41. 惑星のさみだれ
小規模ではあるが、壮大。軽妙であるが、真摯。決して認知度は高くない作品だが、私的にはここ10年でピカイチの少年漫画だった。 勤務先からの帰宅途中の電車内で最終巻を読んで大いに感動し、衆目の中であやうくボロ泣きするところだった。めっさ奥歯を噛み締めて読む羽目に。 水上悟志、恐るべし&ありがとう。 10点(2011-09-11 01:06:34) |
42. 青い花
正直百合物って、超苦手なんです。が、やはりここは志村節。イライラしたりネチネチしたりウットリしてしまいがちなジャンルにもかかわらず、緩々と淡々と物語をこなして行く手練は見事。 【追記】2011年発行の最新刊・6巻で、物語が静かに急展開!ホント、志村貴子って曲者です。 7点(2011-06-30 00:36:35) |
43. ホーリーランド
《ネタバレ》 独特な格闘技理論や主人公の内面が、他と一線を画していて面白い。殴られる主人公の痛みと殴る主人公の痛みの描写が妙な説得力を持っていて、思わず息を呑む。特に、主人公が傷つきながら、闇雲ながらに「前」に進もうとする姿が印象的。人間関係・社会・自分自身との「格闘」をテーマにして、真摯に描かれた名作品だったと思う。イイ話だった。 8点(2011-04-23 02:43:05) |
44. 大正野郎
愛すべき大正かぶれな阿呆大学生主人公の、空回り気味・小さな恋のメロディ…とか書くと、何だか森見登美彦の小説みたいだなぁ。 7点(2011-04-23 02:16:39) |
45. 進撃の巨人
万人数多の漫画家が踏倒したであろうどのジャンルにも属さない、孤高な雰囲気がスゴイ。 初めて読んだ時は、とにかく「すげぇ…すげぇな…すげぇ」と、ブツブツと言いながら読んでました。(きみわるい) 8点(2011-04-19 00:46:54) |
46. ドントクライ、ガール
前作(?)「LOVE,HATE,LOVE」を読んでファンになりましたが、この作品を読んでますますヤマシタトモコのファンになりました。 ちょっとギャグのテンポがクドイような気もしますが、BL作品をもこなすと言うこの作家、筆幅はナカナカ広いようです。 6点(2011-04-19 00:36:22) |
47. 六三四の剣
《ネタバレ》 六三四の修行の旅や、栄一郎と佳代の馴れ初め編など、後半はちょっと寄り道が過ぎた感もありますが、やっぱ名作ですね。 この作品以上の剣道漫画は、未だ読んだ事がありません。 9点(2011-04-19 00:26:40) |
48. モンキーターン
競艇というマニアックな題材を最大限にエンタメ化してますね。競艇なんぞに一切興味のなかった私ですが、かなり惹かれました。尼崎や住之江にレースを見に行ったり、舟券を買ったりまでは、ハマりませんでしたが。 レースシーンは勿論のこと、選手の生活観のリアルや、競艇を取り巻く世界観を見事に描ききっています。河合克敏の真骨頂ですね。 他にも何作かあったであろう、そしてこれから登場したであろう「競艇漫画」の鉱脈を、完全に掘り尽くした感があります。 7点(2010-11-13 06:45:51) |
49. BLACK LAGOON
《ネタバレ》 折角の濃口ガンアクションと、台詞の多さや展開の重さが背反しているような気もするが、読み応えはある。 というか読後の私は、作者の目論見どおり(?)の「ビッチ萌え」と化しました。うーん。大したモンである。 しかし、ロックが自分の勤務している商社に裏切られて、会社を辞めるのは理解できるが、それが日本での生活や家族をも捨てる動機になるのか?それらに対してロックの心情が何も語られていない、という点が、ちょっと腑に落ちなかったりする。 だが作品自体が持つの磁力は大したもので、ヘンデル・グレーテルVSバラライカの物語や、トチ狂ったメイドの拷問シーンなど、悪趣味すぎて実際チョッと退いたりするんですが、アアレヨアレヨとグイグイ引っ張られるように読まされてしまいました。 個人的にはとりあえず、巻末の魔法少女レヴィも捨てがたいのだが、シェンホアの胡散臭い目としゃべり方が大好きです。 7点(2010-10-27 09:16:12) |
50. 男組
80年代の破天荒な少年マンガは、実に味があって良い。昔は少年サンデーも、硬派だった・・・今は、ただ、懐かしい。 「途中から、作画がアシの藤原芳秀に任せっきりやん池上先生!」とか「裡門頂肘と猛虎硬爬山がごっちゃになってるやん雁屋先生!」とかは、言いっこナシだ。 6点(2010-10-13 06:36:45) |
51. MORUMO 1/10
ちょいエロSFコメディ漫画の佳作で、当時の掲載紙「キャプテン」では曲者6番打者的な存在でしたねぇ。 あろひろし独特のSFとエロの匙加減と、作画の凝りっぷり(師匠の秋本治ゆずり?)が面白かった。 6点(2010-10-09 06:15:35) |
52. 拳児
少林寺拳法を嗜んでいた高校生の頃、毎月「格闘技通信」を購読していた友達が松田隆智の大ファンでした。私も影響され「松田隆智センセイの突きは、体育大のパンチングマシンをも打っ壊せる破壊力だそうな!うっひょう!」と、とんだバカ高校生っぷりを発揮していました。 そんな阿呆少林寺高生な我々の、まさしくバイブルと言っても過言ではない作品が「拳児」でした。 この作品の理念でもある「仁義礼智信厳勇」は、完全にそっちのけでした。阿呆ゆえに。 若干の教科書的な生真面目さや、(読む人によっては)取っ付きにくい絵柄や、ラストの「やっつけ感」がちょっとアクではあるものの、筋道立った格闘技理論や精神論なんかは、中々に稀有で読み応えがある。 蛇足ですが、この作品が「松田隆智センセイの自伝」ならば、ちょっと格好良すぎではないか…と、思わないでもない。 9点(2010-10-09 06:04:19) |
53. この世界の片隅に
どこか牧歌的で、穏やかな表現・筆致なのに、そこに清濁併せ持った感情の全てが静かに込められている。 もっと大袈裟に、お涙頂戴的に、押し付けがましい教科書的な作品になってしまいそうな昭和戦時下の日常物語を、こうの史代の真骨頂ともいえる語り口で丁寧・丹念に描ききっている。 こうの史代漫画の神がかり的なバランス感覚は、もう見事としか言いようがない。 10点(2010-09-30 02:19:16) |
54. テニスの王子様
気だるいマンネリ気味なトンデモ感と、スーパーマン同士のイチャイチャ感が相まって、物語に腐臭が。その結果、腐臭にヨワい一部の女子を呼び込んでそれなりに盛り上がったカンジですね。 出版社の性能のいいソロバンが生んだマーケティングの落し子的作品。 2点(2010-08-03 01:13:08)(良:1票) |
55. 魔人探偵脳噛ネウロ
ヒネリの効いたビジュアルセンスは相当なモノ。キャラクターも(悪役の描写が、特に)悪くない。 ただ、ミステリのようでミステリでない設定の中途半端さが非常にもどかしく、惜しい。 6点(2010-07-29 23:50:07) |
56. 軽井沢シンドローム
中学生当時にこの作品にハマり、ニヒルさとヒネクレ加減にゃエライ影響された。我ながら、恥の多い中学生っぽいエピソードです。 が、しかし。今読むと、確かに微妙。 【FBIの滝】さんの冷静なコメント「軽井沢シンドローム・ここが嫌いだ」を読んでみると、自分の中で「軽シン」が消化し切れていないという点に思い知らされたりします。 当時の甘痒い思い入れを加味して7点か?と思ったが、ちょっと世間的な評価を気遣ってみて、5点。(弱腰) 5点(2010-07-27 07:43:53) |
57. 珈琲時間
豊田徹也の演出の小器用さと、引き出しの多さを堪能させてもらった。「アンダーカレント」や氏のデビュー作などのキャラクターがちょろちょろと出演している所が、嬉しい。 8点(2010-02-12 17:09:30) |
58. シュート!
塀内夏子をはじめとして、少年マガジンの女性作家が描くスポーツ物ってそこそこ面白いのに、この作品は例外的につまらない。 上手さを感じつつもアツくなりにくい絵柄に、問題があるのかも。 3点(2010-01-08 18:17:56) |
59. 金田一少年の事件簿
《ネタバレ》 トリックを盗用された作品の一つ「占星術殺人事件」(島田荘司著・講談社)を読んだときの絶望感は、思い出しただけで鳥肌が立つ。 同じ講談社の作品なのに、何故ここまでアカラサマな盗用が許されているのだろうか。理解に苦しむ。トリック盗用のせいで「ネタバレ」してしまったミステリ作品を読んだミステリファンの遣る瀬無い悲しみを、ミステリ関係者なら理解できない訳がないだろうに。原作者と、盗用を許している編集責任者にはこの世からいなくなってほしい、と、真剣に願う。 私はこの作品を一生許さないだろう。 何と恐ろしいことに、トリックを盗用されている作品は「占星術殺人事件」以外にも他に4、5作品あるらしい。 「ネタバレ」を恐れるミステリファンならば、この作品は間違っても読むべきではない。 禁書に…否、いっそ焚書にするべき。 0点(2010-01-08 18:10:15)(良:1票) |
60. ハイスクール!奇面組
メインキャラクターの五人が全員不細工というのは、改めて考えると凄い。 Dr.スランプ、ブラックエンジェルズ、そしてハイスクール奇面組。 当時の私としては、この三作品が少年ジャンプの三枚看板だったような気がする。 6点(2009-12-28 06:35:27) |