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プロフィール
コメント数 2005
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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1.  ジェントルメン(2019) 《ネタバレ》 
初期のガイ・リッチー作品好きな方にお待ちかねの一本。わたしもその一人。 ちょっと真っ当じゃない色んな職業や立場の連中が次々関わりあって事態をくるくるとあらぬ方向へ転がしてゆく。先の読めなさとお話の饒舌ぶりは初期のガイ・リッチー味健在で楽しいです。語り手がヒュー・グラントってのもまたぴったり。無責任にじみ出るチャラい演技は、彼のお手の物ですからね。 ギャングものですので物騒な話には違いないのだけど、ガイ・リッチーはいつもトボけた筆致なのでそこが好き。強面のおっさんたちも脚の速さでは悪ガキに翻弄されてしまって、スーツと革靴で汗だく。一見正義の人に見えるコリン・ファレルは困惑顔しながら、やってることはエゲツないし。相続した建物の莫大な維持管理にいっぱいいっぱいの現代貴族事情もシナリオに織り込んでるあたり、英国の香りがふんぷんとしますね。 鑑賞者にとって生き残ってほしいキャラがきちんと勝ちを収めるのも大変喜ばしいです。勧善懲悪では決して無いですが。 最後にどんでん返しが2,3あるのですが個人的にはちょっと返しすぎに感じてしまったな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-12-27 15:02:54)
2.  15年後のラブソング 《ネタバレ》 
中年同士の恋愛もの、とくくるには「惚れた腫れた」感があっさりしていてべたつかず、そこがとても心地よかったです。 アラフォーともなると男でも女でも背負ってきた人生の事情がてんこ盛りで、その分互いに新しい出会いには臆病になるもんですわな。今作では病室でのタッカーの親族大集合の場面がソレで、なんかもう笑っちゃうやら気の毒やら。 主演二人が良いんですよ。イーサン・ホークもローズ・バーンも若々しくて、大人だけど迷走しているところなど共感のツボがたくさん。E・ホークは本作で初めて凄く良い役者に感じました。ハマリ役っていうんですねきっと。 あと、脇を務める熱狂的なタッカーファンのダンカン。この人の、熱に浮かされ気味の空回りっぷりがお話のアクセントになってて巧い作りです。どこの国でも熱心すぎるファンって、対象のアイドルからは(近い気分でいて)遠いモンなんですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-03-13 23:18:38)
3.  女王陛下の007 《ネタバレ》 
ボンド俳優にジョージ・レーゼンビーという名前があるのを初めて知りました。他の5名は耳にしていましたが。 本作のみのボンド役、レーゼンビーはまずまず及第点とは思います。スタイルは良いしアクションも動けてるし。しかしいかんせんアクの強いコネリーの後任ではハードルが高過ぎました。獅子奮迅の働きをしてもレーゼンビーではせいぜい総務課長が頑張っている、という印象になってしまうのです。冒頭海から女を助け上げて「やあジェームズ・ボンドだよ」と自己紹介したとき、おそらく世界中が激しく違和感を抱いただろうと推測します。 お話の方は、終盤のコネリー版の能天気な馬鹿っぽさが払拭されてきりっと引き締まりました。吊るされた同僚の姿とか、ラストの非情さは007シリーズの中でも異彩を放つエッジの切れっぷりだと思います。 スキーでの追走劇は素晴らしい撮影技術で、画のブレも無くスピード感も堪能できますし、おそらく007の名を冠していなければレーゼンビーのアクション代表作として彼ももっと評価されたのではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-13 17:14:28)
4.  ジョン・F・ドノヴァンの死と生
ドラン監督自身の個人的思いが反映されているのだとか。 憧れのスター俳優に対する愛情がふつふつと感じられ微笑ましい。スターダムで苦しむキット・ハリントンと子役のジェイコブ・トレンブレイも母親役のナタリー・ポートマン(もうお母さん役なんだね!)も丁寧な良い演技をしているので、これといって何もない話のわりにはつり込まれて観てしまいました。 ただ、奇しくも劇中のインタビュワーの記者が言っていたとおり「世界中の紛争に比べれば、先進国にありがちな凡庸な苦悩」であることも確かです。ふわふわと個人的感興をまとめただけの作品とも言えますから、評価は分かれるのではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-12-13 23:45:06)
5.  シング・ストリート 未来へのうた 《ネタバレ》 
とてもオーソドックスな青春映画。10代前半に出会いたかった。 そうそう、80年代はあんな感じ。バンドはヴィジュアル重視なのでメンズもメイクをかっちり施して中世的、極楽鳥のような髪色で。 流れる楽曲もザ・80年代な聴き心地の良いメロディラインとゆるめのテンポとリズム。作中では素人の15才が作ったことになっているのがリアリティを削ぐくらいのクオリティの高さ。 ただドラマ全体として見ると浅い。両親の不和、荒れる学校、大人への反発、バンド結成の高揚感、初恋、と青春ネタをずらっと並べているだけです。 味のある脇キャラをなぜもっと推さない。マネージャー、黒人のキーボード奏者、いじめっ子の不良。彼らと主人公が関わって「あ、面白くなりそうだな」と思ったところで描写が止まる。人間関係の化学反応が起こる前に。 主人公の感情も今一つ掴めないね。いじめにあっても校長のパワハラ暴力に晒されても全くメンタルに影響してない演技と脚本は疑問に感じます。いつでもけろりとバンド活動にいそしむ姿しか描かない。生々しい痛みの伴う負の描写を避けると、おとぎ話になってしまうのです。この作品は映画的というよりはティーン向けのまんがテイスト。ひねた大人の鑑賞眼に堪えるレベルのものではなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-07-18 22:33:17)
6.  少年は残酷な弓を射る 《ネタバレ》 
色んな記事を見るに、衝撃的なこの作品を‶誰の立場で”観るかで感想がずいぶん違うものですね。わたしは子どもを育てた母親であるので、エヴァの身になって観ました。ケヴィンのように難易度の極めて高い子を育てるのは生半可なことじゃあありません。彼女は良くやったと思います。自分のキャリアを続けたい、こんな手のかかる子はしんどい。誰でも抱く辛さです。育児あるあるです。彼女なりに精一杯子に向き合ってるのに、キャパ以上の愛を要求されたってどうすりゃいいのでしょう。 なにせケヴィンはおっそろしく知的レベルが高い。そのうえマザーコンプレックスが強い。彼の母に対する想いは思慕というより執着で、立派なサイコパスといえると思います。あの「時計じかけのオレンジ」アレックス以来の大型物件です。(そういや年齢も同じだ) ケヴィンの狡猾さは幼少時から現れています。母親の失点(骨折事件)は他に漏らさず、秘密を共有しようとする。また、相手によって態度を変える。そんな子は集団の中にはしばしばいますが、たいていの場合大人には見透かされることがほとんど。でもケヴィンは天才的というか悪魔的というか最後まで父親をだまし通すことに成功しています。彼が生来の残酷な性質を見せるのは母親にだけ。捨てずにとってある幼い頃の絵本。求めていたのは母の愛、関心、承認。 ケヴィンの破壊願望がついに臨界点を超えたのは両親が離婚、親権は父親にと聞いたとき。とうとう母に見捨てられるのだと感じたのでは、と推測します。父親のことなどちょろい奴、と軽蔑していたでしょうし妹も憎らしいだけ。世界の全てを破壊してパトカーの中から母を見据える視線は「これでも俺を愛せるかい?」 子育てする全ての親を震撼させる展開でしたけど、エヴァが息子の悪魔性を凌駕するほどの強固な母性を見せるのがこの陰惨な話の唯一の光です。生き地獄に落とされようと、彼女の母性は枯渇することは無かった。かつての若き冒険家は、粛々と息子との運命を受け入れるやつれた母となりました。「分からなくなった」と憑き物が落ちたようなラストのケヴィンの表情が印象的です。 エズラ・ミラーの美貌がケヴィンのキャラクターにぴったりで、同じくどことなく俗人離れした顔つきのティルダ・スウィントンを母親にしたキャスティングの妙が光ります。よく似ているので、ああ親子なんだ、とすっと納得できます。全く別人種顔のJ・C・ライリーが父親というのもまた上手い。彼は最後まで「理解せず」の人でしたからね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-23 16:54:21)
7.  人生はシネマティック! 《ネタバレ》 
戦時下という国難の時代でも、制作に意欲を燃やした映画人の奮闘ぶりが胸を打ちます。テーマが国威発揚に限られようが、細かい注文が軍関係部署からもたらされようが、良いもの=Finest を作ろうという気概はこちらの背をもしゃんとさせてくれるほどの勢いがありました。 仕事と家庭のバランスに苦労するヒロインの脚本家の抱える課題は、今日にも通じて現代的でリアルです。 ピークを過ぎた老名優の滋味溢れる存在感はビル・ナイ本人そのもの。 戦争の悲愴感をぎりぎりまで抑制しながら、生きることの喜びも哀しみもとつとつと語りきった、品のある作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-12-04 20:16:47)
8.  ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 
ストーリーは特にヒネリの無い密室ホラーでした。いわくつきの魔力を帯びた死体(元魔女?)が原因で皆死んじゃう、となかなか凡庸であります。ほぼわーとかぎゃーとか叫んで逃げてるシーンばかりに感じられ、ちょっとあくびも出ました。 けれども評価できる点もちゃんとありまして、雰囲気先行型の映画だけあって「死体」がとにかく怖い。やけに白い肌とか何も見てない青い目とか。これは女優さんの演技力?の賜物というわけじゃないんだろうが、彼女が横たわる解剖室の怖さはただならぬモノがありました。信じられないことに、解剖医親子は何度か解剖室に戻るんです。えっ、よく戻れるなああとワタシは本気でイヤでした。 あとラストにラジオがさらっと「これで4日連続の晴天です」って言ってたのも、オマケ的に不気味ではありました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-07-01 23:57:01)
9.  シンプルメン 《ネタバレ》 
私は映画雑食なので、インディーズにアレルギーは無いです。ジャームッシュやソダーバーグらのおっそろしく地味な卒業作品も、面白いと思いました。 でもハル・ハートリーの本作、これは相性が合わなかったみたいだ。インディーズってそもそも自分のセンス全開で「わかる奴にだけわかってもらえば良い」というスタンスだから、つまりハートリー氏とは感性が合わないんだろうな。 途中で出会う鼻ピアス女子高生の存在、意味がわからない。何人かの登場人物がぶつぶつと単語を繰り返すその意味も。 へんてこなダンスシーンは奇妙ではありますけど、いかにも非営利、アート感、ザ・インディーズな作り手の過剰な自意識がすごくうるさい。 すぐ手を上げる女性らが、やたらと乱暴なのも嫌です。 当初の目的の父親探しが達成されてもびっくりするくらいアクションが何も無いんですね。人物らのちょっとした「間」を読ませるといったジャームッシュ的な技巧もないですし、もうどうにも退屈してしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-08-05 16:35:22)
10.  上海の伯爵夫人
クレジットに”written by Kazuo Ishiguro" とあって、おおなるほど、と膝を打ちました。抑制の効いた、品のある佇まいはまさにこの作家の筆致です。第二次大戦前の上海租界を舞台に、凋落したロシア貴族と元米国人外交官らが織り成す物語など、この人以外に誰が書けましょうか。 再現された上海の混沌として退廃なこと、時折挟まるロシア貴族の輝かしい時代の回想場面。猥雑さえ甘美な映像美に代える監督の手腕が冴えわたり、充足した視覚体験でありました。 元外交官のR・ファインズも伯爵夫人のN・リチャードソンも暗躍する日本人工作員の真田広之も、皆各々の矜持を維持して生きる様が高潔で観ていて心地よいのです。役者がみなハマった良いキャスティングだと思いました。 全編淡々としているようでいて、目を凝らすと底意地の悪い義母や義姉らはソフィアにとって人生の大きな棘だし、松田氏の怪しい動きにも心乱されたりと、水面下で大きなうねりは起きているのでした。クライマックスの群集混乱シーンは圧巻です。 そして忌々しいロシア貴族姉妹の余りの非情さに腹煮えたぎったワタシは、このラストに心から満足しました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-07 00:49:37)
11.  SHAME -シェイム- 《ネタバレ》 
性交シーンが多く、しかもどぎつくて不道徳とも感じかねないけれども、この話の根っこにあるのは心の飢餓に苦しむ男の孤独である。心が不安定だと依存症になる場合がある。人により、アルコールだったりギャンブルだったり。この男はセックスだった。 キャスティングが容姿端麗なM・ファスベンダーで正解だった。画が生臭くならずに済むし、見た目とのギャップの大きさも強く印象に残る。かなりきわどい性描写もこなし、X-MEN俳優で終わるまい、というあっぱれな役者根性の持ち主とみた。 妹シシーを配した脚本が巧いと思う。シシーは男の映し鏡。欠落しているものが同じなので、自分を見ているみたいでイライラするのである。二人とも孤独で、空っぽだ。 男にとってセックスは渇望を満たすための行為。愛の行為ではないので、好きな女のことはどう抱けばいいのか分からない。この場面は深刻だ。深刻さを解消できぬまま、後半には彼のセックスは自己破壊にも近くなる。 兄妹の生い立ちがどういったものなのか描かれず、つらいまま話は終わってしまう。 男にはセラピーが絶対に必要だ。まだ希望はあると思う。妹が死にかけた時、初めて人間らしく動揺し、男は泣いた。なんとかして、彼が苦しみから抜けられますように。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-07 00:22:27)
12.  SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁<TVM>
いやー、これは「原典の、19世紀ビクトリア朝でも撮ってみたかったんだよね」というモファットとゲイティスの願い叶っての、脚本家による、彼らとSHERLOCKファンのための内輪向けスピンオフ。新作映画と思って映画館に足を運んだ一見さんは気の毒だ。 シャーロックの意識の現在とマインドパレスを行き来するという設定は、時間が交錯したり工夫もあるけどやっぱりちょっと苦しい。ドラマファンの私でも「苦労してひねり出した脚本だなあ」と思ったもんね。 だからですね、これはシーズン4を待つ間の”つなぎ”の位置づけ。ファンはこれでせめてもの渇きを癒すのです。 だってなんだか、キャストの皆もコスプレに付き合わされているかのよう。台詞までが「僕のヒゲだって挿絵画家のせいなんですよ」とはもう確信犯な脚本。この作品の正しい楽しみ方としては、ベネさんやりたかったオールバックにできて良かったね、とかハドソンさんが一番似合うなあ、とかレストレードのカツラがいまいちねえ、とか いやモリーw、全然男に見えないよ、とか身内気分で眺めましょう。 スープロデューサーがお金がかかると嘆いていただけあって、セットや調度品は凝っていてまさしく「映画レベル」の美術であります。モファットとゲイティスのお二方がはしゃいでいるのも微笑ましい。もちろん遊んでばかりいる二人ではないわけで、世界でも指折りのシャーロキアンで、優秀な脚本家でもある彼らの仕事ぶりの凄さはシーズン全シリーズを通して世界が認めているところ。彼らへの強い信頼が、シーズン4まで辛抱強く私たちを待たせているのです。こんな息抜き作品もご愛嬌。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-24 18:43:00)(良:1票)
13.  シャロウ・グレイブ 《ネタバレ》 
まあなんて感じの悪い三人でしょう。「何こいつら」と客に思わせる監督の狙いは何だろう。感情を移入させず、完全に傍観させるためかな。監督自身、突き放した視線で描いてるし。 冒頭のルームメイト探しからもわかる通り、性根の良くない三人であるので根が自分勝手な者同士、真の友情なんて育つはずもない。それにしても、こうもむき出しになるとは。おそろしや。さっさと三等分しとけば良かったものを。 会計士くんの奇行を幕開けに徐々にひずみの入る三者の関係、そもそも男2人に女1人というのが友達バランスを取るのに絶妙に難しい配置なんですよね。危うい危うい。女が美女ではない、というキャスティングもバランス重視のためでしょう。欲のために瓦解してしまうわけですが。 オチが意外でした。あ、そうなるの?と単純に驚いた。ダニー・ボイルって人はなかなか皮肉屋なのねと思ったデビュー作。独特な味わいで個性的です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-08 00:16:17)
14.  ジャッジ・ドレッド(2012) 《ネタバレ》 
これは、なかなか。わかりやすい設定でいて魅力的なキャラクターと、勧善懲悪の簡単なストーリー。さして目新しい要素は無くとも、敵役がしっかりしていて主人公を追い詰めるアイディアが色々と活きると、客をノせることができるのだね。スロー効果の麻薬も独特な映像効果をあげています。むごいがキレイ、という。 ドレッド、ヘルメット取らないんだねー。ちょっと期待してたんだど。彼役の俳優さん、それでいいの?誰でも良くなっちゃう気が。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-15 00:30:25)
15.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
格好の良い、二枚目な映画。演出も主人公もストイック。“必要なこと”のみを確実に仕上げてゆくプロの手腕をこれまた無駄の無い脚本で すっすっと描く。いやあーかっこいい。 やっぱり、E・フォックスに尽きます。この映画、風光明媚であるし、白のアルファロメオや銃身の細い改造銃など小物まで粋なんだけど、この男優がまた物腰に品格あって所作がキレイなんですな。隙がなく冷徹で 殺し方まで血で汚さず、すっと事が済んでしまう。物語上、男爵夫人からゲイ氏に至るまでが惚れるキャラクターでなくてはなりません。その点、E・フォックスは実に適役でありました。 重大事件を扱うに当たって、なんだか事なかれに流れがちな仏閣僚の面子や、有能さでは軍配のあがる英国捜査機関の働きぶり、ハニートラップを仕掛けるテロリスト組織など、脇のドラマもちゃんと140分に落とし込んでいて、あちこちに見ごたえがあります。「あなたたち全員を盗聴しました」の場面は笑ったなー。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-13 00:13:15)
16.  シュガーマン 奇跡に愛された男 《ネタバレ》 
情報鎖国だった南アだからこそ生まれたスーパースター・ロドリゲス。彼の佇まいが良いんです。都市伝説となった自分のバイオグラフィーを突きつけられ、まるで浦島太郎のように別世界が用意された時、人はどうなるか。浦島さんは遊蕩してしまったがロドリゲス氏は全く揺るがない。この、地に足の着いた姿勢、数十年にわたって米国でブルーカラーの労働者として生きてきた人生訓がそうさせるのか。歌声も滋味に溢れ、しかし歌詞はなかなかに攻撃的で、私はすっかりこの人に魅了されてしまった。ステージ上での第一声がまたさらりとユーモアを含んでかっこいい。 奇跡、と邦題にあるけれど輝く石は埋もれていてもいつかは人の目に留まるもの。南アでの大ヒットも、氏の捜索への人々の熱意も、すべてロドリゲスの才能が呼んだもの。奇跡というより必然かなとも思う。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-07-31 23:55:13)
17.  ショーン・オブ・ザ・デッド
作り手のゾンビ愛が、イギリスコメディ独特の馬鹿なノリで炸裂中。日常にゾンビが溢れる異常事態をまれに見るユルさで乗り切る主人公たちといい、どんなゾンビ映画も考えつかなかった斜め上のオチといい、最高点ではないけど秀作くらいの評価を受けても良いと思う。で、なんでダイアー・ストレイツのレコードを投げてもOKなのよっ こらあっ。
[DVD(字幕)] 7点(2013-12-01 00:30:41)(笑:1票)
18.  シャーロック・ホームズ(2009)
ガイ・リッチーの思い切ったキャラ造形が、ロバートとジュードという適材を得て生き生きと動いている、そこが一番の魅力。“結婚するのー?”“まじで?”とワトソンにちくちく嫌がらせを仕掛けるホームズ。全く12才のガキのようである。楽しい。見るたびにかちーんと固まっている受難犬トレッドストーンも可愛い。そして音楽と美術、こちらも優秀。19世紀のロンドンを全身全霊をこめて再現したかのような見事さ。女性のドレスは優雅で、男性のスーツは化繊のてろてろ感の無い上質さ、ああ眼福でした。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-11 01:10:18)
19.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 
やっぱり、肩入れしたくなるのはB・B・ソーントン演じる冴えない兄貴。自分でも負け人生を自覚していて、良心のとがめにふらふら優柔不断で危なっかしいねえ。ああ、こんなのが仲間にいたらうまく行きっこないぞう、と予想できちゃう。その弟夫婦、一見、世間的にはまっとうなこの人たちがかなりの曲者。けっこうな小ずるさを正論で糊塗するハンクも嫌いだけど、欲に遠慮の無い鬼嫁ブリジットが怖い。ことごとく裏目に出る彼女の計画ったら冷血だわー怖いわー。ついにはヨメよりはるかに小心の主人公、札束焼却にて証拠隠滅。しかしヨメとの溝はもはや埋め難く残ったであろう。手に入らなくとも大金とは人生を狂わせるものなのね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-11-08 00:30:37)(良:1票)
20.  真珠の耳飾りの少女
下働き顔のS・ヨハンソンが役に最強にはまっていて、色白の顔が窓からの光線により、それこそ絵画そのままに浮かび上がる映像が全編にわたって美しい。フェルメールと彼女の間に表立っての恋愛的行為は起こらない。起こらないけれども、アーティストと、そのアートを理解する者との心の絡みが、それはそれは激しく展開しているのです。この二人の近くにいたら、必ず当てられます。お話の淡々とした按配と、17世紀オランダの古く情緒ある風景がぴったりとマッチして中世を旅してきた気持ちになりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-02-18 00:55:51)
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