21. ショー・ミー・ラヴ
《ネタバレ》 同性愛者をとりまく中学生たちの残酷さが印象的です。子供の特徴は、明るくて元気があって、そして残酷なことだと思います。子供特有の、まだ他人の痛みを知らない無邪気な残酷さが、異邦人である子供の自意識を刺激して傷つけます。 青春の楽しい部分よりも、残酷な部分が目に付きました。 ところで大人の定義とはなんでしょうか? 子供から大人になるということは、人を本気で愛することができた時、深く傷ついた時、あるがままの自分を受け入れることができた時、この3つだと思います。そのために大人は、子供の無邪気さを失いますが、それが大人になるということかもしれません。 あのトイレをみんなで取り囲むシーンは、暴力的にすら感じましたが、しかしそのトイレから堂々と出てくるラストシーンは、異質である自分たちを否定せずに受け入れることができた瞬間だと思います。まるで自意識からの解放でした。これは成長の物語。 [映画館(字幕)] 10点(2005-01-16 13:04:06) |
22. しあわせな孤独
《ネタバレ》 孤独とは人を好きになることではじめて感じられる感情だと思う。自ら人を求めない人間は孤独など感じるはずもない。誰かを求める気持ちがあるからこそ常に寂しいという感情を人は持ち合わせている。 そこでここに出てくる登場人物について考えてみると、事故で二度と歩けない体になった男は婚約者が不幸になるから自分の側から遠ざけたのではなく、自分が愛されなくなるかもしれないという恐怖に似た不安が一時そうさせたのだと思う。主役の婚約者の女性はそれが分からずに寂しい思いをする。 不倫というのが1つのポイントになっているが私は誰も憎めなかった。 登場人物の誰もが強く人を求めているけど結局、最後は誰も何も手に入らなかったというのが結末。 不倫される加害者の妻も、夫とよりを戻すということはしなかったし、不倫相手にふられる夫のほうは家族も恋人も失う。事故で動けなくなった男も結局最後は婚約者を手放した。 主役の女性は不倫相手も婚約している男もどちらも選ばなかった。 誰もが強く他人を求めているのだけどうまくいかない。 手に入らない。 しかし手に入らない人たちはいつも側にいる。 9点(2004-12-12 13:20:20)(良:2票) |
23. シービスケット
一番大きな問題は、「馬も走りたがっているんだよ」という恐ろしい人間の勝手な思い込みである。 物言わぬ馬には当たり前だけど選択する権利はない。 もしシービスケットが喋られるならばこう言うはずだ。「俺は骨折したら殺される運命だ。バカな人間のロマンのために、いつも嫌々走らされているだけなんだよ!」 そしてシービスケットが一番嫌いなやつはトビーのはずである。「トビーよ、てめーの骨折と俺の骨折じゃ全然意味が違うんだよ!甘えるんじゃねー。ざけんなっ!このクソチビが!」と思っているはずだ。 馬から見ればすべての人間は自分勝手なのだ。 そうやって怒っているシービスケットをトビーは「この馬は気性が激しくて僕とそっくりだね♪」なんて勘違いしているのだ。 馬に求める夢、ロマン、希望。それはすべて人間の妄想である。 馬が喋られないことを良いことに、自己解釈しているのだ。 この映画を観て、競馬に夢だの、ロマンだのほざく自己中心型の登場人物たちをみて、「競馬」に携わる人間の「偽善」という醜悪なものを強く感じた。 簡単にいうと、「お前ら嘘つけ!」ということである。 [映画館(字幕)] 0点(2004-10-11 12:22:05)(良:1票) |
24. ジャック・フロスト/パパは雪だるま
《ネタバレ》 パパは雪ダルマというタイトルに魅かれてDVDで観た。 どんな謎があるのだろうかと多少は期待していたがパパは本当に雪ダルマだった。そのまんまじゃん! 3点(2004-08-29 01:13:38) |
25. 情婦
《ネタバレ》 超ネタバレあり!なのでぜひ注意をお願います。 とにかくとんでもない大ドンデン返しがある映画ということは知っていた。 だから私も奇想天外な犯人の予想をたてた。まずは殺した人間は実は生きていたと言う事である。なんらかの形で殺されたおばさんとあの奥さんが共犯だと思った。動機は分からなかったので、怨恨か女性2人の同性愛にしておこうと思った。 私の予想2.殺された奥さんのお手伝いさんだ。あのスコットランド気質のおばはんである。動機は遺産がもらえなくなってしまったことに対する逆ギレである。 そう思いつつ、ついに映画は後半に進んでいく。 そして謎の女が秘密の手紙を弁護士に手渡す。 あて先は「マックス」という男。この時点でマックス=今の夫ということは確信した。 でも動機がさっぱり分からなかった。 まさかあの夫婦があそこまで手の込んだことをするとは思いもよらなかった。 単純に「嘘のアリバイ」を言えばそれで無罪を勝ち取れるではないかと思ったが、妻のほうは「リスクを犯したくなかった」と説明する。 それに関しては一言突っ込んでおく。 あんなに手の込んだ嘘を並びたてるほうがよっぽどリスクが高いわ! 7点(2004-08-28 23:04:43) |
26. 死ぬまでにしたい10のこと
《ネタバレ》 最近は感動を催促される映画が多い中で、この映画は地味だけどありのままの生身の人間を見せてくれたので新鮮だった。 残り数ヶ月の命─。 自分の人生の終わりが見えたときに、はじめて自分の人生が幸せなのか不幸せなのかを考えはじめた彼女は、ごく自然に別な男と恋をしようと決断する。 それが悪いとか良いかと考えるのではなくて、初めて若い彼女が自分の人生と向き直り、疑問に感じたことなのだから素直に受け入れられた。 本当に普通の女の子であり、1人の母親だったと思う。ほとんどの人は生きている間は自分の人生を振り返りはしないだろうが、彼女のように突然死が訪れたらやはり彼女と同じように今までの自分の人生を振り返り疑問を感じることはあると思う。 しかし彼女は死ぬ間際になって当たり前のように自分の周りに存在していた子供や夫や生活のありがたみを実感したと思う。 本当の幸せとは今自分が持っているものを実感できる気持ちなのかもしれない。 9点(2004-04-29 23:47:36) |
27. 仕立て屋の恋
仕立て屋の男が夜中に部屋の電気を消して女の部屋を盗み見しているところにカミナリが落ちる、そのカミナリの光をスポットライトのように浴びた男の姿は まさに変態だ。 もし、女が近寄ってこなかったら、仕立て屋の恋は「片思い」で終っていたと思う。 仕立て屋は、喜びよりも傷つきたくないという気持ちの方が強い。 恋愛に限らず人間関係においても同じ。 しかし最後に仕立て屋が「私はあなたを恨んでいない、喜びを与えてくれたから」と言った背景には、傷つけられても喜びを貰って良かったという気持ちが感じられる。 人を好きになれば楽しむも苦しみも倍になる。 最後の最後に人間嫌いの仕立て屋は人間の本質を理解したのではないだろうか。 10点(2004-01-07 13:55:01) |
28. シカゴ(2002)
私としてはムーラン・ルージュと比べると断然シカゴの方が良かった。 しかしこの「シカゴ」の舞台がまさか刑務所の中と法廷の中とは思わなかった。 恋愛の要素はまったく無いに等しいが刑務所の中の殺人を犯した6人の女性の「自業自得」の踊りは、すごい迫力で圧巻された。 8点(2004-01-07 11:07:10) |
29. 秋菊の物語
まずこの映画をみて人目で驚くことは、村と都市の豊かさの違いでしょう。都市の豊かさがいっそう春菊の村の貧しさを際立たせているところが見事でした。 そしてそれが中国の中央集権社会の弊害を如実に物語っています。 あまりはっきり言葉に出して言うと、中国政府に干渉されるから、チャンイーモウの作品は、「映像で観客に語りかける技術」をいつも用いています。 この監督はときどき、中国の汚い部分を外国人に見世物にしていると悪口言われます。しかし中国を一番理解しているのはこの中国人監督だと思う。 9点(2003-11-27 14:03:42) |
30. 十二人の怒れる男(1957)
私が陪審員制度にかけられたときは、あの11人の陪審員だけは遠慮したい。 99%殺されてしまいます。 8点(2003-11-16 18:07:59) |
31. 至福のとき
この映画の監督になって、ラストを作り変えたい気分になった。 それほど主人公の盲目女性に感情移入できた。 7点(2003-11-11 13:15:40) |
32. シェルブールの雨傘
セリフが全部歌になっているのだけど違和感がなく観られる。 内容があるとはとても言えないけど、始まり方がすっごくお洒落なんです。 こういう映画をいっぱい観て感性を磨いていきたいですね。これぞフランス映画の真髄! CGなんて使わなくても~ワイヤーなんて使わな~くても~・・これだけ~面白い~♪♪ 9点(2003-11-11 13:06:16)(笑:1票) |
33. シンドラーのリスト
スピルバーグ!映画の第一人者だし、映画ファンとして素直に嬉しい。彼が満を持して作った会心の作品だと思う。 8点(2003-10-15 03:03:03) |
34. 白い嵐
感動の映画は多いけど、この映画はなにかそれとは違う気がした。 5点(2003-10-15 03:00:44) |
35. JAWS/ジョーズ
激突のように、シンプルで恐怖を見事に描き出している、さすがだ。 7点(2003-10-15 02:57:54) |
36. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 出所したモーガンフリーマン演じる老人は、この先自分は自殺せずに生きていけるのだろうか?と自問自答しているわけです。 その答えを100語を越える台詞を使って説明しなくてもあの「青い海」を観客に見せることですべてを説明してしまう。それが映画の素晴らしさだと思うのです。青い海は「希望」の象徴として用いられていました。「台詞」を「映像」に置き換えて観客に想像させることが本物の映画だと思うのです。 [映画館(字幕)] 10点(2003-10-15 02:56:38)(良:1票) |
37. 小説家を見つけたら
そもそもショーンコネリーを小説家にすることじたいにムリがある。 2点(2003-10-15 02:54:45) |
38. シュリ
最期の電話のシーンは泣ける。泣かなかったけど、泣きそうになった。ふうぅ、危ない 7点(2003-10-15 02:49:49) |
39. ジュラシック・パークIII
久しぶりにこの映画を観た。 前回の内容がまったく覚えていなかったので新しい映画を観るような新鮮さがあった! たぶん、近いうちにまたこの映画の内容を忘れるだろう! だからまた楽しめる! 6点(2003-10-15 02:48:41) |
40. ジュラシック・パーク
いまだとCGも当然だけど、この当時に見たあの恐竜の迫力といったら想像を絶するよ。私は娯楽映画の天才監督のNO1作品だと思うね。 8点(2003-10-15 02:47:27) |