点(2021-04-24 10:11:28)(良:1票) |
23. 海辺の映画館 キネマの玉手箱
《ネタバレ》 大林監督の映画、なんだか肌が合わないみたいで『水の旅人』から後ろの作品、全然見てないんですよ。 で、何となく見てみようと思った本作なんですが… 3時間、みっちり楽しめる作品でした。 まっすぐにメッセージを投げ込んでくる映画なんですが、ピッチャーに悲壮感が無くて、 マウンドの上で楽し気に笑いながら、それでいて重たい球をまっすぐに投げこんでくる感じでしょうか。 お約束ともいえる、武田鉄矢の坂本龍馬。 そして、浅野忠信の酒匂允。たこつぼ作戦。 岡本喜八監督が映画に込めた「反戦」に大林監督が共闘しているようで楽しかった。 大林監督、素敵な映画をありがとうございました。 [映画館(邦画)] 8点(2020-09-08 19:18:35)(良:1票) |
24. 屍人荘の殺人
《ネタバレ》 原作未読。予告編以外の情報なしで見たので、ま、タイトルに書いてあるとはいえ、意外な展開にビックリ! 原作が「バカミス」と呼ばれているのかどうかは知りませんが、本作は立派なバカミス映画だと感じました。(褒めてます) 『センセイ君主』で花開いた浜辺美波の才能に磨きがかかった作品と言えるのではないでしょうか。 余談ですが、去年の正月映画は悪霊払いの宗教フェス作品、今年の正月はミステリーといいつつ×××映画。東宝のネジ、イイ感じで外れかかってるんではないでしょうか。 [映画館(字幕)] 8点(2019-12-30 10:40:45) |
25. カスリコ
《ネタバレ》 昭和40年代を舞台にした、好き勝手に生きる男たちの激しく濃い人情ドラマ。 こんな連中が身内にいたら、いろいろ大変だけど、憎めない。 モノクロの画面と、抑えた演出が心地良い作品でした。 [映画館(邦画)] 8点(2019-06-25 15:43:04) |
26. 主戦場
《ネタバレ》 ドキュメンタリーなので点数をつけるのが難しいのですが、この作品に少しでも興味がある方は見たほうがいいです。 とお勧めする意味で8点にしました。 従軍慰安婦の強制連行を題材にしたものですが、問題点を分かりやすく提示し、立場の違う人たちの言葉をそのまま聞かせてくれるので、 押しつけがましさのないドキュメンタリーだと感じました。 この映画を観る前から「美しい日本を大切に」「愛国心はないのか」などという、 戦前回帰的な言説を声高に唱える人たちに胡散臭さを感じていたのですが、 この映画のおかげでその理由が分かったような気がします。 あの人たちは日本だ愛国だと言いながら、アメリカが大好きで 、アメリカのための戦争に日本国民を差し出してもいいんじゃね。 と思っていそうだからです。 戦前回帰どころじゃないロクでもなさですね。 [映画館(字幕)] 8点(2019-06-06 22:02:26) |
27. ザ・フォーリナー 復讐者
《ネタバレ》 爆弾テロに巻き込まれて高校生の娘が死亡。 悲しみに暮れる年老いた父親は戦闘のプロだった! 爆弾テロ犯を殺すため、すべてを捨てて暴走する老人を、ジャッキー・チェンが死んだ目で演じるサスペンスアクション。 共演はピアーズ・ブロスナン。 物語の舞台はイギリスで、劇中に登場するUDIという北アイルランド系の組織は、モロにIRAのこと。 娘を殺した爆弾犯の名前を知ろうと、ジャッキーは北アイルランドの副首相ブロスナンに迫ります。 死んだ目をしていても、ジャッキーのアクションは健在です。 作品のトーンに合わせて、確実に相手を壊そうとする格闘を展開。見ごたえ充分です。 まさにジャッキー・チェンの新境地でした!! ところで、監督マーティン・キャンベルですが、 『ゴールデン・アイ』『カジノロワイヤル』の2本の007映画の他は何を撮っていたんだろうと プロフィールをチェックしたら、 (『グリーンランタン』は置いといて)TVシリーズ「特捜班CI-5」を手掛けていたとのこと。 テンポの良い筋運びと、締まったアクション。そして人間の暗黒面丸出しの政治&諜報活動。 そんな「特捜班CI-5」の持ち味が、見事に詰まっておりました。 [映画館(字幕)] 8点(2019-05-21 08:43:23)(良:1票) |
28. 翔んで埼玉
《ネタバレ》 日本映画にはナカナカ珍しい、全編おバカな映画。ビジュアルエフェクトは無駄にちゃんとしていて、埼玉対千葉の戦いや都庁周辺でのクライマックスは見ごたえ充分。春日部の映画館で鑑賞したのですが、上映終了後には拍手が!!楽しい映画でした。 [映画館(邦画)] 8点(2019-02-24 16:40:14) |
29. 女王陛下のお気に入り
《ネタバレ》 しっかりした物語。素晴らしい演技。眼を見張る衣装と美術。リアルで美しい映像。そしてイギリス映画らしい、じんわり苦い後味。誘われたので、予備知識の無いままに見た映画ですが、見ておいて良かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2019-02-24 08:58:58) |
30. 来る
《ネタバレ》 自己承認欲求の固まりみたいなゲスいパパは、さすがに心を入れ替えたようだけど、時にすでに遅し。 外面いいだけのゲス夫に耐えていた健気な嫁かと思いきや… そして正体不明の“ぼぎわん”(ざわちん、じゃないよね)が来る。毛虫ウネウネで結構不愉快。 立ち向かう霊能者姉妹。巻き込まれて自分自身のダークサイドと直面するフリーライター。 そんなキツい人物たちが蠢く様をシャープな映像と編集で見せてくれて、飽きさせない。 [映画館(邦画)] 8点(2018-12-09 19:36:04) |
31. ミッション:インポッシブル/フォールアウト
《ネタバレ》 前作に続き、安定の娯楽大作。007シリーズ、ロジャー・ムーアの後期のフィジカルなアクション編を彷彿させてくれます。 007はジェームズ・ボンドのワンマンアーミーものですが、本シリーズはイーサン・ハントと仲間たちの絆と活躍が描かれているのが大きな違い。 特に本作では、仲間を守ったり、警察官を殺すのをためうことで事態が悪くなる、という展開が用意され、非常になりきれないハント君が危機に直面します。「全人類を守るために、少数の命を犠牲にしてよいのか?」というスーパーヒーローが直面するテーマが提示され、ナカナカ素敵な作品となっております。 [映画館(字幕)] 8点(2018-08-05 06:53:21) |
32. 15時17分、パリ行き
《ネタバレ》 「誰かのために何かしたい」という思いが人生を突き動かす。 『アメリカン・スナイパー』のハッピーエンド版ともいえる、人間ドラマ。 [映画館(字幕)] 8点(2018-03-04 23:06:00) |
33. 銀魂
《ネタバレ》 原作未読ですが、TVアニメは何度か観ています。 それほどのファンでもないのですが、ヒットしていると聞いて見ちゃいました実写版。 役者がみんな弾けてて楽しい時間が過ごせました。 立ち回りも、動き、見せ方、共に良かったです。 [映画館(邦画)] 8点(2017-08-06 01:33:33) |
34. 君の膵臓をたべたい(2017)
《ネタバレ》 原作未読です。中学高校と、主人公のように図書館派だった自分にはグッとくる作品でした。 ヒロインの咲良が、クラスで三番目に可愛いという程好い感じなのが、重ねてグッときました。ホラ、クラスで一番の娘って誰が見てもかわいい娘だけど、三番目って主観が入るから意見が割れるじゃない? [映画館(邦画)] 8点(2017-08-05 01:26:41) |
35. 追憶(2017)
《ネタバレ》 どっしりドロドロした2時間20分!みたいなものかと思っていたら、松本清張の短編小説のような99分。でも、ずっしりと身が詰まっていて無駄のない作品でした。 「黒い画集シリーズ」の平成版の新作のような印象と言いましょうか。 『あなたへ』で保険金殺人を見逃した降旗監督が、今回はしっかりと保険金殺人を告発します。 [映画館(邦画)] 8点(2017-05-14 14:05:35) |
36. ゴースト・イン・ザ・シェル
《ネタバレ》 『ブレードランナー』のビジュアルが、映画のみならず、コミック、アニメに与えた影響は大きいものだとつくづく思わされました。 この作品はアクションシーンのレイアウトやカット割りにフェティッシュな手触りがあり、なかなか楽しめました。 予告編では気になった少佐の太めのプロポーションですが、逆に生っぽく見えてアリかなと。 原作を読んだことがなく、アニメも劇場版の1作目、2作目を当時見たくらいで、ファンというほどの者ではないせいかもしれませんが。 でも多脚戦車との死闘と、その決着は「燃え」ました! そして、記憶を取り戻し戦いを終えた後のひと言が『ロボコップ』(もちバーホーベンの方)を、想起させてくれて再び『燃え』! [映画館(字幕)] 8点(2017-04-08 19:13:14) |
37. キングコング: 髑髏島の巨神
《ネタバレ》 コングのあばっれぷりの良さが楽しい作品。登場人物が平板で、物足りないのがタマにキズですが。 大ダコとコングの戦いは往年の東宝映画『キングコング対ゴジラ』へのオマージュか? タコが川にいるのは『フランケンシュタイン対地底怪獣』の、富士の樹海にいる大ダコへのオマージュか? そんな東宝特撮っぽさ(え、クモンガも登場してるって?)は、最後の最後に明かされる、次回作への引っ張りの伏線なのか? [映画館(字幕)] 8点(2017-04-08 08:29:26) |
38. ズーランダー NO.2
《ネタバレ》 大物スターのカメオ出演も楽しい、大スケールのおバカ映画。この手の作品は好き嫌いが分れるものですね。キーファー・サザーランドの抑えたバカ演技がポイント高かったです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-02-05 18:34:04) |
39. 昭和最強高校伝 國士参上!!
《ネタバレ》 『あぶない刑事』などのアクション監督として活躍する高瀬将嗣の監督作品。自らの体験を元にした、昭和らしい愛すべき不良高校生の喧嘩に明け暮れる日々が描かれる。CGやワイヤーワークを使っていない、ガチの喧嘩アクションが見どころ。酒、たばこ、パーティ券販売と、今の大人しい高校生から見れば、トンでもないことが行われていた日常と、在日の師弟が通う高麗高校との因縁の抗争が描かれるが、カラッとしたタッチで笑える映画に仕上がっているのが見事。1話2話の同時公開ですが、3話、4話と続きが見たくなります。 [映画館(邦画)] 8点(2016-08-10 07:08:59) |
40. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 ホメ言葉として『60年代の特撮映画』のテイスト、というか60年代のSFテイストを感じる作品でした。 というのは、この作品に良心的な意味での「科学万能主義」がしっかりと息づいていること。 火星探査、その事故からの生還の為に、全てのイデオロギーを超えて人々が力を合わせる姿が描かれていたからでしょう。 中国の協力が描かれていることを指してるんじゃないですよ。 NASAが情報公開を必須として活動していること、NASAに関わる人びとの人種、宗教の雑多さが描かれていること。 さらに理性を失わない科学者たちの姿を描いていることで、バラ色の未来を無邪気に夢見られていた頃のSF映画っぽさがしたのだと思います。 人種問題も宗教問題も解決し、国境がなくなり、戦争もなくなっている。そんな未来を夢見ていられた頃は幸せでした。 どうしてそんな未来をイメージできなくなってしまったんでしょうね。 火星に取り残された主人公のように、希望を失ってはいけないんでしょうね。 [映画館(字幕)] 8点(2016-02-11 19:12:07) |