141. ブラック・スワン
《ネタバレ》 つまらない作品とは言わないが、好みではない。【ネタバレ注意】ナタリー・ポートマン演じる主人公ニナが、プレッシャーに押しつぶされていくさまは、見事に描写されていた。バレエ団の監督が性交渉と主役の座を取引しているのではなく、本気で妖艶さを求めていたのであろう(つまり、すぐれた監督だった)という見せ方もよいと思った。ただ、幻覚をみてしまうほどプレッシャーがあからさまに表情に出ている人が、ほんとにプリマに選ばれるだろうか。ポートマンの演技はすばらしいのだけれど、狂気を演じるあまりにリアリティから遠ざかってしまう印象があった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-30 00:24:40) |
142. コンテイジョン
《ネタバレ》 佳作。まったく事前情報を知らずに見たけれど、意外にキャストが豪華でストーリーも面白かった。【ネタバレ注意】とくに BGM を使わず淡々と感染の恐怖を描写していくさまはリアリティを感じさせるのに貢献していた。キャストが豪華だからか、この人は死なないだろうという予想も外れやすかった。また、マット・デイモン扮する父親の行動が娘を思うがゆえの行動であり、決して「理解が無い」わけではないところなど、各人物がうまく描写されていたと思う。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-30 00:10:43)(良:3票) |
143. ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON
《ネタバレ》 佳作。三谷作品としてベストとは言わないけれど、十分面白い作品に仕上がっていたと思う。【ネタバレ注意】宣伝映像などで「落ち武者が証人になる」ことが本題だと知らされていた割に、落ち武者(西田敏行)が出てくるまでが長く感じた。タクシーやレストランでのエピソードなど、本当に必要だったのだろうか。その後も「丁寧に人間関係が描写されている」というより、「恒例の役者を出したいだけではないか」と冗長な印象を受けることはあった。死者を連れてこられるなら証人より被害者を連れてこいよ、と思うところで、被害者が出てきたり、それなりにオチはまとまっていたと思う。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-30 00:10:15) |
144. アベンジャーズ(2012)
《ネタバレ》 佳作。寄せ集めの大作ということで、あまり期待していなかったけれど、そこそこ面白かった。【ネタバレ注意】突っ込みどころは山ほどあれど、凄い映像を期待し、それに応えてくれる映画。これが“ハリウッド”映画の典型という意味では、キャッチコピーも納得できるというもの。プロペラが停止した時にアイアンマンが回しはじめたのは笑った(プロペラの代わりになるんじゃないかとは思ったけどエネルギー効率悪そう)。最後のロキとハルクの顛末もよいし、結末もなかなか。 [映画館(字幕)] 6点(2012-08-25 02:03:24) |
145. プロメテウス
《ネタバレ》 凡作。個人的にはかなりつまらなかった。【ネタばれ注意】3Dで観たが、ところどころミニチュアかと思うような場面があった。もともと3Dは苦手だけれど、2Dで観たかった。本筋は、さらにガッカリ。リドリー・スコットには「宇宙船の乗組員はバカじゃないといけない」という信念でもあるんだろうか。宇宙船飛ばすのに1兆ドルもかけたんなら、もうすこしまともな乗組員を選び放題だと思う。そもそも宇宙空間で“たまたま”地球の大気と同じ部分があったからといって、どんな事象が起きるのかわからないのにヘルメットを外すのは変。何がいるかわからないところで“はじめてみつけた”生物にちょっかいを出すというのも、ありえない。だいたいデビッドが、さもわかったように行動していたのはなぜなんだろう(とくにチャーリーに変なものを飲ませた場面)。実は、事前調査済なのかと思ったけど、そんな背景は説明されていなかった。結局、「人類の起源」は何でもなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2012-08-25 01:44:51)(良:1票) |
146. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 とても面白かった。映像の美しさ、音楽の良さは相変わらずで、長い時間を感じさせない。前作には及ばないと思うけれど、「バットマン・ビギンズ」と「ダークナイト」を見た人なら、十分見る価値があると思う。逆に、両作品を見ていないと話がわからなくなりそう。【ネタバレ注意(前作を含む)】前作のジョーカーが素晴らしかっただけに、どうしてもベインが見劣りしてしまう。最初の方、総力を挙げて悪党(ベイン)を追いかけているのに、バットマンが登場したせいで、悪党たちを取り逃がすことになってしまったことについて、アルフレッドが「あなたのせいで取り逃がしたかもしれないのですよ」で済まされてしまった。汚名をかぶって身を引いたのだから、警察のいる中で再登場するなら自分が追いかけられる覚悟が必要だし、それで悪党を取り逃がさないでほしい(そもそも最初からバットモービルで追いかけるべき)。また、前作では悪党たちがいざというときに良心を見せたのに対し、今回はただ悪役に成り下がってしまった。ゴードンが氷の上を歩かされるところで、どうしてバットマンは氷の上を歩けたのか、なぜわざわざ火をつけたのか(あれは道を示しているのかと思ったが、氷が溶けるよなと思ったところで、ただ炎でバットマンのマークを燃やしているだけのようだった)、歩くより(冷たいけど)腹這いになる方がよいんじゃないかと考えたりしてしまった。たんなる善対悪だけでなく話を入り組んだ形にしようとしたのも、かえってストーリーをわかりにくくしたように思う。ただ、それらは細かいことであり、全体として面白い映画であることに違いはない。 [映画館(字幕)] 8点(2012-07-31 00:05:28) |
147. トロン:レガシー
《ネタバレ》 凡作。「トロン」は好きだけど、予告編を見ても面白そうな気がしなかったので映画館で見るのは見送ったのだが、予想通りだった。【ネタバレ注意】「トロン」は決して話が面白かったわけではない。どちらかというと子供向けの分かり易い設定だったのを、CG に加えて膨大な手作業による画像処理で全体をつなぎ、素晴らしい映像作品になっていた。本作品は「凄いCG」はあるものの「最初から最後まで凄い映像が続く」という印象が持てない。また、“親子愛”というストーリーに深みを持たせたかったのかもしれないが、それにも失敗している。登場人物やアイテムには全作品のオマージュも感じられるが(“ビット”も欲しかったところ)、「トロン」好きな人が好きになりそうな映画という気がしない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-03-04 01:09:02)(良:1票) |
148. グリーン・ホーネット
凡作。話が軽いというか安直。ただ、見せ場はあるし、あまり考えなければ楽しめると思う。キャメロン・ディアスは、こういう役はきつくなっているんじゃないだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-29 18:01:35) |
149. ミッション:8ミニッツ
《ネタバレ》 良作。面白い映画だけど、「映画通ほど騙される」なんてキャッチコピーじゃなく、ただ「面白い映画」と言ってもらう方がよかった。割と素直なストーリーなので「どんな風に騙されるんだろう」と身構えてしまい、肩すかしを食らった感じ。まさに“騙された”。【ネタバレ注意】まあ、細かいことを考える映画ではないと思うけれど、死ぬ8分前までの情報が記録されているとしても、その状態を元にした「プログラム」が動くのであれば、8分経過した後に“戻る”必要はないはず。そもそも“記録されているもの”は自分の身の回りだけではないし(遠くにいる父親に電話までしている)、最後のキスの後にも仮想世界が動き出している。そして、ここはキスシーンのまま終わってもよかったと思う。脳の一部が“生きている”からこそ仮想世界の意味があったのに、そこからさらなる飛躍を起こすことになってしまった。そもそも、本来なら「死なせず、記憶も消さず、仮想世界の中で(彼女と共に過ごすために)生かし続けてくれ」と思うんじゃないだろうか。 [映画館(字幕)] 8点(2011-11-24 22:51:41) |
150. SPACE BATTLESHIP ヤマト
《ネタバレ》 噂通りの駄作。映画制作時にはCG業界に「ヤマトバブル」があったという話を聞くくらいCGは良くできているので、その点だけは評価。一方、ストーリーは破綻。ヤマトファンが楽しめるようなオリジナル声優が登場する一方(アナライザー、デスラー)、ファンに対する嫌がらせかと思うようなストーリー(まあ主役が若造じゃない点で変えざるを得ないのだろうが)。まあ、キムタクファン層を狙っているのだと割り切る必要はあるのかもしれないが、映画としては許しがたい。【ネタバレ注意】切羽詰った場面で「セリフが長い」。とっとと逃げろ、早くボタンを押せ、と思わざるを得ない場面が多すぎる。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-11-10 23:36:09)(笑:1票) |
151. 劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル
《ネタバレ》 相変わらず駄作。【ネタバレ注意】もっとも肝心な美代子の瞬間移動トリックは、それくらいしかないんじゃないかというネタで、まさにその通りだった。シリーズ全体に言えることだが、娯楽映画のつくりなのに簡単に人を殺し過ぎると思う。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-09-04 17:18:58) |
152. 劇場版 空の境界 終章 空の境界
これを作った理由がわからない。少ない画で1回分の時間を稼ごうというのだろうか。なくても問題ない。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-08-21 22:27:48) |
153. 宇宙ショーへようこそ
《ネタバレ》 佳作。子供向けの作品としては、まあまあのストーリーだと思うけれど、子供にとっては長すぎると思う。【ネタバレ注意】宇宙のリアリティについては目をつぶるとしても、月に行く話(というか帰りの問題)なのに、どうして何千光年もの回り道をすれば帰れるという理屈になるのか。重力のエピソードとか色々織り込まれているけれど、山ほどフィクション(ファンタジー)を積み上げているのだから、もっと精査してテンポよく話をすすめてもよかったと思う。そもそも引率の大人なしで「低学年を含む小学生だけ」で合宿というのは、かなり非現実。まあ、作画はよかったと思うけれど。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-08-17 18:35:58) |
154. 悪人
《ネタバレ》 佳作。驚くような展開の脚本ではないが、役者の演技で魅せる。【ネタバレ注意】最後のシーンは、祐一が自分を待たないようにわざと悪人を演じたんだと思うが、どうだろう。一度は自首しようとしていたところを、光代がやめさせたのだし。やや長尺な中に、樹木希林がセールスに騙される話が必要だったのかわからない。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-08-10 20:29:32) |
155. エアベンダー
駄作。お金の無駄遣い。 [DVD(字幕)] 3点(2011-03-09 18:15:40) |
156. レポゼッション・メン
《ネタバレ》 凡作。設定にムリを感じて、最後まで感情移入できなかった。【ネタバレ注意】未払いの人工臓器を返却してもらうために、あれほどの手間を掛けるというのは無理がありすぎるのではないか。手間を掛けても回収することで、他者の支払いを促進するという効果はあるのだろうが、それほどの“恐怖”が知られているのであれば、支払期限を過ぎているのに、逃げもせず、のんきにデートしていたり、街中で買い食いしている人がいるのは疑問だ。実際、回収を逃れるために隠れて生活している人々もいるのだし。それに、1個でも支払いが大変そうなのに、どうして場末の歌手らしき女性が10個もの人工臓器を埋め込むことができたのか。仕事中に“事故”で人工心臓が埋め込まれた主人公は、労災の補償もなくて自分で支払うハメになったのはなぜか、などなど。後半、人工臓器があれば身分証なしでは入れたり、ただの警備員がどんどん殺されたり、あんなバレバレな状況で、臓器回収したことにして何の意味があるんだという不条理は最後でケリはつくのだが、ちょっと厳しい。 [DVD(字幕)] 5点(2011-02-08 23:08:17)(良:1票) |
157. グリーン・ゾーン
《ネタバレ》 イラク戦争を舞台にしたボーン・シリーズという印象は否めない。娯楽映画としてみれば楽しめると思う。【ネタバレ注意】やはりイラク戦争への問題提起というより、娯楽映画の部類に入るだろう。最後はパターン通りの展開で、意外性には欠ける。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-08 23:07:39) |
158. ザ・ウォーカー
《ネタバレ》 佳作。やはり、デンゼル・ワシントンはうまい。【ネタバレ注意】たしかに意外な展開だけど、英字のパターンなんて限られているだろうから、いくらでも普通に書き起こせるんじゃないか。体調が悪いのはともかくとして。それに30年も歩き続けているという設定は変。1日10kmしか歩かなかったとしても、1年もあればアメリカ大陸の端から端まで行けるはず。あとパックのおしぼりは何か月もしたら、カラカラになるよ。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-08 23:07:07)(良:1票) |
159. 告白(2010)
《ネタバレ》 傑作。脚本がよくできているし、演技も素晴らしい。面白い邦画は、本当に面白いと思わせてくれる。たしかに現実離れしている点は感じるが、これは映画。私は気にしない。【ネタバレ注意】いきなり冒頭からタイトル通りの展開なのかと思ったが、その後の作り方がうまい。おそらく、(この映画の中での)森口悠子は、血液も混入させていないし、最後の爆弾も解除したままなのではないか。あくまで脅迫。後者は、対象者や巻き添えも含め不確定要素が多すぎるし、銅線を切断して解除した後の描写がない。個人的には、R15+指定になったスプラッターな演出は、もう少し抑えてもよかったと思う(スローモーションの多用も)。 [DVD(邦画)] 8点(2011-02-08 23:05:59) |
160. ナイト&デイ
《ネタバレ》 アクションを期待させる映画であり、そこはそれなりによくできている。その程度の映画だと思う。なにしろ、ストーリーに見るべきものがまるでない。まさに娯楽映画。【ネタバレ注意】フィクションなのだから、永久機関の現実性についてとやかくいうつもりはないが、設計図でもない“現物”を取り合いっこするという設定は、ちょっと乱暴なのではないか。裏切りやどんでん返しも、幾度となく繰り返されてきたパターンのままで、そりゃそうだろうなあ、としか感じない。銃撃戦でも、映画だから“弾が当たらない”前提で出ていくだけで、“思い切った行動”という印象がない。妹の件も、なんとなくあっけない。ついでに、キャメロン・ディアスが歳をとってきたなあと感じさせてしまうのも残念。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-08 23:05:22) |