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Nujabestさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 112
性別 男性
自己紹介 10点---- 個人的ツボ。欠点なんて知ったこっちゃない映画。
9点---- 完成度高し。人にすすめたくなるような映画。
8点---- 良作。ちょっと気になる点も。

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61.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 
"生"の実感がわかないというのは、現代日本人にとっては結構深刻なもので、至るところで噴出している問題だと思う。情報化社会によって人間関係が希薄になり、平和ボケした日本だと尚更。とかく日本は死を隠しすぎ、性を隠しすぎ、痛みを隠しすぎ、快楽を隠しすぎだと思う。そういうことを隠すことが先進国であるという社会になってしまっているから仕方ないが。それらを隠す傾向が続くと"生"の実感がわかない人間が増えるのは至極当然のことなのかもしれない。自分が存在しているという実感がわかないと魂と肉体が分離をはじめて上辷りし、あらゆることに鈍感になる。頭ばかりで考え悩みばかりが増える。そして精神を病む。リスカ症候群、セックス依存、ブランド依存、自殺、いじめ、猟奇的殺人事件、先進国で起こるこれらの問題って、突き詰めていけばこの辺りに辿りつくんじゃないかと思ってしまう。ところで、この映画は、どうにもラストが消化不良。あのシーンの後まで見たかった。自分がいるビルの爆破くらいまでやってくれれば、個人的評価が上がったに違いない。もちろんその為には、マーラをどうするかという問題が残るが。いっそのことマーラを幻覚としてはっきり描いてたのなら、傑作と思ったのかもしれない。自分の心を自分で攻撃する暴力性が、段々と外に向かっていき破壊衝動に繋がる。しかし破壊衝動は外に向かいだすと忽ち自己を破壊してしまう。タイラーと"ノートン"とマーラというキャラは、自己の理想、死への欲動、生への欲動を、それぞれ象徴的に分配したのだと思う。その絡み具合が巧みで、自分の肉体と精神を繋ぎとめていく過程を、斬新な形で纏め上げた手腕は見事。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-07-22 22:02:58)(良:2票)
62.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
このアニメが始まった当初、シンジやレイやアスカと同じ14歳だった。そして、それ以来その倍近くの時間をこの作品と共に過ごしてきたわけだけど、今劇場版の破の上映時間中ずっと、過ぎ去った過去の膨大な記憶が怒涛のように押し寄せてきた。ああ、俺も大人になったんだなあと思った。そして、もうあの頃には戻れないんだということをはっきりと感じた。なぜか目頭が熱くなった。ダウナーな世界に入り浸り、その世界にカタルシスを感じていたあの当時、誰もが見たかったエヴァ、心の深い奥底で無意識に望んでいたエヴァはこれだったのかもしれない。仕掛けられた謎や難解さで注意を引き膨大な奥行きを感じさせるあの魅力とは違う、心の鬱屈した部分をナイフで抉り出すあの魅力とは違う、心の奥底でこうなって欲しいと漠然と思っていた形が眼前に広がっていた。いや、こうなって欲しいという想像を軽く超えていくほどに素晴らしい出来栄えに仕上がっていた。心のツボを同時に四方八方から強烈に刺激されている感じさえした。動機付けや設定にメスを入れ、娯楽追求を徹底していた。特にシンジ、レイ、アスカの変貌ぶりには泣かされてしまった。各キャラに、人間らしいあたたかな感情が流れている。REBIRTHで激しく心を揺さぶられ、その後の夏エヴァでどん底に叩き落され、激しいトラウマを与えられ現在に至るのだが、これからまた前回のように叩き落とされるのかもしれないという一抹の不安はある。頼むからこのベクトルを保って欲しい。暗闇の中に燻る希望の光も描いて欲しい。次作以降でまたトラウマ方向に持っていかれたら、自分の中で、この『破』をヱヴァンゲリヲンの結末にしようと思う。 未完なままでもいい。それでいい。
[映画館(邦画)] 10点(2009-07-16 03:42:13)(良:2票)
63.  サイドウェイ
ちょっと想像して欲しい。絶倫の松岡修三と、少し知的な小日向文世が男二人で旅している所を。  ね? 面白そうでしょ? ほんっとに、くだらないおっさん二人のロードムービーなんですが、人生の深みや味というものを教えてくれます。気だるい休日の午後に最適の映画。そのままワイン飲みながら、シエスタってのもオツですね。で、全裸のオッサンが全力で追いかけてくるシーンで起こされるっと(笑) とにかく、ほんと好きです。じわじわくる良さといいますか。しかし、知りませんでしたがゴールデングローブ賞など賞取りまくってるんですね。かなり、お下品な内容なのですが…(失礼) んー、アメリカの懐の広さを感じる…。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-14 16:41:05)(笑:2票)
64.  天使にラブ・ソングを2
自分の友人は高校時代にこの映画と出会い、心を揺さぶられるような感銘を受け、長い努力の結果、R&Bシンガーになるという夢を叶えた。自分は音楽よりも映画が好きだったからか、それほどまでは感動はしなかったが、音楽の持つ素晴らしさ、歌うことの素晴らしさは充分に伝わってくる。映画には人の人生を根底から覆すような力があるということを教えてくれた貴重な作品。幼い頃のローリンの歌が聞けるということだけでも充分に見る価値がある。
[地上波(吹替)] 8点(2009-07-14 03:48:00)
65.  道(1954) 《ネタバレ》 
映画はこれまでに何本観てきたか分からないが、ベスト5に入るほどの美しいラストシーンを持つ映画である。取り返しのつかない喪失。若さを失った自分。絶望に打ちひしがれ、これまでの人生を振り返った時、彼は人生で辿ってきた"道"のりをどう振り返っただろうか。おそらく、自分の人生の貧しさに気づき、一つの価値観が崩壊する瞬間だったのだろうと思う。いつまでも寄せては返す白い波。握り締めた指の間より落ちていく砂。そして、その時これまで当たり前に存在していた自然の万物が、彼の目にはどう映ったのだろうか。石ころのようにただ存在し、気づくこともなかった自然の美しさは、どう彼に迫ってきただろうか。本当に美しいラストシーンだと思う。映画の切り口としては、精神的DVを描いておりその当時としてはすごく斬新だったに違いない。ジェルソミーナは自虐的なまでに従順なのだが、それが彼女の生きる術だったのだろう。母親に気に入られなければ彼女は生きていけなかったのだ。あの母親の前では。それは冒頭の短いシークエンスだけで描かれる。その後、支配関係はザンパノへと継承される。そうやって育ってきた彼女には従順な性格から逃れる術はない。それが当たり前だから。彼女には意志がない。ザンパノの意志が彼女の意志なのだ。常にザンパノがどう思うかに支配されている。そして、自分というものがないからザンパノを好きだと勘違いしなくてはならず、そのまま素直なままで勘違いしてしまっている。逃げることは彼女の罪悪感を刺激する。こんなの恋でも慈悲深い優しさでもない。ただただ悲しい習慣だ。ザンパノのにとっても彼女は自分の価値を確かめる、甘える道具でしかなかった。非常に悲しい二人の関係。この映画を見るたびに思うが、現在にもこれと似た問題が起きている。ドメスティックバイオレンスである。虐げられる側がよく口にする、「彼は悪くない、彼は可愛そうな人だから私がついてあげなければ。愛しているからこんなの苦じゃないの、私より可愛そうな人なのよ」などと。まさにこの映画の二人だ。ところで、この映画の問題点を挙げるならば語り口のまずさでしょうね。洗濯物のシーン以降は素晴らしいのだが、それ以前がもう少し観客の興味を引っ張るような脚本にできなかったのだろうか。それだけが悔やまれる。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-13 06:03:28)
66.  秒速5センチメートル 《ネタバレ》 
アニメーション特有の汚いものを一切排除した世界。とにかく背景は他に比肩するアニメが無いほどに美しい仕上がりだと思います。ただ、登場人物に生命力や躍動感が感じられず、そこがこの作者の弱点なのでしょう。肝心のストーリーも、ナレーションに頼りすぎで、もう少し面白く展開できなかったのかな、と。キャラを動かすのには手間がかかるのはわかるが、それ以外でも工夫ができる筈。例えば、各話を結ぶ共通点や繋がりを薄くし、3話目で実は全員タカキだったことを明かすとか、そういう細かな技巧と伏線を脚本に挿入していけば充分に楽しめたのでしょうが。何の仕掛けも無いため、本当に只のオムニバス映画に。アカリへの恋心という各話を貫く棒の如き物はあるのだが、ただそれだけ。もっと工夫が欲しかった。
[DVD(邦画)] 5点(2009-07-12 21:14:30)
67.  耳をすませば(1995) 《ネタバレ》 
高校時代の個人的経験によるのですが、この映画、意外と男子の隠れファンが多いと思う。胸を張って好きと言えない雰囲気の映画(笑) ジブリアニメの話題でこの映画のことをふると、隠れファンが「お前もか、お前もか」って感じだったのを覚えています。女子はこういう少女漫画の世界観は経験豊富なのか、陳腐なものを眺めるように、あざ笑うかのように見ていた印象…。男子は免疫なさ過ぎてノックアウトされてる輩がチラホラ。自分的には、図書館と読書にはまるきっかけとなった思い出深い作品。ええ、思いっきり影響されました(汗) 問題は、ラストのとんでも展開ですな。ラストだけは「なんじゃこりゃ」って一気に現実に引き戻されました。あれがなかったら、危うくファンタジーの中の住人になっていたかもしれない。
[地上波(邦画)] 7点(2009-07-12 16:32:57)
68.  シティ・オブ・ゴッド 《ネタバレ》 
何ともおぞましい一つのスラム街の子供たちを、徹底してエンターテイメントとして描く。スタイリッシュな映像で且つ脚本的に面白く、娯楽映画として味付けしているのはわざとでしょう。吉行淳之介の名言「汚れるのが厭ならば、生きることをやめなくてはならない。生きているのに汚れていないつもりならば、それは鈍感である。」という言葉を思い出す。私たちは遠い世界の関係のない話と思ってこの映画を楽しむ。エンドロールまでは。しかし、最後の最後で実話と知る。そこで気づく。この話の遠因には常に私達がいて、搾取する側と搾取される側の深い深い溝が横たわっている。先進国が豊かでいる一番下で、こういう子供達が懸命に支えている。そのことを重い現実として受け止めなければならない。先進国の人々は、汚れていないつもりで生きている。そのことに対する強烈な皮肉だ。ナイロビの蜂でも思ったが、この監督は余韻の棘を観客に打ち込むのがとても上手い。
[DVD(字幕)] 8点(2009-07-07 20:17:36)
69.  Mr.インクレディブル 《ネタバレ》 
良く出来た脚本の隙間を縫うように、デフォルメされたアニメーションの動きで魅せる。娯楽を通り越して、おもてなしの精神さえ感じた。つまらないと感じる暇がないほどに。宮崎駿が初期~中期アニメで得意としていたものが、ピクサーの中で確実に消化され息づいています。マイナスをつけるとすれば、都市戦に移行してからの失速か。しかし、面白いです。夫婦喧嘩、兄弟喧嘩が面白いので是非吹き替えで。水を疾走するシーンはポニョに軍配。
[ビデオ(吹替)] 8点(2009-07-07 18:30:21)
70.  パッチギ! 《ネタバレ》 
ドラマはなかなか丁寧に描かれていて泣かすまでの仕掛けは用意周到。しかし、その感動の隙間に作為的な情報を巧妙に仕込み、テーマの位置を意図的にずらしているように見えることによって駄作に。現代プロパガンダ映画の常套的手法ですね。こういう部分がはっきり見えちゃうと一気に冷める。泣きながら一気に覚めるという不思議な現象を体験した。社会的な問題を含む作品の場合、観る人の価値観や歴史観との乖離によって評価が左右されるのは仕方ないが、身近な問題でもあり、ちょっと露骨だった。青春ラブストーリ云々というのは、言い訳用に配置しているようにしか見えず、もしこのことを脚本のテーマの核とするならば、このような比重の置き方をして描くことはしない筈。もっと最後は素直且つ丁寧に描きましょうよ。キョンジャが川を越えて康介に会いに行く最も大事な局面もさらりとしか描かれてないからいまいち伝わらない。何も考えずに見ると、葬式のシーンが一番重要なシーン(?)に見えてしまう。『知ることが大事』というメッセージには大いに納得なんだが"感動しました"でそれ以上行動を起こさずに思考停止する人を見越して作ってる感じがどうも透けてみえる。いつもTV見てて思うのだが、この監督「日本人と在日の人がどう共生していくか」ということにはあまり興味がないのかなと思う。この映画も理解の押し付けばかりが目立つ。この映画に限らずこういう問題に対して思うのは、差別、友情、平和、博愛などの言葉のマジックで感情的恐喝に負けてはいけないことだ。相手に罪の意識を植え付けて、それらを謳うのは欺瞞に満ちたやり方。真の友情的で平等な関係ならば、お互いを尊重する気持ちを持って自分の意見を主張をしなくてはならない。それがこの映画では薄いから『虐げられている側が虐げる側に、ただシフトする行為』『罪悪感を巧みに利用して、上下の立場の逆転を試みる行為』にしか見えない。そして不満を誘発するのは、相互の理解を阻害するような映画にしかなってないと思うから。私の在日の友達のほうがよっぽど深くこの問題を考えている。お互いがお互いを差別しあっているから問題であって、そこをしっかり描いて欲しい。脚本は中盤までは丁寧にドラマを描いているので3点献上。この監督の作品で急に世間的評価が上がったのは、脚本を3人で共作したことが主な理由でしょう。
[DVD(字幕)] 3点(2009-07-07 05:21:17)(良:4票)
71.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
これ『5歳児向け』のかなり限定された作品なんですね。子供で言えば3歳~8歳くらいまでしか楽しめないだろうな~と思った。なぜなら、自分が小学校の頃の思い出に即して言えば、こういう起承転結のはっきりしていない物語は嫌いだった。例えば、宮沢賢治の「やまなし」とかがいい例。国語の教科書で出てくるのですが、起承転結もはっきりせず、「クラムボンって何?」とか「何が言いたいか分からん」とか授業中ずっと考えていた。で、先生に聞いても親に聞いても、彼らですらアヤフヤなこと言ってる。子供ながらに「全く糞つまんねー話だな」と思った記憶がある。大人になった今読むと、すごく想像力を鍛えてくれるいいお話だと思うのですがね。星の王子様とかもそうですね。 このポニョという話も一緒。理解不能の生物がうようよいて、プロットが分かるように作られていない。自分が小学生だったら、「なぜこうなるの?」「どうしてこうなるの?」と親に質問しまくっているに違いない。海を走るとか、おもちゃの船に乗るという設定はワクワクするから許せるとして、なぜこういう展開で話が進んでいくのかが分からないと忽ち不満になる。大人でさえ意味を掴みきれず、自分なりの解釈を持って説明しづらいのに、それをどうやって子供に説明するのか。ポニョソングで誤魔化して、子供をいなしている親の姿が目に浮かぶ。まぁ、ポニョと波が宗助に突進してくるあのダイナミズムや、泡とかクラゲとか、おもちゃの船にのっちゃう所とかのデティールは充分楽しめるでしょうが。しかし、やはり宮崎駿ですね。どんなにVFXやCG、画像処理の技術などが発達しても、キャラクターの持つあの躍動感と生命力はまだまだCGでは表現しきれてないなあと思いました。大人である自分から見たら、想像力を使わせてくれる壮大な御伽噺であり、最後レスキューらしきものが見えたときの現実的な展開には思わず涙腺が緩んでしまった。本当は怖いおとぎばなし。出てくる度に説明台詞を吐くフジモトに-1。リサのダメ母っぷりに-2。宗助がしっかりしすぎているのがなんだか可愛そうに思えた。子役二人は声優並に良かった。
[DVD(邦画)] 7点(2009-07-07 01:54:52)(良:1票)
72.  キャッチ ア ウェーブ 《ネタバレ》 
3人組の悪い奴らが何度も出てきて、恋人二人に絡むシーンには…失笑しました。コントの世界。この映画の何が悪いって、まず間違いなく脚本だと思います。もう少し練るべきだと思います。クライマックスのドラマが薄い、エピソードに意外性がない、観客の興味をひっぱって行くような仕掛けが足りない、アイデアがない、台詞が練られていない等。スポーツものなんでやはり難しさはあるのでしょうが。脳を使う部分がほとんどなく、見るべき点といえば美しい海と俳優陣だけ。。これでは、眠くなるとか面白くないといわれても仕方ない。脚本以外の他の点を述べるなら、天気では苦労したんだろうなー。途中天気が繋がってないところが気になりました。役者はそれなりに頑張ってたのではないでしょうか。脚本の台詞の悪さで役者の台詞まで下手に見えるってのはあったかも。 
[DVD(邦画)] 3点(2009-07-07 00:24:24)
73.  チャイナタウン
いぶし銀という言葉がこれほど似合う作品もめずらしい。ブランデーのような濃厚な香気を作品全体が放っている。哀愁漂うジャジーな音楽、埃立つような彩度の薄い色彩、ニコルソンの渋み、フェイ・ダナウェイの無の演技 etc...。個人的にゴッドファーザーI並の傑作と思いますが、ラストがアレなもんで評価が分かれるんでしょうね。フィルムノワールは個人的にツボなので、この映画も例にもれず好き。特に本作は静謐で重厚な脚本で、現在見ても上手いなーと思う描写と構成で関心させられる。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-28 10:52:30)
74.  ナイト・オン・ザ・プラネット
群像劇や同時進行型の話は大好きなのだが、やはりオムニバス映画は性にあわないな。各話ごとにリセットされるので疲労困憊。嫌いな話がひとつでもあると、その間、まるまる数十分無駄にした気分になる。話や伏線が絡んでいけば面白いんだけどね。世にも奇妙な~みたいなドラマだと許せるが、映画だと辛い。センスも、エピソードのひとつひとつも自分にはあまりしっくりこず。 しかし、このころのウィノナは可愛いなあ。
[DVD(字幕)] 5点(2009-06-26 10:24:38)
75.  水の中の八月
博多の街を愛する人間が、その才能を遺憾なく発揮して撮った作品。水の描写が瑞々しく美しい。映像でこんな美しい博多の街は、見たことありません。これは博多を愛している人にしか撮れないでしょう。博多っ子なら是非見てください!できるなら山笠が始まる前のこの季節に。あ、でもストーリーは期待しないほうが無難です。アニメやサブカルで一時期流行したセカイ系を先取りしたような話。 
[ビデオ(邦画)] 5点(2009-06-26 10:23:09)
76.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
上映されて30数年、今でも色褪せない名作だと思った。現代にも通ずる人間の心情を抉り出している。26歳のトラヴィス。タクシードライバーをやっているが、自分は社会や人間にもっと認められてもいい人間だと感じている。若い男なら誰でも抱くであろう自己顕示欲と焦燥感と孤独。『オレは、このまま人生を終わるような人間じゃないんだ。今に見ていろゴミどもめ』という感情がひしひしと伝わってくる。孤独は、自分の内面に向かう刃である。だが彼には、それを癒してくれる友達も、女性もいない。決して消極的ではないし根暗でもないのだが、人との付き合いが不器用であるが故に、孤独は癒されない。いつもから周り。そんな彼は、タクシーで街を走らせ、腐敗しきった社会の闇を覗く。女性にもフラレる。NY夜の闇に溶け込むにつれ、次第に彼の孤独は、外面に向かう刃へと変わっていく。銃を手にすることで自己有能感が姿を現し、身体を鍛えることでナルシズム的な陶酔を味わう。自分が認められないのは、社会が悪いせいであり、他人が悪いせいであると思い込む。彼は、不満や焦燥の本当の原因に気づいていない。それは、心の奥底で自分で自分が嫌いという感情から発せられるものである。何とも暗澹たる気持ちになる。 鏡のシーンは歴史に残る素晴らしいシーンだと思う。鏡は、主観的視点を客観的視点にする特徴的なものであるし、自分というものを認識するのには重要なものだと思うからだ。彼が内省もせずに自己正当化とナルシズムに浸ってるのは、滑稽であり、同時に観る者の心を抉る。それでいて、映像的にかっこよすぎるのだから始末が悪い。 彼が起こした事件は、現代でも世間を賑わしている無差別大量殺傷事件などの容疑者の心情と大して変わらないだろう。この映画は犯罪の動機付けに正義(見せ掛けの)を仕込むことによって、彼を英雄化する。英雄になった彼は、最後、一度振られた女性の優位に立つことで自己満足に浸る。スコセッシは最後のシーンで強烈な皮肉で彼を突き放し、タクシーから見た風景は、孤独なニューヨークの闇に溶けていく。全編に渡りダウナーで娯楽映画では全くないのだが、余韻を強烈に残す作品だった。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-25 06:08:51)(良:4票)
77.  トーク・トゥ・ハー 《ネタバレ》 
アルモドバルの集大成はこれでしょう。芸術的で且つ娯楽(惹きつける要素)を見事にブレンドさせた脚本。素晴らしい。評価分かれているようですが、完成度は高いと感じました。主題については自分の気持ちと似たようなことを書いてる方がおられたので、ベニグノについて。 彼は軽い嘘の言い訳をしたことで、レイプに対して罪悪感を感じているようにも見えますが、あれは純粋にただ怒られるからという理由なのだと思います。ベニグノが少女に犯した罪は、普通の感覚から見たらストーカーそのもので、気持ち悪いの一言でしかない。少女の視点から描いた作品だったら、まず間違いなく嫌悪の対象でしかなく『ソドムの市』的な作品になってたはずです。この監督はベニグノの視点から、特異な思春期をあえて事細かに描かず、少しの情報しか与えないで観客に境遇の悲惨さ想像させるような作りにしている。つまり説明不足なのですが、それが逆にこの映画では成功していたと思う。思春期の少年が、母親の下の世話などまでしていたのでしょうか。爪を磨いたり、メイクをしたり、身体を洗ったり。愛情というものはそうやって表現するのだということを母親から学んだのでしょう…。そして彼は彼女と相思相愛であるという結論にいきつく。あまりにも悲しすぎます。通常、どんなに親がおかしかろうと、社会と関わり合いの中で自己補正を行って大人になっていくのだろうが、それさえも彼には許されない。不幸の連鎖はこうやって生まれるのだと思った。彼は成人しているので、境遇を理由にはできないと主張する人もいることは分かりますが、明らかに社会に迷惑をかけてしまうパラフィリアで治療の対象であり、精神鑑定が必要な事例だと思います。途中、性の目覚めがサイレント映画を見た後に起こるのだが、ベニグノはそれまでオナ●ーすら経験したことなかったんじゃないだろうか…。これは考えすぎか・・・。などと色々な事を観客に考えさせてしまう悲しい映画でした。しかし、重い・・・重すぎますよ。これ。この話が実話でなくて良かった。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-24 18:24:29)(良:1票)
78.  遠い空の向こうに
名作すぎて、今更投稿する内容も語りたいことも特にありませんが、素晴らしい映像と脚本ですね。官能が高まってるシーンで、蒸気機関車のフラッシュはベタすぎて笑いましたが。日本ではヤカンですよねw October Skyという原題が美しいなと思っていた所に、アルファベットの並べ替えだと知った日には鳥肌が立ちました。あと、ライリー先生が只の良い教師じゃないところもいいんだよなあ。音楽も地味に良い。ロケットが真っ直ぐに青空を裂いていくシーンは爽快。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-24 18:22:30)
79.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
脚本としての骨格はよくできていて斬新だが、余分な肉が多い。それが筋肉なのか、脂肪なのかは観る人によって変わる。個人的には、前者だ。かなり無駄な部分が多いと思うが、いつの間にかそれが作品の味となってしまう。その辺りを、題名と、レストランでミアの台詞で示しているのだと思う。好きなら、無駄が気にならなくなるといったくだり。タランティーノのお遊びに、いっしょに参加できるかが評価の分かれ目だろう。好きなシーンは、「好きよパンプキン」「俺もだハーニバーニー」の箇所と、ダンスシーン、ブッチの「パンケーキ代だ。たっぷり食えよ」の後のシーンの変貌ぶり、「そのオートバイどうしたの?」「こいつはチョッパーだよ」の箇所。とにかく、ブッチがカッコ良さが異常です。それに、死んだ筈のトラボルタが生き返って平然と出てくる(時間軸を操ってるだけだが)奇想天外な脚本も笑えますね。タランティーノの最高傑作ではないと思っているので9点で。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-24 18:20:46)
80.  JUNO/ジュノ 《ネタバレ》 
ダイアローグは抜群のセンスで面白いし、キャラクターもキュートで好きな雰囲気の映画なのだけれど、それ以上に感じるものがなかった。ドラマ性が薄く、ストーリーがつまらない。特異な設定やアイディアは良いのだけど、意外性も殆どなく、好きな描写もこれといってない。 これアカデミー取ったのですねえ。と、悪口ばかり書きましたが嫌いじゃないです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-24 17:41:19)
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