21. 幸福の黄色いハンカチ
《ネタバレ》 この監督さんの撮る「日本」は、本当に情緒があって心が癒されることを改めて実感しました。 素朴で美しい!その一言です。 ラストはコテコテのハッピーエンドですが、いくらひねくれ者の私でも、これをみて涙を流さずにはいられません。 黄色いハンカチが見えることは誰もが想像できたのではないでしょうか? しかし分かっていながらも、実際に何枚もの黄色いハンカチを目のあたりにしたとき、どうしてここまで感動できるのか、不思議に思うのでした。 最近は意外な結末を作ることで、感動させようとしたり、びっくりさせる映画が多いですが、この映画のように、想像できる結末をここまで感動させることができることはひとえに監督の手腕と言わざる得ません。 それと殺人犯でありながら、離婚までした男を待ち続ける女性など、現実的にはいないという意見もありますが、そのとおりだと思います。しかし「ありえないこと」を実現させることも映画の役割の1つではないでしょうか?映画は「夢」であり、「希望」の象徴だということをもう一度、確認させられた秀逸な作品です。 CGで人を感動させたりするのではなく、「人間」を魅せて感動させることこそ、真の映画ではないでしょうか。 それに苦い思い出を背負った健さんの周りには、あの警察官(寅さん)も含めて、いい人が次々と彼の周りに吸い寄せられるように集まってきます。そして、すべての人が健さんの幸せを後押ししているように思えました。私は健さんが喜ぶ姿よりも、健さんが幸せになったことで、喜ぶ周りの人の姿を想像してさらに嬉しくなりました。 [地上波(吹替)] 9点(2005-04-15 23:57:22)(良:4票) |
22. ジャック・フロスト/パパは雪だるま
《ネタバレ》 パパは雪ダルマというタイトルに魅かれてDVDで観た。 どんな謎があるのだろうかと多少は期待していたがパパは本当に雪ダルマだった。そのまんまじゃん! 3点(2005-03-11 21:40:19) |
23. 秋菊の物語
まずこの映画をみて人目で驚くことは、村と都市の豊かさの違いでしょう。都市の豊かさがいっそう春菊の村の貧しさを際立たせているところが見事でした。 そしてそれが中国の中央集権社会の弊害を如実に物語っています。 あまりはっきり言葉に出して言うと、中国政府に干渉されるから、チャンイーモウの作品は、「映像で観客に語りかける技術」をいつも用いています。 この監督はときどき、中国の汚い部分を外国人に見世物にしていると悪口言われます。しかし中国を一番理解しているのはこの中国人監督だと思う。 9点(2005-03-11 21:05:03) |
24. 小説家を見つけたら
そもそもショーンコネリーを小説家にすることじたいにムリがある。 2点(2005-03-09 22:59:03) |
25. ジョゼと虎と魚たち(2003)
あのお魚のラブホテルはすごい!行ってみたい。 それはともかくとして、あえて2人のセックスシーンに時間を割いたのは、恒夫は「障害者の女性」を愛したのではなくて、「女」を愛したということを伝えるためだったと思います。 恒夫は同情で障害者のジョゼを好きになったわけではなく、つまり多くの男性が「ふつうの女性」を好きになるのと同じように恒夫も、ジョゼという女性の体と心を求めていた。 とても自然なことで、すんなりと、この特殊な恋愛に入り込むことができるようになっています。 そしてジョゼの偉いところは、歩けないという事実を素直に受け入れていることだと思います。けっして愚痴を言ったり健常者に嫉妬したりしません。 それに比べ健常者の私たちは、「自分が持っていないもの」を持っている人を見ると嫉妬したり不満を感じたりします。自分よりも出世している人間や、お金を持っている人間、または自分よりも愛されている人たちをみて、「ああ、自分は何も持っていない。なんて不幸なんだ。羨ましい」と嘆いたりすることもあるのでは? ジョゼは生意気な女性ですが、あるがままの自分を受け入れて生きている。とても尊敬できる女性。 「障害者なのに、男に捨てられた」と思うのは、ある意味で健常者の驕りなのではないでしょうか。 彼女をみて「自分が持っていないもの」を悲観せずに「いま自分が持っているものだけ」を素直に喜べる姿勢に強く共感しました。 9点(2005-03-05 01:37:43)(良:2票) |
26. しあわせな孤独
《ネタバレ》 孤独とは人を好きになることではじめて感じられる感情だと思う。自ら人を求めない人間は孤独など感じるはずもない。誰かを求める気持ちがあるからこそ常に寂しいという感情を人は持ち合わせている。 そこでここに出てくる登場人物について考えてみると、事故で二度と歩けない体になった男は婚約者が不幸になるから自分の側から遠ざけたのではなく、自分が愛されなくなるかもしれないという恐怖に似た不安が一時そうさせたのだと思う。主役の婚約者の女性はそれが分からずに寂しい思いをする。 不倫というのが1つのポイントになっているが私は誰も憎めなかった。 登場人物の誰もが強く人を求めているけど結局、最後は誰も何も手に入らなかったというのが結末。 不倫される加害者の妻も、夫とよりを戻すということはしなかったし、不倫相手にふられる夫のほうは家族も恋人も失う。事故で動けなくなった男も結局最後は婚約者を手放した。 主役の女性は不倫相手も婚約している男もどちらも選ばなかった。 誰もが強く他人を求めているのだけどうまくいかない。 手に入らない。 しかし手に入らない人たちはいつも側にいる。 9点(2005-01-30 12:56:08)(良:2票) |
27. しあわせ色のルビー
《ネタバレ》 レニーはまるで結婚後にはじめて自分の夫の正体に気がついたように驚いているが、あれは見ている観客がもっと驚く。説明もないもない。 なんでこの2人が好きあって結婚したのか意味不明。 ただの見合い結婚の失敗に過ぎないと思う。 自由に生きる女性?が見所なのかと思うが、結婚とユダヤ文化から抜けだして仕事を始めたらそれで「自由な女」だというのも釈然としないものがある。 悪党の義兄と関係を持ったことで、優等生のお嬢様から抜け出し自由に行動できる女性になれたというのか?まさか。 まあいろんな見方ができるかもしれないけどレニーが今回演じた女性だけはあまり共感できなかった。 ユダヤ教に関しては、まったく知識がなかったので面白かった。 あの夫が真面目で勤勉なのも、みだらなセックスをしないのもすべて神を恐れるからだという。 神さまはいつも沈黙しているのによくあれだけ頑張って信じられるものだと思って呆れるより関心した。 3点(2005-01-26 00:41:50) |
28. 死ぬまでにしたい10のこと
《ネタバレ》 最近は感動を催促される映画が多い中で、この映画は地味だけどありのままの生身の人間を見せてくれたので新鮮だった。 残り数ヶ月の命─。 自分の人生の終わりが見えたときに、はじめて自分の人生が幸せなのか不幸せなのかを考えはじめた彼女は、ごく自然に別な男と恋をしようと決断する。 それが悪いとか良いかと考えるのではなくて、初めて若い彼女が自分の人生と向き直り、疑問に感じたことなのだから素直に受け入れられた。 本当に普通の女の子であり、1人の母親だったと思う。ほとんどの人は生きている間は自分の人生を振り返りはしないだろうが、彼女のように突然死が訪れたらやはり彼女と同じように今までの自分の人生を振り返り疑問を感じることはあると思う。 しかし彼女は死ぬ間際になって当たり前のように自分の周りに存在していた子供や夫や生活のありがたみを実感したと思う。 本当の幸せとは今自分が持っているものを実感できる気持ちなのかもしれない。 9点(2005-01-25 20:16:17) |
29. シンドラーのリスト
スピルバーグ!映画の第一人者だし、映画ファンとして素直に嬉しい。彼が満を持して作った会心の作品だと思う。 8点(2005-01-16 13:53:05) |
30. 仕立て屋の恋
仕立て屋の男が夜中に部屋の電気を消して女の部屋を盗み見しているところにカミナリが落ちる、そのカミナリの光をスポットライトのように浴びた男の姿は まさに変態だ。 もし、女が近寄ってこなかったら、仕立て屋の恋は「片思い」で終っていたと思う。 仕立て屋は、喜びよりも傷つきたくないという気持ちの方が強い。 恋愛に限らず人間関係においても同じ。 しかし最後に仕立て屋が「私はあなたを恨んでいない、喜びを与えてくれたから」と言った背景には、傷つけられても喜びを貰って良かったという気持ちが感じられる。 人を好きになれば楽しむも苦しみも倍になる。 最後の最後に人間嫌いの仕立て屋は人間の本質を理解したのではないだろうか。 10点(2005-01-16 13:52:06) |
31. 情婦
《ネタバレ》 超ネタバレあり!なのでぜひ注意をお願います。 とにかくとんでもない大ドンデン返しがある映画ということは知っていた。 だから私も奇想天外な犯人の予想をたてた。まずは殺した人間は実は生きていたと言う事である。なんらかの形で殺されたおばさんとあの奥さんが共犯だと思った。動機は分からなかったので、怨恨か女性2人の同性愛にしておこうと思った。 私の予想2.殺された奥さんのお手伝いさんだ。あのスコットランド気質のおばはんである。動機は遺産がもらえなくなってしまったことに対する逆ギレである。 そう思いつつ、ついに映画は後半に進んでいく。 そして謎の女が秘密の手紙を弁護士に手渡す。 あて先は「マックス」という男。この時点でマックス=今の夫ということは確信した。 でも動機がさっぱり分からなかった。 まさかあの夫婦があそこまで手の込んだことをするとは思いもよらなかった。 単純に「嘘のアリバイ」を言えばそれで無罪を勝ち取れるではないかと思ったが、妻のほうは「リスクを犯したくなかった」と説明する。 それに関しては一言突っ込んでおく。 あんなに手の込んだ嘘を並びたてるほうがよっぽどリスクが高いわ! 7点(2004-08-28 23:11:53) |
32. ジュラシック・パークIII
久しぶりにこの映画を観た。 前回の内容がまったく覚えていなかったので新しい映画を観るような新鮮さがあった! たぶん、近いうちにまたこの映画の内容を忘れるだろう! だからまた楽しめる! 6点(2004-05-10 22:24:18) |
33. シッピング・ニュース
ニューファンドランド島は素晴らしい港町。 どんな人間にも必ず逆境は訪れる。それは人生のターニングポイント。しかしそれはピンチではなくてむしろ自分を変えるためのチャンスなのではないかと思うことがよくある。 「環境」とは他人の影響によって形成されるものではなくて、自分自身の心が作り上げるもの─。 悪い人間に出会うことも良い人間に出会うことも、それは運命なのではなくて、自分の心に似たものが吸い寄せられてくる必然的なことだと考える。 類は友を呼ぶ─。 環境をつくるのはやはり自分の心しだいということ。 ニューファンドランド島は、美しい町であると同時に、「良い環境・良い人間が集まる場所」の比喩として描かれている気がしてならない。 9点(2004-05-04 15:00:53) |
34. シェルブールの雨傘
セリフが全部歌になっているのだけど違和感がなく観られる。 内容があるとはとても言えないけど、始まり方がすっごくお洒落なんです。 こういう映画をいっぱい観て感性を磨いていきたいですね。これぞフランス映画の真髄! CGなんて使わなくても~ワイヤーなんて使わな~くても~・・これだけ~面白い~♪♪ 9点(2004-05-03 13:39:49)(笑:1票) |
35. シカゴ(2002)
私としてはムーラン・ルージュと比べると断然シカゴの方が良かった。 しかしこの「シカゴ」の舞台がまさか刑務所の中と法廷の中とは思わなかった。 恋愛の要素はまったく無いに等しいが刑務所の中の殺人を犯した6人の女性の「自業自得」の踊りは、すごい迫力で圧巻された。 8点(2004-01-07 11:07:10) |
36. ジュラシック・パーク
いまだとCGも当然だけど、この当時に見たあの恐竜の迫力といったら想像を絶するよ。私は娯楽映画の天才監督のNO1作品だと思うね。 8点(2003-11-27 20:07:01) |
37. 十二人の怒れる男(1957)
私が陪審員制度にかけられたときは、あの11人の陪審員だけは遠慮したい。 99%殺されてしまいます。 8点(2003-11-27 20:01:10) |
38. シュリ
最期の電話のシーンは泣ける。泣かなかったけど、泣きそうになった。ふうぅ、危ない 7点(2003-11-27 19:44:56) |
39. 至福のとき
この映画の監督になって、ラストを作り変えたい気分になった。 それほど主人公の盲目女性に感情移入できた。 7点(2003-11-27 19:36:15) |
40. 6デイズ/7ナイツ
最初のなぞめいたところを残していた部分ではかなり楽しめたが、それが分かってしまうと、急にしぼんだ。 5点(2003-11-27 15:24:08) |