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ぞふぃさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 173
性別 女性
ホームページ http://stern-sanchi2.cocolog-nifty.com/
自己紹介 レビュワーになって丸15年が経ちました。

14年目の去年のレビューは0件、コロナ禍とはいえ映画館にも行かなかった1年でした。

「もうここにレビュワーとして参加するのも卒業かな…」なんて思っていたところ、過去に投稿した拙レビューに「良」と投票してくださる方々がいまだにいらしたことを知り、無性にうれしく思ったものでした。
こんな想いを抱えたままではまだまだやめられないな、と…

そんなわけで相も変わらずのぼちぼち参加ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします・・・

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41.  メメント 《ネタバレ》 
そうそう、考えてみれば私たちだって感じたことがないわけじゃないのです。 よくあるでしょ? 2階に何かを取りにいったんだけど、2階に着いたら何取りに来たんだか忘れちゃったりすること。 ただ違うのは、私たちは1階に戻ったとたん思い出すこともあるけど、この彼は思い出そうと努力しているうちに、何を思い出そうとしていたのかさえ忘れてしまう点……  …時間軸どおりに鑑賞すれば、確かにわかりやすい、同時に陳腐な話です。 でも時間を逆行させれば?すばらしい。主人公の抱えた障害を実感させてくれるという意味でこの手法は秀逸です、これ以上はないくらい。 この実感とそれに伴う歯がゆさの共有。これ抜きにしてこの話の価値は有り得ません。 こんな有無を言わさない手段で、観客を共感に引きずり込む方法があるなんて!驚きですね。  …そうは言うものの、確かに鑑賞後に得られるカタルシスは少ない。「散々考えさせといて、それだけかよ?」みたいな疲労感や虚脱感もある。 でもその欠点を補っても尚余りあるのが、この「忘却という感覚」の再現の巧みさなのではないでしょうか。それと同時に「映画っていろんな楽しみ方があるもんだ」ということを気づかせてくれた点ももちろん、なのですが。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-24 17:53:53)(良:1票)
42.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 
私はこの映画を戦時における美談モノとしては価値を見出していない。それよりも「非常時において普通の人間はどのように変貌し得るか」というテーマを描いたものとしてみるときにこそこの映画は輝いて見えるような気がするのだ。 実業家オスカー・シンドラーと収容所長アモン・ゲート。二人はこのような非常時でなければ多分極普通の人間としてその生を全うしたのかもしれない。むしろ怪しげな山師的性格のシンドラーよりもゲートのほうがきっと真面目で世間により認められる人間になったとしてもそれは別におかしくもなんともないことだったろう。 だが、この狂気の時代にゲートはその気分で人間をあやめても平気な悪魔になり、山師シンドラーはその財(もともとユダヤ人を助ける羽目になったそもそもの目的)すらも投げ打ってユダヤ人を助けるのに奔走するようになる。この展開は本人すら思ってもみなかったことであったろうに。 悪魔のようなゲートにすら良心の呵責がまるでなかったわけでもなかろう。確かゲートがシンドラーにこんなふうに尋ねるシーンがあった。 「どうして君はそんなに満ち足りていられるのか?」 「それは赦しているからだよ、君にも出来るだろう?」 ・・・君にも出来るだろう?だがそれを実行しようとゲートは試みるも、挫折し、またも些細な失敗をした囚人を虫けらのように殺してしまう。結局はその「赦している自分」に「今更そんなことをしたところで遅い」という悪魔の声がささやいたのかもしれない。今更!オレはもうとりかえしのつかないところまできてしまっているというのに!そんなことをしてどうなるというのだ?!と・・・ 狂気の時代は、平凡な人生を送るはずだった人々を悪魔のような大悪人にもし、その反対に信じられないような善行を積むきっかけを与えたりする。もしも、もしも私がそのような時代に不運にも生きなければならないことになったら、そしてもしも普通の凡人の道を踏み外さねばならない事態になったとしたら、どうか悪のほうではなく善のほうに足を踏み出せるように・・・その勇気がひとかけらでも私の中にありますように・・・と、そんなことを考えさせてくれたのがこの映画。偽善的・あからさまな賞狙いなどいろいろな批判もある中、確かに私にとってはそれ以上のものがあったと、私自身は確信している作品である。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-08-24 13:36:15)(良:4票)
43.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
3D効果が半端じゃないと評判のIMAXシアターにて鑑賞。チケット売り切れ状態が続いて3週間もお預けをくった末、ようやくの鑑賞だった。 で… すごい…こりゃ乗り物酔いちゃうかも…と感動し、そして心配していたのは、結局杞憂に終わった。 慣れてしまうのだ、30分もすると… そして、慣れちゃうともう「ちょっと迫力ある映像」にしか過ぎなくなってしまう。 (…大変だよね、映画作るってさ、こんな我侭な観客を満足させなきゃいけないんだもん。) というわけでアゲそうなほど見飽きたストーリーの展開に後半は失笑気味だった。 もう、敵方の首長の娘とかその婚約者もどきとか、他に考えられないのかよって感じ。 ストーリー云々は関係なく技術でアッと驚かすなら、もっと短時間のほうがいいよ、絶対に。みんなが慣れる前に息もつかせず畳み掛ける、そうしたほうがよかったんじゃないの?  (追記) ホントは最初5点だったんだけど、「ビデオでも良い感じ」とはとても言えないので。「そこそこに面白い(6点)」よりはやっぱ「意外と面白くなかった」ので4点とさせて頂きました。
[映画館(吹替)] 4点(2010-03-20 19:23:11)
44.  レッド・サン 《ネタバレ》 
(以下激しくネタバレです。) 子供の頃(30年ぐらい前)に見て、日曜に久しぶりに再鑑賞! 「ロバはしゃべらない」なんて三船のセリフ、いいねぇ。 「寡黙ゆえに一見間抜けと思われがちだが、実は誰よりも誇り高く、物事の本質を理解する能力にもあふれている」 という日本人にはたまらない美化された日本人=サムライ像!  それだけにラストのドロンに切りかかるあたりが非常に唐突で不思議。 ブロンソンの「殺せ!」も一瞬、え、今なんて言った?誰にむかって言っている?ってこちらも混乱してしまう。 <三船は夢中でブロンソンの加勢をするために切りかかる。だが、一瞬ブロンソンと目が合い(?)彼との約束を思い出し躊躇。その躊躇がドロンに撃たれるスキを与えることを知っているブロンソンが、三船に「(躊躇するな、)殺せ!」と叫ぶ。結局三船はその一瞬の躊躇が仇となって死ぬことになり、三船を殺したドロンをブロンソンは大金在り処を引き換えにしても、赦すことができなかった…> てなかんじなのだろうが、でも三船さん、武士に二言はないはずなのに何で約束破っちゃったんだろう。 それまではとことん武士道やサムライを崇めておいてのこの落差。 このあたりがどうにも納得いかん。 が、それを除いてはこんなキワモノのくせに良質の佳作だと思う。コマンチとかの無意味で時代遅れな後半の展開は確かに失笑モノだが、それを差し引いたとしても少なくとも「ラストサムライ」なんかよりずっといい。こちらのほうがずっと楽しませてくれる。 どなたかも書いているけど、私の中でも本作は洋画サムライモノで最高作品だ。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-02 12:34:22)
45.  大脱走 《ネタバレ》 
これ、マックイーンじゃなくて、アッテンボローの映画でしょ?悪いけど全然らしくないよ。「ゲッタウェイ」の彼のほうがずっとずっとカッコイイと思う、もっと緊迫して追い詰められた野生動物のような荒々しさがあって…… あんなユルユルの収容所から逃げ出してアホなドイツ兵のバイクかっぱらってのとってつけたようなアクションシーンなんか全然胸に響かなかった。独房王とかトンネル王とか偽造屋なんていうニックネームもこっぱずかしいだけで失笑もんだったし。  と、悪いけど平均点下げてさせていただきます…… だってドイツびいきのワタシにとっては、あんなコケにされているドイツ軍なんて、ああやっぱ見るに耐えられないもの!!
[DVD(字幕)] 4点(2010-01-06 17:02:36)(良:2票)
46.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
私はイーストウッドのファンってわけではないのですが、それでもこの人の作品には「他にはない何か」があると思っていました。その「他にはない何か」は私にとって受け入れられたり受け入れられなかったりするわけなんですが、そういうのが作品の評価と言うか好き嫌いにつながっている、と… で、本作品。彼の役者としては最後の作品ということなのでかなり期待しての鑑賞だったんですけど、ああ…なんなんでしょう、その「他にはない何か」ってのがまるで見当たらない作品だったんですよね。話としてはそれほどつまらない話ではない、異なる隣人への偏見から理解と愛情につながっていく過程だってそれなりに丁寧に描かれているし、それなりに敵役の不良仲間は憎憎しげで、復讐劇としての盛り上がりもそれなりにある、なのに何故なのか… 多分「許されざるもの」や「ミリオンダラー・ベビー」の無常観、「ミスティックリバー」や「チェンジリング」の絶望感、そうした感情の底にある諦めとも悟りともつかない奇妙な清清しさ、本作にはそれが全く感じられないからなのかな…。この清清しさがこの人の作品の魅力なんだと思っていたのに…… でも、皆さん高評価ですね。私には感じられなかったものが感じられたからなのでしょうか。ひょっとしたらもっと単純に、そものそもこの映画のキーワード「グラン・トリノ」って車(というかそれを含む自動車全般?)に、全く興味や思い入れがないからってだけのことなのかもしれませんが。 
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-30 17:14:10)
47.  エターナル・サンシャイン 《ネタバレ》 
「ああ、なるほど!そういうことね!!」っていう「巧さ」はあると思う。でも感動ってのは別物かな。 なんだろう、あまり主人公二人に共感がなかったからかな。特にケイトの髪の色には、不潔感しか感じられなかったし(その色が時間軸のキーになっていて不可欠な要素ってのが分かっていても)、薄汚れて疲れた2人の生活のさまにも少々食傷気味(同時にアメリカ人もこんな生活してるんだなんていう変な安堵感もあったけど)。 結局リアルさと夢の世界のファンタジーの兼ね合いがちょっと自分の嗜好にあわなかったってことなんだと思う。 あくまで私の好みの話だけれど、リアルを追求するんなら、性向が違う二人が惹かれあって傷つきあいながらもそれでも離れずにはいられない業(?)みたいなものをもっと前面に出すべきだったし、ファンタジー路線を貫くんならベタだが「何度忘れても結局君を愛さずにはれらない…」みたいなもうちょっと美しい画面や設定にしたほうがよかった。 ……ま、こういうの万人に受けるようにするのは難しいんだろうが。 
[DVD(字幕)] 7点(2009-11-12 17:37:12)
48.  ぐるりのこと。 《ネタバレ》 
嵐の夜。夫が帰ってくると妻は窓を開けたままで吹き込んでくる雨にずぶ濡れになっている。  「ちゃんとやらなきゃ、 もっとちゃんとやれると思ったのに どんどんだめになってっちゃって もうどうしたらいいかわかんない」  そんなふうにいって心を病んだ妻は泣きじゃくる。 その妻をまるで泣いているこどもをあやすようになぐさめる夫。 「おまえは頑張りすぎるからだめになるんだ。 ちゃんとしなくったっていいじゃないか」  夫が描く90年代世間を騒がせた数々の事件の法廷シーンも 妻の病んだ心を回復させる天井画も、この嵐の夜の号泣の前後を埋める背景にしか過ぎない気がする、少なくとも私にとっては。 それでも、結局のところ映画ってのはこんなふうに、たった一つでもいい、あるシーンが心に深く突き刺ささってくれればいいものなのかもしれない。 その痛みがほしくって私たちは今日も映画を観続けているものなのかも。 
[DVD(邦画)] 8点(2009-11-09 17:46:56)(良:1票)
49.  プライドと偏見 《ネタバレ》 
ちょーつまんなかった。 確かに当時の「財産を持たぬ中途半端なお嬢さんたち」の悲喜交々は上手く描けていたとは思うけど。だって唯一いいなって思ったのは、あのダサダサの求婚者の彼の描き方(ああ、いるんだよねーこういう悪い人じゃないんだけどどうしようもない人)とか、そのコリンズと不本意ながら結婚を決意するちょっと冴えない友達の悲哀とかぐらいなんだから。もしエリザベスをヒロインとして際立たせるのだとしたら、ただ美しくて意地っ張りなだけじゃなく、その中に凛とした芯のような何かが描かれればよかったのだろうけど、残念ながらそういうものは見当たらなかったな。(少なくとも、観客である私には伝わらなかった。) だから結局「キーラ扮するエリザベスには美貌がありそれゆえの自信があったから自分を売り惜しみできたってこと、それを最高の高値で買うことができたのはMr.ダーシーの財力なんだねー」って印象しか残らない。そんな映画じゃラブストーリーにはならないよね。 特にツンデレの王道をいくようなベタだけど小気味いい展開を期待していた私には、肩透かしもいいとこだった。原作はもっとマシなんでしょうけど、ねえ…
[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-07-22 14:39:57)
50.  おくりびと 《ネタバレ》 
一言で言うと無理な映画。 設定が無理、ストーリーが無理、セリフも無理(特に「ケガラワシイ!!」はどう考えても若い女性が発作的に口に出す言葉、つまり口語じゃないでしょ?時代劇じゃないんだよ、ほんとに…) …聞くところによるとこの映画は、もっくんが納棺夫という職業を本で知りそれに感銘をうけて映画にしたいと思ったところからスタートしたらしい。もっとも結局はその原作者の死生観とは全く違った作品として世にでることになったのだそうだが。 納棺夫と納棺師… これは私の全くの想像なのだか、実際の納棺に従事する人というのは一般的にはもっと朴訥で地味なもので、まさに納棺夫であり、それを魔術師や美容師のように特殊な能力(映画に観られる美しい品ある所作)をもつ納棺師に祀り上げてしまったことが、この映画の無理さの元、なのではなかろうか。 そしてその美しい所作ゆえにアカデミー賞受賞という栄誉を得たことで、この映画の無理な感覚はさらに増幅されてしまった。ありえない勘違い文化を誉めそやす外人さんたちを前にすると感じられる、奇妙な居心地の悪さがこの映画にはいりこむのを妨げる。 やっぱりこの映画は「無理」だ。 
[DVD(邦画)] 4点(2009-07-13 16:10:36)
51.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
エリック・バナ、メイクし過ぎ。言われなきゃわかんないくらい何処にでもいるありきたりの悪人顔になってんじゃん。アタシにゃカークにやられたロミュランの部下と奴の見分けがつかなかったぞ。あーあ、せっかくのいい男なのに勿体無い……
[映画館(字幕)] 5点(2009-06-01 18:21:13)
52.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
ごめんなさーい!私にはこの映画、「微妙……」でした。 イーストウッドはこの映画で何を描きたかったのでしょう?腐敗した公権力へ抵抗することの勇気でしょうか。ただひたすら子を愛する母の心でしょうか。不運にも犯罪者に成り下がった救いのない魂でしょうか。  実話なんだからしょうがないとも思うのですが、あの農場で「起こっていたこと」のほうがあまりに衝撃が大きすぎて、多分イーストウッドがメインに据えようとしたLAPDの非道さとかいい加減さとかそれにも負けない母の愛の偉大さとかが全部吹っ飛んじゃった感じで、なんだがスッキリしなかったのです。 だって、もしも自分の子供があんな目にあっていたとしたら、それこそたとえ助かったとしても私だったらものすごいダメージを受けちゃうと思うのだけど、その辺もなんかサラッと流されちゃっているし。これホントにホントの話なんでしょう?本当にあの母親はあんなに強くありつづけられたのでしょうか?  ちなみにWikiによると犯人の誘拐目的は少年に性的虐待をすることだったようですが、その辺にもふれずただの精神異常者っぽく描いているあたり不気味さを余計に掻き立てられてしまいました。そのスルーの仕方も「ミスティックリバー」を撮った監督とは思えない。いっそ実話ってのをやめて農場の事件を省くか、またはそれを入れるなら少なくともchangeling(取り替え子)を中心とする内容としないほうがよかったのではと思います。  全然にブレずにすっきりストレートに響く作品も、小奇麗でいまひとつ面白みに欠けるものなのかもしれません。また事実は小説より奇なるものだから、それを忠実に描くことが新たなる別の感動を生むものなのかもという考えがこの作品に繋がったのかもしれません。 が、少なくとも私にはこの映画のブレは感動を生むに必要不可欠なブレとは思えませんでした。 
[映画館(字幕)] 5点(2009-03-02 16:30:11)(良:2票)
53.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 
あの狂った乞食女が実は奥さんだった……ってとこ以外目をみはるようなところは一つもありませんでした。海辺の町での未来予想図もニヤリってする程度だったし、若い二人の恋の行方なんてホントどうでもいい感じだし。 しかしあんなにも恋焦がれていた奥さんとも娘とも再会しているにもかかわらず、全くそれに気付かず罪を犯し続ける主人公の姿になんだか哀れを感じましたね。「ああ、この人は血に飢えた狂気に支配されきってしまったのだなぁ」と。そういう視点ではなかなか及第点。 でもミュージカルとしては中途半端(ジョニデは思ったより頑張っていたと思うけど)だし、ホラーとしても今ひとつ。 確かにジョニデ+バートンという触れ込みがあってこそ興行が成り立ったような映画ですね。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-30 16:04:49)
54.  ブラス! 《ネタバレ》 
エルガーの「威風堂々」。 この手垢の付いたセレモニー音楽にこんなにも胸が揺すぶられる日が来るとは思ってもみませんでした。 「確かにコンクールに優勝した。でも炭鉱は閉山。結局何も解決はしていない」というお先真っ暗な状態にありながら、なぜここまで感動を我々観客にもたらすのでしょうか。それは「バンドこそ全てである」と言い切るピート・ポスルスウェイト、彼の言葉にその答えがあるような気がします。 人はパンが無くては生きてはいけないけどパンだけでも生きてはゆけないもの。 どんな人間であっても生きていくにはパンと同時に「人として生きてゆく誇り」が必要なのです。 だが今やパンである「炭鉱」は失われ、それと同時に仲間とともに炭鉱を守るという「誇り」すら失いかけた彼らに残された最後の「誇り」が音楽でありこのバンドだった。その最後の「誇り」を彼らが取り戻しかけた瞬間が、ラストのあの演奏だったのでしょう。 彼らの前途は正直暗いです。パンだけでは生きられないように「誇り」だけでも生きられないことも彼等も観客である私たちも十分知っている。そして、悲しいことにそれが現実というもの…… しかし、いやだからこそ、一層その「誇り」はパン以上に「生きていくには必要不可欠」なのだ、と、そう信じたい、信じ込ませて欲しいと思う心が私たちにはある。 その心に直接響く、夜風に吹かれながら彼らが奏でる「威風堂々」は、映画から現実に戻った私たちをも励ましてくれる素晴らしい応援歌となってくれたはずです。この曲がもはや単なるセレモニーを盛り上げる楽曲以上のものとして響くのは当然のことなのではないでしょうか?  
[DVD(字幕)] 9点(2008-11-11 18:16:10)(良:4票)
55.  リトル・ダンサー 《ネタバレ》 
行き詰まった世界を粉々に打ち砕くような情熱―パッション。彼の踊りはそれ以外のなにものでもない。何よりすごいのはそのすべてが無意識のうちに形作られていくところ。 彼は踊りが好きなのではない。ただ踊らずにはいられないだけなのだ。その渇望を閉じ込めようとすればするほどそれは爆発のようなエネルギーをもって外の世界に弾け出る。 そのエネルギーをこれほどまでに巧みに描いた映画があったであろうか。この弾け出るようなエネルギーのほとばしりに触れられたということだけで、私は十分この映画に出会えたことを感謝したいと思う。 男のバレエ?不遇な環境に置かれた才能ある少年のサクセス・ストーリー?「鳶が鷹を生んだ」かのような凡庸なる父と非凡な子の葛藤と愛?衰え行く炭鉱産業の悲哀?そんなものたちは所詮脇役にしか過ぎない。 理屈じゃない。自分にすらコントロール不能の情熱を天から突然授かってしまった少年の一挙手一投足の全て。それこそがこの映画の肝である。 
[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-11-11 18:12:04)
56.  ゆれる
兄弟姉妹のドラマってどうしてこうも「濃い」んでしょう。実社会を煮詰めて煮詰めてその愛憎のエキスだけがドロドロ残っているようなものすごく濃厚な密度を感じます。兄弟は他人の始まりだから?最愛の友であると同時に最大の敵でもあり、永遠のライバルであるから、なのでしょうか? ……私(女)は姉妹をもっていないし、自分の子供にも同性の兄弟(姉妹)はいないので、わからないんですが、そんな私は、人生の中で一番激烈でグロくて熱く煮えたぎっている部分をついぞ知らずにその一生を終えるような、そんな気がしてなりません。 それは……ほっとするような、それでいてどこか寂しいような……不可思議な感覚です。 で、こんな映画を観てその知るよしもない濃い世界を「なんか分かったような気になる」のが結構好きなのかも。 で、そうやって映画鑑賞後なんか分かった気になって呟くのは、 「そうそう、世の中ってさ、この映画みたいに不公平で理不尽で残酷なもんなんだよね」 って言葉。これにつきますなぁ。 
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-11-11 18:06:01)
57.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
ヘンテコリンな方言がそのヘタクソさ故に可愛いかった。それとイノシシの映像を引いたらなんにも残んないかもしんない映画かな。でも8点つけてあげたいと思うのは理屈じゃないんだよね。甘すぎ?
[地上波(邦画)] 8点(2008-11-11 12:45:38)
58.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
前半はいいと思ったのですよ。ま、あのお母さんの運転ぶりにはびっくりしましたけど、それもジブリお得意の手法ということで許容範囲かなと思いましたし。「ああ、あの名作「トトロの世界」が海を舞台にくりひろげてられるのかな」とわくわくしながら思ったわけなのです。 でもなぁ……リサがあの老人ホームに一人行ってしまい宗介とポニョだけが残されたその後の展開が私にはどうにも退屈で。あーあやっぱこんな話になっちゃうんだなと少々がっかりしてしまいました。 一言で言えば「押し付けがましい」んですよね。つまり、なんとなく宮崎監督はいろいろなもの(たとえば不機嫌な赤ん坊とか、ホームのご老人たちの足の回復とか、)を描くことで言いたいことを仄めかしているんだろうなとは思うんですけど、そのあたりのさりげなさや巧みさがなくて、不明瞭だったり鼻につかえたりして、正直うっとおしいんですよね。 そりゃ、この監督にはもうラピュタやナウシカみたいなハラハラドキドキの娯楽ストーリーをつくるつもりはもうないにしても、可愛らしく無垢な少年少女の普通の様をことで、こころをほっとさせるというトトロ路線はまだアリなんじゃないんでしょうか。余計な主義主張を盛り込むよりも幼子の様子をとことん緻密に描くだけでも、ジブリなら素晴らしい作品を生み出すことが十分可能だと思うんですがね。 だいたいどうもこの監督の作品は近年ずっと、言いたいことが空回りしすぎな傾向があるような気がしてなりません。「(千と千尋…」でそのドツボから抜け出せたかなと思ったんですが、思ったより深いドツボだったんですね。まだまだ「自分の言いたいこと」にとらわれすぎている気がします。) ま、「ポーニョポーニョポニョさかなの子」ってのぞみちゃんの可愛い歌が聞けただけでもいいのかも。コレのCD欲しくなっちゃいました。 この主題歌ぐらい(大人のための)お子様映画に徹したら、この映画ももうすこしいい出来になったのかもしれませんね。 
[映画館(邦画)] 5点(2008-08-04 17:11:53)
59.  ライアー ライアー 《ネタバレ》 
こういう映画―離婚後、離れて暮らす我が息子の失いかけた信頼を孤軍奮闘で勝ち取るダメパパを描くアメリカ映画―っての観たのはコレが初めてだったんだと思います。以後多数のこの手の作品を観ましたが、この作品を上回るものは残念ながらいまだにないですね。ダメパパの弾けぶり、百面相のごとき顔芸のオンパレード、ビリッと痺れる毒舌だからこその彼の吐く本音の面白さと小気味よさ、どれをとっても類似作品とは一線を画す良作です。 それにしてもこの作品、元妻とすらヨリを戻すのか(?)というラストで終わるというハッピーエンドのてんこ盛りぶり。このほかの作品があくまで親子の絆の再確認ぐらいで終わっているのにサービス好過ぎ(もしくは都合好過ぎ?)なのですが、そういうとこも実は私が気に入っている点なのです。離婚したらすぐ別の相手と新生活を始め、昔の夫や妻のことなんて思い出しもしないのが今のアメリカの現実なんでしょうが、こーゆー「焼けぼっくいに火が付く」ってのが個人的に好みなもので。「リアリズムもいいけど映画ぐらい夢見させて!」ってことでこの高評価になりました。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-23 12:18:13)(良:1票)
60.  ヘアスプレー(2007) 《ネタバレ》 
悪いけど、イマイチでした。クリストファー・ウォーケンのコメディぶりとミシェル・ファイファーの憎めないイケズぶりが楽しめたくらいであとはさほどじゃなかったな。トラボルタも頑張っているけどその頑張りの空回りっていうか、彼が太った上に女装してママ役をやる必然性を全く感じなかったっていうか。あと、だいたい主役の子もそのダンスに魅了はされなかったし(その辺がやっぱりイマイチに感じる理由の最たるものじゃないかしら)。 それに対して印象的だったのは黒人のキャラたちのダンスや歌。こういう分野では白人は黒人には全く太刀打ちできないってことをこの映画ではつくづく痛感させられました。(別の映画で♪キャデラック、キャデラック、キャデラックを買ったんだ♪って曲が白人にパクられてたエピソードを思い出しましたね。)ホント、白人が歌うと同じ歌でも能天気で間の抜けたものになってしまうのはどうしてなんでしょうね。 残酷なようだけど、ひょっとすると彼らのこの天分への妬みゆえに、白人の彼らへの差別もまた根強く残ってしまっているのかも…… 
[DVD(字幕)] 4点(2008-07-08 17:24:11)
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