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ころりさんさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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161.  X-MEN:フューチャー&パスト 《ネタバレ》 
正直なところを言えば、『ファースト・ジェネレーション』の正統な続編が見たかった。あのあと、チャールズとエリックがをどんな現実に直面するのか、ケネディ暗殺からベトナム戦争まで、アメリカ史的にも盛りだくさんの時代だったので、前作のテイストと登場人物で続編を描くことは可能だったはず・・そう思ってしまうくらい、今作のチャールズとエリックは前作にはあった「軸」がない。ダメ人間化するチャールズと、意図がよくわからないまま派手にテロリスト化するエリックの行動は、台詞で説明されても、どうにもピンと来ない。せっかく登場したウルヴァリンは結局最後まで「いたっけ?」っていう程度の活躍だし、未来のシーンはなくても物語は成立していたし、逆に「歴史が変わってすべて解決!」なラストは、物語のカタルシスという意味では逆効果だったように思う。どうにも散らかった感じが終始続き、最後に強引にまとめきったというのは、このシリーズらしいといえばそうなのだけど、キャラも時代背景もいい素材が揃っていただけに、残念な感じは拭えない。クレジット後の映像をみれば、これで終わらない雰囲気もするけど、もう前作の世界に戻ることはなさそうなので、あまり期待せず、次を待つことになりそうです。
[DVD(字幕)] 6点(2014-10-11 13:51:09)(良:3票)
162.  アメイジング・スパイダーマン2 《ネタバレ》 
前作よりはアクションも映像もグレードアップ。スパイダーマンの飛翔シーンや戦闘シーンも凝っていて、なかなか楽しめる。あと、新生スパイダーマンの青春映画路線にも慣れてきたのか、恋愛ドラマ部分も(よくあるラブコメだけど)、これはこういうものとして受け入れられた。残念なのは、敵の登場のタイミングや戦闘シーンのバランスがちぐはぐしてるところ。3つ巴になるわけでもなく、順番に出てきてくれるのも何か苦笑。あとラストの最大のサプライズは素直に驚いた。それまでが基本的に軽快路線だったので、突然の悲劇にけっこううろたえた。で、その気持ちの持っていき方がわからないうちに、主人公のほうが立ち直って終幕。なんか観客が置いてきぼりの展開でした。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-08-12 22:40:51)(良:1票)
163.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
ロン・ハワードらしくて堅実だけどそれ以上ではない、という感じ。レースとドラマのバランスもよく、2人の主人公も個性的でわかりやすい。ただ、ラストの2人の会話の舞台設定には違和感ありあり。ボローニャで2人が会うような伏線ってありました? ラストシーンの為にとってつけたような設定で、最後のレース後からの流れも悪い。ロン・ハワードってラストにだめ押しのシーンを用意する傾向があるように思うのですが、あれ必要ないというか、この2人の場合あんなふうに「互いに認めました」みたいな会話のやりとりって必要? 言葉で語らなくてもレースで会話するのがF1ドライバーなんじゃないのかな。あとF1をTV観戦してた世代からすると、最後の日本GPのスタートでスローモーションを多用したのはダメ。スタートの時の静寂から轟音へというスピード感や緊迫感があれでは伝わらない。それからハントのレース前の緊迫感や恐怖を表現するのにアノ描写というのは、理解できるけど、毎度毎度繰り返されるともう少し別のやり方なかったものかと思ってしまう。全体的に堅実なのに詰めが甘いのもロン・ハワード印なのか。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-03-22 17:24:32)(良:1票)
164.  華麗なるギャツビー(2013) 《ネタバレ》 
『ムーランルージュ』が大好きなので期待しましたが・・・2番煎じ感は否めないか。背後に花火が上がる中で満面の笑顔!という、完全な「出オチ」と言えるギャツビー登場シーンが、映画のなかでテンションが一番上がったけど、あとは下降線だった。ディカプリオ見てれば楽しいけど、バズ・ラーマンらしい映画全体を1つのパッケージにしてしまうパワーはいまひとつ感じられず・・・。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2014-03-11 13:30:36)
165.  ホワイトハウス・ダウン 《ネタバレ》 
ここ数作、興行的にイマイチだったせいか、エメリッヒ作品にしてはいろいろ控えめ。爆破CGも、ホワイトハウス全体をぶっ放すのではなく、ホワイトハウスの庭の倉庫が爆発とかそういう感じで、2013年の映画としては明らかに見劣りする。ただ、それが功を奏したのか、ワシントン観光した帰りの飛行機で見たというタイミングがよかったのか、それなりに楽しめた。首太すぎてスーツが似合わず途中から白シャツで本領発揮するチャニング・テイタムとアクションに不器用な大統領ジェイミー・フォックスのコンビは、バディものアクションの楽しさを久々に味合わせてくれた。あと、この手の映画だと子役が子ども特有の論理で動いて足をひっぱって、全体のテンポを損ねる場合も多いのだが、この映画では娘役が意外な活躍を見せてなかなか爽快。もちろん、エメリッヒだから、ツッコミどころは多い。そもそも正式な合衆国大統領があの下院議長になった時点で、ソイヤー大統領には核ミサイルボタンを解除することはできないはず(任期を終えた元大統領が核ミサイル解除が可能になってしまう)。まあ、そういう細かいこと云う前に、敵の目的が本末転倒すぎで、中途半端に政治ミステリーの要素を入れてしまったのが、そもそもの失敗かもしれない。まあ、そこは目をつむって、過度に期待せずに見れば意外と面白いかも、という程度の作品。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2013-12-08 03:55:42)
166.  42~世界を変えた男~
クセのある映画の脚本に関わってきたヘルゲランド監督・脚本ということで期待したけど、内容はストレートな正統派伝記映画でした。差別にひたすら耐え続けるロビンソンの戦いは、周りの人たちの意識を変え、黒人たちにメジャースポーツへの門戸を開きます。そういう意味では、まさに「世界を変えた男」の物語。ただ、なぜ、いまこの映画なのかなあ。アフリカ系の大統領が登場し、MLBはもはや黒人ではなくドミニカなどのカリブ海出身者が多数を占める時代。スポーツの門戸は開いたけど、黒人の若者が直面する問題は依然として深刻で貧困・犯罪・暴力に晒され続けてる。そういう時代の側面に切り込まないと、「今」ロビンソンの映画を作る意味はあまりないように思う。ノスタルジックな偉人伝の域を出るものではないのが残念。 
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2013-12-08 03:02:01)(良:2票)
167.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
意外と漂流するまでが長いのね・・・。っていうか、クジラやトビウオなどのシーンを予告で見て、自然ドキュメンタリーっぽい「海の生き物」の映像美を期待してたので、漂流シーンが意外に短く終わってしまったのでちょっと残念。しかも、最後には、ミステリーだったの?という取り残され感もあり、終始戸惑いながらの鑑賞に終わってしまった。いや、後から考えてみれば、哲学的な深みのある、いい映画だったと思うのだけれど、そういうモードで見れなかったのが残念。宣伝にだまされて(?)、5歳の娘を連れていかなくてよかった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-03-09 10:48:00)
168.  プロメテウス 《ネタバレ》 
もう圧倒的な映像も、お約束のおバカな登場人物も「エイリアン印」。映像でごまかされるが深そうで浅い。でも、そういうものだと思えば、最新の迫力ある映像でけっこう楽しめたし、最後のエイリアン登場に「キター」と盛り上がれる。お口から入ってお腹からっていうのも、なぜか現場に取り残される2人組も、「主役の相方」なのにあっという間に殺されちゃうのも、もう定番中の定番になりつつあるけど、それを考えると、やっぱり第1作目の衝撃がハンパなかったというのだけはわかった。それと、ギーガーの造型の凄さもよくわかる。あのタコみたいなのからエイリアンになった瞬間は正直ほっとした。ただ、こういうのを第1作の監督がやっちゃうのは、ジョン・マクティアナンやジョン・アヴィルドセン並みに残念。リドリー・スコットで育ちましたみたいな若手監督にやらせてみてもよかったのでは。
[DVD(字幕)] 6点(2013-02-22 16:45:12)(良:1票)
169.  孤高のメス 《ネタバレ》 
成島監督、『八日目の蝉』でも押しつけがましくない、いい演出をしてたけど、そのルーツみたいなものが見えてくる1本でした。スーパードクターが主人公の映画ですが、本領は「善良なふつうの人」の描き方。院長先生、手術チームのみなさん、市長とその家族、そしてドナーとその家族。とにかく、主人公2人の周りが暖かく、そういう世界の描き方では邦画ではトップなんじゃないかなと思う。一方で課題は「悪役」。かの映画でもそうでしたが、「悪役」がほんとに魅力がない。生瀬さんだからもってるようなもので、あとの2人の医師はどうしようもない俗物ぶり。タバコぷか~としながら週刊誌記者と会うシーンなんか、いつの時代の映画か、と目を疑いました。とはいえ、主人公2人もすばらしく、牧歌的な社会派という不思議なジャンルを切り開きそうな監督の今後に期待です。
[DVD(邦画)] 6点(2012-08-30 16:19:07)(良:1票)
170.  モテキ 《ネタバレ》 
冒頭の「サブカル」臭に、ついていけるか不安だったけど、世代的には思ったよりフツーかつストライク(TM、岡村靖幸、スチャダラパーなど)な選曲に楽しませていただきました。とくに、橘いずみの「失格」は絶妙。それに、B'zに対する不当に歪んだ評価にも何だか納得してしまう。たしかに、若干「重い」系の女の子がカラオケでB'z唄う場面に何度か遭遇することもあった。そういう「あるある」話は、ニコニコ動画の「○○ホイホイ」系で楽しむものかと思ってましたが、まさか映画でやるとは・・・。この映画はニコニコ動画や2ちゃんねるの「実況」でこそ本領を発揮するのでは。ただ、逆に言えば、それだけの映画。ストーリーは平凡。後半はテンションも下がり、ラストではすっかり置いてかれてしまい、唖然としたまま『今夜はブギーバック』。まあ、楽しかったけど、うーん、これでいいのかなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-05-27 01:13:07)
171.  悪人 《ネタバレ》 
妻夫木聡と深津絵里といえば、昔ぱっとしない「月9」でも共演してたが、そんなテレビドラマ的キャスティングという制約はありつつも、主演の2人、樹木希林から柄本明まで、見事な演技で吉田修一のイケテナイ世界を再現してました。原作既読でしたが、ほとんど違和感を感じることなく、その世界観に浸ることができました。なかでも、満島ひかりが演じる佳乃の二面性(「性悪女」と「愛される娘」)に代表される主要登場人物の多面性を、2時間少しの制約のなかでちゃんと描いたのは偉い(岡田君の享楽的な生き方も繰り返し見せられると虚しさのほうが伝わってくる)。一方で難点は音楽と演出。音楽はとにかくうるさい上にシーンにあってない。『おくりびと』もそうでしたが、久石譲のしつこいメロディは実写ドラマに向いていないように思います。演出といえば、何と言ってもクライマックスのスローモーション。これまで細かく丁寧に描いてきたものが一気に崩れ去るようでした。そして、イカの目玉は、この映画最大のホラーでした。今思い出しても恐ろしい。
[地上波(邦画)] 6点(2011-11-21 12:52:52)
172.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
スピルバーグとエイブラムズという新旧エンタメ作家の共作という雰囲気で、TVドラマ『LOST』のスリルとサスペンスのなかに『ET』の子どもたちを放り込んだという感じでした。とくに最初の列車脱線シーンは、『LOST』の墜落シーンを思わせる見事なスペクタクルでした。宇宙人が思ったより凶暴でびっくりしましたが、それは80年代と現代と比べて「他者」というものの持っている意味がすっかり変わってしまったということでもあるかもしれません。9.11以降のあれこれを考えれば、恐ろしい存在のエイリアンだからこそ、そのエイリアンと心を通わせることの意味というかメッセージ性はとてつもなくストレートなわけです。これは『ET』とは似て異なる、現代的なメッセージを反映した映画だといえます。ただ、それでも、やはり2人の映画作家の世界がうまく共存しているとは言い難く、スピルバーグで育った自分にとっても、あまりにもスピルバーグ映画へのオマージュを詰め込みすぎの印象でした。もっとエイブラムズの色というか、「2010年代のSFはこういうものなんだ、すごいだろ」というところを、見せてほしかったなあと思いました。
[映画館(吹替)] 6点(2011-09-05 13:59:32)
173.  リップヴァンウィンクルの花嫁 《ネタバレ》 
岩井俊二は妄想系雰囲気映像を楽しむべし、という過去作の教えは十分に活かされました。ストーリー自体はなかなか酷い内容ですが、一つ一つの場面の美しさや即興的な楽しさはピカイチ。ただ、ちょっと趣味押し出し過ぎではないか、という場面もちらほら。(物語上は綾野剛さんに操られる)黒木華さんがなんというか、映画全体を通して監督の道具にされているようで、正直なところあまりいい気がしなかった。序盤の残念な黒木華、スーツケース2つで突然世の中に放り出される黒木華、メイド服でCoccoと絡む黒木華、そしてウェディング・ドレス姿、ラストの溌剌とした表情まで。さすがに3時間詰め込まれると、なんだかおかしな趣味に付き合わされているような気分になる。また、Coccoも彼女のパブリックイメージに頼りすぎじゃねーかというキャラ設定。もちろん、のびのびやることは大切ですが、そこにいるのは「真白」ではなく「Cocco」にしか見えない。とくに、歌声聞きたくなるのは当然だけど、やっぱり歌わせるべきじゃなかったように思う。綾野剛さんはうまいよね。いつもの綾野剛でした。というわけで、物語上の人物や心情よりも、黒木華とCoccoと綾野剛を見た、という3時間でした。ただ、その甘ったるいアンサンブルに肉弾で飛び込んできたりりイさんはすごかった。あの笑っていいのか泣いていいのかわからない酒宴のシーンは、本作の白眉でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-09-16 13:28:13)
174.  来る 《ネタバレ》 
序盤〜中盤の不穏な「家族もの」の展開はベタながら、妻夫木君、黒木さんのハマりっぷりも見事で楽しく見た。とくに、子どもが生まれてからの展開は、「異物」としての子どもが持つ不気味さを見事に体現していたようにも思える。ただ、中島監督が「家族こそが最も不気味なもの」みたいな、ありがちなオチに満足するわけでもなく、最後はなぜかオカルト大戦争。これはこれで面白かったし、岡田准一君の貫禄とか、小松菜奈さんの成長とか、松たか子さんの格好良さとか、それぞれの魅力も十分に引き出してる。でも、全体にチグハグな印象が拭えないことと、物語全体をつなぐ怨霊が思ったより迫力不足だった。とくに、個人的に一番気になったのは、怨霊が何に「憑いている」のか不明な点。少年時代から今までの妻夫木君に憑いているように見えたけど、妻夫木君自身は中盤に退場しちゃうし、その後は「家族」なのか、それともあのマンションの「部屋」という場所に憑いてるのか、よくわからない。こうゆうハチャメチャな作品は、相手側の論理の一貫性があってこそ、面白さが増すと思うのだけれど、この作品は、主役が途中交代する三幕構成、怨霊側の攻撃方法、撃退する側の論理なども行き当たりばったりな上、もっとも大事な怨霊がなぜ怨霊として存在するかの論理もさっぱり。これでは残念ながら楽しめない。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-08-27 08:46:16)(良:1票)
175.  スーサイド・スクワッド 《ネタバレ》 
数年前に配信で見ようとしたのだけれど、序盤30分くらいでなんか話がどうでもよくなって途中でやめてしまっていた。けど、ジェームズ・ガン版が見たいので、その予習としてやっぱり見ておこうということで再チャレンジ。今回は夏休み&外出自粛の時間つぶしだったこともあって、それなりに楽しめました。本作品の出世キャラのハーレイ・クインは、マーゴット・ロビーのはまり役。見てるだけで楽しいけど、ジョーカーとの共依存っぽい恋愛は正直ノイズで、もっともっと暴走してほしかった(次作で別れる設定は正しい。できたら本作の最後でぶっとばしてほしかった)。ウィル・スミスはウィル・スミス指数が高すぎてスター俳優を使ったマイナスが全面に出てしまっているし、レト版ジョーカーは、あまりに歴代ジョーカーが偉大過ぎて軽薄過ぎる(でもこっちが本当にジョーカーなのかも)。炎君はウェット過ぎてテンポ崩すし、アマンダが悪過ぎて悪役エンチャントレスが霞んでしまってるし、全体のテンポやバランスは本当に悪い。全然話が前進しないのに、突然エンチャントレスが逃げ出すくだりとか、話の展開についていけず、途中でどうでもよくなる。アクションも基本黒い塊をぶっとばすだけなので、単調だし。あと、音楽のベタ過ぎる使い方もマイナス。クイーンもストーンズもなんか中途半端に格好良くない。それでも、なんとなく楽しんでしまったのは、たぶん五輪やらコロナやらでどうにも暗くなるしかないニュースを忘れて、久々に「エンタメ大作」であれこれ壊したりぶっ放すキャラたちに少し爽快感を感じることができたからなのかもしれない。もう少し平時にみたら、たぶん最低にちかい評価になりそうだけど、だからこそ娯楽映画って大事だなと思ったりもした。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-08-19 10:00:08)(良:1票)
176.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
旧三部作から順番に見直して、番外編の『レガシー』はダメだったけど「本編」のこっちは大丈夫だろうと思ったけど、こっちもダメだった。監督もポール・グリーングラスに戻り、『レガシー』ほどは酷くはなかったものの、どこか見所を見誤った感じが続く。まず、父親をめぐる過去に関するミステリーだけれど、この手の謎はどうでもよかった・・というのが正直なところ。実はこれは旧三部作からそうで、『アイデンティティ』以外はこの手の過去話は物語を動かすための装置ではあっても、ここに物語的なオチやカタルシスは感じなかった。あとは作戦室のCIA対現場のエージェント対決という、このシリーズ定番の場面が続くけれど、ギリシャやラスベガスの仕掛けが豪華になっただけで、この点でのアップデート感は弱い。ボーンが見せるプロらしい機転や「え、そっちにいたの?」という観客の目も欺く仕掛けのアイデアこそが本シリーズの魅力だったのだと思うのに、その不足を物量と力業で補っているように見えたのも残念。とくに一番の目玉と思われるラスベガスの無茶なカーチェイスは、ワイスピやM:Iシリーズのようなバカっぽさもあり、スパイのプロフェッショナリズム路線だったはずの本作のアイデンティティ危機みたいなものを感じさせました。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-06-01 08:30:38)(良:2票)
177.  ここは退屈迎えに来て 《ネタバレ》 
原作未読。自分は地方出身で東京在住経験もあるので、橋本愛や村上淳あたりの立ち位置は妙によくわかる。なので、車中のサツキと「私」のやりとりは、いつ2人が正面衝突するのかとヒヤヒヤする緊張感があった。時間軸をいじり、登場人物も多いので、オムニバス的にそれぞれの「田舎と都会」や「人気者とフォロワー」の関係性が見えてきて、飽きさせない工夫もあった。そして、登場する若手俳優たちがいちいち上手い。いつもながらの変幻自在門脇麦、ノリの良さゆえに(皆に)軽んじられる柳ゆり菜、田舎社会の「元スター」成田稜のビフォア/アフター、そして実質的な主役といっていい渡辺大知あたりの演技に支えられている。とくにラスト近くの柳ゆり菜のアップのシーンにはこんな顔もできるのかと新鮮な驚きがありました。あえて言えば一番合ってなかったのは橋本愛だったかも。彼女もうまいのだが「東京からの出戻り感」がもう少し欲しかった。一方の演出面では不満もたくさん。中途半端に挿入されるモノローグ。アップの多用し過ぎ。終盤は、演者への嫌がらせかと思うくらい、間の長いアップが多い。俳優の技量でそれぞれちゃんと見られるシーンになっていたけど、全体の配分が考えられておらず、アップの大安売りの感は否めない。あと、音楽の使い方。とくに、自転車でゲーセンへ行く田舎道のシーンの恥ずかしい感じは何だろう。そして、ラストの歌をつなぐシーン。オムニバス的なシーンを一つに結びつけるポール・トーマス・アンダーソン監督『マグノリア』の「wise up」をやりたかったんだと思うけど、この映画では明らかに逆効果。その前の成田稜の「名前なんだっけ?」でそれぞれの物語がやっぱりバラバラだったことが見えた後に、歌のリレーで「妙に気持ちがつながった感」を演出してどうしたいのか、さっぱりわからなくなった。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-04-02 08:24:32)(良:1票)
178.  ビリーブ 未来への大逆転 《ネタバレ》 
つい先日亡くなったアメリカの最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)の半生を描いた伝記映画。ただ、日本版ポスターにはRBGの名前すら出ておらず、残念すぎる邦題のおかげでそもそもRBGの伝記だと知らないままスルーしている方も多いと思う。冒頭、男子学生の群れのなかに1人立つ若きRGBの姿、その後の彼女の歩みを象徴する、すばらしい導入で期待値も上がったのだけれど、その後の映画の展開はとても平板な伝記法廷ものに。ところどころよいシーンもあるのですが、フェリシティ・ジョーンズがその後のカリスマの若き日々にうまくはまらない。個人的に好きな法廷ものなので退屈はしませんでしたが、彼女の最後の弁論が、どのように判事たちの考えを正し、全員一致の勝利を勝ち取るような論理を持っていたのかがうまく伝わらない。彼女と度々衝突するACLUのメルとの関係も結局は整理不足で、チームのケミストリーというか相乗効果みたいなものを感じることもできず、カタルシス不足。この作品で描かれるのは男女平等をめぐる「世紀の判決」だったわけで、もっとうまくドラマにできたはずなのに・・・というのが正直な感想でした。あと、本作にとって気の毒だったのは、少し前に公開されたドキュメンタリー映画『RBG:最強の85歳』に登場するRBG本人と夫のマーティンさんが素晴らし過ぎたこと。それと比べると本作の夫妻の姿はやっぱり物足りなかった。RBG本人はもちろん、夫のマーティンさんも、戦前生まれとは思えない柔らかさとユーモアと知性を持った好人物でした。結局は、「事実にもとづいた物語」よりも「事実」のほうが面白い、ということを実感してしまいました。ただ、本作の「創作」らしい娘との関係、とくに裁判を決意するエピソードはよかったです。この映画でRBGを知った方にはぜひドキュメンタリーのほうも見て欲しいです。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-10-06 14:21:31)
179.  アズミ・ハルコは行方不明 《ネタバレ》 
やりたいことは、なんとなくわかる。「ダメ女」女優として名人の域に達してきた蒼井優の姿を眺めているだけでも楽しい。地方都市の閉塞感、そこにどっぷりと浸かって腐っている男たち、そこで女として生きることの苦痛、そこからの解放・・・なのかな。ただ、映画としての技法が追いついていない。ぶれすぎるカメラも切り刻んだ時間軸も「アート映画風」なだけで、ぜんぜん効果的ではない。主題として描かれる男性世界としての地方都市のイメージも、なんか一面的で深みがまるでない。気持ち悪い社長みたいな人は実在するんだろうけど、その戯画化がベタすぎてつまらない。その世界に一矢報いているのが、女子高生ギャング・・・だなんて、その発想はまるで90年代に一世を風靡したブルセラ社会学者(死語)のようだ。行方不明の真相もベタ過ぎる。そう考えると、作法も内容も全体がひたすら痛い。この痛さは、まるで、いっときバンクシー風の「アーティスト」気取りで盛り上がってしまった登場人物たちのようだ。その点が面白く、なんだか嫌いになれない。この映画の監督が、この映画自体をそういうメタなセルフパロディとして作っていたのなら、それは凄いことだけれど、たぶん違うんだと思う。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-07-09 09:00:49)
180.  LBJ ケネディの意思を継いだ男 《ネタバレ》 
スピルバーグが『リンカーン』で奴隷制を廃止する憲法修正13条を成立させるまでのドラマを濃厚な政治描写で描いたけれど、今回は差別を禁止する1964年公民権法を制定するまでのジョンソン大統領の苦闘を描くとして、政治ドラマ的な期待をもってみたら、まったくもっての外れでした。序盤から、CNNの追悼ドキュメンタリーあたりで使われそうな、いい話風のBGMがやたら流れていて嫌な予感はしていたのですが、政治劇というよりは、ドラマの大半はケネディ暗殺前後に絞られ、「日陰」にいたジョンソンがいかに大統領としてケネディの遺志を継いだのかという部分に絞られています。だいたい97分という、政治もの、歴史ものとしては極端に短い尺からしても、本来なら複雑な政治劇にしようとしたところ、小難しくなるのを嫌ったスタジオの圧力で単純化させられたんだろうなあというのは容易に想像できる。それでも、ケネディ兄弟と南部実力者のあいだの「中間管理職」的な政治家というポジションとして、ジョンソンを描いたのは、さすがはベテラン監督のロブ・ライナーらしい「落としどころ」でした。とくに、南部の重鎮議員のラッセルとの関係と確執は本作でももっとも緊張感にあふれた名シーンの連続でした。ただ、その緊張感ある構図もケネディ暗殺までしか持たず、その後は、ジョンソンのちょっといい演説で法案成立というのは、ある意味、それまでのジョンソンの政治キャリアを否定するような描写だったと思う。彼の真骨頂は、ケネディのような若々しさや印象深い演説ではなく、議会であの手この手で賛同者を増やし、票を積み重ねるプロセスにあったはずで、そっちをすっとばして演説一発、あとはナレーションで解決、というのは法案成立の歴史的過程とも本作のテーマともあってなかったと思うし、何より政治家としてジョンソンにフォーカスを当てた意味がまるでなくなってしまった。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 5点(2020-04-26 10:51:51)
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