103.ネタバレ エポックメイキングってこういう映画のためにある言葉だろうと思います。 2008年は、期せずして「崖の上のポニョ」も公開されてましたが、時代の流れに迎合せずに思い切ったやり方で作られた映画という点で、両者が共通しているのも感慨深いものがあります。映画館で4回観たのですが、DVD発売後にメイキングを観て、なぜこの映画がこんなに濃いーのか、納得しました。 いろいろカッコよかったですが、一部では活躍不足として不評だったクリスチャン・ベール。活躍しないところが、とてもカッコよかったです。そういう感じ方をするのは女性だけかもしれませんが。ちょっと森進一チックな声ではあったけど(笑。 言うまでもないという感じですが、ヒース・レジャーの挑戦もすばらしかった。この映画で初めて観たのですが、彼はいつもチャレンジしてた人なんですね。もう居ないのが残念です。彼だけでなく、監督をはじめチャレンジングな人たちが集まってチャレンジした、その結晶みたいな作品。チャレンジのほとんどが成功しているのがまた凄い。 ここまで達成されてれば、バットマンのガールフレンドのキャラクターとか髪型とかほうれい線がイマイチでも、もういいです。そのぐらいのことは軽く吹き飛んでしまう圧倒的な何かを受け取った映画でした。 【hatomix】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-05-04 18:45:28)
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102.ネタバレ ガキの頃に見てたアニメのバットマンとはもうまったく別物。ゴッサムシティに潜むのは暗い闇ばかりで、ほんと暗い気分になりました。この映画を語るに外すこのと出来ないヒース・レジャー扮するジョーカー。彼を見てると不思議なほど自然体に思えてしまう。モニター前でよく目にする「いっちゃってる人物」ってのは、へらへらニヤケ笑いしてるようなウソ臭い俳優が多いので見習ってもらいたいもんです。囚人のボスらしき人が起爆装置を海に捨てたあの1シーン。これだけでも救われた気分になれてよかった。 【ライトニングボルト】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-18 02:02:27)
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101.ネタバレ ヒース・レジャーのジョーカーが作品のイメージを何倍も強烈なものにしていることはいうまでもない。ただ冷酷で残忍なだけではなくて、その中に常に「人の心を操作する」という明確なコンセプト(?)が存在する。そして確かに、彼の手法は、手法としては成功している、というか、「そうされたらそうなっちゃうよなあ」というところを的確に突いてきている。しかし、彼を破ったのは、警察でもなければバットマンでもなく、顔も見えない向こうの船の人々を信じる「人の心」であった。そこで彼は自らの敗北を悟る(おお、これはあのメフィラス星人と同じパターンではないか。道理で彼が格好良く見えるはずだ)。人心の良識が復活すればバットマンは社会に必要がない。だから、主人公は最後に甘んじて悪役を引き受け、その決断に説得力が出る。単にキャラクターの造形に頼ることなく、そこまで突っ込んだ世界を作品として作りあげたというところを評価したい。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-04-02 04:52:53)
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100.ネタバレ バットマンシリーズを初めてまともに観たんですが、それでも十分楽しめる内容でした。二転三転する展開はとても見ごたえがあり、アメコミ物の概念を覆す重厚なストーリーは2時間半という長丁場を全く感じさせません。ただ、暗い中でのアクションシーンが多く、何が起こってるのかわかりにくかった点が少々気になりました。ラストは決してハッピーエンドではなく、自らを必要悪とし、偽ることも正義の一つとするバットマンの信念が描かれています。しかし、その考えが100%正しいのかどうかは自分にはわかりません。綺麗事かもしれませんが、本当の意味で人が正しい道を選ぶのであれば、偽りのない厳しい現実・真実を知った上で、それを乗り越えてこそ本当の平和があるのではないでしょうか。それこそが、ジョーカーに本当の意味で勝ったと言えるのではないでしょうか。今回の終わり方は、確かにジョーカーに負けてはいません。ただ、勝ってもいないと思います。もし、続編があるのであれば痛み分けではなく、本当の意味で勝利してもらいたい。もしそうなれば、この作品はさらに素晴らしい輝きを放つこととなるでしょう。 【グングニル】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-03-29 23:39:15)
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99.ネタバレ 優柔不断なバットマンにイライラしっぱなしの3時間でした。どーなんだこのやろーと追い詰めたくなったジョーカーの気持ちもわからなくない。 【メリーさん】さん [映画館(字幕)] 4点(2009-03-02 02:16:58)
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98.ネタバレ これはすごい。あちこちでの絶賛の声を聞いて過大評価されているきらいがあるかと思ったがとんでもない。従来のヒーローものとは一線を画す暗い暗い物語構造に脱帽。「世に絶望と混沌を与える」ジョーカーとヒーローでありながら影を背負っているバットマンの巧みな対比が素晴らしく、その二人の人間模様が画面を引き立てる。そして二人のそれぞれの主張が、後半の船上のシーンに活きてくる。映画でここまでドキドキしたのはホントに久しぶりだ。更に映像も文句なし。ジョーカーが病院を丸ごと爆破したシーンには度肝を抜かれた。よく聞く言葉だがあえて言うと「劇場で見たかった」。 【ドラりん】さん [DVD(吹替)] 10点(2009-02-25 02:55:12)
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97.ネタバレ バットマンビギンズは見たが背景的なことについてはほとんど覚えていなくて、どうしたものかと思いつつ見た。最初の30分は少し戸惑ったが、ジョーカーが出てきてからは評判だったその意味がよくわかった。最後にダークナイトの意味するところがわかってすっきりしたようなもやもやが残るような感じである。次回作は映画館で見たいと思った。 【HK】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 23:21:09)
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96.ネタバレ すんごいすんごい期待して見たからハードル上げすぎちゃいました。見る前から。それでも面白かったんだから前評判無しで見たら、もっと面白かったかも(まぁ、あんだけ話題になってれば無理か)。それにしてもジョーカーの鉛筆消す手品は見事でしたね! 【Junker】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-14 01:45:15)
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95.ネタバレ とことん悪です・・・。バッドマン時代、ずいぶん昔に最初のを見ただけでしたので、ほとんど思い入れなどないのですが、いつのまにこんなに悪者になったんですか。昔からでしたっけ?くらーいくらーい映画ですが、おなかの下のほうにずしんとくる感じでした。 あれはゲイリー・オールドマンだったんですか・・・。 【しゃっくり】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-14 00:58:22)
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94.ネタバレ やはりヒース・レジャーが直後に亡くなってしまったということで、感傷なくしては観ることができませんでした。これほどの俳優を失ったという悔しさ。けれどもそれを乗り越えて、この映画に新しいハリウッドの映画のあり方を教わった気がする。「バットマン」というアメコミヒーローモノの映画でありながら、純文学の香りさえ漂わせている。ジョーカーが逆さづりになって毒づく場面にはやられたと思った。人間の弱さ、哀しさ、勇気、強さ。こういう映画の作り方ができるのだ、それこそが王道だと思わせられた。「メメント」以来ノーランのファンであるけれども、この映画は今のところ彼の最高傑作といえると思う。 【はちかつぎひめ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-30 13:23:49)
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93.ネタバレ リアル度をぐっと引き上げるとどうなったか。ジョーカーがとても魅力的になった!バートン版ジョーカーはコミックから飛び出してきたみたいな雰囲気だったけど、本作のジョーカーはどこかの街に潜んでる精神異常者という出立ちで、手に負えない危うさや暗い過去を持つ彼の悲しい側面など、人間としてのリアリティが加味されて、単なるアンチヒーロー以上の魅力的なキャラになってますな。それに対してバットマンはどうなったか。もの凄く格好悪くなった!とどめもさせねぇ。街のゴロツキに手こずるわ、ワン公に追いかけられるラストの後ろ姿の惨めさと言ったらない。ジョーカーとの一騎打ちシーンは確かに素晴らしいアクションだが、ありゃバットポットがかっこいいんであってバットマンがかっこいいんじゃないぞ。あ、でも声だけはめっちゃ格好つけてるけどね!それにしてもこれほどまでに根暗な作品が大ヒットするだなんて、アメリカも随分とCHANGEしたということなのかねぇ。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-22 22:16:46)
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92.ネタバレ バットマンは悩むふりをして、自分の自意識を愛している。偽善的な正義感をふりかざしている人を見ると、ジョーカーのように、「あなたはじつは偽善者なんですよ」と教えてやりたくなりませんか?私はムラムラする。この思いは私だけじゃないはずだ。あなたたちもだ。悪を自覚している人間よりも、それを自覚していない正義づらした偽善者を、人は憎むのです。もちろん自分のことを棚においてね。ヤクザより政治家が憎いと感じるのはそのせいだ。人間は毛皮を着た動物愛護団体の職員だ。自分の偽善にはまるで気がつかない。それをジョーカーは我々に気がつかせようと頑張っているのだ。じつは彼は性悪説の宣教師だったのです。知ってましたか?多くの人間が人殺しを行わないのは、神を恐れているからです。え?「ボクは無宗教」だって?それはあなた、嘘ですよ。初詣に行って何かに祈るように、すべての人間は見えない存在を信じ、そして恐れており、それが犯罪に対する抑止力になっている。それなのにマスコミは若者が無差別殺人を起こすと精神異常だという。それは違うのだ。信じていたものが存在しないと悟ったから本性を表しただけである。人間は虚無に陥れば何をするか分かったものじゃないんだ。絶望は簡単に人を変える。いや変わるのではなく本質をさらけ出す。善人だと言われている我々が、なぜ善人でいられるのかをジョーカーは教えてくれる。人間は広い。広すぎるくらいだ。私ならもっと縮めたい。私は私なりにジョーカーに返答したい。文句なしの0点です。 あなたと私は同類だ! 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 0点(2009-01-13 20:45:44)
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91.ネタバレ この作品の見所はとにかく「悪」の描写の凄まじさに尽きる。徹底的に人の心を攻撃し、正義の概念自体を破壊しにかかるジョーカーには、正面からヒーローに力勝負を挑んでくる普通の敵とは全く違う、リアルなおぞましさを感じる。デントでさえ悪人になってしまい、どうすればこいつを止められるのか、その答えを見せるクライマックス(船)は爽快というより、ホッとする。ジョーカーも最後は人間の良心に負けたんだと(まあバットマンも道連れという形ではあったけど)。超能力とかがないだけアクション的には地味ながら、とにかく精神的に激しい戦いがずっと続くので、150分の長さも気にならない。まさしくヒーローアクションの枠を超えた傑作です。 【QUIZ】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-01-13 00:06:39)
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90.ネタバレ ここで終わりなのかなあ~と思ったらまだ続く・・というのが数回あった後にやっと終わりをむかえます。トゥー・フェイスのことで終わりなわけで。。。もっと、早くにトゥー・フェイスの話をもってきても、彼の検事としての「ホワイト・ナイト」ぶりが逆に印象に残ったんじゃないかなとも思う。(勝手な意見ですが)二人の悪役の狂気ぶりが、いやに現実的だったのが怖い。。。 【蝉丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-05 13:40:44)
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89.ネタバレ すいません、レビュー書き直します。1度目、あまりに集中し過ぎて元日に熱でダウンしました(親にはジョーカーの仕業だと言われましたが・・・)。そのせいで正当なレビューが書けておらず、納得できなかったのでもう1度。
初見時には、過去のティム・バートンのバットマンシリーズとの違いこそ分かっていても「バットマンビギンズ」との違いにも戸惑い、重厚だけど盛り上がりに欠けるという短絡的な感想で6点とか付けてしまってました。でもこれはとてもそんなもんじゃないですね。
徹底した悪は、正義がいるからこそ悪になれる。正義の味方の中でも公に表れて人々を引っ張る検事ハービー・デントのような白騎士もいれば、そうではなく私刑執行人のようなダークヒーロー、黒騎士バットマンも存在する。しかしジョーカーはこの2人に様々な矛盾をぶつけ、苦しめ、精神的にもどんどん追い詰めてゆく。容赦がない事に理由が無い、これぞまさに最狂、最凶なんですね。
話は少し違いますが「ドラゴンクエストダイの大冒険」という漫画で、それまで人間を助けてきた勇者ダイがある日街中でドラゴン数匹を圧倒的強さで倒した時、手を差し伸べた少女に「お兄ちゃん怖い・・・」と言われてしまうんです。あまりに人間離れした強さに、助けてもらった事を忘れて不気味さや恐怖を感じる。そこを敵に突かれたダイはその後、自分が勇者を続ける意味に悩み始めます。ふとそれを思い出してしまいました。
登場人物も皆素晴らしい演技。チャンベールやヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマンはもとより、アーロン・エッカートが恋人を失ってからトゥーフェイスになるプロセスが秀逸。地鳴りでも聴こえてきそうな怒りが凄かった。なるほど人間は本当に弱いもので、心の柱1つ折れると簡単に転がり落ちるのだと痛感。
アクションを期待する映画でもない。暗いしハッピーエンドを期待する映画でもない。それでもこれほど多くのファンから大喝采を浴びた要因の1つは、やはり人間の危うさや葛藤、心の中に眠る危険な欲望をジョーカーに見透かされているからではないだろうか?本作のバットマンの葛藤は、観客の心をも映し出す「鏡」なのかもしれないですね。1度の鑑賞でなんとなくレビューするだけでは惜しい作品かもしれません。傑作でしょう。
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88.ネタバレ ティムバートンの「ファンタジーな暗さ」も好きだけど、本作品の「ニヒルな暗さ」は予想以上。圧倒された。静かな暗さが、重低音のように響く感じ。ジョーカーの演技も圧巻。(ゲーリーオールドマンがまともな人の役、というのがちょっとなじめませんでしたが・・・。) 【ハクリキコ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-03 08:12:04)
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87.ネタバレ ジョーカーを上手く使い、さまざまなワナを展開して楽しませてくれた。 が、検事が悪側に廻ってしまった理由が全くわからない。いや、「わかってくれますよね」という感じは伝わってくるが、私はいやだ、わかってあげたくない。信念はそんなに簡単に曲がるものではないよ。SAWでも同じだが、洗脳することによって、その人に内在していた悪が目覚める的な発想は米国では一般的なものなのだろうか。なにか流行りのような思想なのかもしれないが、私から言わせてもらえれば、偏りすぎた思想だ。米国の腐敗臭が漂ってくるような映画だ。 【小鮒】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-01 02:33:11)
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86.ネタバレ 観終わった後、何とも言えない不快な後味がずっと残るのだが同時に面白かったと本当に思える不思議な作品。観ていけば行くほど、不満はジョーカーではなく全てバットマンの方にいく。改めてこのシリーズに出てくるヒーローや怪人は単なる”人間”だという事。もっと言うとコスプレマニアの危ないオッサンである。その人間の心理を付いたストーリー展開が実に面白い。ジョーカーの最終目的は、どう考えてもバットマンに殺され其の事によって悪の道に踏み込ませる事。それに殺せないバットマンという図式であるが、ジョーカーを生かしておいたおかげで新たな犠牲者が増え続けるという悪循環に陥る。この世には殺すしか無いという人間がいる、バットマンは所詮殺人罪で捕まりたくないだけにしか見えない。警察内部も汚染されているのだから、捕まえても無駄という学習能力も無い。市民が爆弾のボタンを押さなかったのは、自分の方が爆発するかも?と疑っただけだと思う。ジョーカーの性格を知っていなければ、そんな事ないのだが。アクションに関して言えば、終盤盛り上がらなかった事は残念であるが、中盤のお化けタイヤのバイクで久々に爽快感のあるシーンが見れて良かった。前作とはヒロインが違うし美人じゃないので、何の思い入れも無く死んでも何とも思わなかった。「スパイダーマン」のヒロインといい何故この程度の顔で選ばれるのか不思議でたまらない。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-30 07:27:59)
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85.ネタバレ タイトル通りのダークな内容でした・・・生死の選択を迫る「SAW」の様な内容をヒーロー物に持ってきた感じ。緊迫感はヒリヒリ伝わって来たけど、やっぱり正直、長かった・・・。評価が高かったので期待しすぎてしまったかな・・・映像はとてもキレイでした。 【より】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2008-12-28 00:18:43)
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84.ネタバレ バットマンシリーズはティムバートン版があまり好きではなかったので敬遠していたのですが、評判が高かったので鑑賞。一級のエンターテインメント作品だと思います。皆さんがおっしゃっているとおり2時間半もあっという間で、ジョーカーの強烈な存在感は圧巻でした。 【ポテト】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-27 11:30:58)
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