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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2384
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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21.  10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス 《ネタバレ》 
『イデアの森』よりも馴染みが深い監督の顔ぶれですが、さてどうでしょうか。①カウリスマキ カウリスマキの作風は短編に向いているというか、普通に撮った長編から任意に10分間だけ切り取ったみたいな不思議な感じ。6点②ヴィクトル・エリセ ごめんなさい!今までエリセって聞くと「長―い、眠―い」という一部の世評を聞いて敬遠していましたが、本作を観て打ちのめされました。この詩情あふれる10分はまさに至福です。優れた映画作家は時の流れの質感を自由にコントロールできるんだと初めて知りました。10点③ヘルツォーク この人ほんと辺境ものが好きですねー。テーマはいいんだけど、「これってフェイクだよね?」ってことがずっと気になっちゃってマイナスでした。5点④ジャームッシュ やっぱこの人は短編の名手ですね、トレーラー・ハウスという狭い空間を使って一人の女優を赤裸々に見せてくれます。9点⑤ヴェンダース これも一種のロード・ムーヴィーですよね、とてつもないバッド・トリップですけど。このエピソードが本作中でいちばん濃かったんじゃないでしょうか。可愛いオチもちゃんとあって感心しました。8点⑥スパイク・リー このゴアvsブッシュの大統領選については『リカウント』という長編が詳しいのですが、あの内容を10分でまとめたってのはある意味すごいことです。ただねえ、本作のエピソードとしてふさわしいかと言うと、それはまた別のお話し。『イデアの森』のゴダールといい勝負のやりたい放題でした。5点⑦チェン・カイコー 東洋代表カイコーは怪談風味で勝負ですか。この『聊斎志異』チックなエピソードにラストあのアニメーションを持ってくるセンスは気に入りました。それに“エアー引っ越し”は思わず爆笑でした。7点  それぞれの監督が個性というか得意技を見せてくれて満足できました、平均をとって7点。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-08 01:14:48)(良:3票)
22.  ディープ・ブルー(1999) 《ネタバレ》 
「サメの脳味噌が遺伝子操作で大きくなったら人間並みの知能を持った? アホか!」、いや、いーんですよ、これで。でっかいサメが暴れる映画なんて普通どう撮ったってB級以下にしかならない(『JAWS』は天才スピルバーグだから成し得た奇跡だと思ってください)のに、まあここまで楽しませていただければ満足です。さすが“爆破のレニー・ハーリン”だけのことはありまして、海上基地爆発炎上シーンはなかなかのド迫力(その割にはサメの水中シーンのCGはショボかったですが)。そして、「誰が喰われて誰が生き残るのか」というプロットでここまでやってくれたのは“ナイス“としか言いようがありません。おそらくギャラがいちばん高いサミュエル・L・ジャクソンをあのタイミングで退場させたのには大笑いさせていただきました。ジャクソンに我が人生で自分を苦しめてきた団塊世代の上司を重ね合わせてしまうのは、たぶん私だけではないでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-15 20:32:11)
23.  DISCO ディスコ 《ネタバレ》 
80年代にフランスの港町ル・アーブルでディスコ・コンテストを荒らしまくった“ビー・キングス”も、メンバー3人とも今や40代。リーダーのディディエはイギリス人の奥さんに逃げられ母親と同居する無職男、他の二人もクレーンの運転手と家電量販店の店員として平凡な生活を送っていた。かつてのヒノキ舞台だったクラブ“ジン・フィズ”がディスコとして再オープンして、コンテストが開かれることになった。優勝賞はオーストラリア旅行、奥さんにとられた息子にカンガルーを見せてやりたいとディディエは“ビー・キングス”を再結成し、体型も毛髪も変わり果ててしまった中年3人組が再びミラー・ボールの煌めくステージに帰って来た! と、まあ『フル・モンティ』を彷彿させるプロットなのですが、『フル・モンティ』ほどの社会性もなくひたすらおバカに徹するドラマがいさぎよくて気に入りました。“ビー・キングス”と言う名前からして“ビー・ジーズ”のパロディですし、ディディエという男がまた傑作で、普段はジャージ姿でショッピング・カートを引っ張って歩くのがトレードマーク。でも“ジン・フィズ”のオーナー役のジェラール・ドパリュデューの怪演にはみんな負けます。アフロのカツラをかぶり、「みんな、乗ってるかー」とステージでわめく姿には抱腹絶倒です。そして私の世代には感涙ものの80年代ディスコ・ナンバーの名曲の数々。決勝戦では『セプテンバー』を使ったのはまさに期待通りでした。トラボルタ風の振り付けのことを、“愛の風車”と言うのには爆笑です。シャレてるなと感じたのは、ディディエと振り付けの先生エマニュエル・べアールがお約束通りいい仲になるのですが、結ばれるのかなと思いきやラストは何もなくべアールはNYに帰ってゆくところです。ハリウッド製のラブコメとは一味違うフレンチのエスプリが心地よかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-30 00:42:38)(良:1票)
24.  天才マックスの世界 《ネタバレ》 
この映画は色々な観方ができますが、私はこのセンスは好きですね。単純に言ってしまうと、名門ラシュモア校の生徒であることがアイデンティティだったマックス君のパーソナリティの喪失と再生がメインテーマだということでしょうか。味のあるビル・マーレイの演技が、気持ち悪いジェイソン・シュワルツマンの個性を中和してくれています。しかし、なぜあそこで「セルピコ」なんだろうか、悩むなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-10-07 01:11:08)
25.  ディパーテッド 《ネタバレ》 
オリジナルは未見ですが、スコセッシの豪快な演出で楽しめました。「本当はこの映画は撮りたくなかったんだ」なんてオスカー受賞式でスコセッシは言っていたそうですが、いろいろ複雑な事情がありそうですね。しかし、ジャック・ニコルソンはすごい役者ですねえ。レオとマットは完全に喰われていましたから。後半になるとちょっと展開に疑問符がつく部分もありまして、そこが残念なところでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-23 14:02:56)
26.  デス・プルーフ in グラインドハウス 《ネタバレ》 
一言で言うと、緻密に計算して撮ったおバカ映画でした。あのタランティーノらしさが爆発の、女たちの下品な無駄話についてこられるかがこの映画を楽しめるかどうかのハードルでしょう。後半のカーチェイスは、1970年代映画でよく観たプロットを21世紀の感性で再現した興奮ものです。ラストは本当に爆笑ですが、あそこら辺は完全にラス・メイヤー映画のオマージュになっていますね。予告編が流れる前のチープな音楽と静止画面は、30年前の洋物ポルノ映画館で観たものを思いださせてくれて懐かしかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-02 09:38:06)
27.  天国から来たチャンピオン 《ネタバレ》 
そうか、天国にはコンコルドに乗せられて超音速で行っちゃうのか、コンコルドはとっくの昔に引退してるし現在ではどの旅客機に乗せてもらえるのかな?やっぱエアバスなのかな。それより劇中でウオーレン・ベイティの演じるジョー・ペンドルトンが告げられる本来の命日は2025年3月20日、あと2年なんですね。現在85歳とけっこうなお歳になっているベイティ、もしこの日付が本当の命日になったらバズるかもしれませんね、すいません不謹慎をお許しください(笑)。 “古い革袋に新しい酒を詰める”じゃないけど、この映画は41年の『幽霊紐育を歩く』のリメイクなんですね。本来はボクサーが主人公だったのでモハメド・アリを起用して撮るはずが大人の事情でポシャり、アメフト選手に設定変更してベイティ自身が主演することになったそうです。彼は大学時代はアメフトの花形選手だったそうで、どうりでプレイ姿がさまになっているわけです。お話し自体もハートウォーミング+ラブコメの路線が強調されて、そこが本作の成功に繋がったのかな。別人の肉体に乗り移ってもベイティ自身が演じるという手抜きというか苦肉の策みたいな撮り方、これは自分には最後まで違和感が拭えませんでした。でもコーチや恋人にジョー・ペンドルトンの魂を感じさせたのに、ジョーとしての記憶は霧消して天国に召されてゆくラストは切ないもんですね。クラリネットをフューチャーしたデイヴ・グルーシンのテーマ曲にもジンと来るものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-03-16 23:00:03)
28.  TENET テネット 《ネタバレ》 
いやぁ、こんなに手こずる映画は久しぶりでした。よく難解な映画だと言われますが、私には“何が起こっているのかさっぱり判らない”映画としか言いようがないです。鑑賞後に物理学者が書いた解説を読みましたが、TENETという言葉と登場人物や組織の名称は、ヴェスヴィオ火山の噴火で全滅したヘルクラネウムの遺跡で発見された謎のラテン語の回文“SATORスクエア”がネタ元らしいです。その解説によると、この映画での時間の逆行は量子力学におけるエントロピー理論に基づいているそうですが、私にはもう珍ぷんかんぷんでした。物理学者からアドヴァイスは受けているでしょうけど、量子力学やラテン語回文まで駆使してこのストーリーを考えつくとは、クリストファー・ノーランの知性は半端ないです。 デンゼル・ワシントンの息子が名もなき“主人公”を演じる基本シークエンスは、まるで007の一話みたいな派手な展開。でも話がややこしいうえに展開が速すぎて、もう序盤から置いてけぼり状態です。なんせ私、中盤のカーチェイスではどうして敵(?)の車がバックで突進するのか理解していなかったぐらいですからね。またタイムトラベルの道具が回転ドアというのは斬新すぎでしょ、歴代タイムトラベル映画の中でももっとも地味なタイムスリップじゃないでしょうか。そしてラストの戦闘は、赤の順行組と青の逆行組が入り乱れているのでもう脳みそがパンクするかと思いました。 けっきょく最後は“主人公”の正体が明らかになるのですけど、例えれば『ターミネーター』のジョン・コナーが自覚のないうちにカイル・リースの役目を果たしていたってことなんですかね。でも“主人公”自身がタイムスリップしているわけではないので、ちょっと違うか。それにしてもノーラン、ほんと時間軸をいじる映画が好きですね、これは彼のライフワークなんでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-28 22:44:12)(良:1票)
29.  ディファイアンス 《ネタバレ》 
監督のエドワード・ズウィックはこういう実話をもとに膨らませて脚色した映画を撮るのが上手くて、彼が以前に撮った『グローリー』とよく似た雰囲気の作品です。知る人ぞ知る1,200人が生きのびた“ビエルスキ・パルチザン”の実話を映画化したわけですが、トランプ前大統領の娘イヴァンカの婿でトランプ政権では補佐官を務めたジャレッド・クシュナーは、祖父母がこのパルチザンの生き残りだったそうです。 ビエルスキ三兄弟の長兄を演じるダニエル・クレイグは、リーダーシップがそこそこ有るのに困難な局面では内面の弱さをさらけ出す人物像を巧みに演じていたと思います。彼の弱い部分を補うような存在になるのがゴリラのような弟・リーヴ・シュライバーで、終わってみれば美味しいところはみんな彼が持って行ってしまった感はありますね。末弟で青春キャラを受け持ったようなジェイミー・ベルも良い味出していて、三兄弟のキャラが上手く出ている脚本だと思います。この物語ではドイツ軍はもちろんのこと、ユダヤ人狩りに協力したベラルーシの住人、赤軍の指揮下にあるパルチザン、そして住人から食料を略奪するユダヤ人たちと全面的に正義の立場にいるという勢力がいないというストーリーテリングになっています。とくにユダヤ人たちは、その小集団の中でも格差による反目や食料を巡る諍いなどがきっちり描かれており、綺麗ごとで済ませずにリアルな人間集団が必然的に抱えることになる問題から逃げていないのは好感が持てます。でも聖書のモーゼの故事をモチーフにした沼地を突破するシークエンスや、ラストのご都合主義丸出しのいかにもハリウッド映画らしい戦闘展開は、ちょっとやり過ぎの感がありました。詳しい史実は存じませんけど、1,200人もの集団が約三年も森の中で生き延びたってことは、多分派手な戦闘などは極力避けていたんじゃないかなと思います。スツーカに爆撃されて戦車を従えた部隊に攻撃されたら、普通に全滅しますよ(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-03 23:05:19)(良:1票)
30.  デッドコースター 《ネタバレ》 
原題は無造作に『2』を付けただけなのに、邦題が『デッドコースター』とはどこから思いついたんでしょう。どこにもジェットコースターなんて登場しない内容なんですけどね、でもこれがまだ撮られていなかったシリーズ第三作目のプロットを見事に予言しているなんて、これぞ死神様のなせる業です(笑)。 冒頭の事故シークエンスはCGにほとんど頼らずに大クラッシュを見せてくれ、このシリーズ中では最もおカネをかけてたんじゃないでしょうか。死神様の殺しのテクニックもグロ度をパワーアップさせているし、歯医者さんのくだりが最高でしたけど茶目っ気まで発揮して観客を楽しませてくれます。ということで前作よりも面白かったかなとも感じますが、後半20分の詰め込み過ぎた展開はちょっとひどすぎの感が否めません。まあこのシリーズは、中二病丸出しの死神様のシナリオを受け入れいかに笑い飛ばせるかに、愉しめるかどうかの境界線があるようです。でも「新しい生命の誕生」という対死神作戦の秘策だけは、さすがに理解不能でした。ラストの展開を見た限りでは主人公カップルは生き残ったというのが妥当でしょうが、こんなことはシリーズの中では唯一のケースですよね。三作目以降でこの二人のことには触れることはなかったので、そう解釈するしかないですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-10-23 23:56:26)
31.  デッドガール 《ネタバレ》 
プロットもストーリー展開もかなり鬼畜系なんですけど、撮り方自体はしっかりしていて妙にまともです。ありふれた高校生活に謎のゾンビ女が紛れ込んできて、登場人物たちの人生がくるってゆくと言う感じの雰囲気が良い感じです。ラストはまるで禁断の夢オチみたいな終わり方ですけど、後半になってけっこう騒ぎが大きくなってるのに第三者がまったく登場してこない不自然さも含めて、これはダークファンタジ-だと捉えれば有りでしょう。そう言えばどこかこの映画のタッチがガス・ヴァン・サントの『エレファント』に似ている様な気がしてならなかったんです。一か所だけでしたが夕焼けに染まる鰯雲だけを捉えた短いカットも有り、これは間違いなく『エレファント』に影響されてるな、と確信した次第です。あと主人公が自宅にいるシーンが幾つもあるのに、なぜか母親がまったく登場しないところもなんかヘンですし、良く考えると脚本には色々仕掛けがあった様な気がしてなりません(もっともそれが成功しているかは疑問ですが)。
[DVD(字幕)] 6点(2016-05-29 21:33:44)
32.  デンジャラス・ラン 《ネタバレ》 
もう最近は安定品質のデンゼル・ワシントンですから、安心して観れますね。イイ奴でも悪人でもどっちでもOKなんですから頼もしい俳優ですね。でも製作までこなした本作は、ちょっと脚本でしくじっちゃったみたいです。 すでに皆さまからご指摘の通り、今回のデンゼルはまさに“黒いジェイソン・ボーン”と呼ぶに相応しいキャラです。強いのは良いとしても、“稀代まれなる説得の名手”というCIA時代の特殊技能がほとんど活かされていないので平凡なタフガイって感じで終わってしまっています。どうしても引っかかるのが冒頭の彼の行動で、いくら敵に追われて窮地に陥ったとはいえアメリカ総領事館に逃げ込むというのはどうなんでしょうか。ストーリーは途中からCIA内部の裏切り者は誰かという謎解き要素が加味されますけど、その辺りはなんの捻りもなくて拍子抜けしちゃいました。ヴェラ・ファーミガがもっと活躍するかと思いましたが、そうしたらジェイソン・ボーン・シリーズのジョアン・アレンとそれこそまるで同じになっちゃうので、これが正解なのかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-08 20:38:10)
33.  テレフォン 《ネタバレ》 
みなさんけっこう辛い評価ですけど、自分はけっこう好きなんですがね、この映画。まずこの原作者、『合衆国最後の日』や『ダイ・ハード2』を書いた人だけあってスリーパー・エージェントが全米に潜伏しているというプロットが秀逸です。それをピーター・ハイアムズやスターリング・シリファントが脚色しているので面白くないはずはないんだけど、彼らの作業自体はあまり上手く事が運ばなかったみたいで、けっこう癖のある脚本になっちゃったという感じです。だいたい何十年も前から爆薬を用意(それも身近なところに)しているなんてちょっとご都合主義もいいとこです。ドナルド・プレザンスの不気味なキャラは良いんだけど、彼の行動の動機や背景がすっぽり抜け落ちているので凄味が出てません。タイン・デイリーのキャラも、最後まで事件の本質に絡まないので全然必要のないキャラで終わってしまいました。ブロンソンとリー・レミックのカップル・エージェントもけっこう冷酷に殺人を実行しちゃうんで感情移入しにくいところです。 まあドン・シーゲルらしいB級スパイ・アクションとして観れば充分愉しめると思いますし、やはりラストのオチは粋ですよね、ここは得点が高いです。
[DVD(字幕)] 6点(2015-05-22 22:48:32)
34.  デンジャラス・ビューティー
サンドラ・ブロックが弾けたというかコメディエンヌ路線をしばらく驀進することになった時期があったんですよね。豚鼻笑いやドリフのコントみたいなずっこけネタをしつこいぐらい見せてくれますけど、やっぱ後にオスカー女優になるだけあって上手いわ、感心いたしました。でもね、やはり元が美人だからミスコンで変身させるというのは画的にはインパクトが足りないでしょう。ここはやはり『モンスター』のシャーリーズ・セロンぐらいのレベルからレディーに逆変身という感じの方が良かったでしょう、でもそれじゃちとやり過ぎかな。 それにしてもアバウトな脚本だけどここまで愉しめたのはやはり脇にマイケル・ケインを持ってきた成果でしょうね。乞われればどんな映画にもホイホイ出演するというマイケル・ケインですが、作品数は少ないけど彼のコメディ演技はどれも絶妙なんです。とくにこういう毒のないコメディにはうってつけです。ちなみにもっとブラックなミスコンものコメディをお望みの方には、キルスティン・ダンストの『わたしが美しくなった100の秘密』がお奨めです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-28 22:44:45)
35.  デビル(2010) 《ネタバレ》 
この映画は、予備知識がないとシャマラン脚本とは気がつきませんね。刑事が途中でとんでもない勘違い推理を披露するところで思い当りました。これはあくまでわたくしの妄想ですけど、当初のシナリオは「故障したエレベーターの中で起こる連続殺人、乗っていたセレブ女を殺すために夫が仕組んだと思わせておいて、実は悪魔が犯人でしたという大どんでん返しで締める」といういつものシャマラン調だったんじゃないでしょうか。でも今さらこんなシナリオでシャマランに撮らせる映画会社はもうないだろうし、もしそのまま彼が監督して世に出してしまったら、シャマランもハリウッドどころか合衆国から永久追放されるかもしれません(笑)。そこで「このシナリオを活かして他人が監督するならカネを出そう」という妥協が成立したんじゃないでしょうか。なので題名やつかみからして誰が観ても悪魔が犯人という事を明確にして、あとは誰が悪魔なんだというサスペンスとして撮らせたという感じなんでしょうね、たぶん。だって今のシャマランに、若手監督育成に力を貸すなんて余裕はないでしょう。 そういう観点からは、このジョン・エリック・ドゥードルという監督はなかなか良い仕事ぶりだと思います。ちょっと悪魔が土壇場でだらしなくなるところは難点でしたが(まあこの辺りがシャマランらしいところでもありますが)、ホラー・サスペンスとしては水準以上の出来の映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-08-26 23:25:51)
36.  10ミニッツ・オールダー イデアの森 《ネタバレ》 
嫌いな監督と知らない監督ばかりでしたが、さて評価は如何に。①ベルトリッチ まさに『ベルトリッチ版“胡蝶の夢”』東洋の昔ばなし風で自分にはいちばん親しみを感じたエピソードです。8点②マイク・フィッギス 本作の中でいちばん斬新なアイデアで撮られていますが、イマイチ自分には合わなかったです。5点③イジー・メンツェル 「顔に歴史あり」というところでしょうか。このピーター・ローレみたいな顔したチェコの老優のことを知っていればまた感慨が深かったんでしょうが。6点④イシュトヴァン・サボー まさに「人生10分先は闇」ですね。技術的に難しかったかもしれませんが、できれば10分間ずっとワンカットで撮って欲しかったところです。6点⑤クレール・ドニ 予想外の駄洒落オチに唖然・呆然。5点⑥フォルカー・シュレンドルフ 「哲学する蚊」を見せられてもねえ。4点⑦マイケル・ラドフォード 10分で判るアインシュタインの相対性理論。悲しきタイム・パラドックスです。7点⑧ゴダール 良くも悪くもゴダール節炸裂、まあ観る前から予想した通りでした。たしかにこんなパワーを持った映画作家はもう現れないかもしれませんね。5点  というわけで、平均をとって四捨五入、評価6点ということで。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-07 01:16:33)
37.  天国の門 《ネタバレ》 
ユナイテッドアーティストをぶっ潰したほど製作費をかけた駄作と言う評もあり覚悟して鑑賞しましたが、あにはからんや想像したより遥かに骨太で見応えはありました。確かに凝った映像ですが、どこにそんなカネを使ったのだと首をかしげたくなるのも確かです。同じようにフォックスを潰しかけた『クレオパトラ』ならなるほどカネがかかってるなと納得しましたが、チミノは超大作の経験がなかっただけにカネをかける映画の見せ方が下手だったのが致命傷でした。その美しい映像もそろそろデジタル・リマスターして欲しい状態なのが痛々しい(まあ呪われた作品だけにそれは難しいかも)。 冒頭の延々と見せられるハーバート卒業式のダンスやひとりの女性を巡る男たちの確執など『ディアハンター』を意識した様な構成で、チミノも芸がないと言えなくもない。ジェフ・ブリッジスなんか同じような髭面でクリス・クリストファーソンと見分けがつかないし、キャラとしてもストーリーに必要なのか疑問です。イザベル・ユペールを起用したのは正解で、ハリウッド女優ではとうてい望めない脱ぎっぷりの良さには感激です。全体にあまり西部劇っぽくなくて、東欧が舞台のユダヤ人迫害物語を見せられたような雰囲気の映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-14 23:49:08)
38.  天はすべて許し給う
破天荒なメロドラマ『心のともしび』が大ヒットしたのでフォローアップ企画として製作されたのが本作。J・ワイマン、R・ハドソン、A・ムーアヘッドの三人は共通キャストですが、作品の内容はメロドラマではありますが『心のともしび』とは無関係で、いわば岡本喜八の『独立愚連隊』と『独立愚連隊西へ』の様な関係です。未亡人のワイマンが出入り庭師のハドソンと歳の差を乗り越えて結ばれるという単純な物語ですが、前作に比べて作品の質は上がっています。特にハドソンの演技が見違えるほど上手くなっています。舞台は郊外の街で、その街の上流階級が集まるカントリー・クラブでの人間模様が巧みに物語の展開に生かされるところが良く出来ています。サーク映画の特長でもある美しいカラー映像が見事でした。
[DVD(吹替)] 6点(2010-02-03 23:28:49)(良:1票)
39.  ディーラーズ 《ネタバレ》 
主人公のダニーは、シティーの投資銀行に勤める凄腕債券トレーダー。このダニーのヤッピーぶりがまた凄い。田舎の自宅からなんと自家用水上飛行機でシティーまで通勤するのです。飛行機はテムズ川に着水して駐機させるのですが、こんなサラリーマン見たことない!彼は生き馬の目を抜く投資銀行でも腕のいいトレーダーとして評価されているのですが、同僚トレーダーが勝手に大きなポジションを作って大穴をあけて自殺してしまいます。ダニーの理解者だった部長は当然クビになり、後任には重役と愛人関係にあるバリバリのキャリア・ウーマンがやってきますが、この大損をとり返さないと銀行がつぶれてしまう、さあダニー、どうする? 当然のように二人は恋に落ちるというベタな展開ではありますが、過酷な債券トレーダーの仕事ぶりは良く描かれています。同じ世界で仕事したことがある自分の目から見ても、ダニーが損をとり返すために大博打を打つ息詰まる緊張感はリアルでした。投資銀行がする債券投資は丁半バクチ的要素が強いのです。90年代にはベアリング事件や大和銀行事件が実際に起きていること考えると、ちょっと時代を先取りした映画かなとも思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-12-02 21:55:10)
40.  天地創造 《ネタバレ》 
『この作品が製作されるとき、黒澤明も監督候補だった!』とDVDパッケージに書かれていますが、本当ですかね。音楽は黛敏郎が担当しているのであり得る話しなのでしょうが、黒澤明が聖書の映画を撮るなんて想像できますか?それはさておき、このジョン・ヒューストン版旧約聖書物語は、あまり期待してなかったのですが、そこそこ観られる作品です。確かに時間の長さはあまり感じなかったです。知っているようで良く知らない聖書のエピソードを再確認出来ました。一生に一度観ておけば十分でしょう。大作にふさわしい豪華出演陣ですが、やはりその中でもピーター・オトゥールの「三天使」がホラー映画並みの恐ろしいキャラクターでした。マジで、怖いですよ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-11-01 23:08:51)
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